2017/03/24

超低出生体重児の教育問題 フォローアップへの不満をブログに書くと、アクセス数が増えるのはなぜ?

●フォローアップへの不満をブログに書くと、アクセス数が増える

たまたま超低出生体重児を育てているお母さんからコメントをいただいたので、フォローアップの問題点についてまとめてみた。


もうすぐ新学期なので注目されているみたい。アクセス数が伸びていく。私はブログランキングに参加していないので、検索して訪ねて来てくださる方がほとんどだろう。もちろん「嫌なことを書く人だ」と思ってみている方もいるだろうが…。


だけどずいぶん変わった。私が訴え始めた頃は医療者からのバッシングがすごかったし、同じ親御さんたちからは「先生たちに悪気はないんだし」ということも言われた。当時は、お世話になった先生や看護師さんに悪いじゃない、という雰囲気があったのだ。でも、24週未満の超低出生体重児が増え、「このままじゃいけない」という時代になったのかもしれない。


●医療に求めていないから訴えているのに、声が社会に出る前にかき消されていく


これがあの時書き込まれた医療者からの意見の一部。





私は、医療者に求めていなかった。私たちが生きていくのは、病院ではなく社会だから、外の世界に声を届けて欲しくて書いた。社会に訴えたつもりだった。やっとの思いで訴えたのに。私は絶望した。


●転送メールを送ってきた医師は、仲間の前でも「あんまり間に受けなくていい」と言うのだろうか?


前回公開した「このお子さんには、障害があるんじゃないですか」という転送メールを送ってきた医師は、周産期医療の特集などでマスコミに頻繁に取り上げられてる。


私はその医師や、所属する病院のNICUを特集した記事をみると、転送メール事件を思い出す。私には「あんまり間に受けなくていい」言ったが、仲間の前ではそういうことは口にしないだろうと思うからだ。


●人類学のような大きな視野でみて欲しい


私は超低出生体重児イコール「知的に遅れがある」というような捉え方は、あまりにも短絡的だと思う。超低出生体重児は大げさにいえば、科学の力によって、新しい人類を送り出しているようなものだと思うからだ。


お世話になった先生のお一人に、京大出身でアフリカのピグミー系集団の研究をしていた人類学の先生がいらした。アフリカの奥地で、ピグミーの方々と寝泊まりし、アカザルを一緒に食べちゃうような現場主義の研究者だった。その先生も医師免許をもっておられた。


最近いつもあの先生を思い出す。超低出生体重児の発達をみていく時には、私は人類学のような大きな視野でみて欲しいと思うからだ。


人の体は本当によくできている。お母さんのお腹の中はやっぱり保育器とは違うんだろう。母胎での一週間を、外の世界で取り戻すには、10年、いや、それ以上の歳月がかかるということじゃないのかな。


超低出生体重児がゆっくり育つって、本当はそれくらい深い意味があるんだと思っている。



●「病気で出席日数が減ると、評価を下げる」のが当然なのに、インクルーシブ教育を目指すという矛盾


だから超低出生体重児を、既存の教育システムの合わせようとすると当然歪みが生じる。もともと日本の教育は、型にあてはめようとする傾向が強いから、超低出生体重児には圧倒的に不利なのだ。「インクルーシブ教育」なんて、この国では無理だと思う。「病気で出席日数が減ると、評価を下げるのが当然」なんだもの。


子どもの命が消えそうな時は、「どんな姿でも生きていれば。命さえ助かれば」と思っていても、今の日本では、それだけでは生きていけない。保健師や医師だって私たちを追い込んでいく現実だってある。それが悪意でなく、善意からきているから、私のように「違う」と言える人が少なかったのだろう。


●新幹線と同じぐらい本当はすごいのに


私は息子が、中学の技術の授業で、新幹線の素晴らしさについて学んだ時にため息が出た。技術の先生は、新幹線が大好きで、新幹線に応用されている、高度な科学技術について詳しく説明してくれたそう。


息子は私ががっかりする理由がわからない「あなたは新幹線と同じぐらい、本当はすごいんだよ」と言ったら、キョトンとしていた。


そうだよね。実感できないよね。


もし私のブログを読んでいるのが、超低出生体重児(特に24週未満)を出産しようか悩んでいる方なら、現実を知ってよく考えて。あなたの周りにいる医療者は、伝えてくれないかもしれないから。
2017/03/22

