2015/07/31

医療ジャーナリスト 伊藤隼也さんについて その8 少数の意見を取りあげ、人権に向き合うジャーナリスト

医療ジャーナリスト 伊藤隼也さんについて その7 命がかかっているから売れないと困る


伊藤隼也さんのかいた記事を読んでいくと、圧倒的な少数の意見を社会に届けようとしておられるのではないかと思う。


例えば、週刊文春(2012年11月)の「あぶない高齢出産」という特集では「出生前診断」の危うさや、不妊治療が盛んに行われる一方で、出生率は先進国最低という我が国の歪んだ実態を社会に問うている。ジャーナリストを名乗る方は多いけれど、高度生殖医療のタブーをこのようにストレートに問題提起することは、なかなかできないのではないかと思う。



2015-7-31.jpg



私は不妊治療を受けたことがないので、高度生殖医療に関して発言は控えようと考えてきた。けれど私は超低出生体重児の母親だ。息子のような超低出生体重児が増えていることと高度生殖医療とは関係があるといわれている。だから、これだけは知って欲しいと思うことが一つだけある。


●命が助かった後の苦しみ


私は「お子さんが無事に育ってよかったね」とよく言われる。


確かに私も「よかった」と思うし、そう言わなくてはいけないのだと思う。しかし今の日本で、24週、800gで生まれた子どもを育てるのはとても大変だ。社会の無知・無理解・無関心という大きな壁もあり、命が救命されるようになったからこそ、はじまる苦しみというものも数多く味わってきた。


ブログを書き始めた理由の一つは、この「大変」ということがなかなか社会に伝わらないから、知って欲しい、ということがあった。「大変」ということも伝えていかない限り、超低出生体重児の虐待事件はなくならないと思ったからだ。


メディアが伝えているのは、主に親や医療者の肯定的な意見であり、超低出生体重児と呼ばれる子ども達が本当に「うまれてきてよかった」と思っているのか、それはわからない。


●小児がんの晩期合併症


こちらの男性は、2011年、NHKのクローズアップ現代「小児がん 新たなリスク」という特集の冒頭で紹介された。「晩期合併症」に苦しみ自ら命を絶った元お笑い芸人の男性だ。







皮肉なことに、亡くなったからこそ、NHKが彼とご家族の苦しみに光を当てたのだ。


お笑いで生きていけると手応えを感じ始めていた19歳の時、政人さんは白血病を発症します。一歳の時に受けた抗がん剤治療の影響で18年後、再び晩期合併症があらわれたのです。


治療をはじめた政人さんは家族の前でこう語ったと言います。「僕は入れ込んだらアカンのや。仕事だって、夢を追ったって、必ず病気がじゃましてくる」
骨髄移植を受け、白血病の治療は上手くいきました。しかし、副作用に苦しみ、相方にも迷惑をかけられないからと、お笑いの夢をあきらめました。


その後、自分の治療費を稼ごうとアルバイトを探しましたが、病気を抱えた政人さんを受け入れるところはありませんでした。
去年8月政人さんは部屋で自ら命を絶ちました。遺書にはこれ以上、家族に負担をかけくないと記されていました。




「生まれてきて良かったと思ったことがなかったんじゃないかな。それを思ったら申し訳ない。生まれてきてよかったと思って欲しかった」


亡くなる前、政人さんはパソコンの中に文章を残していました。


「小さい時は気づかなかった。地球からまっすぐ、皆はロケットで飛んでいる。僕は出発する時に角度が少しずれちゃっていた。すすめばすすむほど、皆との距離は離れる。不公平だよ。ずれたのは僕のせいじゃないのに」。


私は超低出生体重児の親として胸が痛んだ。超低出生体重児は増えているというがその一方で社会的支援が充実していないからだ。将来同じことが起きないと誰が言い切れるだろう。


●「今も感染と差別は広がり続けている ——エイズ忘れられた病渦——」が私に投げかけたもの


伊藤さんのかいた記事の中に、私の心を捉えた特集があった。国際情報誌『SAPIO』 の2013年に掲載された「今も感染と差別は広がり続けている ——エイズ忘れられた病渦——」というものだ。


私はこの連載を読んだ時に、愕然とした。エイズが医療の進歩により「死なない病気」になったことで、生み出される深刻な差別をはじめて知ったからだ。カクテル療法が開発されたから、もう安心なのかと勘違いしていたことに少なからずショックを受けた。


ああ、でもこれはいつかみた光景だ。


●私たちには受け入れる社会の温かさが必要 


超低出生体重児の退院後、重い食物アレルギーのお子さん、精神医療の被害やHPVVの被害、構造的にみな似ている。


続発するアレルギー事故 学校給食で何が? クローズアップ現代 2013年2月21日

2015-7-31-4.gif



アレルギーによるショック症状だと判断して、エピペンを右の太ももに注射しました。異変に気付いてから15分ほどあとのことです。救急車が到着したのは1時40分。その場で心肺停止が告げられました。


気分が悪いと訴えてからおよそ20分後。お代わりで食べたチヂミに入っていたチーズは、1グラムにも満たなかったと見られています。


女の子の両親からの手紙

“娘の死をきっかけに、食物アレルギー対策の重要性が再認識され、多くの人たちが改めて動き始めるのであれば、娘は「うん、それならいいや」と言うような気がしています。彼女の未来に向けた思いに応えてほしいと思います。”



※  ※  ※



子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち 単行本 – 2015/6/26 黒川 祥子 (著) Amazon


2015-7-31-2.jpg


<内容紹介>(※ 被害者とご家族の証言の部分だけを抜粋させていただきました)

第一章
「生きないと。死んじゃったら、
これをワクチンの被害だと認めていない厚労省というところは、
やっぱり心因的だって、とらえるから」
娘・三咲あすかさん(14歳) 母・三咲美穂さん(45歳)

第二章
「自分のことでいっぱいいっぱいで、
あんまり怒りとか感じたことはないです。
ただ、できない自分がつらいです」
娘・菅沢奈緒子さん(15歳) 母・菅沢翠さん(40歳)

第三章
「化学物質と電磁波を浴びると、脱力が起きるんです。
力が突然、抜けてしまう。足だったり、手だったり。
不随意運動は、音がきっかけで起きることが多いです」
娘・萩原葵さん(17歳) 母・萩原文枝さん(43歳)

第四章
「おもいだしても
わすれなみがきて
またきおくがさらわれる」
娘・川村真希さん(15歳) 母・川村葉子さん(40歳)

第五章
「日に日に、娘の身体が壊れていくんです。
身体にエイリアンが入って、娘をめちゃくちゃにしていく。
調子が悪いなんていう、そんなレベルではない」
娘・谷口莉奈さん(16歳) 母・谷口美穂さん(45歳)

第六章
「娘はこうして治ってきているんです。
みんな、どうしようって言っているけれど、
希望があることを伝えたい」
娘・松藤真衣さん(16歳) 母・松藤美香さん(43歳)



記事の中に、職場を追われたHIV 陽性者の看護師の女性が私自身と重なる。彼女を職場から追い出した上司の一言は私がはじめて実名で書いた手記の「受け入れる社会の温かさが必要です」という言葉とそっくりだからだ。


「(あなたが仕事を辞めないといけないのは)病院のせいではない。社会が悪いのだ」


私が伊藤さんの記事で驚いたのは、この言葉に代表されるような、医療従事者の中にある、HIV陽性者への根強い差別や偏見だった。


「社会が悪い」というのなら、なぜこの上司は、当事者の声を社会に届けようとしないのだろう。ため息が出てくる。


しかし私も反省した。これまで「当事者の声を取りあげない!」と医療者やメディアをさんざん批判してきた私だったけれど、HIV陽性者の苦悩を知ろうとしなかったのは私も同じだからだ。


さっそく伊藤さんに感想をかいて送って、「一部でいいからブログに引用させていただけないでしょうか」とお願いした。


伊藤さんの「エイズ」の特集が掲載されたのは国際情報誌『SAPIO』だ。『SAPIO』を発行している小学館のサイトをみると購買層は男性。もしかしたら女性の目に触れる機会が少なかったかもしれないと思ったのだ。


AD Pocket 小学館 広報ポケット


2015-7-31-3.gif



すると伊藤さんからすぐに返事が送られてきて「国会図書まで行かなくても僕のサイトでも読めるようにしてあります。そのような趣旨なら全文引用していですよ」と言ってくださった。


●最後に お金を儲けることは悪いことなのか


私は超低出生体重児の母親になって、この世には個人の力ではどうしようもできない厳しい現実があることを知った。現状をかえるには、多くの方に私達の抱える困難を知ってもらう必要がある。しかしその手段が私達にはあまりない。


伊藤さんへの批判に「医療不信を煽ってお金を儲けている」というものがある。私は伊藤さんが取材したものをこれまでみてきたけれど、お金を儲けるためにジャーナリストになったとは思えない。むしろご自身がご家族を医療で亡くし苦労した経験があるから、埋もれがちな少数の意見を取りあげようと活動してこられたように思う。


そもそも、取材にお金をかけなければ、私達のような、圧倒的な少数の意見を正確に社会に伝えることはできないと思う。そして、より多くの方々に知ってもらうには、できれば本が売れて欲しい。


医療ジャーナリストがお金を儲けるのは悪いことなのだろうか?


