2015/12/25

下町ロケット『コアハート』と『エバハート事件』 その3



下町ロケット『コアハート』と『エバハート事件』 その2 の続き


椎名

「こんな記事は事実無根だ!勘弁してくださいよ」


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「亡くなった治験患者さんに、心からそう言い切れますか?」


椎名

「言えますよ」




「あんたそれでも技術屋か!自分の開発したもので、人々の生活を豊かにする、幸せにする、俺たちの仕事はそういうためにあるんじゃないのか?」


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椎名

「どうしても私のせいにしたいなら、動かぬ証拠を持って来いと言った。だいたいあんた達は姑息なんだよ。ウチから実験データを盗み出して、それをさも正義ずらして検証したように書かれていますがね、そもそもこんなやり方で手にいれたデータを検証したところで、証拠能力はないんだよ。都合のいいねつ造をしているのはそちらじゃないのか?」




「我々は天地神明に誓って公正は検証をしました。正しい技術によって出された数字は決してウソはつかない。もしそこのウソがあるなら、それは人間がついたものだ。あの完璧に見せかけたデータの裏には、動作保証90日すら達成できていない耐久性上の重大な問題が隠されているんじゃないんですか?」


●今の日本はつまらない道徳や倫理観にとらわれて、100%に限りなく近づいたものしか使えない だからアメリカに遠く及ばない


椎名

「なるほど。数字はウソをつかない。ではお伺いしますが、佃さんは60%という数字を高いと思いますか?それともまだまだ100%には遠く及ばないと低い数値だと思いますか?例えば、安全の作動する確立が60%の医療機器があったとします。つまり10人中6人は助かるが4人は助からない。あなたはそんな医療機器は使うべきではないと言い切れますか?


それを使えば、助かるはずだった残りの6人が助かるはずだとしても、その選択は正しいとあなたは言い切れますか?


たとえ、盗作だろうとデータ偽装だろうと、明日どうなるかわからない人工心臓を待つ患者にとっては、コアハートは希望の光なんです。今の日本はつまらない道徳や倫理観にとらわれて、100%に限りなく近づいたものしか使えない。アメリカではNASAでも医療分野でも、そこは合理的に判断する。だからこの国はダメなんだ!アメリカには遠く及ばない!」


●1%だから死んでもしかたがないと思う人間は、どこにもいない


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「6人を救うために、4人を犠牲にする、正しいのか間違っているのか、そんな答えは私には到底出すことはできません!確かにあなたの言っていることに一理あるのかもしれない。ですがね、亡くなった人にとったら、たとえ1%だろうと99%だろうと、関係ない!


1%だから死んでもしかたがないと思う人間は、どこにもいませんよ。


だから我々技術者は、常に100%の成功を目指して研究開発を続けるしかないんだ。にも関わらず、自分の私利私欲のために、開発する努力を放棄して、データ偽装をするなんて、言語道断だ!どんな理由があろうと、絶対にやってはならない。越えてはならない一線だ!そのせいで、一人の治験患者さんが亡くなってしまったんだぞ!あんたはそれを、6人の命を救うためだという理論にすり替えた。詭弁を振りかざしているだけじゃないか!


●大勢を救うために、少数を切り捨てる、正しいのか間違っているのか、そんなことは、医者も技術者も、悩みに悩んで悩み続けてきたこと 答えなんか出せるわけない


だがこれだけは覚えておけよ!大勢を救うために、少数を切り捨てる、正しいのか間違っているのか、そんなことは、医者も技術者も、悩みに悩んで悩み続けてきたことなんだ!答えなんか、出せるわけないんだ!


それでも先人達は自分の無力さと闘いながら、次こそは10人全員を救いたいと努力して、どうしても救えなかった人達を、尊い犠牲の上に、唇をかみしめて今日の医療と技術を作り上げてきたんだ。あんたのような、人間が今さら知ったような顔をして、軽々しく口に出せるような問題じゃない。あんたに、命のうんぬんを語るべき資格などない!」

2015/12/25

下町ロケット『コアハート』と『エバハート事件』 その2


下町ロケット『コアハート』と『エバハート事件』 その1 の続き


下町ロケットをみていて、びっくりしたことがもう一つあった。佃製作所社長の佃公平と、サヤマ製作所社長の椎名直之がデータ偽装を巡って言い合いになるところだ。


私がブログに書き続けてきたことを、ドラマの主人公の佃公平が言っているみたいでびっくりしたのだ。私が問題にしているのは、データ偽装とかワクチン云々ではなく、命に対する考え方だ。面白いから二人の台詞をブログに残しておこう。もしかしたら、私達のネット上の論争にも目を通して、本やドラマができたのかしら?


