2014/04/29

「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その 4

「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その 3  の続き


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心臓病を抱えているため、
ほとんど外出することができない三歳の男の子



昨日の夜はちょうど、今日の話題とも重なる「新型出生前検査 導入から1年 ~命をめぐる決断 どう支えるか~」がクローズアップ現代で放送された。深く考えさせられる内容だった。また文字おこししてみようかな。


ドイツのカウンセリングでは、重い病気や障害がある子どもを出産した場合、どのような支援が受けられるか、補助金が用意されているか、など、かなり具体的な情報提供がなされていた。


日本の現状は、私がブログに書いてきた通り。情報提供をすることや実際に育てている母親に会わせることが、いかに大切か・・・。それが命をどうするか決めるのに、一番必要かもしれない。


周産期医療における心のケアの改善を 2008年12月8日 病院に送った改善要望書より一部引用

そこで、「小さな赤ちゃんを産んでしまった人たちに、良い症例情報の提供などの具体的な救済や親たちが悩みを話し合うような場の橋渡しをお願いできないか。我が子の情報も何か役に立つことに使っていただけないか」と幾度か訴えました。しかし、その度あいまいにうなずくばかりで、具対決な言及はありませんでした。



お願い 2009年4月1日 病院に送った二通目の改善要望書より一部引用

小さく産まれた子どもを持つ母親の心のケアとは何なのでしょう。 その定義があいまいでは、論ずべき問題が先送りになるばかりです。私は、本来ならば、相談できる相手であり、福祉や教育の充実だと思います。●氏のような専門家のような専門家の介入は、「母親の感情」に対する対処療法に問題がすり替えられ、必要な援助者とのつながりを遮断してしまいます。これでは、いつまでたっても福祉や教育の不備は放 置されたままです。

我が子を殺めた母親が必ず口にする、「将来への不安」は なくなりません。この問題は当事者だけでは解決が困難です。ですから、私は現状を知っていただくためにも、社会に訴えていかなくてはと考えています。

育児にはもともと不安がつきものです。病気や障害のあるお子さんならば、 なおさら母親は不安になるでしょう。しかし、不安を感じた時に的確なアドバ イスや情報をいただければ、解消されることも多いのです。私が欲しかった一 番のケアは、心を開いて話し会える関係と、正しい情報です


その一方で昨日はこんな報道が。どーーーんと重い気分になってしまった。


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国の借金 2060年度に1京円超! 財政審試算 2014.4.28 21:59 MSN 産経ニュース

財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会は28日、国と地方を合わせた財政の長期試算を公表した。財政再建に取り組まず、税収などで政策経費をどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支の黒字化も達成できなかった場合、2060(平成72)年度の国の借金は国内総生産(GDP)比約5・6倍の約1京1400兆円に膨らむとの試算を示した。実質経済成長率が2%で、60年度のGDPが約2053兆円の想定。

政府は20年度の基礎的財政収支の黒字化を目指しているが、達成のめどは立っていない。仮に目標を達成した場合でも、その後も収支改善に取り組まなければ、60年度の借金はGDPの約4倍に当たる約8150兆円に達するとした。

 分科会では、経済再生や労働力人口の改善だけでなく、歳出と歳入両面の抜本改革が不可欠としている。

 60年度の借金を国内総生産(GDP)と同規模に抑えるためには、21~26年度の計6年間で12.71%(約81兆円)~6.98%(約45兆円)の収支改善が必要になるとも指摘した。

 試算は、実質経済成長率2%と1%の2つのパターンで、それぞれ国際公約である20年度の収支黒字化を達成できる場合と、できなかった場合の計4つのケースを推計。消費税率については来年10月に現行の8%から10%へ引き上げる前提とした。借金が最も膨らむ最悪ケースは、成長率2%で、黒字化が達成できない場合だった。


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今日文字おこしした中で田村正憲先生が「国全体の子どもや赤ちゃん、お母さんの安全保障と考えて欲しい。子どもにもお金を使って欲しい」とおっしゃっておられた。


しかし。今の日本では、安定した収入が得られず、結婚したくてもできない若者も増えている。自分の生活だってどうなるかわからないのに、「子どもの福祉のためにお金を使って欲しい」と思う人達がどれほどいるのだろうーーーー


ある人にそんなことをガツンと言われて落ち込んだ。


重い病気や障害を抱えた子ども達が笑顔になったり、ジャンプできるようになった、ただそれだけでいいと私は思うのだけれど・・・。


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NHKで放送されたクローズアップ現代「幼い命を守れ~小児在宅ケア・地域の挑戦~」


赤字の問題があって、医療と福祉の連携がどうやって全国に普及していくのでしょうか。医師達の取り組みがはじまっています。


都内を回る訪問診療専門の医師、前田浩利さん。これまで300以上の重症児を診てきました。この日診療に訪れたのは三歳の男の子の家。心臓病を抱えているため、ほとんど外出することができません。


前田さんは親子のこうした暮らしぶりを目の当たりにするうちに、医療だけでは救うことができないと痛感。そこでこれまで縁がなかった福祉の分野の専門家と一緒にとり組むことにしました。


前田浩利医師


「医療と福祉の断絶はすごく根が深いというか、医者として育ってきているのでなかなか福祉の人と手をつなぐと思っても、どうやっていいかわからない、ということがありました」


去年、重い病を抱えた子ども支えるサービスを全国に立ち上げるためのプロジェクトを立ち上げました。メンバーは100人あまり。医師や看護師などの医療関係者に加え、福祉分野のメンバーが参加することが大きな特徴です。


前田浩利医師


「いろいろな人とタッグを組んで、ネットワークを作って、スクラムを組んで、そういう医療と福祉が崩れてしまった、そういう国にならないようにこの日本を支えていきたいというふうに思っています」


全国に展開するために前田さんが声をかけたのは、すでに地域で実績をつんでいたグループです。100人の介護スタッフを抱え、障害者介護にとり組む  社会福祉法人(戸枝陽基理事長)そして看護師20人をようする訪問看護ステーション(梶原厚子管理者)です。


全国各地でその地域の医療ネットワークを組み合わせて、子どもを支える拠点を新たに作り出す計画です。


最初の施設は今年一月、墨田区にできました。このデイサービス施設は平日は毎日オープン。福祉面からサポートするのは社会福祉法人のスタッフ。医療の面は、訪問看護師などのスタッフが支えます。そしてよりよいケアができるように、それぞれの分野をお互いが学び合っています。


この日は、訪問看護種テーションから派遣された理学療法士が社会福祉法人のスタッフが安全な寝かせ方を指導していました。


「これがもうちょっと前に行けばもっとうつぶせもとれますし、もうちょっと上向きになって欲しい反対に負二つ、こう入れれば・・・」


週に二回通うこの子は、徐徐に回復し、母親にとっても息抜きの時間ができたといいます。「おうちのほかにも、心を許せるというか、何でも(気持ちを)出していいんだみたいな安心出来る場所ができるというのはやっぱりすごいいいです」


東京の次に手がけた京都です。


ここれは家庭の事情で一度、医療や福祉の現場から離れた人材を活用しています。


京都の責任者に抜擢されたのは出産を機に大学病院をやめた小児科の経験がある看護師です。他にも幼稚園の教諭を務めていた女性なども参加しています。子どもをケアする資格や実務経験がある人を地域で発掘。ノウハウを共有しながら準備をすすめました。


松井裕美子看護師


看護をするっていうのではなくて、生活を支えるということを理解してくれる人が必要だっていうふうに思っていますので、本当にメンバーとしては心強いと思っています」


前田浩利医師


「プロジェクトでは来年仙台にも拠点をつくる計画です。モデルとなるような形をつくる必要がまずあってそれが自分の中では結構大事というかそれが出来るかどうかが日本全体に広がるかどうかの決めてになるなと思っています」


スタジオ


「これまで別々に活動してきた医療と福祉のグループが手を結ぶ、このプロジェクトにどんな印象をお持ちですか」


埼玉医科大学教授 総合医療センター田村正憲医師


「はい。大いに期待できると思います。とくにこれは医療と看護と介護とこの三つの分野がそれぞれ実績のある組織が一緒になって、横につながってやるという形で、フレキシブルな運営が期待できます。これが一つのモデルになって全国に展開していただければと思います」



「非常に期待をしている親御さんもいると思いますが、現実には子どもを産んだ地域によってサポートする体制、非常に格差がありますよね。スピード感をもって普及させるには国レベルのサポートが必要かと思いますが、そのあたりはどう思いますか」


埼玉医科大学教授 総合医療センター田村正憲医師


「はい。厚生省は2012年を在宅医療元年とよんで、在宅医療の他職種の連携とか拠点事業とかずいぶん、力を注いでおります。ただ、地域によって温度差がありますので。しかしながら、子どもの在宅医療を支えるということは患者さんや親御さんだけではなくて、国全体の子どもや赤ちゃん、お母さんの安全保障ということになりますので、国がイニシアティブをとって普及させる活動をさせるべきだと思います」



「そうしますと、社会保障費全体の中で、お子さんに関してどれぐらい割合を考えていくのか。こういう問題にもつながっていきますね」


埼玉医科大学教授 総合医療センター田村正憲医師


「はい。65歳以上の老人に対する、国民一人あたりの国民総医療費は、15歳以下の子どもの10倍ということになります。ぜひ、子どもにもお金を使っていただいて、より安心して住める社会にしていただきたいと思っています。この問題を子どもの問題でなく、社会の問題として捉えていただきたいですね」



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2014/04/28

視覚障害者のクライマーへの支援Tシャツ 2014!