もしも「HIV陽性者への理解を広めましょう」という啓発を医療者が中心となって行うと「子宮頸がん」や「乳がん」の啓発と同じようになるんじゃないかと思う。「検査に行きましょう」「予防しましょう」で終わり、陽性者の方のための啓発にならないように思う。


若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記 ピンクリボン「商品」ですから~ 2008/10/07


・・・では、どんな所に泊まれるのか、こちらから早速見てみましょう。
http://info.rurubu.travel/theme/pink_ribbon/


【ピンクリボン】ピンク・フェイシャルエステ60分プラン
禁煙ツイン1名~3名<朝食ブッフェ・温泉付>
http://rsv.rurubu.travel/PlanDetail.aspx?st=1529089&sk=A8&pc=B2CEHTL&rc=213&rv=20&aff=rurubu_t


ねえねえ、これってどういうことですか?
乳がん患者、温泉入れない人が多いって知ってます?
全摘はもちろん、温存の人だって左右に差ができて他人の前では裸になれないんだってば(;´∀`)


おまけにピンクのタオルでフェイシャルエステですか?
モー勘弁してくださいよ(薄笑)


これは一例で、この「ピンクリボン宿泊プラン」、
大浴場天然温泉を売りにしているものが満載です(;´∀`)


一言、叫んでもいいですか?


「お前らいい加減にせえよ(#・∀・)」


普通さー、こういう企画をするんだったらね、
「温泉に入れない乳がん患者さんのために
客室露天風呂プランや、家族で楽しめる家族風呂付プランを・・・」
っていうのが筋ってもんじゃないんですかね?


ホント、ピンクリボンフェスティバルって、すでに乳がんになってしまった患者は
まったくお呼びでないイベントなんだなーと、しみじみ思います。



せっかく「引用してもいいですよ」といっていただいたので、次回から文字に起こして少しずつブログに引用させていただこう。私が百万言を費やすよりも、読んで下さった方の心に届くものがあると思うから。


是非、多くの方に読んでいただければと思います。


2015/07/29

医療ジャーナリスト 伊藤隼也さんについて その7 命がかかっているから売れないと困る

医療ジャーナリスト 伊藤隼也さんについて その6 本当の誠実さとは何なのか の続き


●週刊誌やワイドショーなどの商業メディアが嫌いだった


父の会社の業績が悪化した時は批判記事をかかれたこともあるし、家に記者が押しかけてきたこともある。それでも「業績が悪い」「不法配当」などと書かれるのはまだ納得できた。しかし一社員が、恋愛感情のもつれから引き起こした事件までも、大げさに、面白おかしくワイドショーが報道した時には怒りしかなかった。また、ある事件で社員が逮捕された時には、お約束のように、手錠姿で連行される姿が、何度も繰り返し放送された。


私には社会正義のためでなく、社会的インパクトのために利用しているとしか思えなかった。家族は生きていかなければならない。この人達にそこまで追求する権利などない、と思っていた。


しかし、伊藤さんのかいたものを読んでいくと、伊藤さんは違うと感じた。生まれや育ちなど、個人ではどうしようもできないことを批判をしないし、溺れた犬を叩くような報道もしない。どちらかというとサピオの『うつで病院に行くと殺される』に代表されるように、誰よりも真っ先に飛び込んでリスクを取る報道をしておられるようだ。


だから必然的にバッシング、悪口も多くなるのだろう。敢えてギリギリのところに飛び込んでいくのは、やはりジャーナリストの原点がお父様を亡くしたから。伊藤さんがご自身がご遺族だからなのだろうと思う。


そしてもしかしたら商業写真をとっておられた経験が、今の医療ジャーナリストというお仕事に活かされているような気がした。


●元会社員のヤスダさん 誰の身にも起こりうる悲劇


ちょうど伊藤さんのスクープがフジテレビで放送されたので文字にしてブログにアップしてみた。私は証言しておられた大手企業に勤めておられたという元会社員のヤスダさんに注目した。今の先行き不透明な時代、誰がヤスダさんにならないと言い切れるだろうか。ヤスダの身に起きた悲劇は、誰に身にも起こりうる悲劇だ。


告発スクープ!狙われた税金 医療費の『闇』 生活保護を食い物に フジテレビ『みんなのニュース』 2015 年7月23日放送 その1 その2

告発スクープ!狙われた税金 医療費の『闇』 生活保護費まで・・・患者を囲い込む実態 フジテレビ『みんなのニュース』 2015 年7月24日放送 その1 その2 


2015-7-29.jpg



ナレーション

大手の企業に勤めていましたが、心の病で仕事ができなくなり生活保護を受けることに。ある日、大田区役所の相談員が自宅を訪れーーーー


ヤスダさん(仮名・50代)『心の病』で生活保護を受ける

訳わからなくなってBクリニックに連れていかれてそのまま、毎日通えとなった。


ナレーション

なぜか半ば強制的ともとれる形でBクリニックへの通院するよう相談員に言われ住むところまで決められたのです。



行政がすすめる「Bクリニック」に通えばフラフラになるような薬が投薬される。住む場所まで決められ、お金はすべて管理され自由に使えない。その一方で自立を促すような支援はほとんどなされない。「ここから出して欲しい」と行政に助けを求めたところで、保護を打ち切られる可能性がある。私はこの監査報告書を目にした時に愕然とした。





2015-7-28-25-1.gif


2015-7-28-25-5.gif


これを人権侵害といわずして、何を人権侵害というのだろうか。


精神医療に限らず、役所や製薬企業は被害救済のためにはなかなか動こうとしない。導入する時には政治家を巻き込み、これでもか、というくらいお金をかけ、プロモーションを展開するというのに。


だから医療事故や薬害の被害者が救済されるには、世論を動かすのが一番の近道だ。近道というよりも、この国にはその方法しかない、というべきだろうか。コマーシャリズムをさんざん批判してきた私だけれど、いざ超低出生体重児の母になってみれば、私の声を社会に届けて欲しいと切実に願った。


●写真家と医療ジャーナリストに共通するもの


ただ伝えるだけなら、個人で書くブログで十分だ。関心のない人達を巻き込むためにメディアがあると思っている。だからもしも取りあげてもらえたとしても、テレビで視聴率がとれないと、週刊誌や本が売れないと困る!命がかかっているから、声を社会に届けて欲しい!と切実に願った。


伊藤さんがかいた文春の記事から『若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記』を振り返った時にあることに気づいた。伊藤さんはペコさんの苦しみが、どうすれば社会に素早く伝わるかを計算しておられたようだ。結果として、ペコさんに生きる希望を与えたように思う。


こちらは放送直後のペコさんのブログ。もう一度引用させていただく。


若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記 「とくダネ!」ありがとうございました!  2010/09/07


今朝のフジテレビ「とくダネ!」番組内で、
主に私のことを元にした、
ドラッグラグ問題の特集を取り上げていただきました。
自分が思っていたよりも反響が大きく、驚いております。
多くのコメントどうもありがとうございます。

今朝、病室のテレビで放送を見ていたら、自分の書いたブログの内容なのに
感極まって泣いてしまいました(汗)