もっとも私はずるい。自分に文才がないことがわかっているから、ジャーナリストの斎藤貴男さんに代弁していただいちゃった。より安全に、より確実なものへを変えていくのは、亡くなった方の涙の数でもあるんだと私も思う。


◇  ◇  ◇


斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン事件』が発売されました その3  ワクチンと新自由主義


子宮頸がんワクチン事件 斎藤貴男 第六章 ワクチン・ビジネスの世界 より引用


『ニュー・イングランド医学雑誌』の元編集長のマーシャ・エンジェル氏にとっても、レーガン以降のグローバリゼーションーーーグローバル巨大資本の利益を絶対不可侵の価値とみなす新自由主義の猛威と、これに伴うパラダイム・シフト(支配的規範の革命的変容)は嘆かわしく映っていたらしい。


WHOの「予防接種拡大計画」も、ずいぶんと変質してきたのではないか。「一パーセントの人びとが九九パーセントの人間を支配している」といわれるグローバル・ビジネスの時代と、経済合理性を掲げつつ、道徳律までも自家薬籠中のものにしてしまう功利主義とはあまりにも相性がいい。


そう言えば、功利主義のイロハをわかりやすく解説した案内書には、マイケル・サンデル教授が例に挙げていた路面電車などの事例とともに、こんな問答も紹介されていた。「あなたの父親と、『ハリー・ポッター』の作家J・K・ローリングスさんが火事場にいる。どちらかしか助け出せないとしたら、あなたはどちらをえらびますか?」


この場合は当然、「ローリングスさん」と答えなければならない。彼女のほうが社会全体の利益に寄与すると判断できるためだ(児玉聡『功利主義入門』より)。


功利主義における「最大多数の最大幸福」に利益の分配という発想はなく、もっぱら総和された利益の最大化のみを重んじているからである。


だからこそ、GSKも、MSDも、この国のワクチン市場に参入してきた。本章の冒頭でとりあげた神奈川県予防接種研究会も、その受け皿としての機能を帯びていくのかもしれない。



◇  ◇  ◇


放送分下町ロケット 第10話 TBS FREE オンデマンド 配信期間:2015年12月27日(日)20時59分まで


サヤマ製作所社長 椎名直之

「よくいらっしゃいました佃さん」


佃製作所社長 佃航平

「今日は届け物があってきました」


椎名

「届け物?」




「( 医療ジャーナリストの)咲間さんからあなたに渡すようにと」(週刊ポストをカバンから取り出す)


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続く


2015/12/25

下町ロケット『コアハート』と『エバハート事件』 その1


(※明日から冬休みになるため、しばらくお休みさせていただきます)


●東京女子医大で起きた『エバハート事件』がモデル?


私が下町ロケットに出てくる医療ジャーナリストが、伊藤隼也さんに似ていると思った理由はもう一つある。『コアハート』の治験患者が死亡するというストーリーが、実際に起きた『エバハート事件』に似ていると思ったからだ。


『エバハート事件』に関してはこちらの谷直樹弁護士のブログに詳しく書かれている。2008(平成20)年に大阪の国立循環器病研究センターと、東京の東京女子医大病院で治験中に患者さんが死亡した事故だ。


同時期に起きた二つの事故は、週刊誌などで大きく取り上げられたが、正反対の経過をたどることになる。国立循環器病研究センターはマスコミ報道の後、抗議文を出したが、谷弁護士のブログに書かれているように、調査委員会を立ち上げ報告書も公表した。そのためご遺族は、短期間で報告書をまとめた調査委員会の努力に敬意を表されたそうだ。


ところが東京女子医大は、下町ロケットの出てきた、貴船恒広教授とアジア医科大の対応にそっくり。その後裁判となり、遺族側が勝訴している。


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◇  ◇  ◇
弁護士谷直樹/医療専門の法律事務所のブログ
medicallaw.exblog.jp


国産の埋め込み型補助人工心臓,その光と影(3)~国循のエバハート治験事故


◆ 国循での臨床試験中の事故

国立循環器病センターで平成19年春,補助人工心臓「エバハート」(EVAHEART)を臨床試験で装着した男性(当時18歳)が心肺停止し脳に重大なダメージを受け,意識不明のまま平成20年春に死亡しました.