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NPO法人モンキーマジックのフェイスブックをみていたら、今年のT シャツが出たばかり。今年はカラビナがデザインされている。


カラビナ wikipediaから一部引用

(ドイツ語: Karabiner ← Karabinerhaken)は、登山道具のひとつ。

登山用のものはアルミ製、レスキュー用は鉄製の輪は、全国的な「都市型ロープレスキュー」の普及により、救助用カラビナもアルミ製が主流)で、開閉できる部品(ゲート)がついており、ロープとハーネス、ピトンや撥條懸架式カム装置(Spring-loaded camming device)などの支点を素早く確実に繋ぐことができる。



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左はいつも持っていくリュックにつけているもの。緊急用の笛をつけている。右はヨセミテで買ったカラビナが取ってのマグカップ。



NPO法人 モンキーマジック Facebook

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モンキーマジックの目指していることは「インクルーシブ教育」なのかもしれない。私のまちではじまった「障害のある者と障害のない者が可能な限り同じ場で共に学ぶ」ことを目的とした教育だ。このような活動が、日本でも広まれば、以前くらしていたカナダで見たような日常、あのような光景が日本でも当たり前になっていくかもしれない。


法人概要 モンキーマジックとは? から一部引用

このNPO法人(特定非営利活動法人)では、ロッククライミングなどのアウトドアスポーツの素晴らしさを、視覚障害者など様々な人に伝えてゆくだけではなく、当事者である視覚障害者や晴眼者(健常者)が一緒にスクールなどに参加することで、視覚障害者や弱視者へのさらなる理解振興も目的とします。



障害のある者と障害のない者が可能な限り同じ場で共に学ぶ インクルーシブ教育がはじまる から一部引用

私は「子どもに障害が残るかもしれない」と告知された時、以前住んでいたカナダのことを思い出した。


私の住まいはオフィスビルが建ち並ぶ都心にあった。空港から降り立ったその日に驚いたのが、車椅子の人がいれば、ごく自然にドアを押さえる会社員の姿だった。いつも買い物をしていたショッピングモールには、病気や障害を抱えた人達が店員として働いていた。「私の障害はね」と話しかけてくるのだ。


近くには、世界的に有名な「シックチルドレン」という子ども病院があった。いつも救急搬送のヘリが患者さんを運んできていた。障害や病気を抱えた人達と共に生きる社会があるから、子どもの高度救命救急医療が成り立っているのだろう。


子どもが生まれた時、カナダのような日常が日本にもあったらと思った。隔離されているように別々に暮らしているのに、「前向きに生きよ」なんて「偽善」としか思えない。


もしも障害のある人達が、今よりももっといきいきと生活する姿が当たり前になっていけば、将来を悲観するお母さん達は今よりは減るだろう。




Tシャツは楽天や大きなアウトドアショップなどでも発売されている。毎年人気で、すぐになくなってしまう色やサイズもあるから、早速私も!「着用されたら是非Facebookなどにご掲載頂けたら嬉しいです」とあったので写真をとってアップしてみたよ。こういう純粋な活動はどんどん広がるといいな。


ところで昨日は裏高尾にある景信山に行った。小仏行きのバスに乗り、「日影」で降りて渓谷沿いの林道をあがって行く。帰りの電車で万歩計をみたら二万歩だった。息子は三万歩は歩いたんじゃないかしら。


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若い人からお年寄りまで、様々な年齢層の人が大勢来ていた。わざわざバスに乗らないと行けない裏高尾まで行くのは、人が少なかったからなのに。それが登山客が年々増えて、行列に並ばないとバスに乗れなくなるなんて。最近は冬場でも登山客が途切れなくなってきている。作られたブームとは明らかに違う。ブームじゃなくて、きっと定着していくんだろう。


はじめて父に連れられて行った高尾山は「人とゴミだらけの山」という印象しかなかった。


二度と行きたくないと思ったあの「ゴミの山」が、鉄道、バス、地元の商店街、アウトドアメーカーなど、大勢の人達の力でまさか再生していくとは思わなかった。


人が押し寄せることで、自然が破壊されるという面もあるけれど、逆に人が入らなくなって荒れ果ててしまった山が、地方都市には沢山ある。どちらがいいんだろうか。高尾駅から登山口までの町並みは今の方がずっと好きだ。こうやって大勢の人達が自らの健康のために体を動かすことも。


なんとなくカナビラの「確実に繋ぐ」という役割を思い出す。こんな風に良い方向へ、人の気持ちが結びついていくのは良いことなんじゃなのかな。そんなことを考えた一日だった。











2014/04/25

「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その 3

「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その 2 の続き


子どもが幼稚園の時に病院に送った手紙

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退院した後、NICUの看護師さんにあった時に、「サクラさんが送ってくれた写真つきの手紙、出産したばかりのお母さんがNICUに来た時に、『私の赤ちゃんも元気に育つかもしれない』って喜んで見ていたの」と嬉しそうに教えてくれた。

NICUでは退院した子ども達の家族から送られてきた手紙を入口に貼る。これが退院した子ども達の成長を知る唯一の手段だった。同じような週数と体重で生まれた子どもをいつも探した。

夫には「手紙じゃなくて、ブログみたいじゃないか」と言われたけれど、ブログのように書いたのだ。母親はどうやって育つのかわからず不安になるのものだから。




今日の話は主に、障害や病気を抱えたお子さんの在宅ケアについてだ。これまで私も重い障害や病気を抱えるということは、それなりに覚悟しないといけないことなんだと考えていた。


しかし、前回あったように、脳梗塞でこれ以上の回復が見込めない、といわれた女の子が元気に飛び回る姿を見て、本当にびっくりしてしまった。「小児には可能性がある」という言葉は音羽ちゃんのためにあるようだ。私は感動して泣いてしまった。夫が言っていた。3歳、遅くても5歳までの子ども達には大人では考えられない、奇蹟のような可能性があるそうだ。


ところで、インタビューにあるように、新生児科の医師やスタッフも、子ども達を退院させることが、良いことかどうか葛藤があったようだ。その子が、健やかに成長するかわからないからだ。


(入院中に面会にあまり来なかったという大阪・寝屋川女児虐待死の両親のようなケースは別にして)こういう姿を知ったら不安そうなお母さん達に、「病院の外に出ていくと、お子さんの可能性が広がりますよ」そう言ってあげられるようになるかもしれない。


息子が退院した頃は、全く情報がなく途方にくれた。だからこそ切実に思ってきた。「ありがとうございました」で終わりにしてしていいのだろうか、と。


その後の様子を、医療機関に情報提供し、医療機関はその情報を蓄積していく、ということが必要じゃないかと思ったのだ。特にどのように育つか、どこにどんな支援があるのか、などの情報は不足している。情報を蓄積していくことで、後に続く人達の抱える荷物を、軽くしていけるのではないだろうか。母親のネットワークというものもいいけれど、不確実で偽科学のような情報もあるし口コミにも限界がある。


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周産期医療における心のケアの改善を 平成20年12月8日 病院に送った改善要望書より一部引用

5 育児に関するポジティブな情報の共有するシステムを作る

自分を振り返ってみますと、超低出生体重児を生んでしまった責任と将来の不安が心を押しつぶしていたことが分かります。とくに、子どもがどう成長していくかについては良い情報が少なく、発育遅滞や発達障害ばかり気にすることになりました。良い状態の子がいることが分かれば、少しでも希望が持てるのにと考えていました。

もちろん、個別には違う状態であることは理解できます。良い情報ばかりが勝手に大きくなっていく危険性も理解しています。しかし、夢のようなものであれ、良い症例が分かったら、不安を軽減できる心の支えになるということです。また、お世話になったこの病院に何か恩返しをしたいという気持ちもありました。



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医療と福祉そして教育の連携というものは大切だ。私の理想は、医療が子ども達を抱えるというより、「駅伝」のタスキリレーのようなイメージだ。特に息子のように重い病気や障害を抱えていない子どもは、医療機関の負担を軽減するためにも教育に振り分けていく必要があるのではないだろうか。


予算には限りがある。以下にあるように命の問題、子どもの可能性の問題なのに、最終的にはお金の問題にいきつく。ならば、重い障害や病気を抱えた子ども達の支援を手厚くして欲しい。


NPO法人モンキーマジック代表の小林幸一さんの言葉「何かを期待して待っていても永遠に登ることはできない」。これは私のような母親にとっても同じだと思うのだ。「お母さんの気持ちもわかります」「がんばらなくていいですよ」だけでなく、背中を押してあげる、ということも必要ではないだろうか。


No Sight But On Sight! 見えなくても 見えづらくても一発で登れる!  NPO法人 モンキーマジック


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「見えないチカラ 視覚障害のフリークライマーが見つけた明日への希望」小林 幸一郎(著) amazon 内容紹介から一部抜粋

28歳で、失明の告知。不安と絶望に襲われ、失意の底に沈んだ日々もあった。視力を失うことで、自分にできなくなることばかりを数え、うつむいて生きていた時期もあった。でも今は、上を向いて生きている。

自分の手で自分の意志で自分の力で登ることを希望しなければ登れない。何かを期待して待っていても永遠に登ることはできない。



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NHKで放送されたクローズアップ現代「幼い命を守れ~小児在宅ケア・地域の挑戦~」


こうした施設の存在は、この地域のNICUにゆとりをもたらす効果を生み出しています。音羽ちゃんが産まれた病院(愛媛大学)でも年々、NICUを必要とする子どもが増えていました。


そこで退院後の安心材料の一つとしてこうしたサービスを紹介して退院を促すことができるようになったのです。医師が自信をもって退院をすすめることになった背景には、施設から毎月続く、成長の記録があります。



小児科 檜垣高史医師

「むこうで楽しくしている写真とか、元気にしている姿を見せてもらって本当に楽しい時間を過ごしているんだな、というのがよくわかりました。やっぱり安心して退院していける環境があると、医師と看護師とかもこの子は退院できるよ、というふうに言ってあげられると思いますし、そこで退院が一人かなうとそこにまた次の赤ちゃんが入院して診せていただくチャンスがもう一つでいますので、それは医療資源の有効な活用にもつながるというふうには思います。