一年後ペコさんが亡くなった後ポコさんが書いたブログ。


ちょうど1年前 若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記 2011/09/07


ペコからは、ブログの文章や写真を利用した放送になるらしいとの話を聞いていましたが、
ペコも私も「どう使うんだろうね」と直前まで話していました。


そして放送当日。

私自身は仕事のためリアルタイムでは観ることができなかったのですが、
ペコからのメールでは「自分が思っていたのの5倍ぐらい映っていた」とのこと。


使ってもらえそうな話をそんなにしただろうかと思ったのですが、
見舞いの後、自宅に帰って録画していたものを観て納得しました。

ブログや宝島の記事や写真を、それこそ駆使していただき、思い出深いものにしていただきました。



写真家時代の伊藤さんは薬師丸ひろ子さんや羽田美智子さんのような、今大活躍おられる女優さん達とお仕事をしたことがあるそうだ。


相変わらず写真家時代の伊藤さんを批判する人達は多いけれど、名前が知られるほど売れる、ということは才能がある証拠だ。そして13年間もの長きにわたりテレビのお仕事を続けておられるということは誰にでもできることではない。


だからこそ思う。写真家時代に新人の女優さんやモデルさんを売り出すために、インパクトのある写真をとっておられたことと、乳がんの患者さんだったペコさんを熱心に取りあげたことは、伊藤さんにとったら同じなのかもしれない。


今改めてペコさんのブログを拝見して、そんなことを考えた。

2015/07/28

大田区のメンタルケア支援員は問題ない? 『平成23年度包括外部監査結果報告書』

フジテレビで報道していた『Bクリニック』については、ちょっと検索すればどこにクリニックなのかわかってしまう。テレビが大々的に報道する前に、すでに何年も前からネットで話題のクリニックだったようだ。


フジテレビのディレクターさんはビルの所有者が誰なのか調べに法務局に行ったのかな?「どうせ調べないだろう」と侮っていたのだろうなぁ、と番組を思ってみていた。


でもあれだけ問題が多いのに、ネットには「大田区の福祉課は与党である区議会自民党に『何の問題もない』と説明している」という情報が出ていて、ため息が出る・・・。


これは大田区の「平成23年度包括外部監査結果報告書」。こういうものがネットで閲覧できるというのに、ちょっと信じられない。これがもしも自分の子どもの成績表なら、親は当然怒るよね・・・。


「平成23年度包括外部監査結果報告書」


2015-7-28-25-1.gif



2015-7-28-25-2.gif



2015-7-28-25-3.gif




2015-7-28-25-4.gif




2015-7-28-25-5.gif
2015/07/28

告発スクープ!狙われた税金 医療費の『闇』 生活保護費まで・・・患者を囲い込む実態 フジテレビ『みんなのニュース』 2015 年7月24日放送 その2

ナレーション

ではBクリニックはどう考えているのでしょうか?


取材班は今月14日、Bクリニック側に対し、劣悪な住居や生活保護費、通院の指示、強制とも思える管理、さらには行政に職員を派遣しているなど、取材で判明したことについて書面で質問しました。


しかしBクリニックからは「取材に応じかねます」との回答が。そこで取材班は疑問を直接確かめるため、会長を待ちました。そこへーーーー


このスーツの姿の男性が会長です!声をかけます。


ディレクター

会長、フジテレビと申しますが


会長


2015-7-28-14.jpg


いやいや知りません


ディレクター

お答えいただけませんか


会長

何?何?何?知りません


ディレクター

生活保護の相談者に


会長

知りません


ディレクター

生活保護の相談者がかなり苦情を言っていますが


会長

お断りする


ディレクター

お断りではなくて、なんで取材に答えられないんですか?


会長

お断りします


ナレーション

会長は取材を拒否し取材にこたえることはありませんでした。その後もBクリニック側に再度取材を試みましたが、いまだに対応してくれません。


取材班はBクリニックを認可する東京都にも質問。すると是正が必要と認められた場合には、指導を行うとこたえました。





そして今日、あの“劣悪”な環境の部屋から抜け出した患者たちが弁護士らとともに厚生労働省に改善を指導するよう申し入れました。



精神科医療施設の元患者ら、環境などの改善指導求める申し入れ FNN - news

2015-7-28-24.jpg




元患者

「行きたくない」と言っても迎えに来て無理矢理連れていかれちゃう。今、脱出できてホッとしている状態ですね。


ナレーション

そんな中、午後一時過ぎ、厚労省の大臣政務官が我々の取材に応じました。昨日の放送をみたという(橋本岳)政務官は






橋本岳政務官

金銭管理を施設がするということもないわけではないと思います。それにしても電子マネーだったら履歴みれますよね。例えば、何にどう使ったかとか、残りはいくらあるのか本人も知ることができないっているのは、それはおかしな話です。ある病院にかかることが前提というか、「それが生活保護受給の条件だ」という話を仮にしたのであれば、それはやはりちょっと問題があるのかな、と思います。


(厚労省が)公費を投入して自立支援医療をしている生活保護をさせていただいている、そのことがきちんと使われているか大きな関心を持っています。


ナレーション

そして塩崎大臣もーーーー






塩崎恭久厚労相

今回の件につきましては、申し上げたように東京都を通じて状況を把握することとなっているますが、東京都にはしっかりと適切な指導を行ってもらえるように私どもも務めてまいりたいと思っております。


スタジオ

伊藤利尋キャスター

さあ、伊藤さん改めて構図を説明いただきたいんですけれどーークリニックから区役所などに相談員が派遣されていて、クリニックに患者を紹介するって、まずここが変なんですね。


伊藤隼也さん

今ですね、福祉事務所に相談員を置くことになっているんですけれど、なぜかクリニックから相談員を派遣してもらって。で、随意契約で大田区は2千万円支払っている。


伊藤利尋キャスター

相談員を派遣してくれてありがとうのお金が入る?


伊藤隼也さん

はい。さらにですね、生活保護の自立支援の相談に患者さんが行きますよね?


伊藤利尋キャスター

はい。


伊藤隼也さん

メンタルの具合が悪いというと、ここから派遣されている相談員が患者さんをクリニックに紹介するんです。ということはまた行政から、自立支援医療費がクリニックに渡るということです。


2015-7-28-20.jpg



伊藤利尋キャスター

患者さんをこちらで治療しているという前提でまたお金が入るという。


伊藤隼也さん

はい


伊藤利尋キャスター

でも相談院はここ(クリニックを指さす)の人なんですよね?


伊藤隼也さん

はい。と言うことはもう『癒着』の可能性があるんじゃないかと、非常に思うんですが。


伊藤利尋キャスター

これはノーチェックでここまで来ているという。


伊藤隼也さん

東京都が本来はチェックする役割があるのに、どこまでやっているのか。


伊藤利尋キャスター

そしてもう一つ。ただですら患者さん自立支援につながっているのかどうか、最大のポイントです。


伊藤隼也さん

患者さんたち、口々にいうのは「これが自分の自立支援につながっているとは思えない。自分達には働く気があるんだけれど、ぜひサポートして欲しい」行政は本当に僕は猛反省すべきだと思います。特に東京都は僕たちはこの状況を何週間も前に言っています。


今日、大臣が「東京都を通じて調べてくれ」と言っていましたけれども、もしかしたら救済を東京都がしなければならなかったことを全くしなかった。


伊藤利尋キャスター

こんなことではぜったいにいけない、そんな状況がみてとれました。伊藤さん今日はありがとうございました。




2015/07/27

告発スクープ!狙われた税金 医療費の『闇』 生活保護費まで・・・患者を囲い込む実態 フジテレビ『みんなのニュース』 2015 年7月24日放送 その1

告発スクープ!狙われた税金 医療費の『闇』 生活保護を食い物に フジテレビ『みんなのニュース』 2015 年7月23日放送 その2 の続き


伊藤利尋キャスター

番組ではクリニックの会長を直撃し、そして行政を動かしました。


ナレーション

今月19 日。都内の駅(大塚駅)に弁護しなど6人が集まりました。向かったのはほど近いある場所です。


2015-7-28-21.jpg



「あ〜これは酷いね」「ビルじゃない」


ナレーション

実はこの豊島区にある雑居ビルが精神科Bクリニックという精神科の医療施設に通う人達が住んでいるのです。現在住んでいると思われるのは10 人ほど。弁護士達はその暮らしの実態を調査しに来たのです。


(ある部屋のドアをノックする弁護士)


「失礼します。こんにちは」


(部屋に入る)


こちらは去年からこちらに住み始めたというコンドウさん(仮名・60代)。


弁護士

ちょっとここで生活するのは大変だと思うんです。天井もつながっていてプライバシーもないじゃないですか。全部聞こえちゃうしね。


コンドウさん(仮名・60代)

あっ隣でラーメン食べているなって。


2015-7-28-1.jpg



弁護士

全部聞こえちゃうしね。


ナレーション

コンドウさんの部屋は一部屋を板で仕切った狭い部屋です。トイレは共同で風呂はありません。この部屋で生活を強いられているというコンドウさんはーーーー





弁護士

お風呂はどうしているんですか?ここで体を拭いているとか?