超低出生体重児のフォローアップ ある発達小児科医の転送メール 『専門家』の気遣いが、かえって私たちを追い込むこともある

●『発達検診』にエビデンスはあるのか 私が失望した発達小児科医のメール


中学2年の一次関数小テスト
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同じように、超低出生体重児を育てているお母さんから、コメントをいただいた。お返事を書いていて、資料を探していたら、あるメールを見つけた。


私はいぜん、手記を書いて発表したことがあった。退院後のフォローアップにはもっと科学的なアプローチが必要で、教育支援は、医療者ではなく教育の専門家に任せるべきじゃないかと考えてきたからだ。


ところが取り上げてくれたのが、医療系のメルマガだったため、注目するのはどうしても医療者。


ある周産期医療に関わる医師が、医療者だけがみる掲示板に私の手記を投稿したそうだ。そこに書き込まれた意見を、私に転送してきたことがあった。私が「喜ぶ」と思って。


どんどん送られてきた転送メールを読んで私は愕然とした。ある発達小児科医の書いたメールに「障害があるんじゃないのか」ということが書かれていたからだ。


子供に必要なのは、社会的支援であり、「障害名」じゃないと言っているのに。また同じことの繰り返し。どうして医療者は、私たちの声をかき消そうとするのだろう?


ちょうど良い機会なので、問題のメールを公開しよう。私はこのメールを読んで、数日間食事が喉を通らないほどショックを受けた。だけど私はあの日決心した。「違う」というエビデンスを出してみようと心に誓ったのだ。

◇  ◇  ◇ 
※青は、私の書いた手記の引用
●●大学発達小児科の●●です。
(中略)
転載いただいた記事、普通見逃しやすい乳児胆石をものの数時間で診断できてしまうレベルの高さに感心したりついつい全部読んでしまいました。正書に載っている「NICU退院後の問題点」を読むのも大事ですがたったひとりの事例を具体的に読む方がよほど勉強になる面もありますよね。

 
私自身は今はNICU児には気管切開(〜人工呼吸)の児を在宅管理に持っていくというくらいしか関わってませんが、このメルマガで問題提起されている療育を含めた医療、福祉、教育の人的資源の不足感は私が関わっている小児神経学の領域でも私の地域では同じ問題点を感じています。 小児神経疾患であろうとNICU退院児であろうとその子が関わってくる医療福祉教育はその地域に共通のものなので。



手先の不器用さ、運動能力、読み書きなどには、若干の遅れがありました。特に困るのは、算数の授業です。数の概念が十分に身についておらず、一桁の計算がまだ完全ではありません。それに加え、日本語の理解不足から、言葉で説明している問題の意味が、よくわからない時があります。



この子はおそらく軽いLDなど発達障害が隠れているかも、と感じます。そういう子であれば、必要に応じて特別支援学級を利用していく手もありですが診断名がついてないと学校側はなかなか動かないですし、学校の先生ももしかするとそうした必要性を感じながら、「病院に行ってみて」と告知するタイミングを見計らっているのかもしれませんし、個人では必要と感じながらも予算や人的資源不足の関係で導入できない場合もあると思います。 


低学年の頃は「困り感」が目立たなくて高学年になってから支援が必要になる子もいますし。しかしすでにこの子は学習面で困っているようなので支援が必要な事例かもしれませんね。


発育発達検診へ行くのをやめました。体を大きく丈夫にすることを第一に考える私の方針と、問題点ばかりを指摘する担当医師の方針には、隔たりがあったからです。



このように、健診に行くのをやめた、というショッキングなことも書いてあります。そしてその理由にも反省させられました。果たして今まで自分はどうだったのか、と。健診に行かなくなったのも、学校でのもしかすると必要かもしれない支援の開始を遅らせている一因となっているのでしょうか。NICUを退院した一見問題ないように見える児の「ちょっと気になるところ」に就学前に気づいてあげて必要な介入をしていくことが大事だとこれを読んで思いを新たにしました。
◇  ◇  ◇ 

●私が手記に、個人的な事情を書かなかった理由 


私はこのメールを久しぶりに読んだが、やっぱり嫌な気持ちになる。あの頃は、先が見えなかったから、深く傷ついただろうな。ちなみにこの時、「もう転送するのはやめてください!」と私が言ったら、その医師が言ったのが「あんまり間に受けなくてもいいです」だった。今では、この時のやり取りは、私のブログの中でダントツにアクセス数が多い。


