2014/07/30

おめでとう〜!!

知り合いが素晴らしい業績をあげたそうだ。「『ランセット』って知ってる?」とたずねるから「知ってるよ」と言ったら教えてくれた。私は、長いこと苦労している姿をみてきたから、もう結果が出せないのかな、と内心思っていた。だから自分のことのように嬉しくなっちゃったよ。ヨーロッパのある国のテレビ番組でも紹介されたそうだ。



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映画「希望のちから」から

最後の場面。スレイモン医師を多くの女性達が笑顔で迎える。
一つの有効な抗がん剤が開発されれば、これだけの女性を救うのだ。



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1998年認可以来、ハーセプチンは何十万人もの命を救った。現在スレイモン医師はUCLAで血液・腫瘍学部門長を務めている。リリーとペレルマンは18年間で一千万ドルの研究費を集めた。ハーセプチンは臨床試験を重ね、FDAより適応拡大が承認された。



それはすご〜い!


先日、クローズアップ現代で女子医大の死亡事件を扱った特集をみた。息子が生まれた時のことを思い出し、その人のことを思い出していた。


クローズアップ現代 『幼い命がなぜ… ~東京女子医大病院 医療事故の深層~』 2014年7月22日(火)放送 より一部引用


病院がプロポフォールの投与と死亡の因果関係を唯一認めているのは、2歳の男の子のケースです。


今年(2014年)2月、首に出来た腫瘍を取る手術をしたあと、4日間プロポフォールを投与され、亡くなりました。事故の背景には、病院の医療体制に構造的な問題があることも明らかになってきました。


男の子の主治医は、手術をした耳鼻咽喉科の医師。


手術のあと、人工呼吸器が必要となった男の子は、ICU・集中治療室に入りました。


そこには術後の管理を担当する医師がいましたが、主治医は治療が長期に及ぶ可能性を伝えていませんでした。一方ICUの医師は、治療が短期で終わると思い込みプロポフォールの使用を決定。


しかし治療が長引く中、ICUでの引き継ぎも十分に行われず投与が続いたのです。主治医もICUの医師に任せきりにしていました。この間、薬剤師が投与量が多いと指摘しましたが、その後もプロポフォールの投与が続けられました。



薬を投与する時に、子どもを小さな大人と考えてはいけないそうだ。子どもといっても小児医療には、低出生体重児・新生児から思春期までの幅広い年齢の子ども達が含まれている。大人における個体差に加え、発達に伴う生理的変化の影響もみていかないといけないという。


私は気がついたらいつのまにか、処方された精神薬で依存症に陥っていた。精神薬だと一切知らされないまま、投薬されていたからだ。


でも、「被害者」になって良かったことが一つだけある。CYP(代謝作用促す肝臓の酵素)や薬の力価(薬の強さをあらわす)というものをはじめて知ったからだ。


あの時、何度も断薬を試みたのだが、なかなか上手くいかなかった。どうすればいいか途方にくれ、被害者団体代表の中川聡さんに相談したら教えてくれたのだ。


CYPは子どもの場合、複雑に変化する。子どもに使われる薬の多くは大人用に開発されたものだそうだ。そのため医薬品添付文書には、小児についての記載は乏しいものが多く、鵜呑みにできないことも多いという。


被害者になって、はじめてみえてくるものがある。


彼のような専門家がいるからこそ、小さくうまれた子ども達や、難病の子ども達が成長できるのだ。周産期医療において子どもの薬はとても大切だけれど、それが安全に使われることがどれほど有り難いことか。


「私でも参加できるシンポジウムとか教育講演とかないの?話している姿をみてみたい!」と言ったら「花束をもってきそうだから嫌だ」と言われてしまったよ。


でも、こっそりブログを書いているから、ここに書いちゃおう。


あのねぇ、良いことをしているなら、家族や友人に知らせることだって時には必要なんだよ。私の自己紹介にあるように、亡くなってはじめてわかるんじゃよくないと思うのよ。


日本の小児医療が崩壊した理由の一つは、素晴らしい業績をあげても、それをきちんと国民に知らせてこなかったことだと思っている。知らせないから私達は知らないし、社会も大切に思わなかったんじゃないの?


私は子どもがNICUに入院して驚いたことがある。例えば、未熟児の肺になくてはならない人工サーファクタントは、日本人医師が開発に関わったそうだ。けれど、これをなぜか日本国民は知らない。その他にも救急医療にかかせないパルスオキシメーター。これも日本発の医療機器だそうだ。私なんて退院する時に欲しくなって思わず買っちゃったんだよ。(購入した時は今ほど普及していないので20万円弱もした)


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私が買ったパルスオキシメーター



目の手術をして下さった先生も『神の手』というようなすごい先生なのに、なぜか国民は知らない。


記者会見をするのも父の仕事だったから、とても不思議に思ってしまったの。どうして知らせないのかなって。


「大変残念」と広報部長 本社などに献花台 KYODO NEWS 【共同通信社】

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ロンドンオリンピックで「グレート・オーモンド・ストリート小児病院」が開会式のミュージカルで取り上げられていて、「イギリスの小児病院は国民に大切にされている。やっぱりイギリス人は違うなぁ」と言っていたけれど、日本人は何も知らないから大切にしない、ともいえるんじゃないかしら?


だからせめて、こうしてブログに書いてお祝いしよう。


おめでとうございます!!











2014/07/29

『子宮頸がん』ワクチンキャンペーンが女子学生に伝えたこと

昨日、みかりんさんにブログ記事を転載させていただいたお礼を差し上げたら、心温まるお返事をいただいた。被害者がまっていても、国や製薬企業は手をさしのべてくれない。これから自分達でいろいろと行動していかないといけないそうだ。


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反省の気持ちを込めて書いておこう。


夫が講義で子宮頸がんワクチン問題を取り上げたそうだ。大学に進学してきた学生は、進学できたのだから深刻な被害を抱えていない。


でも‥‥学生が書いた講義の感想を読んだ夫が嘆いていた。


やっぱり、というか当然というか。このワクチンについて、そして『子宮頸がん』という病について、正しい知識は届いていないそうだ。


「子宮頸がんが防げるワクチン」ならまだいい。「ハガキがきたから」「無料だから」「親に言われたから」こんな感じだったのだろう。


だからといって、私は啓発をしっかりやってと行政にお願いしたいわけではない。


被害者が放置されたまま、どんどん啓発をするのは納得できないよ。学校から退学するように迫られ、泣く泣く辞めた女の子達も多いからだ。


私は、正直なことをいえば、医師や患者さんが学校まで来て授業をしたり、学校で啓発のためのチラシやパンフレットを配ったり、ということを今はすすめて欲しくない。どこからどこまでが製薬企業の思惑なのか、信じることができないからだ。もう心が受け付けないのだ。


製薬企業のキャンペーンの実態が明らかにされないうちは、夫がいうようにシンプルに正しい情報を伝えればいいと思うのだ。


啓発よりもまず先にやるべきことがあるだろう。


行政や公立校の教育現場だって、キャンペーンに協力してきたはずだ。まずは、今までのキャンペーンの総括をきちんとして欲しいのだ。


最後に引用した時事通信のニュースは結構重く考えている。もしも裁判がはじまって社会問題化したら‥‥そう思うと、教育現場では出前授業や啓発を警戒するようになるんじゃないのかな。


「あの時は良いことだと信じていました。わかりませんでした」は教育現場では、通用しない。子ども達に「大人はずるい」と思わせたら、いけないと思うのだ。


以下は私のことを社会学の学会で発表して下さった社会学者が、今回のワクチン問題について書いて下さったこと。「こういう問題は、大学の授業などで教材になると思う。学生に調べさせて、問題を整理させる。ワクチン接種するかどうかをどうやって自分で考え決めるかという思考方法の訓練になる」とおっしゃっていた。


夫も教育者なので、まさに今そういうことをしている。「私は大人を信じている」と被害者の女の子が言っていた。そういう純粋な気持ちを、無駄にしてはいけないと思っている。


社会学では「意図せざる結果」とか、顕在機能・潜在機能などと言いますが、善意や良かれという気持ちが結果的に大変な問題を生み出すことがあるわけです。断罪するとか贖罪とかでなく、意図せざる結果の分析が必要でしょう。


善意の気持ち 【子宮頸がんで苦しむ女性を減らしたい】



そのためにはいいワクチンがある。このワクチンを普及させれば(公費助成にすれば)それが実現できる。みんなのためにもなる(本人のみならず、娘さんをもつご家族も喜ぶし、子宮頸がんの悲劇をみている医療者にとっても嬉しい。医療費もガンを減らすことで減っていくから社会にもよい)



啓蒙活動をしよう。できるだけいろんな人にも活動してもらおう。この病気を経験した女優さん、接種対象になる女子大達にも啓蒙活動を担ってもらおう。これはいいことなんだから女性たち自身に宣伝してもらえば理解が広がる。



公費助成になった!



接種者が増え副反応被害の問題も浮上


私たちはもともと善意で活動していたのです。まさかこんな被害が起こるなんて思っていなかった。それに被害は一部だろうし(ワクチンに副反応被害はつきもの)、救える人もたくさんいるのだからメリットが上回るでしょう? 副反応の問題と、啓蒙活動の意図やねらいと、このワクチンが普及することの意義は別々。


このような流れの中で、いったい何が問題を引き起こしたと言えるでしょうか?


●子宮頸がんワクチンってどんなもの?(知識と情報収集)
●子宮頸がんワクチンは必要なのか?(知識と分析)
●子宮頸がんワクチンを公費助成した時、なにが・どんな事態が起こりうるか?(予測)
●子宮頸がんワクチンのデメリットはなに?(知識と予測)


女子大生が参加した啓蒙活動でいったいどんな知識の啓蒙をしていたのか調べてみ
ようと思っています。



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子宮頸がんワクチン助成で政策立案の変化鮮明に 集中から一部引用


ワクチン政策はドラッグラグとは異なり、無関心な国民にいかに届かせるかが重要。GSKにはそのためのノウハウがふんだんにあった。一例がインターネット上のハローキティを使ったウェブサイト。国際的競争を生き抜くメーカーらしい発想だ。こうした文化は護送船団方式の国内メーカーや厚労省には皆無である。


 2価のワクチンを売るGSKには今後、4価を持つメルクとの戦いが待っている。GSKは患者向けの基金やブランド力で勝負しない限り、太刀打ちできない。果たして良い意味での患者サービスの向上につながるかどうか。予断は許さない。


 もう一つ、「ネイチャー・メディスン」「ニューイングランド・ジャーナル・メディスン」や「ランセット」といった学術ジャーナルと政策決定が連携しつつある。各誌とも世界中で百万単位の専門家が読むクオリティーマガジン。影響力は大きい。メガファーマの一角・GSKはここを主戦場として情報戦に参加している。


 こうしたメディアに取り上げさせることが外圧として政策立案にも効く。そんな事例が増えてきている。陳情や学会の意見書とは異なるツールとして活用できるものになった。


 とはいえ、各誌とも商業誌。販促も考えれば、編集にも意図は当然ある。注目すべきは学術論文より巻頭の編集ページだ。先進諸国では、政治家や官僚も目を通している。


 今回の概算要求で民主党政権はがん治療ワクチンの開発推進に60億円を付けた。これも前記のメディアで取り上げられてきた問題。ワクチン行政の拡充の一環だ。旗振り役の仙谷由人官房長官と長妻厚労相の着眼点・政治力ともに評価できる。


(肩書きはいずれも当時)


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グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリースより一分引用

