2018/07/02

超低出生体重児の長期予後 『臨床研究』は誰のためにあるのか? 私の『レジリエンス』を潰そうとした人達

●私が、超低出生体重児の長期予後に関する「査読あり」の英語論文を出してもらおうと思った理由

あと5年ぐらい経ったら、超低出生体重児の長期予後に関する論文を出してもらおうと思っている。


もちろん「査読あり」の英語の論文だ。なるべく多くの人に届くように、生理学系から出してもらおうと思う。


ある程度の結果は、高校に入学した時点で出たと思う。けれど、もう少し続けようと思う。


なぜなら研究者の関心は、超低出生体重児の長期予後にうつってきており、とりわけ関心が高いのは、思春期の発達、キャッチアップのメカニズムなどだと思うからだ。


●医療者は教育者ではないから、わからない

高校の先生には面談で「英検でも数検でもスキー検定でもいいから、客観的な指標になるテストを受けさせたい」と伝えた。理由は、「医療者が出す論文は超低出生体重児の可能性を否定するような内容も多いし、すぐに『〇〇障害』のような障害名をつけようとする。だから誰でも納得する『結果』を出して『違う』と言いたい。医療者は教育者ではないから、わからないんだと思います。教育の力で子供は変わることを証明したいのです」と説明した。


息子が入学した高校は、不登校の学生や発達障害がある子供を積極的に受けれることで実績をあげてきた。ここにきて、需要が高まっているのか、メディアで取り上げられる回数がグンと増えている。教員の間では知られている学校だ。


もともとそういう学校だから、先生はよく知っている。先生も結果を出しているから、私の考えにすぐに賛同してくれた


私は学生時代、今の息子とは正反対の怠け者だった。隙があれば学校をサボり、カンニングをして捕まったこともある。その私が、こういうことを言うなんて思いもしなかった。


でもそれだけ人は変わる。


●16年間で変わったこと 成育は我が国のナショナルセンターに相応しい病院だと喜んでいたのに…

私は息子が生まれた直後、未熟児を育てているお子さんのブログや専門家が出した様々な文献を読み漁った。レジデント用の教科書なども何冊か購入した。


その時に気づいた。


息子は24週の超低出生体重児としては、状態がとても良い。


「これはもしかしたら」と思った。


大切に育てたら、世界的な症例になるかもしれない。


日本の医療技術の水準の高さが一目見てわかるような症例だ。


その頃、そう思ったのは私だけじゃなかった。


友人の医師をはじめ、NICUを退院してからお世話になった街の先生たちも皆、息子を救命した国立成育医療センター(当時の名称)の医療技術の素晴らしさに感心していた。息子をみるとスタッフが近寄ってきて「さすが、我が国のナショナルセンターはすごい!良い病院ができて良かった!」と口々に褒め称えていた。


●なぜ、退院後の支援が「病気」や「障害」にすり替わるのか?

雲行きが怪しくなったのは、私が育児相談ということで育児心理科を受診して(受診させられて)からだ。


「息子の発達が遅い」と不安を口にすると、私の「心の病」、あるいは息子の「発達障害」じゃないかとされる。


何故エビデンスもないのに、簡単に「病気」や「障害」にしてしまうんだろう?


そこで、インタビューや手記で子どもの習熟度と、現在の学校制度があっていない、ということを問題提起しようとしたら、ありとあらゆるところから反発された。同じような反応しかかえってこない。


とても不思議だった。


そういう私たちをみてきた友人の医者は、高校に入学した息子をみて、とうとう、このように嘆くようになってしまった。


「成育ができた時はすごい医療機関ができたと思ったんですけれどね…。16年もあれば、支援もやりようがあったでしょう。でも、(2人に)障害がないこともわからないんじゃ、しょうがないか」と苦笑していた。