超低出生体重児のフォローアップ 「あんまり間にうけなくていい」程度のことが、子どもの将来を決めてしまうかもしれない その1


ところでメールを転送してきた医師は、夫が教員であることも知らなった。


夫の知り合いには厚労省や文科省の審議員をしておられる専門家もいる。その中のお一人は外務大臣から表彰された国際社会で活躍する言語学のプロだった。病院の発達検診が、あまりにも頼りなかったから、生まれたばかりの頃から、知り合いの専門家のアドバイスなどは受けていた。だからこそ訴えないと、という気持ちになったのだ。中には、明らかに間違っているアドバイスもあるからだ。


ただ、メルマガは個人的な経験をもとにしても、教育問題を社会に訴えるためのもの。細かい事情を書いてしまうと、読んだ方にすっと入っていかないかもしれない。あえて詳しく書かなかったのだ。


●私が反論しなかった理由 いっても無駄だと思ってしまったから


この時発達小児科医に反論しようとしたけれど、やめた。いくら医療者の内輪の議論でも、この方々の感覚に私はついていけなかったからだ。どこかで私たちを「素人だから」と、侮っているというか、見下しているような、そんな感じがする。私がなぜ不満に思うのか、理解しようという姿勢がみえない。


一番気になったのは「障害名」に対する人権意識だ。友人の医師や野田正彰医師などとは全く違う。そもそも診察してもいないし、私がお願いしたわけでもないのに「障害があるのでは?」とアドバイスするなんて、リスクマネジメントの観点からも、やってはいけないことだと思う。


●私が小児がんの議事録を読んで希望を持った理由 子どもの患者の人権について、きちんと議論していたから


このメール転送事件の時から、私は日本の小児医療に失望した。てっきり、ほとんどの小児科医が、子どもの人権を深く考えてこなかったのかと思ったら。ところが牧本事件について、調べている時だった。患者さんのお父様に教えていただき、議事録を読んで驚いた。小児がんの専門医は、子どもの人権について真剣に議論していたからだ。それも参考人に招致されたのは、ただの弁護士さんじゃない。お子さんが小児がんの経験者でおまけに人権の専門家という、ピッタリの方。


『どんなことがあっても息子の主治医は牧本先生』 小児がん専門委員会議事録を読む その1

(※第2回小児がん専門委員会議事録から、増子孝徳参考人のご発言を一部引用↓)
牧本医師と『小児がん患児支援 NPO法人エスビューロー』 インクルーシブ 「仲間はずれにしない」という考え方 その2


●フォローアップ体制を本気で充実させたいと考えているなら、ネガティブな意見も、取り上げるべき


最近の研究報告には、成人までフォローする、ということが盛り込まれるようになってきた。


体に関することなら賛成するけれど、「発達」を診るのは正直勘弁して欲しい。


もしも、フォローアップ体制を充実させたいと考えているなら、発達検診で嫌な思いをした私のような親の意見も、きちんと取り上げるべきだろう。今、私のまわりにいる専門家は、「(この子の場合は)もし支援級などを選んでいたら、がんばろうとしなかった」と皆、言っているんだから。
2017/03/20

超低出生体重児に教員は必要だけれど、日本の公教育が素晴らしいとは思えない…

●教員を増やせば、教育の質が向上するという根拠は、どうやって出せばいいのか?

また憂鬱な春休みがやってくる。


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1853年7月、アメリカのペリー提督率いる東インド艦隊4隻がやってきた、神奈川県横須賀市久里浜の海岸


宿題はまた増えそうだ。どう考えても、息子のペースでは間に合わないので、先週の半ばからずっとやり続けている。まだ『春休み』前というのに。なんとかならないのかと思っていたら、フリージャーナリストの前屋毅氏の記事を読んでがっかり。当分この状況は変わりそうにないみたい…。

◇  ◇  ◇
間近に迫った全国学力テスト、なぜ順位に血眼になるのか 前屋毅 | フリージャーナリスト 3/16(木) 9:50 一部引用

なぜ、文科省は競争を煽るのだろうか。その大きな原因が、財務省との関係にある。文科省も予算が無くてはやっていけないが、その予算を左右しているのが財務省なのだ。


教員の過重労働が大きな問題になっているが、それを根本的に解決するには教員の数を増やすしかない。そうすれば教員が子どもたちと向き合う時間も増え、教育の質も向上する。それもあって文科省は、教員の数を増やす計画を毎年のようにつくってきた。


これに、財務省は真っ向から反対しつづけている。財務省方針を正当化する仕組みが財政制度審議会(財政審)である。そこでまとめられた2016年度予算についての「予算の編成等に関する建議」を見ると、教員を増やすことが「教育効果に関する明確なエビデンスと、それに基づく必要な基礎・加配定数の配置を科学的に検証した結果を根拠とするものではない」としている。教員を増やしたからといって教育の質が向上するという根拠はない、というわけだ。