日本は、2011年、極めて高い業績を達成しました。日本は革新性が評価される市場で、GSKは、非常に高い発売成績を収めています。ここ3年間で日本に おける売上は、35%増加し、8つの新製品を発売しました。この中には、特に公費助成の導入に伴い2011年に非常に好調だった「サーバリックス」が含ま れています。今後3年間は、10の新薬とワクチンを含む25以上の適応拡大製品を発売する予定です。この業績と見通しは、日本のマネジメントチームの努力によるもので、そのことにより今や日本は、GSKグループの成長機会の先頭に立つ市場となりました。


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啓発団体に製薬元部長=子宮頸がんワクチン―薬害オンブズ 時事通信 7月20日(日)14時9分配信


 医師や弁護士でつくる薬害オンブズパースン会議は20日までに、子宮頸(けい)がんとワクチンの啓発活動を行う「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」(議長・野田起一郎前近畿大学長)で、ワクチンメーカーのグラクソ・スミスクライン(GSK)の元部長が活動していると指摘し、他にメーカー関係者が在籍するかを尋ねる質問書を送った。


 薬害オンブズによると、元部長はGSKでワクチンマーケティング部長を務めた後、GSK在籍歴を公表せず専門家会議で活動している。


 専門家会議は2012年度にGSKから1500万円、もう一つのメーカーMSDから2000万円の寄付を受けていた。オンブズは6月、他の年の資金受領を開示するよう求める質問書を送付。「中立性に強い疑問がある。メーカーとの関係を透明化すべきだ」と指摘している。


 これに対し専門家会議は、元部長がGSK退職後の2011年1月から会議の事業を受託し、対価を受け取っていると回答。メーカーの資金受領は「開示していない」とし、他の関係者の在籍についても「社員が属したことはない」と答えるにとどまった。


 ワクチンを接種した人が長期にわたる痛みを訴え、接種勧奨が一時中断された問題で、専門家会議は「効果と安全が確認されている」として勧奨再開を求めている。 


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2014/07/28

企業の社会的責任とは ユージン・スミス氏とチッソそして『フェア&リーズナブル』

またまた怒られてちょっとばかり落ち込んだ。数年前に書いた病院への投書について。「批判だけだといけないよ。この人と何かを一緒にやろうと思わないよ」と言われたのだ。


わかっていても、それではあの時、どうしたらよかったのだろう。被害者が増えていくのを黙ってみていればよかったのだろうか?マスコミには情報がバンバン流れている。週刊誌の記事になったほうがいいのだろうか。私にはどちらがいいのかわからないなぁ。


ユージン・スミス: 水俣に捧げた写真家の1100日

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内容紹介
水俣病を世界に告発した写真家の本格評伝

二十世紀を代表する写真界の巨匠、ユージン・スミス(1918-1978)の代表作であり、人生最後のプロジェクトでもあったのが、写真集『MINAMATA』(1975年)でした。なかでも有名なのが、胎児性水俣病患者の娘をいとおしむように胸に抱く母の姿をとらえた「入浴する智子と母」の一枚です。この写真は世界中に衝撃を与え、水俣の公害の実態を海外に知らしめる役割を果たしました。



ところでチッソの一株運動について記事を書いたらアクセスが集中した。


一株運動で社会的責任を問う 『社長は逃げなかった』


一株運動について思いはいろいろあるけれど、あの当時の日本社会に被害を認知してもらうには、他に方法がなかったんじゃないかな。被害者の一番の苦しみとは、社会の理解がえられないこと。少々過激な方法だけれど今のようにブログを書くなど、個人が情報発信できない時代。国民にわかりやすく伝えるには、他に手段がなかったんじゃないだろうか。


江頭社長については今でも批判が多い。もしも、写真家のユージン・スミス氏の襲撃事件と関係があるのが事実なら‥‥全く共感できない。


※   ※   ※



ユージン・スミス wikipediaから一部引用


1961年、日立のPR写真撮影のために来日。

1970年、アイリーン・美緒子・スミスと結婚。ともに、チッソが引き起こした水俣病の汚染の実態を写真に撮り、実際に座り込みなどにも参加するなど、世界にその悲劇を伝えた。

1972年1月、千葉県五井にあるチッソの工場を訪問した際、交渉に来た患者や新聞記者たち約20名が多数派労組に暴行を受ける事件が発生する。スミスもカメラを壊された上、脊椎を折られ片目失明の重傷を負う。この事件でスミスは「患者さんたちの怒りや苦しみ、そして悔しさを自分のものとして感じられるようになった」と自らの苦しみを語った。その後『ライフ』1972年6月2日号に「排水管からたれながされる死」を発表し、大きな反響を得た。



江頭豊 wikipedia


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「サクラさんは正義感が強い」とある医師がいっていたそうだ。でも、たぶん「正義感」とはちょっと違う。


ネットで「チッソ」や「水俣病」を検索してみればよくわかる。書かれていることがすべてだ。こんな風にいつまでも、いつまでも「悪いことをした」といわれ続ける。


だから被害者をさらに窮地に追い込むようなこと、泣かせるようなことをして欲しくないのだ。そんなことをしたら関係者ばかりでなく、私のように子どもや孫達がどこかで罪悪感を抱えて生きていかなくてはならなくなるかもしれないからだ。そういう私の気持ちを少しでも知って欲しかったのだ。


※   ※   ※



企業の社会的責任 wikipediaより一部引用


企業の社会的責任(きぎょうのしゃかいてきせきにん、英語:corporate social responsibility、略称:CSR)とは、企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をすることを指す。 日本では利益を目的としない慈善事業(いわゆる寄付、フィランソロピー、メセナ)と誤解・誤訳されることもある。


企業の経済活動には利害関係者に対して説明責任があり、説明できなければ社会的容認が得られず、信頼のない企業は持続できないとされる。持続可能な社会を目指すためには、企業の意思決定を判断する利害関係者側である消費者の社会的責任(consumer social responsibility) 、市民の社会的責任(citizen social responsibility)が必要不可欠となるといわれる。


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ただ、後藤孝典弁護士のインタビューにある「鈴木竹雄っていう商法の学者が東大にいましてね。法律雑誌に論文を書きまして、『一株運動は邪道だ』と。『会社の社会的責任まで問うのは株主のあるべき姿を越えている』という内容ですね。いまから考えると、彼は一株運動を禁ずるための商法の改正に噛んでいたんです。『冗談じゃない』という反論を法律雑誌に書きました。」


これはどうなんだろうか。


ウィキペディアにある法学者鈴木竹雄氏についての解説には家族・親族の項目がある。一目瞭然だ。鈴木氏の親族は日本の高度成長期を支えた大企業の経営者や政治家ばかりだ。それも官僚出身者が多い。確かに学者としては公平・中立とは言い難い。弁護士に批判されるのも無理はないと思う。


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鈴木竹雄 wikipediaより一部引用

鈴木 竹雄(すずき たけお、1905年5月23日 - 1995年12月9日 )は、日本の商法学者。東京大学名誉教授。

家族・親族

鈴木商店(現味の素)第2代社長の鈴木忠治の三男。鈴木商店創業者の2代目鈴木三郎助は伯父。妻は子爵の井上勝純の娘。

兄に三楽オーシャン(現メルシャン)社長・会長を務めた鈴木三千代や、工学博士で昭和電線電纜会長を務めた鈴木松雄。

弟に通商産業省重工業局長等や日揮会長を務めた鈴木義雄や、経済同友会副代表幹事や昭和電工社長・会長を務めた鈴木治雄、三菱重工業副社長や三菱自動車販売(現・三菱自動車工業)社長を務めた鈴木正雄、大蔵省国際金融局長や国際通貨基金理事等を務めた鈴木秀雄がいる。

娘は日本放送協会報道局長やパリ日本文化会館初代館長等を務めた磯村尚徳の妻。慶應義塾大学法学部教授の鈴木千佳子は娘。



※   ※   ※



こういう情報だけだと、まるでかばい合いのようだ。護送船団方式のために異論が出ないよう、被害者を泣き寝入りをさせていたように感じてしまう。


けれど‥‥。


もう一度元メルシャン社長の鈴木忠雄氏について書いたブログ記事を掲載しておこう。批判されている経営者が実際にしてきたことはこういうことだったのだ。


薬やワクチンだって同じだ。すすめる時にはお菓子を配ったりするのに。ワクチンを啓発する患者さんにはやさしく接するのに。信じて接種した被害者には何もしないの?と思ってしまうのだ。


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天国に行って謝りたい 座右の銘は『フェア&リーズナブル』


父は味の素が好きだ。お刺身を食べる時など、お醤油にほんの少しいれたりする。鈴木会長のご兄弟は、優秀だから『味の素は頭と健康にいいぞ』といつも言っていた。


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中学生の頃図書館で読んだ本に「化学調味料は体に悪い」と書いてあった。父に 「味の素は化学調味料だから体に悪いんじゃないの」と言ったら喧嘩になってしまった。


それから数日して、父は私に言った。鈴木会長に「娘は『味の素が化学調味料だから体に悪い』と言っています」とわざわざ伝えたそうだ。鈴木会長は「学校の先生は体に悪いと教えるからね」と悲しそうな顔をしておっしゃったそうだ。


まさかご本人に言うなんて。また喧嘩になってしまった。


私は真面目な学生ではないので、就職がなかなか決まらなかった。すると鈴木会長は私を心配し、「うちの会社か兄弟の会社(メルシャン)に入れるといい」とおっしゃったそうだ。


父は「ご迷惑をおかけするので、それはよくありません」と断ったと私に言った。


それを聞いてまた喧嘩になってしまった。「勝手に就職先を決めないで。建設業は談合があるから嫌だ!」すると父は黙ってしまった。


結婚した時にはお祝いをいただいた。


数年後会長は亡くなった。


2007年、『華麗なる一族』が放送された時、鈴木会長のことを思い出した。あの番組をみた時、はじめて私は「間違っていたかもしれない」と思うようになった。一つの会社を大きく成長させる経営者の苦労など、考えたことがなかったからだ。


はじめてのシンポジウムの原稿の「ありがとう」という言葉は、鈴木会長への感謝の気持ちでもある。


その後2010年「兄弟の会社に入れるといい」とおっしゃって下さった、メルシャンの元社長鈴木忠雄氏が亡くなった。


新聞記事を読んだ時、めまいがしそうだった。「お金儲けをする人は悪い人」と心のどこかで思い込んでいたからだ。


昨年アメリカのヨセミテ国立公園を訪れた。ヨセミテの玄関口はワイン産地として世界的に有名な、ナパバレーのぶどう畑が広がる。広大なぶどう畑をぬうように、夫が運転する車はすすんでいった。


私は今も大切にとってある新聞記事を思い出した。


一生懸命生きると、天国にいけるそうだ。だから私はどんなに苦しくても最後まで生き抜いて絶対に天国に行こうと決めている。会長にお目にかかってどうしても伝えたいことがある。


『ごめんなさい』と謝まりたいのだ。


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追想録 世界駆け抜けた気さくな秀才 鈴木忠雄さん (メルシャン元社長) 2010年 10月15日
日経新聞 



世界的なワイン産地、米なナパバレー。その中でも有数の名門ワイナリーに育ったメルシャンのマーカム・ウィニヤーズのブドウ畑で10月中旬、従業員たちが日本に向かい黙とうをささげた。ささやいた言葉は「さようならタッド(忠雄)」。飾らない人柄を誰もが慕っていた。


味の素の創業者の一人、鈴木忠治氏の孫。


(中略)


他の会社は一切受けず、味の素に入ったのが1951年。入社前に受験したロータリークラブの援助による留学生制度に合格していたため、1年目の夏から米国シカゴ郊外のノースウエスタン大学に1年間留学、ここで国際感覚に磨きを掛けた。