国産の埋め込み型補助人工心臓,その光と影(4)~東京女子医大のエバハート治験事故


◆ 東京女子医大病院でのエバハート治験中の事故

平成19年3月,心筋梗塞により東京女子医大病院に入院した女性が,補助人工心臓エバハート(EVAHEART)の埋め込み手術を治験で受けました.

平成20年7月,補助人工心臓エバハートが接触する部分で,圧迫による胃穿孔を起こしていることがわかり,被験者は縫合手術を受けました.
同年8月,被験者は,脳内出血を発症し,同年10月に死亡しました.

(中略)

◆ 感想

同じように治験中におきた事故で,国循では調査委員会が設けられ報告書が公表されました.東京女子医大は,調査を拒み,訴訟となっています.
院内調査の必要性は,日医の基本的提言も指摘するところです.
国循は誠実に対応しましたが,東京女子医大の対応はいかがなものでしょうか?

治験は,薬事法に従い,厚生労働大臣の承認を受けるために実施する臨床試験です.医療機器の臨床試験に関しての基準は,医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令が定めています.

◇  ◇  ◇


●週刊ポストのスクープ記事のモデルは、12月17日発刊の週刊文春(12月25日号)『国立病院のおぞましい人体実験』か


当時の混乱の様子は、こちらの「産科医療のこれから」というブログに残されている。このブログには、週刊文春のスクープ記事も全文掲載されているばかりでなく、エバハートを開発したサンメディカル社の抗議文、そして記事を書いた文春の記者さんのコメントまである。医療関係者からの報道への反発がどれだけ激しかったかがわかる。


産科医療のこれから 補助人工心臓に関する記事について 週刊文春への抗議/国循 2009年1月


●スクープ記事を書いたのは、伊藤隼也さん?


2008年から2009年頃といえば、福島県立大野病院事件が注目を集めた頃だ。今とは比べものにならないほど医療報道への批判が多かった。医療を崩壊させた元凶だと世間にバッシングされていた。だから記者さんもたまらず書き込みをしたのだろうか?


しかし調べてみたけれど、伊藤さんが書いたという証拠はどこにもない。伊藤さんの公式サイトの活動記録にも残されていない。


●フジテレビの報道番組「サキヨミ」の特集


私が伊藤さんかもしれないと思う理由は、この事故を詳しく報道したのが、フジテレビの「サキヨミ」(2009年9月20日(日)放送終了)という報道番組だったからだ。私は医療報道に関心があるので今でも録画して保存してある。しかし「サキヨミ」の特集にも伊藤さんが取材した、という記録は残っていない。


「サキヨミ」の特集の内容はこちらのブログが詳しい。


エバハート治験中の死亡に関する記事 2008/12/23 クラリネット記別荘


私は番組の中で公開されたご遺族のお母様が代筆されたという、同意書に添えられた「手術前の説明とは違います。生命維持をするためには、治験に参加するほかないでしょうか?」という文書に心を奪われた。病院の対応に、お母様は長い間、不信を抱いていたのだろう。メディアに情報提供するほど追い詰められていったのだと思ったからだ。国立循環器病研究センターは、ただの大病院ではない。国を代表するような医療機関が、治験の同意書に、こんな言葉を書かせたらいけないと思った。


●メディアは実施計画書(プロトコル)をどうやって手にいれたのか?


ところで、全く証拠がないのに、私がスクープをしたのが伊藤さんだと思うのは、裁判の争点だ。判決内容について詳しく書いてある記事がある。サキヨミや文春はあれだけバッシングされたけれど『体表面積の数値を「1・41」と書き換えた』事実はあったのだ。


◇  ◇  ◇
東京女子医大「エバハート事件」が指し示す治験の現状 集中 2014年4月 9日


臨床試験をめぐる不正が世情を騒がせている。去る2月20日、一つの判決が下された。


治験で被験者女性が死亡


 東京女子医科大学「エバハート」事件。同大付属病院で2007年3月に行われた埋め込み型補助人工心臓・エバハートの治験で当時41歳の女性が埋め込み手術を受けた。その後、患者は脳出血を発症。08年10月に死亡している。
 遺族は大学側に約3100万円の損害賠償を求め、訴訟を起こす。