昨年8月にも文科省は、2017年度からの10年間で公立小中学校の教員定数を約3万に増やすという計画をまとめた。これに財政審の「2017年度の予算の編成等に関する建議」は、「現在の教育環境である『10クラス当たり約 18人の教職員』を継続する前提で試算すれば、クラス数の減少に伴い、平成 38年度の教職員定数は約 64万人(対平成28年度比企4.9万人、企7.2%)となる」としている。教員を増やすという文科省の方針に対して、財務省は現状維持でいいから5万人近くを減らせるという姿勢なのだ。


こうした状況を変えるには、力関係しかない。それには、成果である。文科省の施策が成功しているという成果を示せば、財務省としても文科省に反対しにくくなる。


しかし困ったことに、教育は短期間で成果を示せるものではない。そもそも成果を示すこと自体がむずかしい。それでも力関係のためには、目に見えるかたちで成果を示すしかない。そのひとつが、全国学力テストである。全国学力テストの成績が上がることは、文科省の施策の正しさを示すことになり、存在感を増すことにもつながり、財務省との力関係を優位にもする。

◇  ◇  ◇

●超低出生体重児には教員が必要だけれど、日本の公教育が素晴らしいとは思えない


もっとも私はこちらの記事で、大前研一さんがおっしゃっていることも、その通りだと思っている。今の文科省や教育委員会が子ども達にやらせていることって、与えられたことだけをこなすような感じ。


大前研一氏が斬る「就活」 「新卒一括採用」に国際競争力なし 「就活」が日本をダメにする 伊藤 悟 (Wedge編集部)


●勉強をやらせるのは、超低出生体重児の教育支援のためにエビデンスを出すため 「ウチの子には可能性があるんです!」じゃ何も変わらないから


私が息子に宿題を不本意ながらやらせているのは、超低出生体重児の教育支援のためにエビデンスを出すためだ。「ウチの子には可能性があるんです!」だけじゃ変わらないと思うからだ。こちらの超低出生体重児の成長の記録は、世界中で感動を与えたそうだ。再生回数が物語るように皆が感動するけれど、退院後の生活は茨の道が続く…。変えていかないと、後に続く人たちが大変だ。




大前さんのお子さんのドロップアウトというのは、私の息子の『できない』とは訳が違う。大前さんのように影響力の大きい方の発言ばかり取り上げられると、本当に困る。超低出生体重児や、小児がんのお子さんや、その他の病気や障害を抱えた子供たちとは事情が違う全く違うからだ。


そういう個人的な事情がなければ、私は日本の公教育が素晴らしいと思っていない。


●教育講演の不都合な真実 参加する保護者は『サクラ』ばかり


ただ、日本の公教育が変わらないのは、学校や文科省の責任ではなく、私たち大人のせいでもあると思っている。


例えば、PTAで毎年教育講演を開催するけれど、講演にくる保護者は一人一役の『サクラ』ばかり。『サクラ』がくる教育講演っておかしいと思うし、『サクラ』を集めるくらいなら、講演会をやめ、会費を安くしてもいいだろう。イヤイヤそれより、教育現場が『サクラ』を黙認する姿勢が納得できない。


以前、役員をしていた時に、「やめてもいいんじゃないか」というような提案をしたことがあった。でも皆「そうですね」とは言うものの、結局変わらなかった。


●異論、反論、対案が出ない「道徳授業地区公開講座」


昨年、道徳授業地区公開講座に参加した(一人一役で参加しないといけなかった)時も同じように疑問を感じた。

◇ ◇ ◇
平成28年度 道徳授業地区公開講座の開催について 東京都
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「学校・家庭・地域社会が一体となった道徳教育」を目指すというが、『森友学園』の教育のようになったら困る…
◇ ◇ ◇

私が一番違和感を覚えたのは、「道徳」の公開講座というのに、参加者から出るのは賛同する意見ばかり。異なる意見が全くでなかったことだった。はじめから、異論が出せないような設定にしたのかもしれない。当日、東京都からいらしたという偉い方を、褒め称えるような雰囲気で、私は非常に居心地が悪かった。まるでどこかの国のようだと思ってしまったからだ。