この時、もう一人、留学生に選ばれたのが元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんだった。


帰国後は総合食品メーカーを標榜(ひょうぼう)する味の素で、米食品メーカーのCPCインターナショナルと合弁で粉末スープ事業を立ち上げたのをはじめ、マヨネーズ事業への参入の旗ふり役も担った。


1970年代後半、苦境に陥っていたブラジル事業の継続、強化を決断、後の海外部門発展の礎を築いた。


副社長の鈴木氏と、社長在任中にコンビを組んだ歌田勝弘さんは「大変な秀才で国際通」と評し「一方で気取らず男にも女にもよくモテた」と話す。


スープ事業進出時には小売店に出かけ「気さくにあいさつしながら商品棚でハタキをかけていた姿を思い出す」と人柄をしのぶ。


「味の素のプリンス」と言われ続け、社長の最有力候補と目されながら87年に三楽(現メルシャン)の社長に転じた時には業界で様々な憶測を呼んだ。


しかし自らは恬淡(てんたん)とし、「酒屋のおやじ」を自称しながらワインを主軸としたメルシャンの事業拡大に力を注ぐ。


ワインを家庭に普及させるため、一本500円の「ボン・マルシェ」発売も指揮。一方で、87年に米ワイナリーのマーカム・ウィニヤーズ、88年に仏ボルドーのシャトー・レイソンを相次いで買収、メルシャンのワインの品質を高め事業のすそ野を広げた。


買収先のワイナリーの従業員には毎年、B 5判の紙3枚程度に家族を含めた近況を書いたクリスマスカードを送る気遣いを忘れなかった。


座右の銘は「フェア&リーズナブル」。


自分に言い聞かせるように常にこの言葉を繰り返していた。



10月12日没、80歳


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「みかりんのささやき」より転載させていただいた。いつの時代でも被害者の思いは同じではないだろうか。被害者とご家族は何をして欲しいのか、何を求めているのかがよく伝わる文章だと思う。


本日のシンポジウム 指定発言 2014-07-27

本日はシンポジウム「医薬品の安全監視を考える~『子宮頸がんワクチン』被害からの問題提起」において、被害者連絡会代表として指定発言を行いました。


以下がその文です。

 
初めに、子宮頸がんワクチンを中止にし、接種者全員の調査をし、子供たちに今何が起こっているのかを調べること。これを国が行うことが責務です。


 私の娘は、子宮頸がんワクチンサーバリックス接種直後から、体のいびれや痛みが現れ、片腕は真っ赤に腫れ、翌日には入院しました。検査に異常がなくとも、その症状は激烈で、熱や吐き気はもちろん、1から10までの数字すら数えられない、自分の名前や家族がわからない、記憶障害で先ほどのことも覚えていない、睡眠障害で寝ながら体を動かして歩き回り転ぶ、嚥下障害、不随意運動、激しい痛みで歩けない、突然倒れる。症状は40にも及ぶほど。それがが取っ替え引っかえ、または同時にいくつも現れ、地獄のような厳しい生活を余儀なくされました。このワクチンを打つ前まで健康だった娘が、廃人のようになったのです。


 この状況が、私の娘だけに起こっている事だとは到底思えませんでした。



 これは本当に大変なことが起こったと思い、記録しておくことは重要だと考えました。日記のように娘の症状を日々書いていましたが、夫がブログを開設して記録として一般公開するべきだと提案しました。
 

そして、「みかりんのささやき」という私のブログは誕生したのです。


 毎日、娘に起こった出来事を記録としてブログに書くようになりました。「絶対に娘だけにこんな事が起こっているはずはない、ほかにも同じように苦しんでいる人がいるはずだ」毎日そういう思いの中で書いておりました。そして、このワクチンは子供をこんなにまで、ひどい状況にしてしまう。それを多くの人に知ってもらいたかったのです。


全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会が設立したのは去年の三月ですが、その前から既に私のブログには同じような状況に苦しむお嬢さんのお母さん数人から、私のブログにメッセージを寄せていました。


 今事務局長をしている日野市議会議員の池田さんとも、このブログを通して知り合ったのです。


 娘の症状をいくら小さい声が訴えても、それを取り上げてくれるところは当時はありませんでした。厚労省には報告してもらいましたが、その後何かアクションがあったわけではありません。


 ですから、私が、ネットという世界で症状を訴えていたのはとても良かったと思います。私自身、娘のこの症状を治すヒントはないかと、時間があればネットで検索をし、探していました。それが、同じように苦しむ家族や、問題視する医師、救済に手を挙げて奔走してくださる数々の議員さんたちを繋げたのです。


 このブログが多くの人に子宮頸がんワクチンの被害を気付いてもらうきっかけになり、今では子宮頸がんワクチンの副反応は激烈で重篤な被害が多く発生していることが知られるようになってきました。また、被害に遭っているご本人や親御さんたちが辛い日々と改善に向けた取り組みをブログやツイッターで伝えるようになりました。


 これは、患者の声なのです。


 国に届かない患者の生の声を私たちは常に伝え続けてきました。それを拾える国の制度が無い、または機能していなかったからに他ありません。ワクチンの被害は、その症状が一つではありません。多分過去の薬害の被害も同様でしょう。


一度報告したら終わりという制度も間違っています。被害に遭った人の症状を追いかけ、患者の声を安全対策にどう生かすか。それを国が行うべきなのです。


国が法案を通しておすすめし、国民に打たせたものです。


 副反応が出れば、治る道を患者は日々もがきながら溺れるように探しています。国はその溺れかけている患者に手を差し伸べるべきです。副反応は必ず起きるものだと言い、その裏でなかなか救済はしない。特に個人で訴えれば、無視されるでしょう。


 情報を与えずに効果があるという巧みな言葉を使い、いま被害は深刻化しています。患者の生の声に、どうか国は耳を傾けて欲しいと思います。


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2014/07/18

一株運動で社会的責任を問う 『社長は逃げなかった』

(夏休みになるので、更新がゆっくりになります)


ある会社の株主総会にいったら、異様な光景が広がっていた。会場のホテルの正面玄関から少しはずれたところで、市民団体が株主にマイクで何かを訴えている。「皆さんが株を持っている会社は、不当なことをして利益を得ている」と言っているようだ。


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弁護士 後藤孝典

水俣への関心は68年から。朝日新聞の記者がきて
『とんでもない事件が起きている。
患者側に立って何かやる気はないか』と



玄関の近くには男性社員ばかり、数十人がうつむきがちに立っていた。警備のためでもあるのだろう。男女共同参画というけれど、こういう仕事は女性には任せられないようだ。


私は市民運動や学生運動があまり好きではなかった。活動のために活動をしているようで、本当に社会のためになるかわからなかったからだ。うつむく男性社員をみていても、一体『弱者』とは誰のことなのか考える。


今日紹介するのは、はじめてシンポジウムに登壇した頃、みつけた新聞記事だ。


シンポジウムの登壇者の中に、薬害訴訟を闘った女性がいた。彼女はその年、衆議院議員選挙に立候補し見事当選したばかり。政権交代の象徴といわれた。


パンフレットに彼女の名前を見つけた時、様々な思いが押し寄せた。


私は被害者と、批判される側、双方の気持ちになるのだ。


私も被害者だしヒドい目にもあった。けれど、彼女のように人前で官僚を批判する気になれない。「あの男は逃げなかった」と弁護士に言われた社長の気持ちもわかる気がするからだ。父が苦労してきた姿を知っているから、逃げないで壇上に立ち続けるのだって覚悟がいるはずだと思う。胸が苦しくなった。


記事には興味深いことが書かれていた。


『鈴木竹雄っていう商法の学者が東大にいましてね』とは、鈴木会長のご兄弟のことだ。当時は株主が企業の社会的責任を問うことが当たり前ではなかったようだ。この記事を読んだら、三菱重工爆破事件の犯人のような活動家に「帝国主義」と一方的に憎まれた理由がわかる気がした。


現在では、企業の経済活動には利害関係者に対して説明責任があり、説明できなければ社会的容認が得られず、信頼のない企業は持続できないとされる。


翻って今回の子宮頸がんワクチンの問題。利害関係者に対してきちんと説明がなされているだろうか。私にはそうは思えないのだ。




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〜人生の贈り物〜 一株運動でチッソの社会的責任を問う。 2009年10月26日 朝日新聞


弁護士 後藤孝典(71)


「水俣への関心は68年から。朝日新聞の記者がきて『とんでもない事件が起きている。患者側に立って何かやる気はないか』と」



——70年から水俣病間者の支援に取り組み、加害企業チッソに対する一株運動を編み出しましたね。


「社長と直接話がしたい」っていう話は患者側からあったんですよ。「直接渡りある場はどこかにないかな」と、ぼんやり考えてて、「ないわけじゃないなあ」と思ったんですね。それが株主総会です。


知り合いが証券会社に勤めてましてね。そこへ行って、35万円くらいだったと思いますけどね、ポケットマネーでとりあえず一万株買った。それを分割して、それから、みんなで話をしようと、そういう順番ですね。東京の「水俣病を告発する会」に提案したら、「やろう」と。非常に早かったですね。


——水俣の現地に入って伝えたら患者たちは喜んだそうですね。各地で一株株主を募りました。


東京と大阪と、すごい人数。5千人を越えたと思いますよ。あのころは、弁護士はぼく一人ですね。ただ東大の大学院の連中がいましたから。運動が面白いから一緒にやろっていう院生が何人も現れてね。


——70年11月28日、チッソの株主総会の大阪厚生年金会館に巡礼装束の患者たちと乗り込みました。発言を封じられたと聞いています。


そうですね。何のために患者が来たのかについて、真摯な検討をしていないんですね、江頭豊社長は。


紙に書いた修正動議を渡そうとしたけれど、そういう状況じゃないんですよ。だから、ぼくは壇の下にいて紙を投げたんです。新聞配達をやっていましたから、シュッと。投げたけれど社長は拾おうとしないわけですよね。


ものすごい喧噪で、ほとんど聞こえないんですけれども、進行順序を見たら、「もう止められない」とわかりますから、「壇上に上がる以外ない」と思ってね。社員たちが中途半端に足を引っ張るから、肩をスパンと蹴飛ばした反動で立ち上がって、議案を持って行ったんですね。


彼はそれもまた無視した。だから目の前に置きました。法的にはちゃんと異議と言ったわけです。


——患者たちも次々に壇上に上がり、江頭社長を取り囲みました。ほかの役員は逃げたそうですね。


彼は逃げなかったんですよね。座り込んでました。興銀から来てるから、ちょっと上からものをみる姿勢ですからね、あの男は。


——この株主総会の議決を取り消しを求めて提訴しました。最高裁で勝ちましたね。あれは一審からストレート勝ちしました。一株運動に批判もあったとか


「株主の立場に立つのは問題だ」とよく言われたんです。間接的であっても、会社が水銀を出すことに関与しちゃうことになる。だけど、そういう矛盾に立つからこそ、一株運動はおもしろいと思うんですね。


鈴木竹雄っていう商法の学者が東大にいましてね。法律雑誌に論文を書きまして、「一株運動は邪道だ」と。「会社の社会的責任まで問うのは株主のあるべき姿を越えている」という内容ですね。


いまから考えると、彼は一株運動を禁ずるための商法の改正に噛んでいたんです。「冗談じゃない」という反論を法律雑誌に書きました。このごろはCSRですか。会社の社会的責任が認められるようになった。あのころ、そんな言葉はなかった。


ききて・田中啓介

(以下略)