スタジオ

「今夜は小児科医として症に在宅医療の重要性を訴えていらっしゃる埼玉医科大学教授 総合医療センター田村正憲さんとお伝えいたします。まさに豊かな成長を支える松山の現場でしたけれどもどんな印象をお持ちでしょうか」



埼玉医科大学教授 総合医療センター田村正憲医師

「僕は小児科医ですけれども、本当に感激いたしました。子どもは大人に比べますと、障害から回復する力が大きいということがわかっているんですが、子ども同士で遊ぶということがここまで子どもの可能性を引き出したということで、このデイケアのとり組みに本当に感激しました。


ただ同時にあとで愛媛大学の先生がおっしゃっておられますけれども、デイケアでお子さんをみるという形で在宅の医療が推進するということは社会全体にとってもメリットがあることなんです。


NICUを含めまして小児の救急医療というのはまだまだ不足している状態です。こういうお子さんが在宅にうつっていただけるということによってNICUのベッドが空くという、もっと重症な患者さんを受け入れられるということができて、それができるということは、赤ちゃんがお腹の中にいる妊婦さんにとっても急変した時にすぐ受け入れてもらえるという国民全体の安全保障になっている、つながっていると思います」



「それだけ大きな意味を持っているということですよね。ただ医療と福祉が切れ目のない連携をもつということは現実には難しいんじゃないですか」


「はい。特に我々医療者、小児救急とかNICUでがんばっている小児科医は赤ちゃんの命を助けるということに全力を投球して、それで日本の新生児医療は世一のレベルまで達しているんですけれども、その分だけ社会の福祉のシステムとかそういうお子さんがお家に帰った時に、お子さんと家族の生活の問題だとか、そういったことが十分わからないまま、お子さんを帰してしまっているということがあります。


「先生御自身も医療と福祉の壁を感じたことがご経験でありますか?」


「はい。私は厚生省の研究班でNICUの長期入院児の問題を検討する研究班をまかされたことがあるんですけれども、福祉や障害(を受け入れる取り組み)をやっている方から「あなた達はNICUのベッドをいかに空けるかということだけに気がちっていて、そのお子さんを帰した時に、お子さんと家族が出会うであろう生活とか福祉の問題とかに気を留めない」というふうに、注意をされたことがあります」


「お子さんや社会のためにも連携をしていって欲しいんですけれども、どうやっていけばいいんですか」


特に小児の在宅医療に関しますと、一つは人材育成があります。大人の介護保険を中心とした在宅医療の医療資源はなかなか子どものほうを向いてくれません。


子どもの場合は、医療ケアの程度が高くてしかも広い地域に散財しているので、なかなか大人のシステムではカバーできない。そのために小児の在宅医療をして下さる医師とか看護師さんとか介護ヘルパーさんを育成するということがまず大事になります。


それと同時に医療と福祉をつなぐコーディネーターが、介護保険ではケアマネージャーという形があったんですけれども、小児の在宅医療にはケアマネージャーがタッチできませんので、ケアマネージャーに変わるーディネーターを育成するというのが二つ目の大きなキーになると思います」



「あと一つ、コストの問題ですけれども、先ほどの松山の施設の利用者の方、五時間子どもを預けると国の制度で一割負担という。800円程度ですむということなんですが、一方で施設のコストの問題はどうなんでしょうか」


「はい。テレビに出ていましたあれだけのスタッフ、医療と福祉にわたるスタッフを採用して雇うとなると、人件費だけで膨大になるだろうと思います。恐らく松山の施設は大きな訪問看護ステーションが母体となって運営しているという、それでなんとか経営していけているんじゃないかなと思います」


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「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その 4





2014/04/24

「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その 2

「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その1 の続き


今回、手紙を書こうと思ったのは友人の小児科医の一言があったからだ。この番組を家族で見たそうだ。退院後の子どもとお母さんが心配になったと言っていた。その時、「サクラさんはこれまでいろいろ訴えてきたけれど、(僕たちに)結局、何をして欲しいの?何が言いたいの?よくわからないよ」と言うから私はこう言ったのだ。


集団保育の前、お世話になった特定非営利活動法人
「ケンパ・ラーニング・コミュニティ」での様子


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「民族・国籍・宗教・文化・発達・しょうがい
さまざまな違いを認め学び合う
笑顔の子育てコミュニティです」


「退院後の支援とは、病院だけでやっていくものではないと思う。無理に医療で抱え込む必要はないと思う。発達の遅い子ども育てるにはいろいろな人達の力が必要。教員を増やすなど、社会的支援をもっと充実させないといけないと思う」


そうしたら「その通りです」と言う。私は驚いてしまった。だって10年以上、ずっーーーーと同じことを言い続けてきたつもりだったから。


この番組が伝えたことは、私の10年間がギュッとつまったような感じだったのだろう。良い報道番組というものは、人々の心、そして社会を動かしていくのかもしれない。


息子は24週で生まれた超低出生体重児(未熟児)の中で、予後が良いそうだ。知り合いの超低出生体重児で生まれた脳性マヒのお子さんのお母さんも「うちの子は優秀だって言われるの!」と私に言っていた。


一つの良い症例があっても、それは報告書の中では単なる一例にすぎない。しかし、多くの親御さんが知りたいのは、その一例が「どのように生み出されているのか」ではないだろうか。


一つの良い症例の向こう側には、これだけ多くの人達の温かな気持ちがあったということを、知って欲しいと思うのだ。


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NHKで放送されたクローズアップ現代「幼い命を守れ~小児在宅ケア・地域の挑戦~」



埼玉県にすむ前島志保さんもそうした想いを抱いた一人です。娘の奈菜ちゃん三歳は生まれつき呼吸機能に障害があります。志保さんは片時も目を離さず世話をしています。


退院してまもなく二年、現在は週に五日看護師の訪問を受けていますが、気が休まることはありません。親子そろって家に籠もりがちになる暮らしの中で、医療的な問題に加え、最近では子どもの成長に対する不安が募るようになったといいます。



「退院すればいいと思ってきたんですが、いざ家に帰ってくると違うんですよね。やっぱり。成長していく段階で子ども同士の遊びって必要だと思うので。それが全くないとなるとどうなるのかなっていう。将来社会に出ていけるのかなっていう・・・


こうした不安を抱える親子をいかに支えるか。注目されている取り組みが四国松山にあります。午前10時、障害がある子ども達がつぎつぎ集まってきます。


重い病の子どもを専門に預かる施設。「ほのかのおひさま」訪問看護師のグループが運営しています。訪問している中で耳にした「預かり施設が欲しい」という親の声を受けて設立されました。


一日五時間子どもを預かり、親の育児の負担を減らします。スタッフは看護師だけではありません。食事など、日常生活に必要な機能を回復させる作業療法士。生活全般を支える介護ヘルパーが一緒になって子ども達をサポートしています。


施設がスタートして四年。この体制のもとで驚くべき成長をとげる子どもが現れています。


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白石音羽ちゃん四歳です。産まれながら心臓病を抱えていた音羽ちゃん。手術をしたところ、さらに脳梗塞を起こしてしまいました。そのため、歩くために必要なバランス感覚を失い、医師からは回復する見込みはないと告げられました。


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「寝たきりになるかもしれない、ということで。私達家族もそれで受け入れる。なんとかがんばっていこうと言っていました」しかしあきらめきれなかった母の美紀子さんは訪問看護を受けながら、音羽ちゃんを週二日この施設に通いました。通い始めて六ヶ月目の記録です。音羽ちゃんは見違えるように回復していました。


「バランスもよくなってきて、左足で立って、くるっと回って、ジャンプもOK」


こうした回復を促すためにこの施設が大切にしているのが、子ども達同士やスタッフとのふれあいです。ここでは安全を確保しながら、自然に子ども達が皆で遊べるように心を配っています。食事も必ず皆で一緒にとります。こうした子どもの成長にかかせない経験を積み重ねることで、障害を克服するためのカギになっていることがわかってきました。


ほのかのおひさま 浅井英子看護師

「あの子がやっているから自分もやれるだろうということなんですよね。あの子がとんでいるから自分もとべるだろうって。大人が教えているわけでは全くなく、子どもは子ども同士で覚える。だからこういうところに集まるってすごく大事かなって」


音羽ちゃんは今、近所の小学生と同じ小学校に通うことを目指せるほど回復しています。


音羽ちゃんのお母さん 美紀子さん

「あそこまで脳梗塞にまでなって、ここまで回復する子は見たことがないっている感じで(先生方が)びっくりしていますね。やっぱり出会った人達、いろいろな人の協力があってここまで元気になれたんじゃないかと思います。」


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「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その 3







2014/04/23

「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その1

大阪府寝屋川市で2010年に起きた虐待事件に関連する報道があった。懲役10年の求刑に対し懲役15年を言い渡した裁判員裁判の、一審判決を支持した二審判決が見直される可能性があるという。


殺された女の子は「未熟児」だったと報道されている。一般的に、未熟児などの発達が遅い子どもや、病気や障害を抱えた子ども達は「虐待されやすい」とされている。


この世には、当事者にならなければ見えない困難がある。私は未熟児の母親になった時、虐待される理由がはじめてわかり恐くなった。だから、一日も早く退院後の社会的支援を充実させて欲しいと願っている。


虐待される原因があるのなら、原因を取り除く努力をすればいい。なぜ、どうして、今までこの問題は放置されてきたのだろうか。


私には虐待事件よりも、一市民、母親が声をあげた時に、この国では、声が届かないことの方がよほど問題だと思っている。当事者の声が政策になかなか反映されないからだ。悪くいえば、人が何人も死なないと変わらないことを意味する。幼児虐待事件の被害者は幼児である。声があげられない子どもが何人も犠牲にならないと悲劇が社会に伝わらない。なんと、残酷なことだろうか。