コンドウさん(仮名・60代)

そうそう。結局そこの洗面台で洗って体を拭いているだけです。


ナレーション

コンドウさんは生活保護受給者だ。ところが通院しているB クリニックに生活保護費をすべて管理されていました。普段は一円も持っていないといいます。


別の部屋にいたのは50代のヤスダさん。


ヤスダさん(仮名・50代)『心の病』で生活保護を受ける


ナレーション

大手の企業に勤めていましたが、心の病で仕事ができなくなり生活保護を受けることに。ある日、大田区役所の相談員が自宅を訪れーーーー


ヤスダさん(仮名・50代)

訳わからなくなってBクリニックに連れていかれてそのまま、毎日通えとなった。


ナレーション

なぜか半ば強制的ともとれる形でBクリニックへの通院するよう相談員に言われ住むところまで決められたのです。


他の部屋も調べると・・・・不在。この日、ビルにいたのは3人の患者。弁護士達は本人達の意思を確認し脱出を目指すことにしました。


弁護士

じゃあ、今日出る方向でいいですか?


患者さん

いいです。


ナレーション

早速準備をはじめます。弁護士達が部屋から退出したことを知らせる紙をドアに貼ります。こうして劣悪な環境から飛び出した患者達。


2015-7-28-3.jpg



コンドウさん(仮名・60代)

さみしさはあった。一銭もないから。こんなに自由になるとは思わなかった。


ナレーション

患者達はひとまずビジネスホテルに移り、今後について弁護士と相談することになりました。


コンドウさんをはじめ多くの生活保護受給者が通う精神科のBクリニック。心の病を抱える人達の自立支援医療なのですが、プログラムなどに参加せず読書やいねむりをする患者がいます。


2015-7-28-4.jpg



職員はついたての裏で患者と向き合っていないように見えます。


2015-7-28-5.jpg



買い物をしても患者の生活保護費は職員が管理するので自由に使えません。その上患者達は劣悪な環境に住んでいるのです。


2015-7-28-6.jpg



このBクリニックの住居を紹介した相談員がいる大田区役所はーーー


伊藤隼也さん

3畳程度のベッドでいっぱいの所に一人で住んでいる。これだけたくさんの人を送っていて、その事実を正確に区が把握していないことは極めて問題ではないかと思いますが、どうですか?


大田区生活福祉課 根本勝司課長

決して快適とは言えない。


2015-7-28-7.jpg



ナレーション

そして区役所とBクリニックとのつながりについて驚きの事実が。


大田区生活福祉課 根本勝司課長

大田区には生活福祉課の窓口が4課ございます。各課に1人ずつ(Bクリニックから)職員を派遣頂いています。


ナレーション

なんと、Bクリニックをすすめた大田区の相談員はBクリニックから派遣された職員だというのです。


2015-7-28-8.jpg



さらに大田区の他、江戸川区と港区もBクリニックと委託契約し相談員が派遣されていることがわかりました。


相談員は先ほどのような住居を患者に紹介し、Bクリニックへの通院を指示していたのです。


実はBクリニックでは1日10 時間のデイナイトケアを1人が受けると行政から1万円の診療報酬を受けることになっているのです。


2015-7-28-9.jpg



通院患者は1日およそ700人。こうしたことで年間27 億円もの収益をBクリニックはあげていました。


2015-7-28-10.jpg



これはBクリニックの会長がある精神科の学会で語った音声です。


2015-7-28-11.jpg


2015-7-27-8.jpg



(今月5日精神科の学会)
最近はペットが非常に多い。散歩すると皆、小さなペットを連れています。ペット飼うなら人間を飼ったほうがいいと僕は思うんですけれどね フフ



そして新たな事実も浮上しました。


ディレクター


2015-7-28-23.jpg


ビルはクリニックのものではありませんでした。4棟とも同じ有限会社が持っています。

ビルの登記簿————


2015-7-28-12.jpg



クリニックは都内4カ所のビルにあり、トップを1人の会長が務めています。すべてのクリニックはビルを借りていて、ビルを所有する会社に屋賃を払っていました。実はこのビル所有会社の役員に、Bクリニックの会長が名を連ねていたのです。


2015-7-28-13.jpg



しかし厚生労働省の通知によると、医療法人の役員は原則として
経営上利害関係にある営利法人等の役職員を兼務できない、とされています。


2015/07/27

告発スクープ!狙われた税金 医療費の『闇』 生活保護を食い物に フジテレビ『みんなのニュース』 2015 年7月23日放送 その2

告発スクープ!狙われた税金 医療費の『闇』 生活保護を食い物に フジテレビ『みんなのニュース』 2015 年7月23日放送 その1 の続き


ナレーション

そもそもBクリニックを患者に紹介していたのは大田区役所の職員でした。大田区はどう考えているのでしょうか?まず、実際の患者の部屋の映像を見てもらいました。


伊藤隼也さん

3畳程度のベッドで一杯の所に一人で住んでいる。正常な人でもこういうところで生活しているとおかしくなるんじゃないですか?これだけたくさんの人を送っていて、その事実について区が正確に把握されていないのは極めて問題なのでは、と我々は思うのですがどうでしょう?


大田区 生活福祉課 根本勝司課長

決して快適とは言えないと思います。


伊藤隼也さん

皆さんが送った患者さん(被保護者)が住んでいることを認識されていますか?


大田区 生活福祉課 根本勝司課長

一つの選択肢の中で本人が選んだと思います。


ナレーション

さらにBクリニックを紹介した相談員についてきくと


大田区 生活福祉課 根本勝司課長

大田区には生活福祉課の窓口が4課あります。現在は各課に一人ずつ(クリニックから)職員を派遣いただいている。


2015-7-27-9.jpg


2015-7-27-10.jpg



ナレーション

なんとBクリニックをすすめた相談員はBクリニックから派遣された職員だというのです。しかもBクリニックに業務委託料として年間2000万円を支払っていたのでした。


2015-7-27-11.jpg





伊藤隼也さん

相談員は被保護者に対して行くように指示・紹介しているのでしょうか?


大田区 生活福祉課 根本勝司課長

ご指摘のクリニックが一番良いのではとご提案しますが「必ずそこに行きなさい」という情報提供はしていません。


伊藤隼也さん

生活保護費はどうやって渡しているんですか?


大田区 生活福祉課 根本勝司課長

口座をお持ちでない方は現在クリニック経由で渡しています。現金書留で送っています。


伊藤隼也さん

「現金書留を見たことも、開けたこともない」という患者さんもいますが?


大田区 生活福祉課 根本勝司課長

クリニックさんに便宜を図ってもらっていると思っています。


ナレーション

患者ではなく、Bクリニックに保護費を渡していたことを認めましたが、その後のことは関与していないといいます。結局担当者はこの問題を受け止め、今後調査して対応したいと話しました。


ところで取材班の取材でさらなる事実が。実はBクリニックから江戸川区に三人、港区に一人の職員が派遣されそれぞれ1700万円と600万円がBクリニックに支払われていたのです。また、三つの区からBクリニックに通院していた患者は99 人に上ることも判明しました。行政にこのクリニックが深く入り込んでいると思われます。



さらにこんな驚きの証言がーーーー


元患者

(江戸川区役所が)「このクリニックに通ってくれ」「それが保護を出す条件だ」と言われました。


ナレーション

なんとある患者は生活保護の申請に江戸川区役所に行ったところ、なぜかクリニックに通うことが保護費受給の条件だ、とまで言われたのです。このクリニックの実態とか一体—————


取材班は今月14日、Bクリニック側に対し、劣悪な住居や生活保護費、強制とも思える管理、さらには行政に職員を派遣している「などについて書面で質問。ところが取材には応じられないとの見解がありました。そして取材班はついに会長を直撃。取材を申し込みました。会長は何を語るのか明日放送です。


スタジオ

伊藤利尋キャスター

いろいろあるんですけれど、お金の話の前に、まず自立支援、社会復帰を促すためになっていませんよね?