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2014/07/17

【水俣は問いかける 友よ、法廷では敵だった】 真の友情とは

母が私に私立小学校の受験をさせたのは、幼稚園に馴染めず泣いて家に帰ってくることが多かったからだ。受験勉強は嫌いだったけれど、合格した小学校は素晴らしく居心地が良い。隣の席になった女の子が仲良くしてくれたからだ。


その時歴史が動いた 「わが会社に非あり~水俣病と向き合った医師の葛藤~」

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白装束姿、黒地に「怨」と「水俣病死民」を染め抜いた旗を掲げる水俣病患者の方々


彼女は頭がよくて、明るくて、クラスの人気者になった。私は彼女がいたから小学校に行くのが大好きになった。


ところが中学年の時だった。彼女のお父様が突然亡くなってしまった。クラス中がショックを受けた。


彼女は薬学部に進学し、ある製薬企業に就職した。


そう、今、問題になっているワクチンをつくっている会社だ。


「今にきっと社会問題になってしまう」と思っていても、それを行動にうつしていいのか悩んできたのは、彼女のことが頭をかすめるからだ。製薬企業に就職したのはきっと「多くの患者さんを救いたい」という純粋な気持ちがあったのだろう。


しかし運命とは皮肉だ。


原発事故が起きてから、よく「水俣病」が引き合いに出される。ため息をつきながら、様々な記事を読んできた。私の中に罪悪感があるからだ。


そんな時、目にしたのがチッソの代理人であり、私達家族もよく知っている弁護士についての記事だった。先生にこんな運命のいたずらがあったなんて知らなかった。なんとなく、今の自分と似ているような気がする。


記録としてやっぱり残しておこう。


はじめて先生にお目にかかった時、面食らってしまった。時代劇に出てくるような悪代官のような人を想像していたからだ。「水俣病」に関する本を読んでいるうちにそう思い込んでしまったようだ。チッソの弁護をするくらいだから「悪い人に違いない」と。


記事の中に「千羽君きつくなったな」という先生の言葉がある。先生らしいと思う。


先生のお父様は加嶋五郎という著名な弁護士だったそうだ。今のブリヂストンの基礎となった石橋財閥の発展に貢献した方だったそうだ。父は「おぼっちゃん育ちだから弁護士には向かない」というようなことを私に言っていた。でも、この記事を読んで先生は先生の生い立ちがあるからこそ、苦労されたんだなあ、と思った。


私は高度医療で救命された元患者だが、同時に薬害の被害者でもある。幼い頃にはわからなかった人の心や痛みが少しは理解できるようになったようだ。あるいは地道に勉強し、患者のために体を犠牲にして働く友人達の姿をみるうちに変わったのかもしれない。


今になれば、若い頃の中途半端な正義感ほどたちの悪いものはないと思うのだ。科学技術には光と影がある。そのどちらか一方だけを強調してはいけないのだと思う。


そうは思っていても、今回のビジネスのやり方はやり過ぎじゃないのかな。もう我慢しなくてもいいよね。一方的に譲歩するだけの関係では、友情とはいえない。


先生と同じように友情は友情、闘うべき時は闘う。それが本物の友情じゃないのか。この記事を読んだ時、そう思った。


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水俣は問いかける7 友よ、法廷では敵だった 2011.6.27 朝日新聞


水俣病をひき起こしたチッソの過失を裁判で立証したくても、証人のなり手がない。弁護団は頭を抱えていた。損害賠償を求める第1次訴訟の審理が熊本地裁で進んでいた1970年のことだ。


裁判に協力的だったチッソの労組役員は「証言したらクビになる」と二の足を踏み、工場周辺の住民は「チッソに盾突いたらこの街では生きていけない」と尻込みした。


弁護団がやむなく証人として呼んだのが、原告患者が発症した前後の57~60年に水俣工場長だった西田栄一(にしだえいいち)(故人)だった。事務局長千場茂勝(せんばしげかつ)(85)をはじめ7人の弁護団は、チッソが提出した資料の山と格闘し、工場排水をネコに与えた実験の台帳に目を留めた。


「374」の番号を割りふられたネコが「発症」――。熊本大の有機水銀説に反論するため、チッソが59年発表した「見解」では、ネコ374号は「発症せず」とされていたのだ。千場らは次々に尋問に立って、こうした矛盾点を突いていった。2日目の証人尋問で、西田は「水俣病の原因は工場排水」と認めた。


「千場君、昔に比べてきつくなったな」チッソ側代理人の弁護士加嶋昭男(かしまあきお)(83)は面食らった。千場と最初に会ったのは東京・霞が関の建設省。2人はともに53年入省のキャリア官僚だった。


加嶋は東京出身。東大在学中、司法試験に合格したが、若いころ内務省に内定しながら弁護士を選んだ亡父五郎(ごろう)に勧められ、建設省に入った。酒をよく飲む職場の慣習に、「健康を損なうのでは」と不安になり、1年余りで辞めた。その後は父親の弁護士事務所に入って約30社の顧問業務を手がけたが、その1社がチッソだった。チッソの顧問弁護士は父の代からだ。


一方の千場は熊本生まれ。チッソとの縁は戦中にさかのぼる。今の熊本大工学部在学中の44年に動員され、水俣工場で戦闘機の風防ガラスを磨く作業に明け暮れた。


戦後、地元の新制中学の教員に採用され、国家公務員試験を受けるよう同僚から勧められた。中央大の夜間部に通い、建設省に入ったものの学閥社会の役所に嫌気がさし、勤務の合間に司法試験の勉強を続けて58年に合格した。


加嶋が世田谷に住んでいた63年に、労働問題専門の弁護士になった千場が自宅を訪ねてきたことがあった。千場は「熊本へ帰る」と告げた。その後、千場が水俣市職員労組の役員から水俣病患者のために裁判を起こすよう依頼され、6年後に法廷で相まみえることになろうとは、2人とも夢にも思わなかった。


法廷で同期の友と闘う日々が始まった。


第1次訴訟は、千場にとって苦しい裁判だった。チッソによる患者切り崩しを恐れて提訴を急いだ結果、準備不足がたたって思うように立証が進まない。千場は支援者の手厳しい批判にさらされた。


加嶋にとってもこの裁判はつらい経験だった。傍聴席から怒号が飛んできたり、閉廷後、ゲバ棒を持つ支援者に何度か追われたりした。警察官に守られながら裁判所を出た日もあった。「胃潰瘍(いかいよう)になりそうでした。だけど、僕は顧問弁護士だから、逃げるわけにはいかない」



熊本地裁は73年、患者側勝訴の判決を言い渡し、一審で確定した。千場らは続いて、どんな症状があれば水俣病と判断するかが争われた第2次訴訟や、チッソに加えて国や熊本県の責任も問う第3次訴訟を起こした。


だが、司法が原告患者を水俣病と認めても、行政は認めない。その隔たりは今も埋まらないままだ。水俣病の裁判に取り組んだ歳月は2人とも28年に及ぶ。


(中略)


いつのころからか、2人は年賀状や挨拶(あいさつ)状をやり取りするようになった。「仕事上のことと、千場君と友人であったことは別ですから」と加嶋は言う。


 千場は44年間在籍し、水俣病裁判を闘う拠点だった共同法律事務所を今年、辞めた。加嶋は今もチッソの顧問弁護士を続けている。(田中啓介)


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2014/07/16

斎藤貴男さんは不信を煽る悪いジャーナリストなの? 真実が知りたい!

先月、集英社インターナショナルではじまった「子宮頸がんワクチン問題を追う」という連載が話題だ。取材しているのは、斎藤貴男さんというジャーナリストだ。


集英社インターナショナル 「子宮頸がんワクチン問題を追う」 斎藤貴男

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私は斉藤さんの名前を見た時、「読んでみたい!」と思った。なぜなら斉藤さんは、日本のワクチン行政を20年遅らせたと批判されている、MMR訴訟当時活躍したジャーナリストとして真っ先に名前があがる方だからだ。私のように、ワクチンへの不信を煽った戦犯の一人のように思っている人も多いのではないだろうか。


昨年放送された、NHKのクローズアップ現代「風疹大流行 遅れる感染症対策」では勝訴して、万歳をする原告団の映像が流れた。


NHKのクローズアップ現代「風疹大流行 遅れる感染症対策 

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※  ※  ※



実はこのとき、ワクチン行政の大きな転換がありました。予防接種を受けたあと、死亡したり後遺症が残ったりするケースが相次ぎ、1980年代から90年代にかけて、国は裁判で次々と敗れました。

「ばんざーい!」

それまで予防接種は受ける義務がありましたが、国は法律を改正し、受けるよう努めると個人の判断に委ねることにしました。

その結果、接種率が大幅に低下したのです。

厚生労働省 結核感染症課 正林督章課長

「世論もかなりワクチンに対して、残念ながら、ネガティブなイメージを持たれました。副反応あるいは健康被害に対して、国民の注目が集まれば、われわれ行政府としては、それを全く無視して、何も考えずにワクチンを前に進めることはできない。」



※  ※  ※



MMR訴訟についてよくある批判は、「占部株について議論しないままMMRワクチンが中止されてしまった」「厚労省の責任を追求しすぎ」などだ。だから、連載がはじまった時、そんなに不信を煽るような記事を書く人なのだろうか?と思ったのだ。


早速、斉藤さんの「子宮頸がんワクチン問題を追う」を読んだ。


思っていたようなジャーナリストではないようだ。ちなみに当時の記録をあたってみると「社会問題化する前からコツコツ調べていたジャーナリスト」のようだ‥‥?ますます混乱する。


月刊「論座96年7月号」 MMRワクチンを問い直す - 「お上の予防接種は安全なのか?- 」 栗原敦  MMR被害児を救援する会々員


後に社会問題化するMMRだが、その渦中に唯一人厚生省批判をまとめたジャーナリスト斉藤貴男は、導入時に使用されたMMR(統一株MMRという-後述)について、どのメーカーのM、M、Rを採用し混合するかの判断をする上で要となった予研の杉浦昭(故人)は、MMR導入には消極的であったと記している。


(9)私自身、去る3月から4月にかけて予研関係者に尋ねたところ、89年4月導入は早すぎた、実験が足りなかった。おたふくかぜ自然感染後に一定の率で発生する無菌性髄膜炎はワクチン(軽く感染させる)接種後に起こり得ることだった。杉浦部長はその不安を抱いていたなどと答えた。一部市民レベルでも導入見合わせを求める動きがあった。アメリカのMMR副反応情報(10)を入手していた静岡予防接種を考える会(鈴木美子代表)がその先駆けであった。



今回の連載には、推進する古川俊治議員のインタビューと、ワクチンとの因果関係を疑い被害を研究する西岡久寿樹先生のインタビューもある。西岡先生の指摘はその通りだと思う。


今までのワクチンのキャンペーンを考えれば、バランスが取れているんじゃないだろうか。むしろ私は「クローズアップ現代」が、薬のキャンペーンや救済までの道のりが険しいことなどについて言及しないほうがバランスを欠いているんじゃないかと思ってしまった。


知り合いに裁判で認定された副反応被害者がいるし、被害者の手記を読んだことがあるけれど、一言ではいえない苦労がそこにはあるからだ。


「報道と裁判」が悪いというけれど、裁判をしないと救済されないのだ。報道してもらわないと、厚労省が動いてくれないのだ。それ以前にそもそも、副反応が認めてもらえないことにほとんど触れていない点は、どう考えればいいのだろう?