今回、これまで何度か引用させていただいた、昨年の5月28日にNHKで放送されたクローズアップ現代「幼い命を守れ~小児在宅ケア・地域の挑戦~」を、すべて文字おこししてみた。私が書いた手記と比べるとどうだろうか。


小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その1」 手紙を書いてみる 


私は今の日本で「育てにくい」といわれる子どもを、すべての親と家庭が育てられるとは思っていない。親を厳罰に処すだけで再発は防げるのだろうか。ぜひ、多くの皆様に考えていただきたい。


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NHKで放送されたクローズアップ現代「幼い命を守れ~小児在宅ケア・地域の挑戦~」


これは1000gに満たない子どもの数を表しています。30年間で2倍以上に増えています。そのうち17%が重い病気や障害を抱えるというデータもあります。


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そうした子ども達の多くは病院を退院した後家庭でくらしていますが、子どもやその家族を支える地域のネットワークは乏しいのが現状で、行き場のない孤独を感じながら日々過ごしている家族も少なくありません。今や世界で最も新生児の命を救うと言われる日本ですが、今度は、救った命をどう守っていくかという新たな宿題を背負っています。


日本の小児医療を牽引する国立成育医療研究センターです。NICU(新生児集中治療室)では90名のスタッフが交代しながら24時間小さな命を見守り続けています。何らかの障害がある子どもは年々増加、この5年でベッドの数を1.5倍に増やして受け入れてきました。


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「我々としては、やっぱり目の前に苦しんで助けを求めている患者さんがいらっしゃったら、いくら満床でもとってあげて治療してあげたい」


新生児医療が進歩すればするほどNICUのベッドは必要とされすぐに埋まってしまう状況が続いています。妊婦と赤ちゃんの命を守るには、NICUに常に空きを保つ必要があります。そのため症状が改善し、自宅での生活が可能になった赤ちゃんは、退院して家族とくらしていくことを目指すことになります。


しかし、こうした子どもが自宅で医療を受けながら暮らしていく取り組みは地域にまだ十分あるとはいえません。


NICUを出る時に感じたアンケート調査によると、「家族が一緒に暮らせる」など良かったことをあげた回答より、「不安だらけで孤独でした。これで退院してよいのか」などの声が二倍以上にのぼっています。



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大阪女児虐待死、最高裁で6月に弁論 判決見直しの可能性も 2014/4/21 21:28 日本経済新聞


大阪府寝屋川市で2010年に当時1歳8カ月の三女を暴行して死なせたとして傷害致死罪に問われた両親の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は21日までに、弁論を6月26日に開くことを決めた。懲役10年の求刑に対し懲役15年を言い渡した裁判員裁判の一審判決を支持した二審判決が見直される可能性がある。

 一審・大阪地裁は、父親の岸本憲被告(30)と母親の美杏被告(31)の判決で「児童虐待は大きな社会問題となっており、今まで以上に厳しい罰を科すことが相当」と指摘。求刑の1.5倍となる判決を言い渡した。二審・大阪高裁は「一審の量刑は重すぎて不当とは言えない」として両被告の控訴を棄却した。

 一、二審判決によると、両被告は共謀して10年1月、自宅マンションで三女の頭を平手で強くたたき、床に打ち付けるなどして急性硬膜下血腫などの傷害を負わせ、同3月に入院先の病院で死亡させた。


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寝屋川女児虐待死、最高裁で弁論へ 2014年04月21日(月) 20時46分 MBSニュース

 4年前、大阪府寝屋川市で1歳の娘を虐待し死亡させたとして傷害致死の罪に問われた両親の裁判で、最高裁は弁論を開くことを決めました。求刑を大幅に上回る懲役15年の判決を言い渡した裁判員裁判の判断が見直される可能性があります。

 この裁判は、2010年1月、大阪府寝屋川市で岸本憲被告(30)と妻の美杏被告(31)が、当時1歳8か月だった娘の瑠奈ちゃんに頭を平手で強く叩くなどの暴行を加え死亡させたとして傷害致死の罪に問われたものです。

 裁判員裁判で行われた1審の大阪地裁は、「常習的犯行で殺人と傷害致死の境界に位置する」として、検察側の求刑「懲役10年」の1.5倍にあたる懲役15年を言い渡し、2審もこの判決を支持していました。

 これに対し最高裁は、判決を見直す場合に必要な弁論を開くことを決め、関係者に通知しました。裁判員が下した量刑が見直される可能性があります。(21日17:42)


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判決が重すぎると激怒した鬼畜父が娘にやったこと―寝屋川1歳女児虐待死 yamadayamaさん NAVERまとめ より

頭を平手で強くたたき、床に頭を打ちつけさせ、頭部への強い衝撃で脳が腫れる「脳腫脹(しゅちょう)」で死亡させた。

左あごの骨折で食べ物をかむことができない状態だった。

大阪1歳児虐待死、左あご骨折で食べ物かめず 瑠奈ちゃんの体重は約6・2キロで、同年齢の平均約11キロより大幅に軽かった。

瑠奈ちゃんら3人の姉妹全員が真冬にもかかわらず、下半身はオムツだけで過ごしていた

喉に噛んだ跡のほとんどない肉まんが詰まっていた。瑠奈ちゃんはあごの骨を折っており食事ができる状況になかった。捜査本部によると、両親が虐待を隠ぺいするため故意に肉まんをのどに詰めたのだという。


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【寝屋川女児虐待死】真冬に姉妹全員オムツ姿 逮捕の両親、育児放棄か2010.4.12 14:17(産経新聞)


 大阪府寝屋川市の岸本瑠奈ちゃん(1)虐待死事件で、市職員が昨年2月に自宅を訪れた際、瑠奈ちゃんら3人の姉妹全員が真冬にもかかわらず、下半身はオムツだけで過ごしていたことが12日、関係者への取材で分かった。姉2人はひどい虫歯だったことも判明。寝屋川署捜査本部は、傷害致死容疑で逮捕された両親が、3人とも育児放棄していたとみる一方、三女の瑠奈ちゃんだけが暴力をふるわれた背景を調べている。


 関係者によると、市は昨年2月24日、未熟児で生まれたのに一度も乳幼児健診を受けていなかった瑠奈ちゃんの子育て支援のため、職員を派遣。母親の美杏(みき)容疑者(27)は四女を妊娠中で、瑠奈ちゃんと姉2人は上半身は服をまとっていたが、下半身はオムツだけだった。さらに姉2人にはひどい虫歯があり、瑠奈ちゃんの両ほほに青あざがあった。


 また、瑠奈ちゃんと姉2人はいずれも、市の乳幼児健診を一度も受けておらず、美杏容疑者は健診の日程などを説明しようとした職員に、「何しにきた。健診の行き方なんか聞いてへんで」と怒鳴ったという。このため、市は姉妹への育児放棄を疑ったという。


 一方で、瑠奈ちゃん以外の姉妹に目立った外傷は見つかっておらず、直接的な暴力をふるわれたのは瑠奈ちゃんだけとみられる。


 美杏容疑者は瑠奈ちゃんを妊娠していた際、妊婦健診を受けていなかった上、出産直後の入院中から面倒見が悪かったという。


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気になった報道があったのでこちらも引用してみる。がんの場合、大人の患者さんもいらっしゃるから、支援がもっと手厚いのかと思っていた。インクルーシブ教育がはじまったけれど、日本は病気や障害を温かく受け入れる社会ではないようだ。このような報道を目にすると、どうにかならないのかなぁ、と思わずにいられない。最後に以前書いた記事をもう一度引用。


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がん患者:診断後自殺リスク、1年以内20倍 サポート充実必要−−10万人調査 毎日新聞


 がんと診断された患者が診断後1年以内に自殺する危険性は、がん患者以外の約20倍に上るとの調査結果を、国立がん研究センターの研究班がまとめた。1年以上たつと差がなくなり、研究班は「診断間もない時期は、患者の心理的ストレスや環境の変化などに注意する必要がある」と分析する。

 病気と自殺の関連に着目した初の大規模疫学調査で、9府県に住む40〜69歳(調査開始当時)


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小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その6」 「あなたを一人にしない」という対照的なアメリカの運動 から一部引用


ある時、アメリカのピンクリボン運動について書かれた新聞記事を読んだ。私は羨ましくなった。告知の時に、「あなたを一人にしない」と言って、かばんにたくさんの情報誌をつめて渡すそうだ。これは大切なことだと思う。なぜなら、がんに限らず深刻な病を抱えた患者にとって正しい情報は命と同じだからだ。


一方、日本のピンクリボン運動は、患者のための活動といえるだろうか。いつの間にか、検診の重要性を訴えるキャンペーンにすり替わっているように感じてしまう。


キャンペーン期間中、街には「早期」「検診」「安心」などの文字が書かれた広告が並ぶ。その後には「私はがんでなくてよかった」と続くのだろうか。もし私ががんを告知されたばかりの患者だったたら、いたたまれない。これでは検診で早期発見できたとしても、その人はかえって社会で孤立していくのではないだろうか。誰のために、何のためにある運動なのだろう。


かつて世間を震撼させた、新興宗教団体の霊感商法があった。なぜ被害者は簡単に騙されて大金を差し出すのかずっと疑問に思ってきた。しかし自分が超低出生体重児の親になった時、悲しいことに騙される側の心理も理解できるようになった。

(中略)

彼らがターゲットにしていたのはがんなどの重い病を抱えた患者さんや家族だったからだ。いつの時代でも騙す者の方が一枚も二枚も上手だ。大きな病院に潜り込んで患者さんを見つけるのは容易に違いない。その後をつけ、敷地を出た所で偶然を装い本を渡し勧誘したそうだ。病院側が気づいても敷地外であれば咎めることは難しい。何から何まで、すべては計算ずくだ。私は胸が痛んだ。
 