伊藤隼也さん

患者さんにたくさん会ったんですけれど、皆さん口々にいうのが「働きたい」「社会ともっと接点もちたい」と本当に真摯に語るんですね。本当にこれが自立支援になっているのかと、今回の取材で大きく疑問を感じました。


伊藤利尋キャスター

まずそこがありますよね。で、加えて行政とクリニックの関係がよくわからないんですけれど。行政、非常に人ごとでそっちにもう、人を預けておけばいいみたいなニュアンスをすごく感じました。


伊藤隼也さん

僕もいくつかの行政に取材にいって感じたのは非常に人ごとなんですね。これだけ巨額の予算をかけて所謂今、引きこもりだとか、問題を抱えている方がたくさんいらっしゃるわけですが、我々の税金を使ってそれがちゃんと実施されているかということを、ほとんど把握されていなくて非常に驚きました。東京都などはインタビューすら受けないということなんです。


伊藤利尋キャスター

本来ならチェックしないといけない立場だと思いますが。で、やっぱり一番気になるのがこのクリニックです。生活保護費を一万円、どう使っているのかこの会長への直撃取材については明日、放送いたします。



2015/07/27

告発スクープ!狙われた税金 医療費の『闇』 生活保護を食い物に フジテレビ『みんなのニュース』 2015 年7月23日放送 その1

先週木曜日と金曜日にフジテレビの夕方の報道番組で放送された、伊藤隼也さんのスクープが大きな話題になっていたので文字にしてみた。


ちなみにこれは私が通院していたナショナルセンターに送った要望書。日付は2009年4月1日。あの時、どうして簡単に『障害者』にするのか全く理由がわからなかったけれど、なるほど。こういう利権のようなシステムになっていたわけだ。私も運が悪いと、こういった名ばかりの自立支援というベルトコンベアーに乗せられ、社会から隔離されていた、とよく言われる。


さらに前述に関係して、現在の●科には大きな問題があります。それは、社会保障費が国民生活を圧迫していくなかで、安易に障害者手帳をすすめる●医師の姿勢です。


これは、見えない損害を国に与えているのではないですか。報道によれば、センターの借入金残高は343億円にのぼるとのこと。障害者手帳を出すことは、ますます国に負担を強いることになります。これまで●科では、何人の障害者を作ったのでしょうか。



他の科の医師やスタッフの皆様には心より感謝しております。しかし、●科とセンターの対応には失望いたしました。これまで機会があれば、アンケート等にも積極的に協力させていただいたつもりです。子どもの入院中、平気で指をさすような見学者の好奇な視線にも耐えてきました。院内感染の危険を犯してまで、病棟やNICUの見学を許可したのはなぜだったのでしょう。


それは、ナショナルセンターの必要性だけでなく、日本の周産期医療や小児医療の厳しい現状を知っていただき、新たな予算を獲得するためだろうと理解して、がまんしました。改めてセンターの設置趣旨を拝見させていただくと、今回の対応や●科の治療方針はとてもそれに基づいているとは思えません。 



告発スクープ!狙われた税金 医療費の『闇』 生活保護を食い物に フジテレビ『みんなのニュース』 2015 年7月23日放送



ディレクター 

(都内にあるササキさん(仮名50代)の部屋を訪れドアを開ける)こちらが部屋です。ベッド一つでいっぱいという感じです。ティッシュ、お箸、生活用具などが置いてあります。


ナレーション

ここはササキさんが住んでいる部屋。木製の壁は仕切り板です。一つの部屋を半分に仕切って二人で住むようにし、その一つがササキさんの部屋となっていました。


2015-7-27-2.gif



ササキさん(仮名50代)

声なんか筒抜けでプライベートも何もない。いびきとか「お互いに気を付けよう」ということで。


ナレーション

ササキさんの部屋はトイレは共同で、風呂はなし。この劣悪な環境で屋賃は光熱費を含めておよそ6万円だといいます。ここでの劣悪な環境に体調を崩し、救急搬送された患者を診た医師はーーー


医師

薬をたくさん飲まれていますから、フラフラしているわけです。(患者宅に)行ったら隣の人から文句が来て、ギャーギャー言って「お前がトイレを汚した」のなんだと。こんなところに住んでいるんだったら良くならないだろうな、と。


ナレーション

これらはBクリニックの実態。


2015-7-27-13.jpg



(卓球をしている人達、そして大きなテーブルのまわりにすわったままの何人もの人達の姿が映し出される)


自立支援プログラムをうたいながら、患者を放置するかの対応。そして劣悪な環境に住まわせているのです。さらに取材をすすめていくと驚きの光景が。


ある日の午後3 時過ぎーーーー


ディレクター

続々と出てきた!


2015-7-27-3.jpg



ナレーション

患者達が出てきました。向かったのはコンビニエンスストア。(患者さん達は)商品をとりレジ周りに並びます。かごを置き、精算する時になると患者自身は支払わず、レジの側にいる白いワイシャツ姿の男性が電子マネーで支払いました。


2015-7-27-4.jpg



(男性が手にしている何枚ものSuicaが大写しになる)


2015-7-27-5.jpg



男性の手には、電子マネーの束が。この映像をみたササキさんはーーーー


ササキさん(仮名50代)

ササキさん(仮名50代)この人(ワイシャツの男性)はクリニックの人です。各個人、個人のカードがあって、メンバー(患者)さんが買い物をした商品のお金を(患者の電子マネーで)払ってる。


2015-7-27-6.jpg



ナレーション

実はB クリニックに通う人達は生活保護受給者。保護費はBクリニックが全額管理し、ササキさんは自分で買い物ができないといいます。一体どういうことなのでしょうか?


ササキさん(仮名50代)

現金書留で直接クリニックのほうに送られてきてクリニックで管理している。


伊藤隼也さんのインタビュー

(直接)自分では手にしないんですか?


ササキさん(仮名50代)

手にしていないです。


ナレーション

ササキさんの場合、現在10数万円あると思われる生活保護費ら光熱費と屋賃でおよそ6万円、朝食代などとして一日500円月、1万5千円、タバコ一日一箱分、月、1万5千円が差し引かれている。残りの数万円はどうなっているかわかりません。


ササキさん(仮名50代)

気分いいわけないですよね。


ナレーション

ちなみに患者は一日十時間デイナイトケアを受けると、行政からB クリニックに対し一人につき一万円の診療報酬が支払われています。それは私達の税金。B クリニックの前年度の収益は27億円にのぼっています。ある日、ササキさんが体調不良で部屋で寝込んでいた時のことです。


ササキさん(仮名50代)

具合悪くて部屋で寝ていたんです。もう、私の部屋の合鍵を不動産屋から借りて開けて入ってくるんですよ「そのくらい大丈夫だから」と引っ張られてクリニックまで連れていかれました。


ナレーション

一体なぜ強制的とも思えるやり方で通院させるのでしょうか?元患者のある女性はこう証言します。


ハルカさん(元患者・仮名30代)

(クリニックの目的は)お金だと思います。一人デイケアに来ればそれだけ報酬がもらえますし、人を集めて「クリニックしか居場所がないんだよ」ということだと思います。


ナレーション

この(精神科)クリニックは都内に4カ所あり、通院者は一日およそ700人。取材班はこのクリニックのトップである会長が学会で語った音声を入手しました。


2015-7-27-7.jpg



Bクリニック会長

2015-7-27-8.jpg



親は子に依存し、最近はペットを飼う方が非常に多いです。散歩をするとみんな小さなペットを連れています。ペットを飼うなら人間飼ったほうがいいと僕は思うんですけれどねフフ



続く
2015/07/27

医療ジャーナリスト 伊藤隼也さんについて その6 本当の誠実さとは何なのか

伊藤さんのツイッターなどの発言が「医学的に正しくない」と批判されれば、確かに多少の間違いや行き違いがあるのかもしれない。けれど、今、私が取りあげたいのはもっと大きなことだ。





「違うことには違う、おかしいことにはおかしい」と声をあげることは大切だと思う。特に医療では人の命がかかっているから余計そう思う。けれど実際にはそういうことが言える人なんてほとんどいない。だから誤解されてしまう気がするのだ。