●「臨床研究」は誰のためにあるの? 私の『レジリエンス』(困難な状況を克服し、生き延びる力)を潰そうとした人達は誰なのか

成育は息子が生まれる数ヶ月前に、新規設立された。だから息子は、成育が設立されて一例目の24週の超低出生体重児だ。前置胎盤による出血が止まらなくなり、私の手術は前倒してはじめられた。ちょうど夕方で帰る支度をしていた医療者が、手術室に戻ってきてくれたため、万全の体制で手術が行われた。


成育の新規設立も、私の出産とその後の入院にも、国民の税金が使われている。日本には国民皆保険制度があるため、私たち家族が窓口で支払うお金は、総額からすれば微々たるものだ。


感謝しないとバチが当たると思った。私は我が国のナショナルセンターの一例目に相応しい、世界一の症例を目指そうと頑張ってきた。


だけど、あの時命を救ってくれた医療者に、行く手を阻まれるとは思わなかった。


いや、「阻まれる」というような生易しいものじゃなく、次々、猛タックルされるような感じだ。


まさか、成育の公式サイトに書かれていた「我が国は基礎医学では世界をリードしているが、臨床医学はそう言える状況ではない」ということを身をもって体験することになるとは思わなかった。


日本の周産期医療は世界一だと思っていたけれど、そうじゃないのかもしれない。


何より『臨床研究』って、誰のためにあるんだろうと思う。


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成育の『育児心理科』は、なぜ『ベゲタミン』や『エリミン』を外来患者に処方できたのか? 私の副作用報告を握り潰したのは誰なのか? その1

超低出生体重児の就学(教育)問題  『障害名』をつけるのは最後の手段にするべき 教育問題は、教育の専門家で議論して欲しい その1
2018/06/29

超低出生体重児と虐待 週刊文春「保育大手ポピンズの疑惑報道 『国家戦略特区に新たな“お友だち” 女性経営者の打算』」を読んで 前編

●なぜ、今、保育や教育の「質」が問われるのか?

最近、超低出生体重児と虐待に関する記事へのアクセスが増えている。その中でも特に多いのが、病児保育で有名なNPOについて書いたもの。


保育や教育の「質」について書いた過去記事
『女性保育士を薄給でこき使うな』 駒崎弘樹氏と認定NPO法人フローレンスは控訴中? 

超低出生体重児の長期予後 教育問題は『アウトソーシング』で解決できるのか?

認定NPO法人『フローレンス』監事 原武之弁護士と『外国人技能実習生』の不都合な真実 



おとといの夕方、昨日発売された週刊文春の予告を見て驚いた。私が以前ブログに書いた「保育の質」は旬の話題なのかもしれない。









●中学時代一人だけ英語の教科書が読めなかったのは、障害のせいじゃなくて、「習熟度」があっていないから

息子は高校に入学したら、中学時代とは全く別人のように毎日、机に向うようになった。高校の売り、「習熟度別」の授業のおかげで、はじめて勉強が楽しいと思うようになったと言っていた。


超低出生体重児には刺激が大切だが、一方でそれ以上に重要なのは「質」だ。いくら療育施設が不足しているからといって、どこでもいいわけじゃない。効率性を求めるような経営者に療育や教育は任せられない。自分でやったほうがいい。


超低出生体重児と『発達障害』 「急拡大する『発達障害ビジネス』その功と罪」を読んで

超低出生体重児と『療育』 お金の匂いを嗅ぎつける業者が本当に多い… 前編



息子は、今、留学を目指して英語の勉強に力を入れている。ほんの数年前まで英語の教科書がクラスで一人だけ読めず泣いていた息子が、劇的に変わった。


長期的な予後が解明されていない超低出生体重児の可能性は、私が思っていたよりも遥かに大きいかもしれない。適切な時期に、適切な働きかけをすれば、可能性がグ〜ンと広がるかもしれない。


あの時私は「一人だけわからない」と泣いている息子を見て焦って、駅前の個別指導塾に入れた。今思うとあまりに短絡的な考えだけれど、私の不安は手っ取り早く解消できた。もしあのまま、塾の甘い言葉を信じ、大金を払い続けていたらーーーーーー