本当に大変で困難なことを放置したままで、「ワクチンをうちましょう」と伝えても、不信はなくならと思うのだ。


この前「サクラさんは今でもワクチンを子どもに打たせているの?」ときかれた。何ていったらいいかわからず沈黙してしまった。


夫は免疫の研究者だから感染症対策にはやっぱり接種率をあげるべきだと言っていた。私には、ワクチンを信じる気持ちは今でもある。


そういう気持ちはあっても、「ワクチンをうちましょう」という啓発活動に私はもう参加しないだろうな、と思うのだ。


今私を駆り立てているのは、私をこういう気持ちにさせたものの正体を知りたい、という思い。一体科学への不信はどこから生まれてくるのだろう。真実が知りたい。


私は推進する考えの人と、反対する考えの人と、双方がきちんと議論し折り合いをつけながらすすめていくのが理想だ。尊敬する元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんの言葉を引用する。


世界に発信する日本人のための英語を

「上からの保護というのは“統治”の考え方。下からの能力の強化というのは“自治”の考え方。“統治”と“自治”が一体化して、はじめてグッド・ガバナンスになる」

元国連難民高等弁務官、元国際協力機構(JICA)理事長の緒方貞子さんの言葉の第二弾。これもリアリストの緒方さんらしい言葉です。「どちらか」ではなく「どちらも」というこの思考方法は、Why not both?を基本とするオバマの思考に近いものも感じます。



マスコミ戦略で「安心・安全」を強調し接種率を高めても、ワクチンというものをきちんと理解しているわけではないだろう。マスコミ戦略でつくった世論とはオセロゲームみたいなもの。一度深刻な被害が出れば、激しい揺れ戻しが起きるのは当たり前だと思うのだ。


「裁判が悪い」「報道が悪い」といっても細かく事例、一つ一つをみていかないと一概にはいえない。だから、そうした先入観もまたキャンペーンの一環、プロパガンダのように思えてしまうのだ。


今回の斉藤さんの連載はいろいろな意味で私には考えさせられる。


例えば、斉藤さんがインタビューをしていた古川議員。古川議員は、TRFメンバーで安室奈美恵の元夫のダンサーSAM(サム)さんのいとこにあたる方だ。


安室さんの結婚発表があった時、私はテレビをみて驚いてしまった。私は義理の父と紹介された丸山先生の病院で生まれたからだ。しかも私は一歳になった頃、麻疹に感染し生死の境を彷徨ったそうだ。その時、母が助けを求めたのも丸山病院だったのだ。


「もしもワクチンをうっていたら、危ない状態にならなかったのにな」と夫が言っていた。



だから古川議員が「ワクチン行政」に対して持っておられるお気持ちが、全く理解できないわけではない。


その一方で、斉藤さんが取材した脇雅史議員の言葉にもドキっとしてしまった。厚労省の官僚を「おまえらはチッソなのか」と批判したからだ。


※  ※  ※



実際に重篤な副反応が出ている人がかなりおられる。ワクチン由来かどうかはまだ明らかではないけれど、接種した人に症状が現れていることは確かなんです。それを、因果関係がわからないからいいんだ、気のせいだなんていう言い方はないだろうと、私、一度、厚生労働省を叱ったんですよ。


水俣病のときに、チッソはあの廃液を、原因はわからないんだからと言って、垂れ流し続けました。厚労省というのは、そういうのを監督するのが仕事なのに、あまりに無責任ではないか、お前らはチッソかと言ったんですけどね



※  ※  ※



チッソの功罪 『水俣病』と『クロスカップリング反応の応用』そして子宮頸がんワクチン副反応問題


斉藤さんの「子宮頸がんワクチン問題を追う」はこれからどんな展開になるんだろう。とても楽しみだ。


私は薬害被害でもあるから、斉藤さんにはがんばって欲しいな。


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子宮頸がんワクチン 広がる波紋  7月15日 15時35分  NHK


「子宮頸がんワクチン」。


このワクチンの名前を耳にしたことがある方も多いと思います。


子宮頸がんを予防できる「夢のワクチン」と期待され、去年4月、法律に基づく「定期接種」に追加されましたが、この1年ほとんど接種を受ける人がいない異例の状態が続いています。


子宮頸がんワクチンを巡って何が起きているのか、社会部の久米兵衛記者が解説します。


定期接種から2か月での接種勧奨中止


年間でおよそ3000人が死亡する子宮頸がん。「ヒトパピローマウイルス」と呼ばれるウイルスに性行為などを通じて感染し、長期間、感染した状態が続くと子宮頸がんになると言われています。


ワクチンを接種すれば全体の5割から7割程度の種類のウイルスへの感染を防ぎ、がんになるリスクを減らせるとして、厚生労働省は去年4月、小学6年生から高校1年生までの女子を対象に法律に基づく定期接種に追加しました。


ところが、接種を受けた人が相次いで体の痛みを訴え、厚生労働省は「ワクチン接種との因果関係が否定できない」として、僅か2か月後の去年6月、接種を積極的に呼びかけるのを中止しました。


厚生労働省の対応を受けて、全国の自治体もワクチン接種を案内するチラシの送付を取りやめるなど呼びかけを控えるようになり、接種を受ける人は全国でもほとんどいなくなりました。


症状の原因は?


呼びかけを中止して1年。


厚生労働省は、研究班を設けて症状とワクチン接種との因果関係を調べてきました。これまでにワクチンを接種した人は推定で338万人。


このうち重い症状を訴えたのは176人で、5万回接種すると1回の割合で症状が出る計算です。


こうした症状について、国の専門家会議はことし1月、ワクチンは筋肉に注射するため強い痛みを伴うとしたうえで「ワクチンそのものが原因ではなく、接種の際の不安やストレスなど心理的な要因によって引き起こされる“心身の反応”だ」という見解を示しました。


実際、研究班がこの見解に基づいてカウンセリングなどの治療を行った70人の患者のうち7割近い人で症状の改善が見られたとしています。


その一方で、症状が改善していない患者もいます。


神奈川県に住む中学3年生の吉川佳里さんは、おととし子宮頸がんワクチンを接種したあと、全身に強い痛みの症状が現れ自由に歩くことが難しくなりました。


11の医療機関を転々とし、ワクチンの影響が疑われると診断されました。今はほとんど学校に通えなくなっています。


吉川さんは「出席日数も足りず、勉強もできていないから、高校に行くのは難しいのではないか」と将来への不安を語っています。


“心身の反応”に疑問の声も


“心身の反応”だけでは説明しきれないと指摘する専門家もいます。


厚生労働省の研究班のメンバーで信州大学病院の池田修一医師は、これまでワクチン接種後の痛みなどを訴える50人の患者を診察してきました。



神経が密集する指先を電子顕微鏡で詳しく調べると、痛みを感じる神経の一部が黒く変色して損傷していたということです。そこで、神経の回復を促す薬などを投与したところ、75%の患者で症状が改善したと言います。


池田医師は「心身の反応ではなく、神経の障害が痛みを引き起こしているのではないか」と指摘しています。また、長年難病を研究してきた東京医科大学医学総合研究所の西岡久寿樹所長も、心身の反応で説明するのは無理があるのではないかと考えています。


これまでに診察した25人の患者の症状を分析した結果、体の痛みだけでなく、疲労感や、記憶力や読解力の低下など、20種類にも及ぶ症状が確認できたということです。


西岡所長は「これまでの概念では捉えきれない非常に多様な症状が見つかっている。さまざまな症状をワクチンに関連したものと捉えて、原因を解明していく必要がある」と指摘しています。


こうした指摘に対し、厚生労働省の担当者は「体の痛み以外にもさまざまな症状を訴える患者がいるのは把握しているが、今まで集めたデータからはワクチン接種との因果関係を示す証拠は見つかっていない。 今後、新たなデータが集まれば、改めて検証したい」と話しています。


戸惑う保護者たち


接種の呼びかけを中止してから1年。


厚生労働省は「ワクチンの意義とリスクを十分に理解したうえで、保護者は子どもに接種させるかどうか判断してほしい」としています。


しかし保護者の間では、国や専門家の見解が定まっていないなかで判断を委ねられることに戸惑いが広がっています。


神奈川県藤沢市の3人姉妹の母親はがんを予防できるならと、まず長女と次女に接種させ、高校生の三女にも接種を受けさせる予定でした。


三女はすでに必要な3回の接種のうち2回まで終えていましたが、今回の問題を受けて、最後の接種を1年以上見送っています。


母親は「効果があるなら接種を受けさせたいが、娘に万一のことがあったらと思うと心配だ。打ったほうがいいのか打たないほうがいいのか、早く結論を出してほしい」と話していました。


急がれる検証と治療法の確立


この1年でワクチンを巡る症状について研究は進んでいますが、接種との因果関係が解明されていないこともあって、接種の呼びかけを再開すべきかどうか、結論は簡単には出そうにありません。
厚生労働省には2つの課題について対応を急いでほしいと思います。


まずは、ワクチンを接種したあと重い症状に苦しむ子どもたちが一刻も早く元の生活を取り戻せるよう、治療法を確立すること。


そして、保護者や子どもたちが不安を感じないよう、痛みも含めたさまざまな症状とワクチン接種との因果関係を徹底的に検証していく必要があると思います。


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2014/07/15

『免疫療法』では病気がちっとも治らない? がんと教育

夫の知り合いの方が突然がんを宣告されたそうだ。それもステージ4。


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一度もあったこともないのに悲しくなってしまったよ。家族がいるんだろうか。お子さんは?いろいろと考えてしまう。


でも、こんな話をきくのはもう何回目?


最近がんが増えているのかと思って尋ねたら、統計にはあらわれていないそうだ。と、いうことはストレスの高い職業だからなんだろうか。


「体が資本なんだから、まずは自分の専門の『運動と免疫』をもっと社会に広めたらどう?お金や地位よりも、健康、命だよ」と言ったら、意外なことに「そうだな」という。よほどショックだったんだね。


ところで、『NK活性』で検索したら、インチキ免疫療法のサイトが出てくる、出てくる。一生懸命実験して、発表しても、こういうインチキ免疫療法を儲けさせるだけなんだろうか。なんだかがっかり‥‥。


友人の医師が私に言っていた。「免疫療法でちっとも病気は治りませんが、免疫で病気は沢山起こるようですね。自己免疫疾患は概念的に怪しげですが、やっぱりあるんです」


その言葉にまたがっかり‥‥。


夫は「免疫療法はまだ発展途上なんだよ」と私に言っていた。


でも研究を続けるうちに、だんだんわかってきたそうだ。免疫というものは基本的にがんになる前にはたらくもの。それを越え、がんになってしまったものを治すのは難しいんじゃないか。


「だから、がんになる前にできる限りのことをすれば、インチキ免疫療法に行かなくなるんじゃないの?ちゃんと教えればいいじゃない」と言ったら、「教えても、なかなか実行できる人がいない。多くの人は、がんになってからはじめて気付く。後悔するんだよ」と言う。


そのうえ夫は、「インチキ免疫療法があってもいいじゃないか。高額なお金をとるのは許せないけれど、末期がんの患者さんにはもう治療をしてくれる医師がいないことが多いんだよ。だから、たとえインチキでも、治療してくれる医師がいるだけいいかもしれないんだよ。治療が生き甲斐になるんだ」と言う。


私はそんな仏様のような心境になれそうにない。心が広くないからンチキクリニックの宣伝をみると、『天罰が下ればいいのに』なんて思っちゃうなぁ。


でも考えてみれば私も、精神薬を出すだけ出され、クリニックを追い出された経験をした。あの時は絶望した。「がん難民」と呼ばれる患者さんの辛さが少しはわかる。確かにどこにも行く所がない、というのは何より辛い。


中途半端な正義感ほどたちの悪いものはないかもね。


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ナースが聞いた「死ぬ前に語られる後悔」トップ5 Pouch