●週刊誌が悪なのか


父は入社以来一環してIRの仕事をしてきた。株主総会で株主の方々へ今期の業績についてお話するのも仕事の一つだ。だから私にいつも言っていた。「素早く情報公開をすることが大切だ」。





今、東芝の不正会計が問題になっている。


<東芝粉飾決算>歴代社長が「刑事責任」を問われる可能性はあるのか?
弁護士ドットコム 7月23日(木)12時3分配信ーYahoo!ニュース



不適切な会計処理の問題で、第三者委員会から「トップを含めた組織的関与があった」と報告を受けた東芝。第三者委員会の調査報告書では、歴代社長が「チャレンジ」と呼ばれる業績の目標値を設定し、担当部門に達成を強く迫ったことが会計操作につながったと指摘されている。


東芝が7月21日に開いた記者会見で、同日付で社長を辞任することを発表した田中久雄氏は、「目標値にはきちんとした理由があり、各部門には実現可能なレベルで要請していた」と釈明。不適切会計について「直接的な指示をしたという認識はない」と述べているが、その責任が今後問われることになりそうだ。


過去には、粉飾決算を繰り返したカネボウや、損失を10年以上にわたり隠したオリンパスなど、悪質性が高いとして旧経営陣らが逮捕され、刑事責任を問われたケースもある。



調べてみると東芝の粉飾が問題になる前から、ネットには監査を行っていた新日本有限責任監査法人の姿勢を批判する声が出ていた。日付は2010年10月18日。「神は細部に宿る」という言葉を思い出す。


東芝:監査法人の責任追及 不適切会計で第三者委 毎日新聞 2015年07月15日

 
東芝の不適切な会計処理を巡る問題で、同社が5月に設置した第三者委員会が、監査法人の責任を追及していることが分かった。この問題では、東芝の2014年3月期までの営業利益のかさ上げ額が2000億円規模に膨らむ可能性が出ている。監査法人が複数年にわたりこれらの巨額な不適切会計を指摘してこなかった責任が問われており、第三者委は近くまとめる調査報告書に盛り込むことを検討している。


会計士増の旗振り役が採用減
新日本監査法人のお粗末経営 ダイアモンドオンライン 2010年10月18日


監査法人の最大手、新日本有限責任監査法人が危機に瀕している。業界が一丸となって会計士を現在の約2万人から2018年に約5万人にまで増やすことを目指すなか、今年の採用を大幅に減らす見込みなのだ。背景には、過去の過剰採用や監査企業の契約打ち切りといったお粗末な組織運営がある。その実態を追った。



私はこうした企業の不正に関する報道を目にするたび、「週刊誌」は必ずしも「悪」ではないと思う。彼らにしか批判できない、ということのほうがよほど怖いからだ。こんなに大きな金額に膨らむ前に誰にもとめられなかった、その事実に目を向けるべきだと思う。


●製薬業界が始めた「情報開示」 これは果たして情報開示だろうか


特にサピオの連載で製薬企業の情報公開の歯切れの悪さを目にした時、伊藤さんを責めるのは筋違いだと感じた。いくら情報開示してもらえても、こんなに手間と時間がかかるのだ。これは何人もの記者さんに協力してもらえる伊藤さんのようなジャーナリストじゃないとできないと思ったからだ。


「うつを治したければ医者を疑え」第13 章 製薬業界が始めた「情報開示」で患者を苦しめる不正はなくなる


これは果たして情報開示だろうか



国際情報誌『SAPIO』編集部の協力で、14年9月初旬から中旬にかけて製薬協加盟の未開示企業に対し、13年度に医師らに支払った「原稿執筆料等」の情報開示を請求したが、全社から「正式な開示前なので、個別の開示には応じられない」との理由で公開を断られた。


すでに開示している企業でも多くは、閲覧者の氏名などとともに登録・申請し、承認を受ける「二段階方式」を採用している。


同編集部で開示情報の閲覧を試みたが、大半の企業で開示情報の印刷やダウンロードができず、パソコンの画面上で1ページずつめくっていくしかなかった。会社によっては800ページを超えるものもあった。多数の人員を導入して情報を閲覧したが、目を通すのに昼夜を徹し、かなりの時間を要するものだった。資料として活用することを拒み、ただ「見せるだけ」という消極さがうかがえる仕様だ。印象として、この方法は「開示・公開」とは言い難い。


煩雑な情報開示方法を採る製薬企業の多くは、「個人情報の保護のため」と釈明する。しかし製薬協はこう認める。


「情報公開に関しては医師の同意を得た上でやっています。公開情報の扱いの指針については各社に委ねています」(同理事)


同意を得て開示した情報であり公共の利益の観点からも隠す理由はない。やましいところがないなら各社は手順を簡略化してもよいものではないだろうか。


またガイドラインの別項目、「その他の費用」に入る香典や会食などいわゆる接待交際費(接遇費)は、現段階では個別の支払い額ではなく、年間総額しか開示されない。


「個別で金額表示することも検討されています。しかしたとえば製薬会社社員と医師とが会食をして、その支払いを製薬会社がした場合、いくらが接待費か判断が難しく現在は総額公開しています」(同理事)




2015-7-27.gif


『SAPIO』2014年11月号 「製薬会社から謝礼をもらった医師のリスト」


私が伊藤さんを好きになれなかったのは、週刊誌やテレビで活躍しておられたからだ。しかしそれは伊藤さんのせいではなく、私の中に思い込みや偏見があったからだ。


これはこのブログで何度も紹介した、NHKで2007年(平成19年)に放送された『ハゲタカ』というドラマのワンシーンだ。巨額の不良債権を抱えて瀕死の大手銀行が、ハゲタカと呼ばれる外資系ファンドに不良債権を査定されるところ。


実際には、銀行が所有するビルに、暴力団事務所がテナントとして入っていたりするため、不動産としての価値がほとんどなかったりする。つまり銀行幹部は「ハゲタカといったって、外国の会社だ。土地勘もないだろうし、時間もない。どうせ詳しく調べないだろう。今、この瞬間だけなんとか上手くごまかせば、安く買いたたかれることはない」とみくびっていたのだ。





ところがハゲタカは、銀行が抱える巨額の不良債権の正確な数字を導き出すため、コピー機を何台も持ち込んで、データをあっという間にコピーしてしまう。たちまち銀行の幹部が青ざめるのだ。





製薬企業がはじめたという情報開示が私には、この巨額の不良債権を抱える銀行がズラズラ机に並べたファイルに重なってみえてしまう。一体何が違うというのだろう。「日本は情報公開が遅れている」といわれていることは知っていたが、医療の分野は特に遅れていると痛感した。人の命がかかっているのにーーーーーーー


伊藤さんへの批判の一つに「医療不信を煽って儲けている」というものがある。しかし私にはお金のためだとは思えない。不信を煽るのではなく、議論を巻き起こすためだろう。恐らく、伊藤さんにはご遺族として苦労した経験があるから、ここまで熱心にやっておられるんじゃないかと思う。


昨年あるジャーナリストに週刊誌のギャラの金額を教えていただき、驚いたことがある。かなり安かったからだ。その方は私に正直に教えてくれた。「外資系製薬企業が相手だと迂闊なことをかくと訴訟になるかもしれない。批判記事を書くときには怖くなる」。


伊藤さんはあえてそのような厳しい条件の中に先頭をきって、突っ込むような記事を書いておられる。もともと写真家として有名な方ならなおのこと、もっと楽で稼げる仕事はあるだろうと思う。


だから私はこのサピオの特集を読んで以来伊藤さんへの悪口を目にすると‪Billy Joelの「Honesty ‬」を思い出す。「誠実さとは何なの?」と私達に問いかけている歌詞だからだ。
2015/07/24

医療ジャーナリスト 伊藤隼也さんについて その5 市民の中に飛び込んでいくジャーナリスト

別の記事に目をうつすと今度はがん医療における「ドラッグ・ラグ」を追及している。海外では使えるのに、日本では使いたくても使えない抗がん剤の特集だ。「ドラッグ・ラグ」の「未承認薬」と「適応外薬」の問題。そして腫瘍内科医や放射線治療医などの専門医不足にも言及している。