文春を読んで急に怖くなった。可能性を潰していたと思うから。



続く
2018/06/29

超低出生体重児と虐待 週刊文春「保育大手ポピンズの疑惑報道 『国家戦略特区に新たな“お友だち” 女性経営者の打算』」を読んで 後編

●週刊文春2018年7月5日号 国家戦略特区に新たな“お友だち” 「安倍昭恵さんを慰める会」を主催する女性経営者の打算


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それでは文春には何が書かれていたのかーーーーー


はじめに、保育大手ポピンズナーサリー会長中村紀子氏(69)について。中村氏はどのような経歴の経営者で、どのように名を成していったのだろう?


中村氏は意外なことに元アナウンサーで、一代で事業を拡大させてきたやり手の経営者だという。それも、今まで全く気づかなかったが、昭和の時代に子供達をテレビに釘ずけにした人気テレビ番組、「川口浩探検隊」で、リポーターを務めていたこともあるという。華やかな雰囲気の女性だ。





中村氏が頭角を現したのは第二次安倍政権発足後。2013年、安倍首相が「アベノミクス三本の矢」として「待機児童解消加速化プラン」を打ち出してからだそうだ。


2013年6月、安倍政権が掲げる「女性活躍社会」に合わせ、中村氏が代表を務める女性経営者の交流団体 JAFEを再始動させ、 12月の発足式に安倍首相の参加をこぎつけたのだそうだ。


中村氏が政府に求めたのは、認可保育所での保育士配置基準の緩和だった。国が定めた配置基準などの規制が緩和されれば、保育士の数が基準に満たなくても、国や地方時自治体から多額の補助金が支給され、施設の増設が進めやすくなる。この時、規制緩和のために中村氏が切り札にしたのが、「国家戦略特区制度」の活用だったという。


●教員免許があれば誰でもいいのか?小学校の美術の先生が保育園で子供の世話をしてもOK?

彼女が提案したのは「保育士の代わりとして、幼稚園教諭や小学校教諭の資格を持つ人も認めて欲しい。その方が、保護者の満足度が高いから」というものだった。


この提案に対して厚労省の関係者のコメントが掲載されていた。


「保育士と幼稚園教諭の役割は違う。小学校教諭の免許があれば、ということになれば、美術の教師でも良いことになる。保育士は子供の発達支援や安全の確保などの専門知識が必要だという考えで、制度が作られている。中村氏の考えは、自分の事業のために規制を緩和しているようなもので、保育士の質は二の次のように思える。厚労省相手では埒が明かないから、政治の力を頼りに内閣府で特区提案したのでしょう」



●女性と子供のためじゃなくて、事業拡大のために規制緩和を求めてきたのでは?

中村氏は構造改革特区の専門委員を務めていたこともあり、内閣府の影響力もあったそうだ。


安倍政権の下で規制緩和は着実に進んで行った。


例えば、認可保育所での保育士100%の配置基準は16年から緩和された。中村氏の要望通り幼稚園や小学校の教諭の免許でも勤務が可能となり、朝夕などはパート勤務も認められるようになった。この時、企業主導型保育も解禁され認可保育所と同じ水準の補助金が支給される制度もできた、ということが書かれている。


●安倍政権発足時には70億だった売り上げが、17年度には2倍の約140億に ただし保育事業の収入の半分は、国や地方自治体の補助金

ポピンズは、安倍政権下で実に112施設もの施設を増設し、調査会社によれば、安倍政権発足時には70億だった売り上げが、17年度には2倍の約140億に増えたという。


ところが、ポピンズの保育事業の収入の半分は、国や地方自治体の補助金だという。


●保育園の人件費が概して低い その中でもポピンズは非正規職員が多く50%にとどまっている


この後の記事の後半では、保育士の待遇などが改善されていないことが暴露されていた。


注目すべきは、保育所の問題を追求しているジャーナリストの猪熊弘子氏のコメントだった。猪熊氏は「そもそも企業体質が、保育士不足を引き起こしているのでは」と疑問を投げかける。