息子がNICUを退院する時に「私は一人になった」。そう思うのは私だけではないはずだ。実際にNICUから出た後、事件の被害者や加害者になった母親は少なくない。せめてアメリカのピンクリボン運動のように「あなたを一人にしない」という活動があったらと思うのだ。


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続きはこちら↓

「大阪・寝屋川女児虐待死」報道から考える 超低出生体重児(未熟児)の虐待が生まれる背景 その 2




2014/04/21

No Sight But On Sight! 見えなくても 見えづらくても一発で登れる!  NPO法人 モンキーマジック

小さく生まれた超低出生体重児(未熟児)を待ち受ける大きな難関の一つに「未熟児網膜症」がある。

未熟児網膜症 wikipediaより引用

網膜血管の未熟性に関連し、網膜血管の進展不足により、網膜周辺部の無血管野が生じる。その境界部より新生血管・線維性増殖を生じ、網膜剥離に進展する。

出生体重1800g以下、在胎週数34週以下の未熟児に対しては定期的な観察が必要である。初回検査時期は生後3週目又は修正在胎週数29週を目処にする。


NPO法人 モンキーマジック 

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「見えないチカラ 視覚障害のフリークライマーが見つけた明日への希望」小林 幸一郎(著) amazon 内容紹介から一部抜粋

28歳で、失明の告知。不安と絶望に襲われ、失意の底に沈んだ日々もあった。視力を失うことで、自分にできなくなることばかりを数え、うつむいて生きていた時期もあった。でも今は、上を向いて生きている。

自分の手で自分の意志で自分の力で登ることを希望しなければ登れない。何かを期待して待っていても永遠に登ることはできない。


命の危機からようやく脱したと思ったら今度は失明の危機。息子も急激に進行しレーザー治療を受けた。しかし、思うような効果がなかなか期待できない日々が続いた。


季節はちょうど秋。ハラハラと舞い落ちる落ち葉のように、思い描いていた夢や希望が消えていくようだった。


息子の入院している子ども病院は、日本の小児医療を牽引するといわれている病院だ。しかし、この病院のまわりでも目が見えない人の姿をあまり見かけない。子どもの目が見えなくなったら、この先どんな生活がまっているんだろうーーー。学校は?就職は?結婚は?恐くてたまらなくなった。


夫の知り合いに小林幸一さんという世界的に有名なクライマーがいると教えてもらったのは、息子が幼稚園に通う頃だった。小林さんは視覚障害者だけれど、一緒にいると忘れてしまうほどパワフルな人らしい。


NPO法人を主催していて視覚障害者の子ども達のために、都内にあるいくつかの大学で授業をしているそうだ。もともとクライマーとして実力のある人だから、小林さんを応援しているスポーツ関係者は多い、と言っていた。。


どれくらい実力があるかというと、あの「ノース・フェイス」がモンキーマジックのためにTシャツを作っているほど、と教えてくれた。「えっノース・フェイスが!」と驚いてNPO法人のサイトを見ると、そのデザイン力の素晴らしさにまた驚いてしまった。夫がいうように小林さんが一流のクライマーだから、きっと一流の人達が集まってくるのだろうと思った。



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これは昨年訪れたアメリカのヨセミテ国立公園のハーフドームの写真。ヨセミテ国立公園はフリークライマーにとって聖地のような場所で、ハーフドームはそのシンボル的存在。


アウトドアメーカーとして有名なノースフェイスは1968年、カリフォルニア州バークレーで創業し、ロゴはこのハーフドームをデザインしたものだ。サンフランシスコにあるノースフェイスに行ったら小林さんのライバルといわれた日本人クライマーの大きな写真が壁面一杯に。小林さんのことを思い出さずにはいられなかった。


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こちらは小林さんとモンキーマジックを紹介した新聞記事。私は読んだ時涙した。一生懸命登る子ども達と小林さんの姿に息子を重ねてしまうのだろう。


周産期医療は、多くの母親の涙があってより安全により確実なものへと発展してきた。「目が見えない」「視覚障害」などと聞くと、今でも穏やかでいられない。偽善かもしれないけれど「見えなくても幸せ」と思える世の中であって欲しいと願っている。


病院の「お話し会」や「母親の会」もいいけれど、こういった活動に集まった中から、ごく自然に生まれる輪の方が私は好きだ。医療者のお膳立てではないし、子ども達が生きて行くのは医療医機関ではなく社会だからだ。小林さんのように当事者が社会に働きかけ、自らの手で居場所をつくっていくことが必要だろう。


「自分の手で自分の意志で自分の力で登ることを希望しなければ登れない。何かを期待して待っていても永遠に登ることはできない」


「見えなくても 登れる」2010年4月13日  朝日新聞


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クライミング 視覚障害者に自信 一部抜粋


岩や人工壁をよじ登るフリークライミングが、目の不自由な人たちの間で広がっている。命綱(ロープ)で安全を確保しながら自分のペースで挑戦でき、日常生活の自信にもつながるとして、活動に取り入れる盲学校もある。今冬、視覚障害者だけが参加する初の世界大会も開かれる予定だ。(三島あずさ)


「次は右手。11時の方向に10センチ」「さっきより高い所まで登れているよ」明治大学和泉キャンパス(東京都杉並区)の体育館にある高さ11センチメートルの人工壁。吐露つくが青光学泉(視覚障害教育部門、旧久我山盲高校)の小中学生が、放課後活動としてクライミングに挑戦している。声援を受け、つかみにくいホールド(突起物)を手探りしながら、少しずつ登っていく。


付き添いの母親らは、「障害があると、人との接点が少なくなりがちなので、こういう機会を積極的に活用している」「中学生はロープを持つ役を務めることもあり、仲間の命を預かる重みも感じている」と話す。こどもたちにも負けじと、息を切らして壁に挑む父母もいる。


指導するのは、NPO法人モンキーマジック(東京都武蔵野市)の代表小林幸一さん(42)。主に視覚障害者向けの講習会を運営している。合い言葉は「No Sight But On Sight!」(見えなくても一発で登れるぜ!)。「On Sight」は、始めてのルートを、落下せず登り切ること」を指すクライミング用語だ。


小林さんは28歳の時、進行性の網膜の病気が発症。できないことが増えて行く中、10代で始めたクライミングではあまり不自由がなかった。そこで、視覚障害者にも楽しめる機会をつくろうと2005年にNPO法人を設立。講習会にはのべ1200人以上が参加してきた。


危険で、高い運動能力が必要という印象を持たれがちだが、小林さんによると「視覚障害者に向いている」。自分のペースで、障害がない人とも同じルールで楽しめること、ロープで安全を確保できること、などが理由だ。


神奈川県立平塚盲学校は、体育館に人工壁があり、体育の授業や部活動で利用している。中卒や高卒者があんまなどを学ぶ理療科には、中途失明で楽他院していた人も、ここでクライミングに出会い、大きな楽しみを得たという人は多いという。



日本に寄付文化が定着しないのは、寄付してもらう側にも問題があるように思ってきた。社会貢献とは、きっと小林さんのような活動をいうのだろう。


日本のピンクリボン運動に協賛している企業の商品を買わなくなったのは、主役がタレントさんや企業だからだ。


その一方で最近私が、登山用品やランニング用品をノース・フェイスにしているのは、私にぴったりなXSがある、とうこともあるけれど、小林さんを応援するノース・フェイスに好感を持つ、ということも大きいのだ。



見えないチカラ 視覚障害のフリークライマーが見つけた明日への希望見えないチカラ 視覚障害のフリークライマーが見つけた明日への希望
(2011/12/17)
小林 幸一郎

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2014/04/18

障害のある者と障害のない者が可能な限り同じ場で共に学ぶ インクルーシブ教育がはじまる

学校から配られたお便りをみて感激した。今年度から私のまちで「障害のある者と障害のない者が可能な限り同じ場で共に学ぶ」事業がはじまるらしい!


いろいろ訴えてきたけれど、私の声が少しはどこかに届いていたのかしら?


日本トラウマティック・ストレス学会に伝えたいこと 私が地上に出た日 育児支援と人権と から一部抜粋

どうして未熟児が虐待されるのか。悲惨な事件が減らないのか。多くの国民の皆さんは疑問に思っておられるだろう。実名にしていただいた理由は虐待防止対策の中に出てくる「超低出生体重児の母親はこうである」という母親像に対する反発からだった。

超低出生体重児の母親とは10人いればそれぞれ皆違うはずだ。子どもの状態、夫との関係、実の親との関係、義理の親との関係、経済状態、学歴、地域との関係、仕事の有無など、どれをとっても同じということはないだろう。

(中略)

当日、発表は大成功だったそうだ。参加者には「この問題は超低出生体重児の育児だけじゃなく、もっと普遍的な問題をはらんでいる」と言われたそうだ。そう、私はずっと願ってきた。退院後の育児支援は医療問題ではなく、「社会の問題」として扱って欲しいと。外の世界に出るのに10年かかったのだ。


医療者に反発される内容が、外の世界に出た途端、沢山の共感や賛同を得られるーーーーここに悲しい事件が減らない原因が隠されているのではないだろうか。



実の子を殺める母親が必ずといっていいほど口にする言葉がある。「将来への不安」である。「将来への不安」とは、自分が死んだ後のことだ。


生まれた子どもが障害や病気を抱えていたら、どんなお母さんだって落ち込むだろう。そもそも日本では障害者がいきいきと生活する姿を普段あまり目にしない。地方都市にいくほど顕著のようだ。