 エバハートは小柄な患者に埋め込むと周辺の臓器を圧迫して合併症を起こす恐れがある。治験の実施計画書(プロトコル)では体表面積が1・4平方㍍未満の患者は「参加できない」と「除外基準」を規定していた。だが、女性の手術前日の体表面積は1・38平方㍍。東京女子医大心臓血管外科の齋藤聡講師がカルテに記載する手術前の体表面積の数値を「1・41」と書き換えた事実が判明した。


 東京地方裁判所は約860万円の支払いを大学側に命じた。減額されたのは重症の心臓病でいかなる治療を行っても予後は不良と思われたためだ。菅野雅之裁判長は「本来は治験に参加できない患者なのに手術の結果、死亡した」と認めている。


 判決は「治験は人体への安全性が確認されておらず、計画はより厳格に解釈するべきだ」とし、手術は計画違反だと指摘。死因の脳内出血は埋め込み手術によるものと結論付けた。大学側は「実施計画では、入院時のデータの使用も認められている」とし、女性の入院時(06年5月)の体表面積は基準を上回っていたと主張していた。

◇  ◇  ◇


●私の心を変えた、同意書の言葉


私の友人は治験の専門家だ。彼が関わってきた治験が成功した時に、写真を見せてくれたことがある。写真には、机の上に並べられた膨大な数のファイルが映っていた。スタッフ全員で記念にとったそうだ。


並べられた書類一枚一枚が、患者さんの命を守っているのだと思った。治験というものは決められた手順に従い、一つ一つ地道に結果を出してゴールを目指すものなんだろう。


裁判の争点は、実施計画書(プロトコル)に書かれた内容だ。


おかしいと思った。実施計画書(プロトコル)がそんなに簡単に手に入るはずがない。仮に手に入れたとしても知識がないと読み解くのは難しい。家電のマニュアルだってあんなに分厚いのだ。実施計画書(プロトコル)は、きっと膨大な書類の束なのだろう。


下町ロケットに出てきたように、恐らく病院内部に情報提供した人がいるに違いない。情報を渡した人だって、報道関係者なら、誰でもいいはずがない。万が一、特定されたら大変だ。


取材源を明らかにするわけにいかないから、誰のスクープかを伏せているんじゃないの?


医療ジャーナリストが、医療事故で肉親を亡くしたという設定もよく似ている。モデルはきっと伊藤さんだと思う。


さて私の推理はどこまで当たっているんだろう?


これだけ下町ロケットがヒットしたんだから、フジテレビが取材してくれれば面白いのにな。私が大野病院事件後にはじまった『周産期医療の崩壊をくい止める会』の、残されたご遺族への支援活動に疑問を持ったきっかけは、テレビ画面に映し出されたあの同意書だ。添えられたお母様の言葉だったから。


続く
2015/12/23

『医療崩壊と報道』 正しいことを声にできなくなったら私たちは何のためにいる? その3


『医療崩壊と報道』 正しいことを声にできなくなったら私たちは何のためにいる? その2 の続き


実際の週刊ポストは、ドラマのように格好良くない!という記事も見つけた。確かに今の時代、ドラマのような編集長がいたら、雑誌はもう少し売れるかもしれないし、テレビの視聴率もあがるかもしれないね。


放送分下町ロケット 第10話 TBS FREE オンデマンド 配信期間:2015年12月27日(日)20時59分まで2015年12月20日(日)


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(ガウディ計画が成功したところ)


私が匿名でブログを書くようになったのだって、こんな編集長やジャーナリストもなかなかいないからだもの・・・。 私は報道、ジャーナリズムの原点とは、命や人権を扱うことなのかと思っていた。


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(ドラマに出てきた「週刊ポスト」のスクープ記事)

◇  ◇  ◇

下町ロケットで佃製作所救った「幻のスクープ記事」全文公開 news-postseven 2015.12.21

 * * *

 医学の進歩に、命の犠牲はつきものだというのか──。アジア医科大学と日本クラインが共同開発している世界最小・最軽量、患者の負担を大幅に軽減できると謳われた画期的な人工心臓コアハート。その最初の臨床治験患者が死亡した。遺族は医療過誤を疑い調査を求めたが、アジア医科大学はそれを突っぱね患者本人の心不全による病死だと発表した。取材を進めると、命を預かる医療の現場にあるまじき不正の数々が見えた。