「株式会社経営の保育園は概して人件費が低いのですが、ポピンズの場合は非正規職員が多いこともあって50%にとどまっているのでしょう。ポピンズは保育士が少ないと主張し規制緩和を求めてきましたが、大量採用しても大量離職する状況が続いています」



ポピンズの関係者もこのようにコメントしている。


「保育士争奪戦のために、やむをえず待遇をあげるというスタンスで、部下が待遇改善を訴えても、聞く耳を持ちません」




●お金をかけるのは施設の増設や内装 経常利益の3分の1を会長が持っていく 化粧品代と衣装代、海外視察での高級ホテル宿泊代やお土産代までも経費で落とす

それでは、保育士の人件費に回されなかったお金は、何に使われるのかというと、やっぱり!「高級イメージ路線で事業の拡大を狙っているので、施設の増設や内装を豪華にすること」だという。


別のポピンズの関係者のコメントにも驚く。国税局が興味を持ちそうな内容だからだ。ここまで文春に書かれるということは、きっと面白く思っていない従業員が何人もいたのだろう。


「(ポピンズは)中村会長が大株主の未公開企業であるため、経常利益の3分の1を会長が持っていく」

「社長室の家具は、イギリスのハロッズから買い付けたもので、普段の化粧品代と衣装代、海外視察での高級ホテル宿泊代やお土産代までも経費で落とす。上場の話がでても、こうしたお金の使い方で、2度も立ち消えとなりました」



いつものことだけれど、行政が事業者に出す補助金の原資は私たちの税金なのだから、補助金がどのように使われたのか、最後まで見届けるべきだ。


超低出生体重児の教育支援が相変わらず乏しいのは、こういう事業者にばかりお金が流れていくからじゃないのか?久しぶりに怒りがこみ上げてくる内容だった。


●いわゆる「公共会計」の問題 補助金の使い道を、 「良いことをしているんだから」できちんと検証しなくていいのか

記事を読んで疑問に思うのが、冒頭に書いたことだ。今回文春が私たちに投げかけた疑惑は、NPOにも通じる話題じゃないかと思うからだ。実は病院で働くボランティアの間でも、補助金が実際に何に使われているのかは関心が高い。



なぜなら福祉関係のNPOは親族経営も多くその上、労働力を無償のボランティアに頼ることも多いからだ。「ボランティアには交通費も支給しなくてもいいから、儲かるに決まっている」と、不満を口にする人も多いのだ。


病院で働くボランティアの多くは定年退職した方だ。ちょうど団塊の世代とその上の世代。彼らよりも下の世代になると、生活に余裕がある人は減って行くだろう。


そういう時代を迎えた時に、「こども病院」の経営はどうなるんだろう?今でも兄弟児の預かり保育をボランティアに頼らざるを得ないほど切迫しているのに。


何よりも私たちが収めている税金は、本当に適正に使われているのだろうか?


「社会貢献」という名の下に、様々な人たち(御用学者をはじめ、私たち当事者を参加させず、支援を決めてしまう医療者を含む)に搾取され、本当に困っている人には支援が届かない仕組みになっているんじゃないの?
2018/06/24

超低出生体重児と虐待 私が警察と連携した方が良いと思う理由 あなたには『偽善』が見抜けますか? 前編

●親を脅すために警察に協力して欲しいのではなく、警察にしかできない捜査で真相に迫って欲しいから

虐待対策において、児相と警察が連携共有という方針を打ち出したことに対して、懸念する声も上がっている。



私が警察と連携した方が良いと思う理由を書いてみる。


これは「外事警察」という映画のストーリーをわかりやすくまとめた解説動画だ。





動画では、外事警察がどんな捜査をしているのか簡単に紹介している。被疑者を長期に渡り尾行するのはもちろんのこと、張り込みのために部屋を借りたり、近しい人物への聞き込み、時には法律ギリギリの手段を駆使し真実に迫って行く。