だから私は「子どもに障害が残るかもしれない」と告知された時、以前住んでいたカナダのことを思い出した。


私の住まいはオフィスビルが建ち並ぶ都心にあった。空港から降り立ったその日に驚いたのが、車椅子の人がいれば、ごく自然にドアを押さえる会社員の姿だった。いつも買い物をしていたショッピングモールには、病気や障害を抱えた人達が店員として働いていた。「私の障害はね」と話しかけてくるのだ。


近くには、世界的に有名な「シックチルドレン」という子ども病院があった。いつも救急搬送のヘリが患者さんを運んできていた。障害や病気を抱えた人達と共に生きる社会があるから、子どもの高度救命救急医療が成り立っているのだろう。


子どもが生まれた時、カナダのような日常が日本にもあったらと思った。隔離されているように別々に暮らしているのに、「前向きに生きよ」なんて「偽善」としか思えない。


もしも障害のある人達が、今よりももっといきいきと生活する姿が当たり前になっていけば、将来を悲観するお母さん達は今よりは減るだろう。


日本では「ダウン症児外し入学式写真」の報道があったばかり。今年度からはじまった、このような事業を通して、心のこもった副籍交流も全国に広がればいいなぁ、と思う。


二年生の時の担任の先生が『副交流授業』の様子について書いたお便りから一部抜粋

前日になると「明日くるんだねー。楽しみ−。」「わくわくするね」という声がきかれうれしく思いました。さらに○ちゃんの好きな車の絵を自由帳にかいたり、折り紙をおったり「黒板に絵をはってむかえたい」と言ったり。自分達できることを一生懸命やろうとする姿がみられ感激しました。


当日は○ちゃんの特別支援学校の話をきいたり、一緒に歌や合奏をしたりしました。休み時間には車いすの周りに集まりくしゃみのまねをして○ちゃんを笑わせていました。


ほんの少しの時間でしたが、○ちゃんはもううすっかり自分達の友達になっていました。○ちゃんを自然に受け入れ、仲良くする姿をみて子供達のやさしさをしみじみ感じました。○ちゃんもしじゅうご機嫌で担任の先生もお母さんも喜んでいらっしゃいました。次回の交流が楽しみです。



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スクールクラスターのイメージ図 (PDF:473KB) 文部科学省

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ちなみにこちらは厚労省が主導して行っている事業。私は重い障害や病気を抱えていない超低出生体重児(未熟児)の支援は、教育や福祉で行うべきだと思ってきたから、文科省の事業に期待する。製薬企業のキャンペーンに巻き込まれるのはもう嫌だ。


子どもの心の拠点病院ネットワークのイメージ 国立成育医療研究センター

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すべての学校で推進する特別支援教育

文部科学省委託 インクルーシブ教育システム構築モデル事業を通して 教育委員会


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インクルーシブ教育システム構築モデル事業実施の背景


障害者の権利に関する条約

障害者の権利に関する条約とは、障害者の人権及び基本的自由の享受を確保し、障害者の尊厳の尊重を促進することを目的として、平成18年12月に国連総会において採択され、日本は平成19年9月に署名し、平成26年 1月に批准した国連人権法に基づく人権条約です。


内容は障害に基づくあらゆる差別の禁止や、すべての障害者の人権および基本的自由を完全に実現することを約束しています。この条約において、「インクルーシブ教育システム」と「合理的配慮」の理念が提唱されました。


Ⅰ インクルーシブ教育システム構築モデル事業と合理的配慮


【インクルーシブ教育システム】

障害のある者と障害のない者が可能な限り同じ場で共に学ぶことを追求していく教育のことです。そのために、小中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「多様な学び場」を用意しておくことが必要です。


【合理的配慮】

障害のある子どもが、他の子どもと平等に教育を受ける権利を享有・行使するために、学校の設置者および学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことです。この変更・調整は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて、決定されます。


【●小学校の取り組み】

障害のある子どもに対し、その状況に応じて提供する合理的配慮の効果的な実践事例を研究しています。

研究の目的は、合理的配慮の内容を国立特別支援教育総合研究所データベースを通じて、全国に情報提供することです。このことは、全国の学校関係者・保護者等が、インターネットを通じて合理的配慮に関する内容の閲覧が可能になるということです。●小学校では、合理的配慮の事例を蓄積するために、校内検討委員会を設置したり、合理的配慮協力員を配置したりして取り組んでいます。

次年度、その成果については報告していきます。


Ⅱ 特別支援教育における国の動向及びこれからの●市の特別支援教育


① 平成18年12月 国連総会採択

「障害者の権利に関する条約」
※ 平成26年1月20日 批准

「インクルーシブ教育システム」と「合理的配慮」の提唱


② 平成18年6月 学校教育法改正

従来の「特殊教育」から「特別支援教育」への発展的な転換


③ 平成19年4月 文部科学省通達

「特別支援教育の推進について」
特別支援教育は、知的な遅れのない発達障害児も含め、幼児・児童・生徒が在籍するすべての学校において実地


④ 平成23根年8月 障害者基本法改正

第16条(一部抜粋)

○ 国及び地方公共団体は、障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る。

国及び地方公共団体は、障害者である児童及び生徒並びに保護者に対し、十分な情報提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならない。


⑤ 平成24年7月 中央教育審議会初等中等教育分科会報告

「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」


これからの市の特別支援教育

1 発達障害等も含めて、特別な支援を必要とする児童・生徒が在籍するすべての学校において実地していきます。

2 障害のある者と障害のない者が可能な限り同じ場で共に学ぶこと(インクルーシブ教育システム)を追求するとともに、障害のある者に対しての支援(合理的配慮と基礎的環境整備)を充実させていきます。

3 障害のある者が、将来の自立と社会参加を見据えるための指導を提供できる連続性のある「多様な学び場」を整備していきます。

※ 連続性のある「多様な学び場」とは、小中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校のことです。


Ⅲ 市の基礎的環境整備〜すべての学校で特別支援教育を推進するために〜

市の主な取組

1 情緒障害等通級指導学級担任による巡回指導の実地

・平成26年度より、小学校3校、中学校1校の上長障害通級指導学級が拠点校となって「子どもが動く」から「教員が動く」巡回指導を推進していきます。


2 市特別支援教育専門チームによる巡回相談の実地

・精神科医、臨床心理士、言語聴覚士、作業療法士などの専門家が、学校を訪問して専門的な立場から助言を行っていきます。


3 個別教育支援計画及び個別指導計画作成の推進

・診断のあるなしにかかわらず、すべての学校において、特別な支援が必要な児童・生徒に対しての作製を推進していきます。


4 多様な学びの場の整備

<通級の学級>

・小学校 20校 中学校 8校

<特別支援学級(知的固定)>

・小学校 6校 中学校 3校

<通級指導学級>

・小情緒学級障害等通級指導学級 3校
・中情緒学級障害等通級指導学級 2校
・難聴言語障害通級指導学級 1校

今後、市の児童・生徒の実態により、小学校おける情緒障害等通級指導学級を西部地区に一校増やしていきます。


5 スクールサポーターの配置

・現在、すべての小学校に一名ずつ配置しています。平成26年度より、すべての中学校においても配置します。


6 学級介助員の配置

・特別支援学級(知的固定)の学級数に応じて一名ずつ配置しています。


7 就学支援シートの活用

・就学前からの継続した支援を就学後も引き継いでいくために、幼稚園・保育園、市子ども発達支援センター等と連携し、希望した保護者に作成を依頼しています。作成した就学支援シートは、保護者の判断により、小学校へ提出されます。



「基礎的環境整備」とは、市が目指す、すべての学校で特別支援教育を充実させ、障害のある者とない者が可能な限り同じ場で共に学ぶことを追求するための教育環境の整備のことです。


平成25年3月に策定された、市特別支援教育全体計画の中でも上記の取組が明記されています。今後、市の子ども一人一人を本当に大切にする教育を進めるために、さらによりよい教育環境整備に努めていきます。


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ダウン症児外し入学式写真 長野の小学校、校長がおわび 朝日新聞デジタル 4月12日(土)7時36分配信


長野県内の公立小学校で今月初めの入学式での新入生の集合写真をめぐり、同校にも通うこ とになった特別支援学校のダウン症の男児が外れた写真と、加わった写真の2種類が撮影され た。校長が男児の母親に対して提案した。校長は「配慮が不足していた」として男児の両親に おわびした。


母親は「今は、私たちを他の児童と同じように受け入れてくれているので感謝している」と 話す。


母親によると、男児はこの春、特別支援学校小学部に入学。同時に、地域の児童との交流の 一環で地元の小学校の授業や行事にも月に1、2回参加することが決まった。小学校の教室に 男児の机も置かれ、クラスの一員として受け入れられることになった。


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2014/04/17

超低出生体重児(未熟児)はどうして運動が苦手なの?