もし今日が人生最後の日だったら、あなたは後悔を口にしますか。それはどのようなものですか。


人生最後の時を過ごす患者たちの緩和ケアに数年携わった、オーストラリアの Bronnie Ware さん。彼女によると、死の間際に人間はしっかり人生を振り返るのだそうです。また、患者たちが語る後悔には同じものがとても多いということですが、特に死を間近に控えた人々が口にした後悔の中で多かったものトップ5は以下のようになるそうです。


1. 「自分自身に忠実に生きれば良かった」

「他人に望まれるように」ではなく、「自分らしく生きれば良かった」という後悔。Ware さんによると、これがもっとも多いそうです。人生の終わりに、達成できなかった夢がたくさんあったことに患者たちは気づくのだそう。ああしておけばよかった、という気持ちを抱えたまま世を去らなければならないことに、人は強く無念を感じるようです。


2. 「あんなに一生懸命働かなくても良かった」

男性の多くがこの後悔をするとのこと。仕事に時間を費やしすぎず、もっと家族と一緒に過ごせば良かった、と感じるのだそうです。


3. 「もっと自分の気持ちを表す勇気を持てば良かった」

世間でうまくやっていくために感情を殺していた結果、可もなく不可もない存在で終わってしまった、という無念が最後に訪れるようです。


4. 「友人関係を続けていれば良かった」

人生最後の数週間に、人は友人の本当のありがたさに気がつくのだそうです。そして、連絡が途絶えてしまったかつての友達に想いを馳せるのだとか。もっと友達との関係を大切にしておくべきだった、という後悔を覚えるようです。


5. 「自分をもっと幸せにしてあげればよかった」

「幸福は自分で選ぶもの」だと気づいていない人がとても多い、と Ware さんは指摘します。旧習やパターンに絡めとられた人生を「快適」と思ってしまったこと。変化を無意識に恐れ「選択」を避けていた人生に気づき、悔いを抱えたまま世を去っていく人が多いようです。



以上、どれも重く響く内容でした。これを読んで、あなたは明日からどう過ごしますか。
(文=阪井亮太)


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がんを学校でどう教える 報告書作成へ 2014年(平成26年)7月14日 NHKニュース 


日本人の2人に1人がかかるとされているがんについて、学校現場で子どもたちにどう教えるかを検討する文部科学省の有識者会議が開かれ、今後、モデル校での授業の実践などを踏まえて来年2月ごろまでに報告書をまとめることになりました。


14日、文部科学省で開かれた会議には、医師や教育関係者などおよそ20人が出席しました。国の「がん対策推進基本計画」の中では、2年後の平成28年度までに学校現場でがんについてどのように教えるかを検討し、実施することになっています。


会議では出席者から「今の学校では生活習慣病のひとつとして教えられているが、ウイルスや小児がんなど生活習慣と関係ないがんも多く、偏見につながるおそれがある。学習指導要領できちんと位置づけて教えるべきだ」という意見や、「家族をがんで亡くした子どもや小児がんを患っている子どもに配慮しながら教えることが必要だ」といった指摘が出されていました。


文部科学省では、今年度から全国の合わせて70の学校をがん教育のモデル校に指定し、授業の実践や教材の作成などを行うことにしていて、有識者会議ではこれらの結果も踏まえて来年2月ごろまでに今後のがん教育の在り方について報告書をまとめることにしています。


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2014/07/12

チッソの功罪 『水俣病』と『クロスカップリング反応の応用』そして子宮頸がんワクチン副反応問題

私達よりも上の世代にはチッソといえば「水俣病」という悪いイメージがある。私はこれまでずっと、重い十字架を背負わされて生きてきた気がしてならなかった。


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チッソ側代理人のお嬢さんとお孫さんに
いただいたペンダント


しかし、2010年夫が私に教えてくれた。その年のノーベル化学賞を受賞した日本人研究者、鈴木章・北海道大名誉教授の「鈴木クロスカップリング」をいち早く液晶に応用した企業がチッソだったのだ。


日本人2氏、ノーベル化学賞 根岸英一氏・鈴木章氏 炭素、効率的に結合 2010年10月7日 朝日新聞社インフォメーション NIE 教育に新聞を


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テレビ報道や新聞記事をみせながら、チッソと「クロスカップリング」の関係を私に説明してくれたのだ。いくら説明されても難しくてよくわからなかったけれど、私は目がしらが熱くなった。


科学(化学)技術には功と罪、光と影がある。きっと、「どちらか片方でなく、両方から成り立っているのが科学(化学)なんだよ」そう伝えたかったのだろう。


そうなのだ。公害病の原点と呼ばれる「水俣病」を引き起こしたのも、ノーベル化学賞を受賞した「クロスカップリング」を製品にいち早く応用したのも、出発点は同じ。人々の暮らしを豊かにしようという思いは同じだったのだ。鈴木博士がノーベル賞を受賞しなければ、私にはそれが理解できなかった。


だから思うのだ。結果だけを問うことが良いことなのだろうか。私の人生につきつけられた課題だ。


今回問題になっている子宮頸がんワクチンの副反応。ワクチンを推進したい人達にとって、副反応被害者はあってはならない存在のようだ。きっとこのブログだって苦々しく思っているだろう。


ところで、おととい発売された週刊文春に西岡久寿樹先生のインタビューが掲載されていた。私は西岡先生のおっしゃる通りだと思う。


もともと日本は公害病を生んだ国だ。私は日本社会が、副反応を重く捉えるとしても仕方がないと思う。


西岡先生がおっしゃっておられるように副反応と思われる症状を科学的に解明すれば、難病治療に結びつく可能性が出てくる。日本には日本にふさわしいやり方で、ワクチンを普及させればいいのではないだろうか?


先日、国立がん研究センターには「稀少がんセンター」が開設された。私は、大切なのはセンターを開設することだけではないと思っている。どれだけ真剣に「研究したい」と思う医師や研究者が集まるか、ということにもかかっているのではないだろうか。


その点、このワクチンの被害は不思議だ。


「被害を科学的に解明したい」と思っておられる医師は西岡先生以外にもいらっしゃるそうだ。それも、はじめはあまり関心がないのに、患者さんをみるうちに皆、真剣になるという。


確かに私も、これまで様々な資料を知り合いの研究者に知らせてきた。皆関心はあるようだ。昨年までは「家から出ていってやってくれ」と私を怒っていた夫も、熱心に読んで私に解説をしてくれたばかりだ。


西岡先生が批判を覚悟で週刊誌のインタビューにこたえていらっしゃることも驚くけれど、池田修一先生が先日のニュース23に出演したのだって、相当の圧力を覚悟してのことだろう。週刊誌よりもテレビはインパクトがさらに違う。池田先生の経歴を拝見すると私には信じられない‥‥。


教授挨拶 信州大学第三内科 内科一般、脳神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授 池田修一


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ニュース23 2014年7月8日 放送 『子宮頸がんワクチン、厚労省の新たな体制案に批判も』

池田教授のもとには今も副反応を訴える新たな患者が毎週訪ねて来ると言います。先週の部会では痛み中心の研究班から患者の7割は症状が改善していると報告されました。しかし池田教授は因果関係の解明を強調します。

「改善しているのはあくまでも手足の症状だけ。改善しても非常にだるい慢性疲労症候群も問題。何らかの神経コントロールの異常があるはず。何も異常がなくてこれだけ共通に心因反応が起こるはずない。症状のきっかけ原因をつかむのが我々神経内科」



だから逆にこれは「もしかして」と思っている。これまでの名誉も地位も「すべてを捨ててもいい」と思わせる、研究者魂を刺激するような、何かがそこにあるということだからーーーーーー


必ず生み出される被害ならば、社会で共有すればいい。言葉でいくら「被害者を守ろう」と言ったところでやってみせなければ誰も信じないだろう。


基礎、臨床、教育が三位一体となり被害者を支援すれば本当に日本発の治療法が誕生するかもしれない。こういうことで世界を目指すのは、日本らしくていいんじゃないのかな。失敗を社会で共有するのは私の悲願でもある。


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『自己免疫疾患の第一人者が実名告発 子宮頸がんワクチンは脳神経を壊す』 ジャーナリスト鳥集徹 週刊文春 2014年7月17日号 より一部引用


現在、西岡医師のもとには、このワクチンの副反応が疑われる患者二十人近くが通っている。症状は全身の痛み、疲労感、睡眠障害、頭痛、関節炎、月経異常、筋力低下、しびれなど様々だが、特徴的なのが物忘れや記憶力低下といった、「高次脳機能障害」をうかがわせる患者が多いことだ。


「他の症状は繊維筋痛症でも見られますが、高次脳機能障害は繊維筋痛症にはない症状です。とにかく『成績が急に落ちた』『本が読めなくなった』という患者が多い。中枢神経、つまり脳に何らかの影響が出ているとしか考えられません」


なぜこんな恐ろしいことが起こり得るのだろうか。多くの医師が原因と睨んでいるのがワクチンに添加される「アジュバント(免疫賦活剤)」だ。日本で最初に発売されたHPVワクチン「サーバリックス」にはサルモネラ菌由来の成分が使われている。また、後発の「ガーダシル」には、HPVのDNAの断片が混入していることが明らかになっている。


「このような異物を体内に入れたら免疫のメカニズムが狂い、正常な組織まで攻撃する『自己免疫反応』が起こることは、欧米の研究者によって明らかにされています。自己免疫反応による炎症がさらに炎症を呼び起こす『慢性炎症』の状態に陥り、様々なところに広がります。こうしたメカニズムによって、神経系の自己炎症が起こっていると考えれば、このワクチン接種後に生じている症状がうまく説明できるのです」


さらに問題は接種直後に副反応が起きるとは限らないことだ。通常、ワクチンの副反応は発赤や発熱など接種直後に発生することが多い。しかし、西岡医師らが患者十五人を対象に行った予備調査によると、副反応は接種後平均して八・五ヶ月後に発生しており、しかも時間の経過が長いほど、脳神経の症状が重くなる傾向が見られた。


「厚労省の検討部会は『一ヶ月以上経過してから慢性の症状が発症している例は、接種との因果関係を考える根拠に乏しい』と切り捨てました。接種から慢性の炎症の症状が出るまで時間がかかることは、免疫学的には十分考えられるのに、『根拠に乏しい』で片付けるには、あまりにも暴論です


(中略)


厚労省は『海外では安全性は懸念されていない』と説明していますが、私が国際的なネットワークから得た情報では、海外でも大きな問題になっている。厚労省の健康局や検討部会は事実を隠蔽しようとしているか、無知であるかのどちらかでしょう。


(中略)


西岡医師は日本繊維筋痛症学会と難病治療研究振興財団の共同事業として、「HPVワクチン副反応病態究明チーム」を立ち上げた。

(中略)

「なぜ副反応が出る人と出ない人がいるのか。それには免疫に関わる遺伝子のタイプが関係している可能性もある。このワクチンの副反応を研究すれば、他の免疫系・神経系難病の病態や治療法の解明に結びつく可能性もあるのです」


(中略)

「繊維筋痛症もかつては『心因性』『詐病』『なまけ病』とされたことがありました。こうした原因不明の病気は『一緒に勉強して、治療法を見つけましょう』と言うだけで、患者さんの心に光が射すのです。予断を持たず早急に原因究明をすることが、厚労省や専門家の責務ではありませんか


以下略


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日本人2氏、ノーベル化学賞 根岸英一氏・鈴木章氏 炭素、効率的に結合 2010年10月7日 朝日新聞社インフォメーション NIE 教育に新聞を


スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、今年のノーベル化学賞を、根岸英一・米パデュー大特別教授(75)、鈴木章・北海道大名誉教授(80)、リチャード・ヘック・米デラウェア大名誉教授(79)に贈ると発表した。3人は金属のパラジウムを触媒として、炭素同士を効率よくつなげる画期的な合成法を編み出し、プラスチックや医薬品といった様々な有機化合物の製造を可能にした。=2・3・37・38・39面に関係記事


 ●薬品・液晶、広く応用


 日本のノーベル賞受賞は17、18人目となる。化学賞は6、7人目。


 業績は「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」。


 薬でも液晶でも、分子の骨格は炭素同士の結合でできている。炭素同士をいかに効率よくつなげるかは有機化学の大きなテーマだ。その方法の一つとして1970年代ごろから注目を集めていたのが、異なる二つの有機化合物の炭素同士をつなぐ「クロスカップリング反応」だった。


 ヘックさんは、有機化合物の合成反応を仲介する触媒にパラジウムをいち早く使った「ヘック反応」を確立し、根岸さんがこれをクロスカップリング反応に応用した「根岸カップリング」を開発。亜鉛化合物やアルミニウム化合物を使った反応などにバリエーションを広げて、使いやすい形に改良した。亜鉛を使うと反応が安定し、合成できる物質の種類が増えた。


 さらに、鈴木さんは北海道大教授だった79年、亜鉛の代わりにホウ素を使って改良した「鈴木カップリング」を開発し、実用化に結びつけた。従来のカップリング反応は特別な溶液中などで行う必要があったが、鈴木さんの反応はこの弱点を克服した。特別な条件を整えなくても反応が進み、毒性が強い化合物を使わずにすむ。


 クロスカップリング反応は「世界中のありとあらゆる化学メーカーが恩恵を受けている」(三菱ケミカルホールディングス)という。


 鈴木カップリングの製薬への応用で有名なのは降圧剤バルサルタン(商品名・ディオバン)。血圧を下げる働きが強く、日本で最も売れている薬の一つだ。


 販売元の製薬会社ノバルティスファーマによると昨年の国内売上高は約1400億円(薬価ベース)。調査会社CSDユート・ブレーンによると、世界の大型医薬品の中で昨年、6位の売上高だった。



 農薬では、果樹や野菜など農業で使われる独BASF社の殺菌剤ボスカリド(商品名・カンタス)にも鈴木さんの反応が使われている。


 液晶テレビにも欠かせない。液晶材料の製造で世界のトップシェア争いをしているチッソと、独メルク社がいずれも採用。この結果、国内外の多くの液晶テレビやパソコン用ディスプレーで使われることになった。


 チッソによると、同社は1990年代半ばにTFT液晶の開発にこぎつけた際、鈴木さんのアドバイスを受けた。鈴木カップリングは「ロスが少なく、コストダウンにつながった。液晶の世界が伸びた大きな役割を果たした」(広報担当)という。画質が優れた新世代の有機ELディスプレーでも、EL高分子の製造に使われている。



 授賞式は12月10日にストックホルムである。賞金の1千万クローナ(約1億2千万円)は受賞者3人で分ける。


 ■根岸英一氏


 根岸英一さんの話 受賞が決まって、とても幸せだ。受賞は確信していなかったが、考えることはあった。20代のころにノーベル賞の受賞者と出会い「私にも起こりうる現実的な夢だ」と考えるようになった。財団から電話があったのは、(米国現地時間の)午前5時ごろ。ベッドで寝ていたところを起こされた。私の研究は、医薬品やテレビのディスプレーなど、とても幅広い分野への応用が可能だ。賞金は、今後も続けていく研究に使いたい。

     *

 ねぎし・えいいち 1935年、旧満州(中国・長春)生まれ。58年、東京大工学部卒業、帝人入社。63年に米ペンシルベニア大で博士号取得、66年に米パデュー大研究員、79年同大教授、99年に同大特別教授。(写真は7日、米インディアナ州の自宅。8日朝刊科学面に掲載)


 ■鈴木章氏


 鈴木章さんの話 アンビリーバボー(信じられない)。受賞を聞き、そう思った。北海道江別市の自宅にノーベル財団から電話があったのは、6日午後6時20分すぎ。受話器をとると、「ビッグニュースだ。45分までは、妻にしか伝えないで」と、まず言われた。「当たったようだよ」。妻に伝えたら、妻は「おめでとうと言わなければいけないのかしら」と言ってくれました。

     *

 すずき・あきら 1930年、北海道生まれ。54年、北海道大理学部卒。61年に同大工学部助教授、63年に米パデュー大博士研究員、73年に北海道大工学部教授、04年に日本学士院賞受賞、09年、英化学会特別会員に選ばれる。(写真は6日、札幌市北区の北海道大、杉本康弘撮影)


 ■リチャード・ヘック氏


 Richard F.Heck 1931年、米マサチューセッツ州生まれ。54年、カリフォルニア大ロサンゼルス校で博士号取得。化学メーカー・ヘラクレス社を経て71年、デラウェア大へ転出し、教授を務める。


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2014/07/10

私が伝えたこと 免疫学者にとって被害者は『宝物』

厚労省が、ワクチンの成分そのものに問題がある可能性を指摘した信州大学の池田修一教授を排除した、と報道があった。このことで、ワクチン行政への不信が一気に高まったようだ。



からだをまもる免疫のふしぎからだをまもる免疫のふしぎ
(2008/05/01)
日本免疫学会

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中には、目が見えなくなりつつある恐怖と闘っている被害者もおられるそうだ。時間との闘いではないだろうか。


政治家の方に面会する時に、日本免疫学会が編集した絵本をお土産にした。いつか私じゃなくて、この絵本をかいておられるような世界で活躍する免疫の研究者に手をさしのべて欲しいからだ。辛い治療をさぐりさぐり試さなくてはならない被害者とご家族に、「どうか、科学や医療を信じて欲しい」という気持ちを込めた。


※  ※  ※ 
 


私は子どもが小さく生まれたことで、ワクチンは有り難いものだし、できるだけ多くの方に接種して欲しいと願ってきました。


しかし、厚労省や推進する一部の医師はまるで汚いものを追い払うように冷たく被害者に接しています。そうした姿をみるにつけ、私の活動は良いことなのか自信を失いました。


私のまわりにいる免疫学者は彼らのようなことを言いません。免疫学はワクチンとともに歩んできた学問です。ですから免疫学者もワクチンを信じ、接種をすすめています。しかし副反応を知っていますから「ワクチンとは基本的に怖いものと考える」と私にいつも言います。


被害者が出てしまうことは悲しいことだけれど、一方でこんな時に被害が出る、と知らしめてくれる存在。被害者が出てきて下さることで、より安全に、より確実なものに変えていけるのです。だから免疫学者にとって、被害者は『宝物』だと言っています。


なぜ、そういう姿勢で被害者に接する方がおられないのでしょうか。


私はNHKの方に尋ねたことがあります。「風疹キャンペーン」があるのに、どうして子宮頸がんワクチンの被害者には何の支援もないのか。公共放送なのに、と一部で批判が出ているけれど、どう思うか、と。


そうしたらその方は私にこう言いました。「科学部の人とも話したんですが、これは一般論だけれど、副反応が出るのは仕方がないですよね」。


その時、これ以上話しても無駄かもしれないと思ってしまいました。


私の知り合いに、裁判で認められた副反応被害者がいます。「副反応は当たり前に出る」といいますが、副反応はなかなか認められないものなのです。社会を守るために接種をすすめるのなら、同時にグレーゾンも含め、被害を早期に報告し、救済しなくていかないはずです。報道に携わっている方が、そういう厳しい現実を知らないのだと思いました。


今回の子宮頸がんワクチン騒動は、今まで放置されてきた様々な矛盾を問題提起しているのだと思っています。そもそも、副反応の定義とは何なのでしょう。それすらあやふやなことに愕然としています。すべての現場の医師に副反応の症状がわかるのでしょうか。さらに子宮頸がんワクチンの場合は特別で、被害者の会や一部の医師が主張するように、多岐にわたる症状かもしれません。


著名な免疫学者はすでに何年も前から「アジュバントフリー」を提唱しておられるそうです。なぜ「アジュバントフリー」が学会で議論されるのでしょうか。そのことも一般社会では知られていないようです。


副反応をいかに小さく押さえるのか、防ぐのか。それを研究するのが研究者です。「当たり前」だったら研究など必要ないでしょう。公共放送の科学部では、ワクチンをとりまく様々な問題を深く掘り下げて考える方がおられないのか、と思ってしまいました。


基礎研究は99パーセント臨床に応用できないといわれています。失敗が当たり前だからこそ、研究者は倫理に厳しく地道に行っているのです。しかし、いざ成果が出てそれが製品化されるとまるで別のものになっていくようで悲しく思います。


今回の騒動を引きおこした一番の原因は、ワクチンの行き過ぎたキャンペーンにあると思っています。そこを推進した方々が反省しない限り、揺れ戻しの報道が続くのは当たり前ではないでしょうか。


※  ※  ※ 
 


そういうことを伝えた。


熱心に私の話を聞いて下さった。その政治家は、「新聞もテレビも出版社も、官僚も、政治家も、医師も、組織じゃなく人」と私に教えてくれた。


確かにその通りだと思った。こうして私の話を聞いて下さる政治家が目の前にいるのだから。



免疫学会 絵本の紹介2



免疫学会 絵本の紹介1



日本免疫学会編集 「からだをまもる免疫のふしぎ」の刊行について 日本免疫学会

 この度、日本免疫学会は、小学生から大人まで誰もが気軽に免疫学に接することができる書籍「からだをまもる免疫のふしぎ」を刊行いたします。本書は、日本免疫学会が一般向けに制作した初めての書籍で、本書を通してひとりでも多くの方が免疫学への興味を育んでいってくだされば大いなる喜びです。

 本書の企画は、2007年に初めて開催された日本免疫学会主催のアウトリーチ活動「免疫ふしぎ未来」に際して展示パネルやガイドブックを作成したことにはじまります。学会が一般向けの本をまとめるのは珍しいとのことですが、特定非営利活動法人となった日本免疫学会が社会に対して理解増進や情報開示の活動を進めていく意義はますます大きくなっています。本書の出版は、学会組織がこれからの社会で適切な位置づけを得ていくための試みともいえます。アウトリーチ活動は研究者にとっても、社会のなかでの自らの位置づけを見つめ直す良い機会です。本書の刊行が社会にも会員にも快い効果をもたらし、ひいては日本免疫学会と免疫学の更なる発展の一助となれば幸甚です。

2008年4月 日本免疫学会(担当:広報委員会・教育推進委員会)





2014/07/07

【 予防接種の拒否、米国で増加 】 たぶんそのうち日本でも‥‥。

市民運動「ワクチン反対の会・神奈川」のFBで活動報告をみて、「私の予想は当たっちゃったな」と思ってしまった‥‥。

市民運動「ワクチン反対の会・神奈川」


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ワクチンの勉強会の写真をみると、若いお母さんと小さなお子さんの姿が多いからだ。若いお母さんの間でワクチンを拒否する方が増えておられるようだ。会では、7月11日に厚労省に交渉に行くと告知している。


市民が反発したきっかけは、子宮頸がんワクチンの副反応問題だったのだろう。 被害者がすでに二年以上も置き去りにされているからだ。


厚労省がつくった相談窓口では対応していないから被害者は遠くの医療機関まで通院するそうだ。「ステロイドパルス療法」で症状が改善する方も多いそうだけど厚労省は対応しないのか。 被害者のお子さんが言っていた言葉は、被害者からみれば確かに「その通り」かもしれないね‥‥。