●2010年11月18日週刊文春 「癌治療」日本はここまで遅れていた! 抗がん剤と放射線治療」専門医も薬も足りない!外科医が抗がん剤治療をするのは先進国では日本だけだ・・・


2015-7-19.gif



一言で感想をいうなら、「良いことが書いてある」だ。


よく読んでいくと当時は気づかなかった。あの人気ブログ『若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記』を書いていた「ペコ」さんのインタビューが掲載されている。


(※『若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記』は2007年の春に進行性の乳がん(Ⅱ期)と診断された北海道在住の30 代の女性、ペコさんが書いていた闘病ブログのことです。250万アクセスを記録するほどの反響がありましたが、2011年1月21日、ペコさんは天国に旅立たれたました)


伊藤さんは「とくダネ!」でペコさんを紹介しただけでなく、文春でも取りあげたんだ。


●伊藤さんと『若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記』


こちらは伊藤さんのツイート。


https://twitter.com/itoshunya/status/21673768028 2010年8月20日

ドラッグラグ問題取材開始!今日は北海道でペコさん取材http://bit.ly/8jZpFj昨夜まで沖縄にいたので、秋の気配が濃厚に感じられる札幌入りでした。彼女は進行性乳がんを闘病しながらも、多くの人たちに勇気を与えてくれている。本当に凄い存在だ。近いうちにとくダネで放送予定 



●ペコさんを勇気づけたフジテレビ『とくダネ!』


こちらはペコさんのブログ。「とくダネ!」への感謝の言葉が綴られている。自分のブログが番組で紹介され泣いてしまったそうだ。





2015-7-19-2.gif


今朝のフジテレビ「とくダネ!」番組内で、
主に私のことを元にした、
ドラッグラグ問題の特集を取り上げていただきました。
自分が思っていたよりも反響が大きく、驚いております。
多くのコメントどうもありがとうございます。

今朝、病室のテレビで放送を見ていたら、自分の書いたブログの内容なのに感極まって泣いてしまいました(汗)

さて、そこで皆様にお願いがあります。

とくダネ!の放送を見た率直な感想を、
ぜひ厚生労働省のご意見フォームに書いて送ってもらえないでしょうか。

https://www-secure.mhlw.go.jp/getmail/getmail.html

このドラッグラグ問題、私にはこの後、どうしていいのかわかりません。
ただ、皆さんに放送を通じて知ってもらったことは大きなことだと思います。どこかに声を届けるなら、ここだと思います。

今回の件は、放送を通じて私の一例をご紹介したというだけであって、
他のがんに対する抗がん剤や、難病の方の薬など、
日本国内において、根深く起こっている出来事なんです。
ぜひ、ご協力よろしくお願いいたします。

また、フジテレビのスタッフの皆様方は、
既にブログのコメントを読んでくださっているようですが、
フジテレビ社内的にも、反響があったという履歴を残す意味で、
もしよろしければ「とくダネ!」にも感想を送ってください。
また違った形で、特集を組んでくださるかも知れませんので。

https://wwws.fujitv.co.jp/safe/tokudane/info.html

本当は、最終的には長妻厚労相が薬の承認のハンコを押すわけなので
伝えられればいいんですけど・・・なかなか難しいですよね(溜息)。


ペコさんを取りあげたのは一度だけではない。伊藤さんの強みは、テレビだけでなく週刊誌でも活躍しておられることだと思う。伊藤さんのように、テレビや週刊誌で何人もの記者さんに協力してもらい取材ができるジャーナリストはそんなにいないだろう。やっぱりすごいな、と思う。





2015-7-19-3.gif

11月11日(木)発売の週刊文春(11月18日号)に、

「抗がん剤と放射線治療」専門医も薬も足りない!
「がん治療」日本はここまで遅れていた [反響続々! 告発キャンペーン]


というコーナーがあるのですが、
この中に、ドラッグラグ問題に鋭く切り込んだ視点で
私の現在の闘病について、掲載されます。

私の主治医のW先生のコメントも掲載されており、
それを読めば、私がどれだけ厳しい状況で綱渡りを続けてきたかが
おわかりいただけると思います。
大変切実な問題です。しかも私だけの問題じゃないんです。
私の例は、ほんの1例であって、このドラッグラグ問題が原因で
今日も無念な思いでお亡くなりになった人が、日本のどこかに必ずいるんです。

ぜひ、週刊文春をお買い求めになって、このドラッグラグ問題について
お考えいただければと思います。
また、以前もご紹介しました、厚生労働省のご意見フォームのほうにも、
ご意見をお送りいただけると大変ありがたく思います。
どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

https://www-secure.mhlw.go.jp/getmail/getmail.html


「厚労省は省庁の中で一番のんびりしている」とある市民活動家の方が私に言っていた。人の命がかかっているというのに、我が国の厚労省は長い時間をかけ、地道に働きかけないとなかなか動いてくれない。


でも、ペコさんのように病室から出られない患者さんには残された時間が少ない。だから伊藤さんのように、テレビや週刊誌で継続して働きかけてくれるジャーナリストは貴重な存在なのだ。


私にも闘病しておられた彼女の気持ちが少しはわかる。私も瀕死の状態から救命された元患者だからだ。なんとなく目頭があつくなった。でも、泣けてくるのは患者さんの気持ちもがわかるから、というよりもネットに書き込まれた伊藤さんへの悪口を思い出したからだ。


伊藤さんはテレビや雑誌で活躍して忙しいはずなのに、患者さんや被害者のブログをよく読んでおられる。伊藤さんならペコさんのブログを気にかけてずっと読んでおられたに違いない。


ペコさんが天国に旅立たれた後、ポコさんがかいた「とくダネ!」の思い出。


ちょうど1年前 『若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記』 2011/09/07


ペコからは、ブログの文章や写真を利用した放送になるらしいとの話を聞いていましたが、
ペコも私も「どう使うんだろうね」と直前まで話していました。

そして放送当日。

私自身は仕事のためリアルタイムでは観ることができなかったのですが、
ペコからのメールでは「自分が思っていたのの5倍ぐらい映っていた」とのこと。

使ってもらえそうな話をそんなにしただろうかと思ったのですが、
見舞いの後、自宅に帰って録画していたものを観て納得しました。

ブログや宝島の記事や写真を、それこそ駆使していただき、思い出深いものにしていただきました。

お陰さまで「ドラッグラグ」を訴えたその放送は、多くの方に見ていただけましたし、今なお癌と闘っている方々にとってわずかでもお役に立っていることを願ってやみません。



念願だった闘病記が出版された直後、天国に旅立たれた。その時もやはり「とくダネ!」がペコさんを取りあげた。



本日の北海道新聞に掲載されました! 『若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記』 2011/01/27


ちなみに、ペコが天国に旅立った21日の北海道新聞 札幌圏版28面でも
本の出版のことをご紹介いただいていました。
こちらもありがとうございました。

また、24日のオープニングトークで取り上げていただきました、
フジテレビ「とくダネ!」さんもありがとうございました!!

いろいろなところで紹介をしてもらって、天国のペコも喜んでいると思います。


ペコさんが亡くなった翌日の伊藤さんのツイート

https://twitter.com/itoshunya/status/28739105336590336

若年性乳がんになっちやった!ペコの闘病日記」作者のペコさんが昨日、天国に旅立たれました。本当にいつも前向きで、彼女から沢山の事を学びました。日本のがん治療が患者さんのためにどう有るべきかを!命をかけて訴えた事は決して忘れません。ご冥福をお祈りします。



そもそも私が伊藤さんと親しくなったのも、私に「何か困ったことがあったら連絡して!」と名刺を渡してくれたから。


リップサービスなのかと思ったらそうじゃなかった。突然電話をかけてきてくれることもあるし、私がメールを送ると「今からとくダネ!の本番なんですよ」などと、返信メールが届いてびっくりすることもある。


伊藤さんは市民の中に飛びこんでいくジャーナリストなのだ。


【 追記 】

ペコさんが亡くなった後、読売のヨミドクターにも掲載されたようだ。ブログ、週刊誌、新聞、テレビと果たす役割はそれぞれ皆違うけれど上手くつなげられたら、良い方向に動くというお手本のよう。記事の中にある「テレビに取りあげられた」というのはフジテレビの「とくダネ!」のことだろうか。