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公安警察を描いた作品なので、もちろん市民生活の中で起きる虐待事件とは違う。ただ私が警察に協力してもらった方がいいと思うのは、警察の権力で、親を脅せと言いたいわけじゃない。ここまで極端じゃなくても、警察には捜査権がある。警察にしか認められていない捜査ができるのだ。


●一市民の限界 私が警察と同じことをしたら捕まってしまう…

私はこれまで、「法務局」「裁判所」霞が関の「お役所」「国立国会図書館」「都立図書館」「都庁」「議員会館」など、一般市民が入れる場所にはできるだけ足を運んで証拠を集めてきた。何が正しいか、自分の目で確かめたいからだ。


でも、私には捜査権がない。悲しいかな、一般市民にはどうしても越えられない壁がある。例えば、私有地に入り確かめる、というようなことだ。私がやれば、不法侵入で警察に突き出されるかもしれない。


だから先日、泣く泣く、某お役所に出向いて頭を下げたのだ。


●我が国のナショナルセンターで起きた「ちくわ事件」

そもそも、物議を醸している【なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018】というネット署名の発起人のお一人、奥山眞紀子の所属する国立成育医療研究センターだって、有名な「ちくわ事件」が起きたじゃないか。虐待通告をめぐり、長い間裁判をしていた。


国立成育医療センターで起きた虐待通告を巡る『ちくわ事件』 それは本当に『虐待』と呼べるのか?



この事故が最初に報道されたのは、2009年5月23日だった。「入院先の国立病院が『児童虐待だ』とうその通告をし、うのみにした児相が不要な一時保護をしたことが死亡につながった」として、市と国に計約9000万円の賠償を求めて横浜地裁に提訴した」ということが伝えられた。この男の子が横浜の児相で実際に亡くなったのは、提訴より前の2006年だ。


ちなみに学校関係者を震撼させた「給食アレルギー死亡事故」が起きたのは2012年12月20日だった。この事故が起きて初めて、重い食物アレルギーの深刻さが社会に知れ渡ることとなった。つまり、成育の「ちくわ事件」が起きた2006年当時、アレルギーについて、児相の関係者(もしかしたら親御さんにも)に、正しい知識がなくても不思議ではないと思う。


●あなたは「答申書」を読んだことがありますか?

むしろ問題があるとしたら、成育だろう。公開されている「答申書」を読むと、成育の対応にも問題があるといわざるを得ないからだ。そもそも私自身が成育の「こころの診療部」の対応の悪さで「被害者」になった一人だ。(※ 私が成育の「育児心理科」に通院したのは2005年5月から2007年12月まで)医療職や福祉職だけでは真実を見極めることが難しいこともあるだろう。特にここまでこじれさせてしまったら。


(国立国会図書館のデータベースに保存されていた3通の答申書(成育での被害事例だと思われます)を紹介しています。是非ご覧ください)
厚労省の『拠点病院事業』の問題点 その2「子どもの心の診療ネットワーク事業」の不都合な真実 (後編)

私の成育の「育児心理科」での被害体験
成育の『育児心理科』は、なぜ『ベゲタミン』や『エリミン』を外来患者に処方できたのか? 私の副作用報告を握り潰したのは誰なのか? その1

掲示板に残っていた当時の報道
児相保護男児死亡訴訟:虐待誤信、怠られた調査 ママスタジアム 12/10/29 07:27

やっと再会できた息子は息をしていなかった。
2006年7月27日。3歳9カ月だった。

「お母さんのところにいると死んじゃうかもしれないから」。
死の約1カ月前、児童相談所の職員は、そう言って息子を引き離した。虐待の疑いが強くある、との理由だった。

 男児は、生後7カ月から国立成育医療研究センターに入通院。皮膚炎が悪化し、タンパク質が流出、成長に影響していた。強い食物アレルギーもあり、卵や小麦などを含む食物に触れただけで皮膚が荒れてしまうこともあった。食材を制限せざるを得ない中で、家族は栄養指導を受け、息子の成長を願っていた。