「お医者さんはワクチンがなくて障害を負った子どもにはお金になるからやさしくしてくれるけれど、ワクチンで障害を負った子どもはお金にならないから冷たくする」


ところで、アメリカに行ったばかりの夫が面白いことを教えてくれた。


北米で宗教上の理由からワクチン接種を拒否する方々といえば、「アーミッシュ」が有名だ。


アーミッシュ wikipediaより一部引用

アーミッシュ(英語: Amish、ドイツ語: Amische)とは、アメリカ合衆国のペンシルベニア州・中西部などやカナダ・オンタリオ州などに居住するドイツ系移民(ペンシルベニア・ダッチも含まれる)の宗教集団である。移民当時の生活様式を保持し、農耕や牧畜によって自給自足生活をしていることで知られる。原郷はスイス、アルザス、シュワーベンなど。人口は20万人以上いるとされている。


でも、一口にアーミッシュといっても立場が様々で、最近では予防接種をすすめる人達も出てきているそうだ。


私は、薬害被害者の中に入って話をきくから拒否したい気持ちもわかる気がする。例えば、家族が糖尿病の治療やがん治療を受けた時に、医師と意思疎通が上手くいかず辛い経験がある人も多い。そうした過去の辛い経験が、薬に対する不信につながっていたりするのだ。


あのアーミッシュの中に、予防接種をするようになった人達がいるのだ。だから、拒否するからといって、「社会の迷惑」「非科学的」と決めつけないで欲しいな。


それから最後に興味深い報道があった。アメリカでもワクチンを拒否する家庭が増えているそうだ。それも中流家庭に多いそうだ。


でも、そんなの当たり前だよ。アメリカではメガファーマに対する裁判だってあった。彼らの商売のやり方に嫌気がさした市民だって多いと聞いたよ。


こちらは4年前のちょうど今頃書かれたブログ記事。一部引用させていただく。なぜだか今の日本とよく似ているね。偶然なのかな?


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「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」を書きました Ashley事件から生命倫理を考える 世の中は想像していたより、はるかにコワイ・・・


著名児童精神科医は「ただのサクラ」だった?


とりわけ大きな衝撃をもたらしたのは、児童精神科の世界的権威、ジョセフ・ビーダマン医師(ハーバード大)の一連のスキャンダルだ。幼児期から双極性障害(そううつ病)を診断することを提唱し、幼い子どもへの多剤投与を推進してきた人物だけあって、オーストラリアでADHDの治療ガイドライン案がボツになるなど、世界の児童精神科医療のエビデンスそのものが揺らぐこととなった。受け取っていた金額はもちろん、高圧的に金銭を要求する傲岸、治験前から結果を約束する破廉恥と、全てがケタはずれ。New York Times社説は「専門家それとも、ただのサクラ?」と揶揄した。


ビーダマンという名前は、今では製薬会社と研究者との癒着の代名詞。“ビッグ・ファーマ(巨大製薬会社)”は、かつての“ゼネコン”と同じく、巨大資本による企業悪の代名詞だ。米国の親たちが「ビッグ・ファーマが研究者と一緒になって、金儲けのために子どもたちを薬漬けにしている」と警戒するのも無理はない。



HPVワクチン、ガーダシル


同様に、ここ数年、ビッグ・ファーマの動きとしてメディアが注目してきたのが、子宮がんの原因となるヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)に有効とされるワクチン、ガーダシルを巡る売り込みロビーの激しさである。製造元のメルク社にはブッシュ政権要人との強力なコネクションが取りざたされており、FDAの素早い認可、治験の不十分、長期的な効果や安全性の未確認、特に認可からの2年間で30人を超える死者を出した、けいれん、マヒ、卒倒ほかの副作用に関する情報公開などに、疑問の声が続いている。


米国疾病予防センター(CDC)は現在、HPVワクチンを含めて17種類のワクチンを推奨しているが、義務付けの範囲は各州の判断となるため、製薬会社は州政府に対して激しい売り込みロビーを仕掛ける。2007年にはテキサス州知事が小・中学校に通う条件としてHPVワクチン接種を義務付けようとしたが、義務付けを提案した州政府の女性委員会にメルク社の関係者がいる事実が明らかとなり、議会によって知事の動きが封じられる事件もあった。


結局、通学条件にするよう州に強引に働きかけるメルク社のロビー戦略は却って親の不信を深める結果となり、同社は戦略を変更。しかし当初の見込みほど女児へのガーダシル接種率は伸びなかった。メルク社は、男性の性器イボにも有効だとして、08年12月にFDAに男児対象のガーダシル認可を申請し、去年10月に認められた。



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そもそも夫のような生理学者、免疫が専門の研究者と臨床医ではワクチンに対する考え方がもともと少し違う。同じ科学者でも専門は細分化されており、専門が違えば考え方も違う。ワクチンだって、一つ一つをみていけばその成り立ちも違う。


そうした考え方の違いをあまり考慮しないから、ますます悪循環に陥るんじゃないのかな。たぶん、私達市民は医師の思う正しさを、必ずしも必要としていないし、求めてはいないんだろう。


この先、新たながんワクチンはどんどん開発されるだろう。でも、それらを全部うたないと「非科学的」「迷惑」などと批判されるのだろうかーーーーーそんな社会は考えただけで息苦しくなる。


もしも健康に偏差値があるなら、私は70に近いだろう。病気によっては、たとえ遺伝子をもっていても発病するとは限らないそうだ。だから、これまで積み重ねてきた努力はどんな薬剤にも置き換えられないと思っているよ。


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予防接種の拒否、米国で増加 2014年04月09日 16:06 発信地:ワシントンD.C./米国


【4月9日 AFP】米バージニア(Virginia)州のキャスリーン・ウィーダーマン(Kathleen Wiederman)さん(42)は断固としてワクチンの接種に反対しているわけではない──。ただ娘のことを考えると、自然治癒力で病気に対抗する方が、ワクチンを接種するよりも良いのではないかと考えているだけだ。


「医者だからといって何もかも知っているわけではない」と話すウィーダーマンさんは、代替医療を好む。事実、富裕層が多く暮らす郊外の自宅で、痛み止めの麻酔薬を使用せずに子どもを出産した経験も持つ。


 当初は、子どもの予防接種に関して夫と意見が一致していたが、結婚生活が終わりを迎えると、推奨されたワクチン数種類を娘に接種するよう元夫が強く主張したため、結局ウィーダーマンさんは折れた。


 5歳になる彼女の娘は、水ぼうそうやはしかなどの予防のためにいくつかのワクチン接種を受けている。ただポリオの予防接種は受けていないという。


 では、もし娘が病気になったらどうするのか。


 法律の学位を取得し、現在は企業のリクルーターとして働くウィーダーマンさんはAFPに対して「必要な治療を施し、治すだけ」と答えた。


 ウィーダーマンさんのように、ワクチンの接種を拒む米国人の数は増加しており、はしかや百日ぜきといった感染症の再流行が懸念されている。


 専門家らは、ワクチン接種へのちゅうちょが次第に一般的な風潮となってきており、しかもそれは乳幼児への予防接種にだけ向けられたものではないと指摘する。


 米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)によると、現役世代の大人3人に2人は、毎年実施されるインフルエンザの予防接種を拒否しており、また同じ割合の親たちが、ヒトパピローマウイルス(HPV)の予防ワクチンを子どもたちに接種させていないという。


 ハーバード大学(Harvard University)のバリー・ブルーム(Barry Bloom)教授(公衆衛生学)は、「われわれが心配しているのは、ワクチンの接種をためっている人々だ。彼らは教育水準が高く、中流上位層に属している場合が多い。しかもその数はあらゆる地域で増加している」と話す。


 近年、ワクチンの接種と自閉症の関連性を指摘した報告は誤りだったとみなされるようになったが、ワクチンの副作用を不安視する声は根強い。いくら専門家らが副作用が生じるケースは極めてまれと指摘しても、そうした不安を打ち消すことは難しい。


 CDCによると、医療の進歩の結果、子供たちに接種させるワクチンの種類が、1985年の7種類から現在の14種類にまで増えたことも、一部の親たちを戸惑わせることに繋がっているという。


■宗教的な理由による免除措置


 米国のほとんど全ての州では、子どもたちが就学する前の段階で、一定種の予防接種を受ける必要がある。ただ、宗教的の理由での免除措置も設けているほか、いくつかの州では、親の個人的な理由で予防接種を免除させることもできる。


 ニューヨーク(New York)市のユダヤ教正統派のコミュニティーでのはしかの流行など、近年起きたはしか流行の一部は、親が予防接種を拒否したことと関連づけられている。


 米コロンビア大学メディカルセンター(Columbia University Medical Center)小児感染症科のアン・ガーション(Anne Gershon)科長は、「今では思想上の理由による免除も認められるようになった。もはや正気とは思えない。自分の子どもだけでなく、多くの人に害を与えることになりかねない」と厳しい口調で指摘した。


 がんや免疫の病気に苦しむ一部の子どもたちや生まれたばかりの乳児にはワクチンを接種できない。乳児たちは、生後2か月が経過して接種可能になるまで、百日ぜきに対して非常に無防備な状態に置かれる。


 ブルーム教授によれば、最も感染力が強い病気の一つであるはしかに関しては、人口の94%以上がワクチンを接種していないと感染が拡大してしまうという。



 ただし全国的にみれば、米国で暮らす幼児たちのワクチン接種率は95%近くで高止まりを続けている。


 だが、2011年に小児科専門誌「ピディアトリクス(Pediatrics)」で発表された調査によると、10家族のうち1家族の割合で、子どもたちにワクチン接種を推奨される頻度で受けさせることにこだわってはいない親が存在していることが分かり、さらに親の4分の1がワクチンの安全性に疑念を抱いているという。


 米国では通常、はしかの感染者数は毎年60例前後とされている。


 ブルーム教授は「危機的な状況を迎えたとは思っていないが、こうした風潮はますます強まっており、予防接種の実施数はますます減少している」と懸念する。


■インフルエンザやがん予防のワクチンにも「拒否感」


 専門家らによると、ワクチンに対する「拒否感」はインフルエンザの予防接種などにも拡大しているという。


 性交渉によって感染し、女性では子宮頸がん、男性では頭部や頸部、さらには性器や肛門でがんを引き起こすとされるHPVを予防するためのワクチン3種類の接種を拒否する人があまりに多いことに、医師たちは驚いているという。


 9歳から接種可能で、性交渉を持つようになる前の就学期に接種しておくことが望ましいとされているこのワクチンは、2012年の段階で、19歳~26歳の若者のうち、女性は3人に1人しか接種しておらず、男性に至ってはわずか2.3%の接種率にとどまると、CDCは報告している。


 米政府の医務総監補も務める、国立予防接種・呼吸器疾患センター(National Center for Immunization and Respiratory Diseases)のアン・シュチャット(Anne Schuchat)所長は、「ワクチンによってがんを予防しうるという考えは、医者から見ればとても画期的なことなのに、それが世間では受け入れられないのに驚かされる」と話す。


 事実、ワクチンに対して懐疑的な見方をする人々に対し、その効用をいかに伝えるかとなると、専門家らは途方に暮れてしまう。


 こうした現状に対してブルーム教授は、ワクチンは自らの成功の犠牲者となってしまったと考えている。


「はしかによって失明した子どもや、百日ぜきのせいで精神遅滞を患ってしまった子どもを実際に見たことがないなら、幼稚園や小学校低学年の子どもたちの、豊かで幸福に満ちている素晴らしい世界に、ワクチンによって予防されている問題が存在しているということを理解するのは非常に難しい」


(c)AFP/Kerry SHERIDAN


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