息子は24週、800gで産まれたが、思ったよりも体重や身長ははやくキャッチアップ(正期産児に追いつくこと)した。幼稚園の年長ぐらいだった。夫は私が睡眠のリズムをつけたことも関係あるだろうと言っていた。


夏の八甲田山

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小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その9」どうすれば寝てくれるの・・・ 睡眠リズムをつけるためにした努力


自力でがんばろうと思ったのには理由がある。


息子が産まれてしばらくして不安になり、情報を集めている時だった。発達をみる専門家の中に「?」と思う指導をしている人がいたのだ。「(超低出生体重児の)子どもが上手く歩けない。つま先立ちをするように歩くのでちゃんと歩かせるにはどうしたらいいですか」と親が尋ねると「少し重いものを入れたリュックを背負わせて歩かせると安定します」と言うのだ。


この疑問がはじまりだった。やはり、運動生理学的には良いとは言えないそうだ。


私のまわりには、子どもの体力を伸ばしてくれる専門家はたくさんいる。一口に「運動」「スポーツ」といっても今は細分化されている。トップアスリートを育てるような指導者もいれば、子どものための野外活動を専門にしている先生もいる。科学的アプローチを取り入れるため、夫のように医学部で研究をする研究者も増えている。


そういう教員がお昼休みなどに集まると「カタカタを使って歩行訓練をするのは良いことか」「ビーチサンダル(ゴム草履)を履いて歩くのは意外と高度な技術が必要」というようなことで議論になったりするそうだ。


その子にとって何が今必要かを見極めるのは、本当は奥が深いはずだ。超低出生体重児は運動が苦手とされているけれど、どうしてなんだろう?自分でいろいろ調べ、周りにいる先生にきいてまわって情報を集め、試した方がいいんじゃないかと思った。


夫は野外活動の指導もしてきた。息子が二歳ぐらいからスキーに連れていき、雪に慣れさせた。春から秋には子どもを背中にかつぎ、ハイキングに連れて行った。産まれた頃には、子どもを背負う「ベビーキャリア」が日本で普及していなかったので、アメリカで買ってきたのだ。



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もともと登山では出会った人と挨拶するのがマナーだ。山の中では小さな子どもが珍しいから皆に声をかけてもらった。大学に連れていけば、いつでも学生が遊んでくれる。これが社交的で明るい性格になるきっかけになったかもしれない。


幼稚園時代、体が小さく周りの子どもに比べて何もかもできなかったけれど、先生とのコミュニケーション能力は抜群にあった。そうしないと集団生活ができないということもあるけれど、「大人にかわいがってもらった」という経験が大きいような気がする。


私は、発達が遅い子ども達には療育や訓練と同じくらい、大勢の人達に愛情を注いでもらうという経験が必要なのだと思っている。


最後に引用させていただいたように「成長段階に応じて、その時々で、子どもに必要なことは何かを考えていく」ことの方が大切だと思う。「待つ時間」も必要だ。一つの運動ばかりでなく、いろいろな運動刺激を与えることが重要だそうだ。


だからやっぱり私は発達検診医の「おはじきをフィルムケースに入れ、つまんで出す」という指導には疑問を感じてしまう。それは最善ではなく、一つの方法でしかないからだ。


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増加中!頭にけがする子供たち 2013年10月25日(金)NHK特集まるごと 


阿部
「子どもの“けが”についてです。今、顔にけがをする子どもが増えています。


保育園や幼稚園で、けがをしたケースのおよそ半数が顔のけがで、20年前と比べて、およそ10ポイント増えました。頭のけがを含めると、実に6割を超えているんです。」


鈴木
「中には廊下を走っていて、転んでドアにぶつかり、額に大けがをしたり、転んで顔を打って、鼻の骨を折ったりするなど、大きな事故につながっているケースもあります。なぜ、幼い子どもたちに顔のけがが増えているのか。背景として見えてきたのは、赤ちゃんのころに誰もが行う、ある動作です。」


顔や頭を守れない子どもたち東京・文京区の保育所です。0歳児から2歳児まで、およそ40人が通っています。


1歳の女の子です。公園の台から飛び降りようとしてバランスを崩し、手をつくことができずに頭から落ちてしまいました。


こちらの男の子は、自宅でテーブルをよけられず、額をぶつけました。


この保育所では、子どものけがを減らそうと、床には分厚いマット。


ベッドや机の角は、クッションで覆っています。それでも、自宅も含めて毎月3人程度は、顔や頭をけがしています。通常、転んだ時には、顔より先にとっさに手をつきます。しかし、手が出なかったり、体を支えきれなかったりして、顔をけがするケースが増えているといいます。


ぽけっとランド本郷 島田香園長
「転んだ時に手が出ないのと、高いところにのぼった時に、ひざを曲げる屈伸とか、重心を下げて飛び降りるのではなく、頭から倒れてしまうというのが、昔に比べると増えている。」


なぜ、顔や頭を守れないのか。幼い子どもの腕の筋力が不足し、体を支えられないことが原因の1つと考えられています。


東京都が30年前から続けている、5歳児の運動能力調査です。両腕で体を支えて、何秒間、足を浮かせていられるかを測ります。


この子の記録は15秒。中には、5秒も体を支えていられない子どももいました。


昭和55年度には、平均で80秒、体を支えることができました。ところが3年前には、男女とも48秒と、40%も短くなっているのです。


早稲田大学の鳥居俊准教授
体を支える力が落ちた理由について、子どもたちの日頃の運動不足に加え、ある意外な点に注目しています。


それは、“はいはい”の経験です。昔と比べると、早く赤ちゃんを立たせてしまい、十分に“はいはい”させていないことが関係しているのではないかというのです。


早稲田大学スポーツ科学学術院 鳥居俊准教授
「『はいはい』することによって腕の力が鍛えられたり、『はいはい』のあと立ち上がるという手順を踏むことによって、自分のバランスをキャッチして、崩れそうになったときに立て直す。そういう練習ができていたはずなのが、そういう機会がなく大きくなってきたことが、1つの原因じゃないか。」


どうすれば、身を守るのに必要な力をつけることができるのか。保育の現場の中には、早速“はいはい”を取り入れるところも現れています。


インストラクター「ごろごろ~。」


今月(10月)、さいたま市にオープンした保育施設です。週に3回、運動の時間を設けて、専属のインストラクターが子どもたちを指導しています。


ここで、2歳から3歳の子どもが最初に学ぶのが、“はいはい”。大きさの違う輪を“はいはい”しながら、くぐります。筋力をつけるとともに、手で体を支える動きを覚えさせるのが狙いです。


キッズ大陸インストラクター 諏訪美矢子さん
「自分の体がどれぐらいの大きさかという感覚機能を備えて、自分でぶつからないように頭を低くしてくぐったり、手足をうまく動かすことによって、自分の体が危ないといった時に手が出るということを養っている。」


どう養う? 身を守る力


さらに、みずから転んで手をつく練習も行っています。高いマットの山から飛び降りた先には、もう1つのマットの山。自然に手が出て、体を支える動きが身につきます。


キッズ大陸インストラクター 諏訪美矢子さん
「わざと危険なところで、不安定なところで運動することによって、自分の調整能力を養うというところもある。」


鳥居准教授は、5歳になるぐらいまでの間に、さまざまな運動をさせれば、身を守るための体の動きは十分に養えるといいます。


早稲田大学スポーツ科学学術院 鳥居俊准教授
「小学校に入る前の“運動の働きかけのゴールデンエイジ”と言われている、そのころに、いろいろな種類の運動刺激が加わってくるのが重要。いろんな動きをしてもらえれば、だんだん体が対応できるようになってくる。多様な遊び方、多様な場所で遊ぶということが大事になってくる。」


「はいはい」が育む 身を守る力


鈴木
「けがを防ぐうえで、“はいはい”がこんなに大切だというのは知りませんでした。」


阿部
保育や小児科などのさまざまな現場では、『子どもを早く立たせたい』という親の思いなどから、“はいはい”をする期間が短くなっていると感じているということです。確かに、『子どもが早く立つようになれば、うれしい』という親御さんの気持ちも分かるのですが、成長段階に応じて、その時々で、子どもに必要なことは何かを考えていくことも大切ですよね。


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2014/04/16

超低出生体重児(未熟児)の就学問題 「10歳の壁」を乗り越える方法 その2

超低出生体重児(未熟児)の就学問題 「10歳の壁」を乗り越える方法 その1 の続き

◇  ◇  ◇
“10歳の壁”を乗り越えろ ~考える力をどう育てるか~ 2009年6月18日(木)放送 クローズアップ現代 


なぜ、文章を正しく読み解くことができないのか?教育アドバイザーの糸山泰造さんは多くの親の相談にのってきました。


「計算は速いのに考えることを嫌がる」


糸山さんはこうした悩みを持つ子どもの中には、ある学習方法について、本来とは違ったやり方をしてきた子どももいると指摘しています。


学力低下の対策として、2000年頃から盛んになった、暗記やスピードを重視する反復学習です。これは計算力を高める効果があるとして普及している「100マス計算」。縦と横に並んだ数を、例えば(縦の)8+(横の)4は12、8+1は9, 8+6は14、というように上から順に計算していって、100マス分のタイムを競います。


ところがタイムを縮めるために、思いも寄らぬ方法で問題を解く子どもがいると糸山さんは指摘します。


最初に0の列から始めます。一番上の数字を自動的に写していきます。「次にどこの列を書くかというと、1の列を書くのです。どうしてかというと、理由があります。8の次の数字を書けばいいのです」



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後は、順に1の列、2の列と数字を順に埋めていく単純作業になり、これでは学力は育ちません。「驚異的にはやいですよね。でも全く意味がないですよね。こういう風になるんですよね。なっていくんですよね。スピードを求めると」


さらに文章問題が解けない背景としてコミュニケーションの不足を指摘する研究者もいます


長年、小学校の教師を勤めてきた増田周治さん(白梅大学準教授)学習につまづく子どもの多くは、友達と上手く会話が出来ないことに気づきました。そうした子ども達の家での会話を調べたところ、共通した問題が浮かび上がりました。


明日の用意したの?
早く寝なさい。
早くお風呂に入りなさい。
早くしなさい。
どうして弟(妹)とケンカするの。
早くゲームをやめなさい。
外で遊びなさい。
早く着替えなさい。
廊下をドンドン歩かない。
寝っ転がって漫画を読まない。
おもちゃを捨てなさい。
走ってきなさい。
今日はテレビなし!
食べてばかりいるんじゃないわよ。
今日は夕食なし。


(などが続く・・・)

子ども達の多くは、親から一方的に細かい指示を受けていました。親に質問したり説明したりするなどの会話が少ない日常生活が浮かび上がり、考える力を育てる上で問題だったといいます。


思考力の基礎は小さい時の言語の積み重ねと、想像力。イマジネーションの問題が大きい。イマジネーションの中で豊かに会話を広げていくことが、考える力を育てる、ということにつながっていくのではないか。

◇  ◇  ◇

この番組を見た時、発達検診を思い出した。自分で書いたブログ記事から引用する。

◇  ◇  ◇
小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その11」 子どもの生きる力を引き出すのは医療なの?教育なの? 