 なぜ、虐待という判断に至ったのか。
原告側は、決定をしたとされる院内の「虐待防止対策チーム」の議事録の証拠提出を求めた。だが、センターは記録を取っていないとして、提出しなかった。


児相は、主治医への聞き取りや男児のカルテの確認など、基本的な調査を怠っていた。センターでの栄養指導や、男児の日々の食事内容も把握していなかったという。男児に与えられたちくわは、最も強いアレルギー反応を示す卵が含まれていた。

原告弁護団の姜文江弁護士は「基本的な情報が共有できておらず、必要な調査もしていない。専門機関として対応がずさんで、無責任」と憤る。

 息子は、生きていれば10歳。母は言う。「病院も児相も子どもが大切にされないといけない場所なのに、なぜこんなことをしてしまったのか。命を預かっていることを考えてほしい」



続く

2018/06/24

超低出生体重児と虐待 私が警察と連携した方が良いと思う理由 あなたには『偽善』が見抜けますか? 後編

●私が「専門家」に失望した理由 日頃「エビデンス」にうるさいがんの専門家も本質を見ようとしないから

さらに言えば「国立がん研究センター」や「国立成育医療研究センター」に勤めている方で、いわゆる「牧本事件」と呼ばれる、科研費不正流用事件を知っている方は多いと思う。


でもその中で、このような動画をみたり、当時の記録を丁寧に当たった人はほとんどいないだろう。





まして当時メディアから出された記事の「ここが事実と違う」と、突き止める人は皆無じゃないかと思う。


※ 2016年8月8日に、JBpress(日本ビジネスプレス)に掲載された『癌に冒されながら医療改革に奔走した元ミス日本数々の功績を残し、吉野ゆりえさん逝く』という記事の検証をしています
『牧本事件』と『日本にサルコーマセンターを設立する会』 報道の検証 その1


日頃「エビデンス」とか「科学的根拠」にうるさいがんの専門家だって、何が事実で、何が事実ではないのか突き止められない(突き止めようとしない)のだ。私は失望した。「悪いことをしたんだから」で、物事の本質をみようとしないからだ。


●演じる人の偽善を見抜けますか?

虐待をする親の中には、必死になって演技をする人もいるだろう。


こちらは、4月に「週間文春」にリーク記事が掲載された「馬場さち子氏」の講演会の動画だ。私は文春が出た後、彼女の講演会をみて驚いた。彼女はご自身の講演の中で、事実でないことを堂々と話しているからだ。




(1時間28分過ぎ)
毒舌の番場と、謝る石崎(元東電副社長石崎芳行氏)のコンビでいろいろなところで活動するようになっちゃったんですけれど、私は東電との2人講演を猛省しています。

東電は地元の馬場(住民)に寄り添っているってすごい評価が上がっちゃったんですけれど、私は地元から『憎い東電に魂を売った』とすごく叩かれるようになりました。うちの母まで『東電からお金をもらっているの?』と尋ねるので、『もらってないから』って言っています。

東電は『賠償は最後のお一人まで貫徹しますから』と断言するんです、彼(石崎氏)は。結局私は何ももらえていないので『言っていることとやっていることが違うじゃん』みたいに思っています


※ 週刊文春 2018年4月12日号に、番場さんと思われる女性に「お金を渡した」という石崎氏の証言が掲載されています↓
週刊文春「東電元副社長が懺悔告白『5000万円女性トラブル』」と『周産期医療の崩壊をくい止める会』の募金活動  その1



私は今、マスコミも信用していない。例えば、マスコミは「東北のキーパーソン」などと馬場氏を必要以上に持ち上げてきたんだから同罪だ。


その人が本当のことを言っているのかを見極めるには、それこそ張り込みや盗聴でもしなければ難しいと思っている。