しかも当日保護者に配られたプリントには、その公開講座が、東京オリンピックと関係があり、「心の改革」を目指しているようなことまで書いてある。


●テロの脅威 話し合いだけでは解決が難しい問題もある


オリンピックといえば、私はどうしてもテロを思い出してしまう。自己紹介にある通り、テロは身近だから。


世界情勢がこれだけ混迷を極めているというのに「話し合いで解決しましょう」というなごやかな雰囲気やまとめ方についていけなかった。よほど手を上げて発言しようとしたけれど、さすがに雰囲気をぶち壊すようなことはできなかった。後日感想を求められたので、「オリンピックを念頭に置くなら、テロなど、話し合いだけでは解決できないこともあると教えて欲しい。『話せばわかる』と逃げなかったら、殺されるかもしれません」と書くのがやっと・・・。


この会に参加して、痛烈に感じた。日本は「多様性を」と口にするが、本当に多様性を、受け入れられるのだろうかーーーー


●もしカナダなら、「先生の意見は、典型的な白人男性の意見ですね」なんて生徒に批判されることも


もしカナダで、同様の会を開催したら、もっと辛辣な意見も飛び交うだろう。例えば「あなたの意見は、典型的な白人男性の意見だ」なんて男性教員が批判されたりする。生まれ育った国や信仰する宗教などによって、「良い」「悪い」の価値観が違うからだ。


異論とか反論がバンバン出されて、議論を深め、一つにまとめていく、という感じではないよね。この日私が感じたのは、日本の教育が、世界から取り残されていくんじゃないか、という危機感だった。


息子が公立中学に通うようになって知ったけれど、最近の公立校には、外国籍のお子さんも明らかに増えている。それも、アジアやブラジルなどでなく、昔はほとんどいなかったような国からのお子さんが。日本はじょじょに国際化が進んでいる。


幕末に一世を風靡した、「泰平の眠りを覚ます上喜撰 たつた四杯で夜も眠れず」という狂歌を、息子は日本史で習ったばかり。あの狂歌が最近頭から離れない。


そう遠くない日に日本の公教育で、同じようなことが起きるかもしれないから…。
2017/03/17

自民党ワクチン政策に関する議員連盟事務局担当は、新日本パブリックアフェアーズの座間恵美子氏か?

●2010年4月22日の行われた『子宮頸がんを撲滅するためのワクチン普及のためのシンポジウム』の案内

前回引用した仲田洋美医師のブログに書いてあった、新日本パブリックアフェアーズの座間恵美子氏について、気になって調べてみた。業界で誰もが知る事実だとしたら、どこかに痕跡が残されていると思うからだ。


ヒントはやはり『医療志民の会』だろうか?


そう思い、『医療志民の会』から送られてきたメールマガジンを読み返してみたら、それらしき痕跡を見つけてしまった!メルマガに告知されているシンポジウムのお知らせは、以下のメルマガをみればわかるように、当時、あちこちに拡散されたようだ。私の手元にもあったのに全く気づかなかった。

□*■*□*■ 週刊がんもっといい日ニュース ■*□*■*□

◇  ◇  ◇
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<子宮頸がんを撲滅するためのワクチン普及のためのシンポジウム 概要>

日時: 2010年4月22日(木) 14:00~15:00
場所: 星陵会館(都立日比谷高校敷地内)
東京都千代田区永田町 2-16-2
電話番号:03(3581)5650

基調講演: 今野良(自治医科大学付属さいたま医療センター産婦人科教授)

講演:
木戸寛孝(子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会事務局長)
三原じゅん子(女優)

パネルディスカッション
鴨下一郎(衆議院議員/自民党政務調査会長代理/ワクチン議連会長)
塩崎恭久(衆議院議員/自民党政務調査会副会長/ワクチン議連副会長)
今野 良(自治医科大学付属さいたま医療センター産婦人科教授)
木戸寛孝(子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会事務局長)
三原じゅん子(女優)
松本陽子(NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会理事長)
臼井あかね(Ribbon Movement(女子大生による子宮頸がん啓発活動)代表)
司会 西村康稔(衆議院議員/自民党政務調査会副会長兼事務局長/ワクチン議連事務局長)

【本件に関するお問い合わせ先】
自民党ワクチン政策に関する議員連盟事務局 担当: 座間(ざんま)

◇  ◇  ◇

もう、ねぇ…「普及活動にはプロのロビイストやPR会社が関わっているんですよ」と、はじめから告知して欲しいよ。これじゃあ「騙された」と私が思っても、仕方がないと思いませんか?