2015-7-24.gif



ブログの主の死から半年たった今も、がん闘病のジャンルで人気1位の座を守るブログがある。「若年性乳がんになっちゃった! ペコの闘病日記」だ。


「ここからです、ここから! ここから、ペコの奇跡の物語を皆様にお見せできればと思います」


札幌市の藤谷ペコさん(筆名)がブログでこう書いたのは2008年12月。がんが心臓にも転移し、余命半年と告げられた直後だった。宣言通り、新たに投与した抗がん剤が効果を見せたものの、いつ心臓が止まってもおかしくない。医師は反対したが、夫(40)と香港旅行を決行し、その後も海外旅行を繰り返した。


「妻の生きる力になったのは、がんであっても毎日を楽しむ気持ちと、『怒り』でした」と夫は語る。


結婚1年目の07年3月、右胸の乳がんと診断された。34歳の時だ。母親を卵巣がんで亡くし、乳がん検診を毎年受けていたが、既にリンパ節に転移していた。


全摘手術直前に始めたブログで、若い世代で見落としの可能性が高い乳がん検診の問題を何度も訴えた。


手術から8か月後の08年7月、骨とリンパ節に再発。ホルモン療法や、分子標的薬という新しい薬が効かない乳がんのため、抗がん剤で命をつなぐしかない。保険で使える抗がん剤はすべて試したが、次々と効かなくなっていった。


脳や甲状腺にも転移が広がった10年秋にはテレビ出演し、海外で広く使われている薬が日本で使えない「ドラッグ・ラグ」の解決を訴えた。「日本でなければもっと治療できるのに!」と何度も悔しがった。


その番組でペコさんを知った乳がん闘病中のまつこさん(40)(筆名、北海道在住)はブログを見て驚いた。


「こんなに具合が悪いのに旅行に行っちゃうの? 何でこんなに前向きなの?」


昨年末に再発がわかったまつこさんも、抗がん剤が命綱となる同じタイプの乳がんだ。「薬がなくなり体が弱っても、ペコさんの気持ちは決して弱くならなかった。励まされました」


今年1月、「ペコの奇跡の物語が終わりました」と夫がブログで報告した。読者の声350件以上が寄せられ、38歳の死を悼んだ。


まつこさんはその後も度々ブログを訪れる。ペコさんが臨床試験でしか使えなかった抗がん剤が、保険で使えるようになったニュースもコメントで入れた。


「少しでも思いを継ぎたいから」と、4月には自身のブログを開設、ドラッグ・ラグやがん検診について発信を始めた。ブログが、人から人へ生きる希望をつないでいる。(岩永直子)




2015/07/23

医療ジャーナリスト 伊藤隼也さんについて その4 国立国会図書館で当時の記録を調べる

ブログに伊藤隼也さんについてかくにあたり、これまでどんな記事を書いておられたのか調べてみた。一番簡単なのが国立国会図書館サーチで検索する方法だ。


2015-7-14.jpg

国立国会図書館



『伊藤隼也』で検索するとたくさんの本や雑誌の記事がヒットする。その半分は写真家時代のもの。そして残りの半分が医療ジャーナリストとして発表された雑誌の記事や本。検索の条件をかえ医療に関する記事だけしてみると辛辣なタイトルが目につく。タイトルだけみると確かに『煽る』と言われても仕方がないような気がする。でもそれはタイトルで売る週刊誌の宿命だとも思う。


国立国会図書館サーチ


2015-7-17-2.gif



今まですべてに目を通してきたと思っていたけれど、見逃したものがあるし、どんな内容だったか忘れてしまった記事もある。思い切って国立国会図書館に出かけた。


入手できたものは複写サービスを利用し、家に持ち帰った。


詳しく記事の内容をみていくと、どうして悪口が書かれるのかよくわからなくなった。


●2009年7月9日 週刊文春 「補助金をもらって妊婦を断る『周産期センター』」


例えば2009年7月9日の週刊文春のタイトルは「補助金をもらって妊婦を断る『周産期センター』」だ。


2015-7-18-3.gif



この記事では以下のようなことが指摘されていた。


「生殖医療は多くの場合自由診療だ。ビルが建つといわれるぐらい儲けている開業医もいる。問題なのは分娩施設をもたず、生殖医療を行い『妊娠しました』と周産期センターに丸投げしてしまうような施設。生殖医療でハイリスク妊婦になったとしても、命を救うために奮闘し、訴訟リスクに晒されるのは周産期センターの医師。周産期センターでのお産はリスクが高い場合が多い。スタッフが大勢必要だ。お産には約50万円の費用がかかるが、経費を除いた利益はごく僅かといわれている。この矛盾に憤りを感じて辞めていく医師もいる」


私も日本の高度生殖医療にはこの世の矛盾が凝縮されていると感じていた。とりわけ問題だと思うのは、生まれてくる子供の知る権利や人権が置き去りにされていることだった。


例えば、高度生殖医療と超低出生体重児の増加とは関係があるといわれているけれど、小さくうまれた子ども達への育児支援・教育支援は充実しているとは言い難い。支援の不足は下手をすると、個人の心の問題にすり替えられ、精神医療に丸投げされる。支援のためにとりあえず「障害名」をつけるなどが行われているのだ。


だから本当の意味でこの国は、子どもを大切に考えていない気がしてならなかった。とてもよい問題提起だと思った。最後のまとめの言葉は私もその通りだと思う。


周産期医療を再建するためには、医師や病院を適材適所に「計画配置」すべきだとの議論はもはや避けられまい。そのために、まず考えなければならないのは周産期医療の現場で奮闘している医師たちの「高い公的役割」に対し、いかにそれに見合った労働環境や大待遇を提供するのか。そして、これまでの身勝手に振る舞ってきた病院や医師たちに対し、いかに「公的な責任」と「役割」を課すのかである。


いくら医療崩壊だからといって、公的な責任や役割を果たそうとしない医師までを、私達市民が守る必要はないと思うからだ。


●2009年6月18 日 週刊文春 「新生児医療『文科省』に殺される」


次に2009年6月18 日の週刊文春に掲載された記事を読んでみた。「新生児医療『文科省』に殺される」というタイトルがつけられている。タイトルは刺激的だけれど、中身はやはり重要なことが書かれている。


2015-7-18-4.gif



当時、急変した妊婦が受け入れを拒否されるという、所謂「妊婦たらい回し事件」が社会問題化していた。政府は国民の「改善すべき」という強い要望を受け、周産期医療システムを再構築すると宣言した。


周産期医療が崩壊する原因の一つはマンパワーの不足だ。例えば急変した妊婦を受けいれるためには産科医だけを増やしても受け入れ拒否はなくならない。なぜならNICU(新生児集中治療室)で働く新生児科医も不足しているからだ。私のようにすぐに出産しなくてはならなくなった妊婦の場合、生まれた子どもを治療する新生児科医がいなければ子どもが死んでしまうのだ。


崩壊寸前の医療現場はどこもギリギリの状態だったが、それでも救える命を救うため、少ない人員で役割分担をハッキリさせ、地域一丸となって救急搬送マニュアルを作りあげるなどの工夫をしていた。


ところが、文部科学省が所轄する国立大学病院に補助金を投じて、周産期病床を強化すると言い出した。なぜ文科省は医療現場の実情を真摯に見つめず、愚かな政策を強行するのか。無理に箱物に予算をつけても現場の医師を引きはがすだけだ。これでは崩壊はさらに加速するーーー


記事にはそのようなことが書かれていた。


しかも取材にこたえている医師には見覚えのあるお名前がちらほら。中には伊藤さんと親しい先生がおられる。きっと伊藤さんが現場の声を伝えようと奮闘したから、気持ちが通じて仲良くなったのだろうと思った。


「(医療ジャーナリストの伊藤隼也氏は)マトモな医師から相手にされていない」という悪口をよく目にするけれど事実は違う。伊藤さんが実名を出さないのは先方のことを考えておられるからだろう。


改めてよんでみてとても不思議だ。一体これらの記事のどこが「医療崩壊を煽る」内容なのだろう。辛辣なタイトルは不信を煽るのではなく、議論を巻き起こしためではないだろうか?考えて欲しい。第一に守るべきは声をあげたくてもあげらない母子だと思う。伊藤さんへの事実無根の悪口が拡散されると一番困るのはこうした声をあげられない方々ではないだろうか。


(次回に続く)