息子は4ヶ月も前に母体から出て、おまけに800グラムで生まれたのだから、発達が遅くて当たり前なではないのか。それを三ヶ月に一度指摘したところで、何が変わるというのだろう? しかも、遅れをどのように取り戻したらいいのか具体的な訓練の方法を聞くと、毎回、「おはじきやボタンをフィルムケースに入れ、つまんで外に出すといいです」と言うだけなのだ。


療育に行けないのか尋ねたところ、「公的支援を受けられるほどの遅れはない」と言われた。息子は、グレーゾーンよりももっと上のグレーゾーンに該当するので、「おはじき」以外に選択肢はないそうだ。


しかし夫はその方針に反対した。夫は運動生理学や免疫に関する研究をしてきた研究者だ。同時に長年教育現場で学生を指導してきた教育者でもある。息子には遊びを通して療育になるような刺激をいつも与えていた。もちろん箸の持ち方をはじめ基本的な訓練は常にしていた。「子どもの発達は、長い目で考えなくてはならない。今の時期には、細かい指先のトレーニングよりも、体の成長を促すべき」と私に言った。


確かに夫の言う通りだと思った。なぜなら息子は公園に行くと、自分よりも体が大きい子どもや活発な子どもがいるだけで怯えて遊ぼうとしないからだ。「男の子は仲間で遊ぶものだ」と夫が言っていた。毎日おはじきの訓練をしても、子ども達の輪の中に入れるとはとても思えなかった。何よりも家で二人きりで訓練をすると息がつまりそうだ。

◇  ◇  ◇

「教育」というものに、どこまで医療が介入し、エビデンスが必要なのだろうか。


例えば計算、というものは字を書くだけではない。番組で触れているように、頭の中で想像することでもあるのだ。そういうことを、大人がわからなくなってしまったことの方が、私には余程問題のように思えてならない。子どもにとって、就学前の時期は、友だちと遊ぶことだって、勉強になるのではないだろうか?


ところで、一年生の時、担任の先生にお願いして宿題を減らしてもらったのにも理由がある。


「足し算を速くできるように、カードを作って訓練しなさい」と、指示されたからだ。例えば表に「1+9」と書かれたカードをめくると、裏に答えの「10」が書いてある。このカードをめくって暗算の練習をするのだ。


しかし私は息子にはまだ暗記ははやいと思った。「数の概念」がまだ理解できていないからだ。息子のように理解する力が弱い子どもにとって、計算の仕組みがわからないうちに暗記に頼ると、勉強というよりも、「楽」な方法を覚えることになるだろう。ちょうど、番組で取り上げていた100マス計算の早業のように。


私の考え方は違う。


このように数を、頭でイメージできないようでは意味がないと考えた。例えば「8」という数。「8」は「5」に「3」を足した数であり、「10」になるには「2つ」足らない、と頭でイメージできないといけないだろう。


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1年生の、10の分解はとても大切。その次には繰り上がりの計算がまっているから。そうじゃなくても算数は数学までずっと続く。「今、少しばかり皆から遅れても、基礎を暗記に頼るのは恐い」と手紙を書いて強く訴えたのだ。


あの時、正しい道を選んで正解だと思った。勉強についてのアドバイスは、医師ではなく、教育の専門家のほうが私は嬉しい。


2014/04/15

超低出生体重児(未熟児)の就学問題 「10歳の壁」を乗り越える方法 その1

「ちょっと勉強ができない」というだけでなぜ子どもは「障害」を疑われ、医療機関に行くようになってしまったんだろうか。本当に障害があって、その子のためになればいいけれど・・・。

◇  ◇  ◇

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(1992/05)
辻 仁成

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内容紹介
形だけの家庭と敵意に満ちた教室。転校生の僕の孤独を癒してくれるのは、伝言ダイヤルで知り合った少女サキだけだった…。すばる文学賞受賞作。

◇  ◇  ◇


作家の辻氏が「すばる文学賞」を受賞したのは1989年だった。ミュージシャンだった彼がどんな小説をかいたのだろうと手にとったけれど、胸が締め付けられるような息苦しさを感じて二度と読む気になれなかった。


確か主人公は中学生の男の子だった。父親は仕事ばかりで家庭を顧みず、母親が新興宗教にはまってしまうのだ。家をあける日が次第に多くなっていく。「とうとう食事が『1000円札』になった」というような表現が印象に残っている。生活は豊になったはずなのに、心は満たされない。その一言が時代の空気を端的に表しているように思えた。


ちょっと想像すればいい。こういう家で毎日暮らしていたら、子どもは「明るく前向きに生きていこう」と思えるのだろうかーーーーー


クローズアップ現代で、興味深い内容の番組が放送されていた。私が訴えてきたことの「エビデンス」のような内容。子どもは社会や大人を映す鏡だ。「文章題」が解けないということを、単に子ども個人の問題にしてはいけないと思ってきた。


例えば「人」という漢字は、支えあってできているでしょう?一口に「文章題が解けない」と言っても、その奥には「家族のあり方」があったりするんだよ、という当たり前のことを私たちに問うていた。良い番組だった。


超低出生体重児の就学問題 算数の教え方と教員削減 「待つ時間」も大切です

超低出生体重児の就学問題 どうすれば成績がよくなるの? いろいろ試してみました


◇  ◇  ◇
“10歳の壁”を乗り越えろ ~考える力をどう育てるか~ 2009年6月18日(木)放送 クローズアップ現代 


愛知県犬山市にある楽田小学校です。


4年生になると学習内容は一気に難しくなります。この日は「億」や「兆」といった大きな数について学ぶ授業です。



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教師「ゼロはいくつありますか?」


子ども「5個」


すでに授業は6回ですが、いまだに数の大きさをイメージできない子が少なくありません。「6兆÷10」は、60000億ですがそれを6億と答えたり、700億を10で割る問題に逆に一桁多い7000億と答える子どももいました。


「億」や「兆」は三年生まで扱ってきた10や100に比べて桁数が格段に多く、大きさを具体的にイメージするには子どもには難しいといいます。


子ども「0がつきすぎて、意味がわからなくなる。意味がわからないと嫌いになる」


教師
「抽象的にイメージできないと、頭の中で数字が操作できない子どもにとっては、なかなか難しい時期になってきます。つまづいてくる子ども達も増えてくる時」


難しくなる学習内容にとまどう小学四年生。中でも大きな壁になってくるのが文章問題です。4年前、全国3万7千人あまりを対象に行った学力調査です。ここで数式の意味を理解するのに課題があると指摘されました。


例えばこの問題。



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赤いテープは210㎝で
白いテープの6倍です。
白いテープの長さを求めなさい。


赤いテープは白いテープの長さの6倍であることから。
白いテープの長さは「210÷6」で求められます。


しかし、正解率はわずか3割。半分以上の子どもが「210×6」と答えてしまいました。

問題文にある、「6倍」という言葉に反応し、6をかけてしまったと考えられます。


この調査を担当した元文部科学省の清水静海さん(帝京大学教授)は子ども達の間違いには、共通した傾向があると指摘します。「倍というと反射的にかけ算と思ってしまって。実は「倍」が出てきても「割り算」になる場合があるんですね。与えられた問題の場面を頭の中で上手く描けないと、それまで学習した概念や知識を使うことができないですね」

◇  ◇  ◇

息子は今でも大きな数は苦手だし、計算も素早く正確にできる、とはいえない。私はそう思っている。


でも、苦手なのは子どもだけの責任ではないだろう。今はバスに乗るにしても「パスモ」や「スイカ」が当たり前。一人っ子だからお小遣いを欲しがらない。そもそも「億」とか「兆」なんて日常生活でほとんど使わない。


友達の子どもが家に遊びに来た時感心した。まだ幼稚園児の三人兄弟の末っ子が、「三分の一!」と連呼していたからだ。この子は、分数が理解できないとお兄ちゃん達におやつをとられちゃうから死活問題なのだ。


だから「計算が苦手」といっても、その背景には、小さく生まれたことの他に、いくつかの複合的な要因があるんじゃないだろうか。「ちょっと計算ができない=もしかしてうちの子『発達障害』かも?」というのは、あまりにも短絡的な考えではないだろうか。


どうやって息子は数が理解できるようになったのか。その答えはやはり日常生活にあった。


はじめに分数。


最近、どこのバス会社でも、子ども50円割引キャンペーンがある。通常100円から110円の運賃が、休日などに限り、現金なら50円になる。バスが大好きな息子は、100円の半分が50円とぱっと理解できるようになった。


京王バス

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大きな数については・・・。


昨年から「ニュース番組をみて、一番印象に残ったものを、友達の前で発表する」という課題が与えられ、熱心にニュースをみるようになった。昨年息子が一番興味を持ったのは、元東京都知事の猪瀬氏の「5000万円借り入れ問題」だった。そのおかげで「●千万」という大きな数が頭に入ったようだ。


猪瀬都知事、5000万円運んだかばんを公開 ANNnewsCH

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最近みんなの党の渡部代表の「8億円借入問題」がテレビで報道されるようになった。この報道で「億」という数の大きさを理解したようだ。


8億円借り入れ問題 渡辺喜美代表、猪瀬氏との違いについて語る FNNnewsCH

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猪瀬氏や渡辺氏のおかげで大きな数があっという間に理解できるようになったが、その反面、「政治家=お金をもらう悪い人」のイメージになってしまったようでちょっと残念だ。

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超低出生体重児(未熟児)の就学問題 「10歳の壁」を乗り越える方法 その2