●アメリカでは、ロビー活動が可視化されている


最後に『おはよう寺ちゃん活動中』というラジオ番組を文字に起こしたものを再掲載しよう。放送では、発売されたばかりの週刊金曜日(2013年10月)に掲載された、子宮頸がんワクチンのロビー活動の特集について、編集長の平井康嗣氏がわかりやすく解説していた。当時あまりにも驚いて、何かに突き動かされるように、文字に起こしたのだ


先ほどのメルマガと読み比べれば、何が問題なのかよ〜くわかると思う。


週刊金曜日がロビー活動について報道するまで私は悲惨だった。何しろ、これまで日本の医療では、プロのロビイストが大っぴらに活動するなど、なかったようだから。私は「疑うのはあなたの心の問題」とか、あげくは「人格」のせいなどと批判されていた。精神医療の被害を公言している私にとってもキツイ批判だったから、真相を知った時の衝撃は今も忘れられない。きっと私の心が折れるように、あえて「心」や「人格」のせいにしたんだろうね。
◇  ◇  ◇

文化放送『おはよう寺ちゃん活動中』で放送された内容を一部引用
「子宮頸がんワクチンの真実!主役はロビイストとPR会社」

寺島尚正アナウンサー
「広告代理店が動いた」ということはですね、ビジネスの側面というものもあったんですか?

週刊金曜日 平井康嗣編集長
最初の電通が動いたという点はわからないと。ただその後、ロビイング会社が動いていてそれは明らかに商業ベースで動いていますね。

寺島
ロビー活動ってよく聞きますけれども、特定の主張とか目的を政府に働きかけていくと、こういうことですけれども、それを主とする会社ですね。日本にもあるんですか?

平井
ええ。米国では非常にロビイ団体、ロビー活動って有名で、その活動事態可視化されているんですね。日本でも最近、ロビー会社っていうのが非常に増えていて今回の調査でも私も新しく知ったこともあるんですけれども、このロビイストは企業を顧客としている。今回の場合はグラクソ・スミスクラインです。そして永田町や霞ヶ関に働きかけていくと。それで政府機関を動かしていくと。そういう活動をしているわけです。国会議員秘書だったり永田町の言語というか論理に詳しい人を雇って、活動していくわけです。こうすれば、こう動くと。世論をこう形成して、こうやっていけば官庁が動いて立法化されると、こういうことをよく知っているわけです。

寺島
ワクチンの承認とか定期接種化、これはやはりロビイストの活動、これが大きく効果があったということですか?

平井
はい。「大きかった」とは言えると思いますね。働きかけるプロですから。いろいろな市民団体を作ったり、患者団体にお金を出すということも間に入ってコーディネートしたりとかしているらしいですし、勉強会をやったりシンポジウムをやったりとかメディアを使ったりとか、本当に上手い、宣伝のプロであり、黒子でもあるんです。見えないビジネスの一つなんじゃないですかね。

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2017/03/16

『医療志民の会』について 『がん対策基本法』から『医療志民の会』そして『公費助成運動』『医学部新設推進』へ

※『医療志民の会』という任意団体について以前書いた記事へのアクセスが増えております。多数のお問い合わせをいただいたので、新しい情報を付け加え再掲載しました。『医療志民の会』とは2009年4月に誕生した任意団体で、医療をよくしたいと願う医師や市民、政治家が集まってつくられた任意団体のことです。現在は活動を休止しているようです。

〜『がん対策基本法』から『医療志民の会』そして『公費助成運動』『医学部新設推進』へ 〜

【2005年10月〜2016年3月】
アインファーマシーズの寄付講座『東京大学医科研所先端医療社会コミュニケーションシステム』が東京大学医科学研究所に設置される。
http://expres.umin.jp
(※肩書きは当時)
●特任教授  上昌広
●客員研究員 久住英二(2008年2月からナビタスクリニック立川院長 2014年1月より医療法人社団鉄医会理事長)


※2016年3月22日、『全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会』が東京大学とアインホールディングスに対し、医療法人社団鉄医会ナビタスクリニックの利益相反などを問う公開質問書を提出
「東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携部門」に関する公開質問書
「東京大学医科学研究所先端医療社会コミュ二ケーションシステム社会連携部門」に関する公開質問書(アインホールディングス版)

※参議院議員時代の鈴木寛氏の政策実務活動歴には、業績として『ナビタスクリニック』が掲載されている
http://suzukan.net/gyoseki.html


【2006年6月】
がん対策基本法が議員立法で成立する
『NPO法人健康医療開発機構』が設立される
http://www.tr-networks.org/usr/NPO-usr-103.html
(※肩書きは当時)
●事務局 上昌広(東京大学医科研)    
●理事  土屋了介(国立がんセンター中央病院院長)


【2006年か2007年頃】
新日本有限責任監査法人の子会社である新日本パブリック・アフェアーズ株式会社が、グラクソスミスクライン社との間でロビイングの委託契約を締結
http://shueisha-int.co.jp/vaccine/vaccine09.html)

【2006年11月】
『現場からの医療改革推進協議会』
 第1回シンポジウム
(http://plaza.umin.ac.jp/expres/genba/symposium01.html)
(※肩書きは当時)
●発起人 土屋了介(国立がんセンター中央病院 院長)
●    黒岩祐治(フジテレビ報道局解説委員)
●事務局 上昌広 (東京大学医科学研究所)
●    鈴木寛 (参議院議員)


【2008年2月21日】
『医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟』
設立。
http://medg.jp/mt/?p=438
(※肩書きは当時)
●会長    尾辻秀久参議院議員(自民党)
●会長代理  仙谷由人衆議院議員(民主党)
●副会長   坂口力衆議院議員(公明党)
       塩崎恭久衆議院議員(自民党)
●幹事長   鈴木寛参議院議員(民主党)
●幹事長代理兼事務局長 世耕弘成参議院議員(自民党)
●副幹事長  西田実仁参議院議員(公明党)
●事務局次長 萩生田光一衆議院議員(自民党)
       足立信也参議院議員(民主党)


【2009年4月】
麻生太郎政権でまとめた「日本経済再生への戦略プログラム」の中に、(主にがん医療において)未承認薬などの審査を迅速にするよう提言が盛り込まれた。
(http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226482506651)
日本経済再生への戦略プログラム (中間報告案) 2009年3月30日 自由民主党政務調査会 日本経済再生戦略会議
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●海外では承認されているが国内では未承認となっている医薬品ががん等の分野で存在。(約14の未承認薬、他に600件程度のいわゆる適用除外)

●がん・小児等の未承認薬などの集中治験(臨床研究)審査体制を早急に確立(上記600件程度の中から選定して実地)スーパーファストトラックの創設 : 優先審査

●未承認薬などの治験を3年以内に終了。

●スーパーファストトラックの対象となる未承認薬等については審査期間を6ヶ月までに短縮(従来の審査期間 : 12ヶ月)。

●その他の医薬品についても承認までの期間を2.5年、医療機器についても1.5年以内に整備


【2009年4月15日】
自民党の日本経済再生戦略会議(会長=町村信孝前官房長官)が、未承認薬支援を了承。
(http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226551178639.html?pageKind=outline)


【2009年7月21日】
長妻昭厚生労働大臣へ以下の23団体が、子宮頸がんワクチンへの公費助成を求め、要望書を提出。子宮頸がんワクチンの公費助成運動の共同代表、女優の仁科亜季子氏癌研究会顧問の土屋了介氏も同席。
http://shueisha-int.co.jp/vaccine/vaccine09.html
●医療構想・千葉
●医療法人社団 ゆうあい会 ゆうあいクリニック
●財団法人日本対がん協会
●子宮頸がんから女性を守るクリック募金
●子宮頸がん征圧をめざす専門家会議(子宮頸がんゼロプロジェクト)
●子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会
●市民のためのがん治療の会
●社団法人ティール&ホワイトリボンプロジェクト
●社団法人日本産科婦人科学会
●社団法人 日本病院会
●全国医学部長病院長会議
●全国骨髄バンク推進連絡協議会
●特定非営利活動法人 子宮頸がん啓発協会 Think Pearl
●特定非営利活動法人 子宮頸がんを考える市民の会
●特定非営利活動法人 日本婦人科腫瘍学会
●日本癌治療学会
●日本臨床腫瘍学会
●八王子内科クリニック
●らんきゅう 子宮がん・卵巣がん患者による患者のためのサポートグループ
●卵巣がん体験者の会スマイリー
●リボンムーブメント
●リレー・フォー・ライフin福岡実行委員会
●『I know』プロジェクト。



集英社インターナショナルで「子宮頸がんワクチン問題を追う」を連載しているジャーナリストの斉藤貴男さんは「医療機関や学会をさて置けば、草の根的な市民グループが目立っていたのが大きな特徴」と感想を述べておられた。


私はこのメンバーに見覚えがあった。


こちらは、県立福島大野病院事件の後の2009年4月11日に設立された『医療志民の会』という会だ。私も設立シンポジウムに参加したからよく覚えている。医療崩壊をくい止めたいと願う医療者、患者、市民が参加した草の根の運動だった。

医療志民の会ニュースblog
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前の年(2008年)に民主党から出馬宣言した、元薬害肝炎原告団の福田衣里子氏が参加していたのが印象に残っている。その他にも政治家が参加していたが、当時民主党に所属しておられた鈴木寬議員梅村聡議員、薬害エイズで有名な川田龍平議員などいずれも民主党に関係のある政治家が多かったように記憶している。(自民党の橋本岳議員から応援メッセージあり)シンポジウムの司会をしておられたのは、現神奈川県知事の黒岩祐治氏

医療志民の会 参考資料2  発起人一覧
http://lohasmedical.jp/blog/kawaguchi/PR.pdf
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(※肩書きは当時)
●上昌広(東京大学医科学研先所)
●黒岩祐冶(フジテレビ報道局 解説委員)
●土屋了介(国立がんセンター中央病院院長)
●久住英二(ナビタスクリニック立川院長)


(※当日の様子を伝える報道。今と違って、医療者と市民とが同じ方向を向いていたことが伝わると思います。↓)
「医療崩壊食い止めたい」 患者や医師が立ち上がる 2009/4/13 j-cast 


興味深いのは、この『医療志民の会』が「子宮頸がんワクチンの公費助成」や「医学部新設」をすすめてきた、ということだ。例えば、『子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会』という公費助成を求める任意団体のwebサイトが、アーカイブに残されている。発起人をよくみると、『医療志民の会』のメンバーと似ていることがわかる。それもそのはず、『子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会』の事務局長木戸寛孝氏(世界連邦21世紀フォーラム代表)は『医療志民の会』の事務局長でもあるからだ。

子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会 発起人一覧 
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※追記 
http://www.minerva-clinic.jp/blog/14-2朽ちた権威/
※仲田洋美医師のブログの情報を参考にまとめました
●子宮頸がんワクチンのロビー活動を、元国立がんセンター中央病院長で現在、神奈川県顧問の土屋了介医師にお願いしたのは、慶應義塾大学医学部名誉教授で現在、内閣官房参与(第2次安倍内閣。少子化対策・子育て支援)の吉村泰典医師

内閣官房参与の吉村医師は、改ざんグラフを持ち込み、出産を誘導したとして、現場の研究者から猛反発された
※田中重人東北大学文学部准教授が提出した質問書
改ざんグラフを持ち込んだ吉村泰典内閣官房参与と関連専門9団体への質問状

●実際に23団体を取りまとめたのは、新日本パブリックアフェアーズの座間恵美子氏

●座間氏は、新日本パブリックアフェアーズだけでなく、新日本有限責任監査法人にも所属している

●新日本有限責任監査法人は、上昌広特任教授の寄付講座の寄付元、アインファーマシーズの監査を行っている




【2009年8月】
厚労省「薬事・食品衛生審議会」の「医薬品第二部会」で、グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」を優先審査に回すことを了解。


【2009年10月】
グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」4ヶ月のスピード審査で承認される。


【2013年9月〜2016年11月】
黒岩祐治神奈川県知事が、日本版ACIPを目指し『神奈川県予防接種研究会』を設置する。

(当初の構成員が記載されている、当ブログの記事http://sakura4747.blog.fc2.com/blog-entry-821.html
(※肩書きは当時)
●横田俊一郎(県小児科医会会長)
●片岡正(かたおか小児科クリニック院長)
●久住英二(ナビタスクリニック川崎内科医師)
●岩田眞美(横浜市健康福祉局健康安全部医務担当部長〔健康安全課長〕)
●小山万里子(ポリオの会代表)
●高畑紀一(+Actionfor Children代表)
●東恵子(特定非営利活動法人シャーロックホームズ理事長)
●川口恭(ロハス・メディカル発行人)


※その後2015年9月2日、『全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会』から黒岩知事に、久住氏と川口氏の利益相反行為を問う公開質問書が提出される
http://consumernet.jp/?p=2584


【2015年11月】
政府は国家戦略特区に指定している千葉県成田市に、医学部を新設する計画を正式に認める。


【2016年】
3月に国際医療福祉大学が文部科学省へ医学部の設置認可申請を行い、8月31日付で、文部科学大臣より正式に認可される。
(国際医療福祉大学の医学部の新設について文部科学大臣より正式に認可されました 千葉県成田市)