◆治験患者が死亡…隠蔽された死因

 
先日、最新鋭の人工心臓コアハートの臨床治験で、治験患者である30代男性A氏が死亡した。世界最小・最軽量、患者の負担を大幅に軽減できると謳われた画期的な人工心臓コアハート──その臨床治験が始まったことは医学界で大きな注目を集めていた。


 コアハートは、アジア医科大学の心臓外科部長・貴船恒広教授を中心に日本クライン株式会社と共同開発している医療機器で、血液の逆流を防ぐためのキーパーツとなるバタフライバルブの開発はサヤマ製作所が引き受けている。心臓外科に長い歴史をもつアジア医科大学、精密機器メーカー最大手の日本クライン、NASA出身である椎名直之社長のアメリカ仕込みの高い技術力で急成長を遂げているサヤマ製作所の3社が手を組んでいるということで、医療関係者もその性能に期待を高めていたことだろう。


 その矢先に起きた出来事だった。いくら臨床治験に同意していたとしても、遺族の悔やまれる想いは計り知れない。


 そんな遺族の強い意向を受けて、アジア医科大学内に設置された「緊急院内医療事故対策会議」が事故の詳細を公表した。“死因は、臨床治験患者A氏がもともと患っていた心臓疾患による心不全”。つまり“病死”というものだった。臨床試験のリスクを考えれば納得できなくもないが、そこにはひとつアジア医科大学側の過失があった。


 A氏の容態が急変した際、人工心臓がついていることを知らなかった医師が、心臓マッサージを行なったのだ。人工心臓患者の場合、機器に負荷がかかる心臓マッサージは御法度だ。これによりコアハートは破損。アジア医科大学は初期対応の適切さを欠いたとして病院側の過失を認めたが、その前からA氏は心停止の状態になっており、あくまで死因は心不全。人工心臓コアハートの破損と死因は無関係であるという結論を出した。


 一部の医療関係者の話では、人工心臓は自身の心臓のはたらきで血液が不足している分だけ人工心臓で循環を補助しているため、心不全による心停止が起こることはほとんどないという。それでは、一体どうしてA氏は心停止を起こし死亡してしまったのだろうか。


 そこで考えられるのが、人工心臓コアハートの不具合である。世界最小・最軽量を謳う画期的な人工心臓であるが、その設計に無理はなかったのか。また、設計が充分なものであったとして、何らかの原因でコアハートが動作不良を起こして臨床治験患者が事故死した可能性はないのか。


◆動作保証90日に満たずデータ偽装


 取材を進めるうち、コアハートの設計図とバタフライバルブの実験データを極秘に入手することができた。


 そこでバルブ開発について実績をもつある企業の協力を得て検討を重ねたが、設計・バルブの実験データともに不良な点は認められず、完璧すぎると言っても良いほどの数値がそろっていた。非常に難しい設計を実現したサヤマ製作所の技術力を見せつけられた結果になったが、気になるのは技術者たちがいう“完璧すぎる”という言葉である。やがて、実際にサヤマ製作所で開発現場の間近にいたという人物にたどり着き、証言を得た。そこで浮かび上がったのは、人間の命を預かる医療機器にあるまじき不正の数々であった。


 3年以上前から開発が進められていた、人工心臓コアハート。開発は順調に進み、臨床試験まであと一歩という段階まで来たころ、血液の逆流を防ぐキーパーツであるバタフライバルブに関して、動作保証90日の基準に対して耐久性が足りないという指摘があり、その難しい設計から下請けメーカーを変更して見直される事になった。


 日本クラインから複数のメーカーに依頼するも実現できるだけの技術力を持った企業はなかなか現われず、そこに名乗りをあげたのがサヤマ製作所の椎名直之社長だったという。サヤマ製作所は難しい設計を実現できるどころか、さらに耐久性や動作性を飛躍的に向上させた改良案の設計図を持ち込んだ。アジア医科大学と日本クラインはもちろんこの提案に乗った。


 しかし、実際にはその設計図は他社から不正に入手したもので、サヤマ製作所は設計図通りの製品を実現できず、その性能は動作保証90日の基準には届かないものだった。納期が迫る中、サヤマ製作所は実験データの数値を書き換えてバタフライバルブを納品した。それは、椎名直之社長の指示だったという。臨床治験患者の死亡の真相は、心不全ではない──サヤマ製作所のデータ偽装を背景にした、人工心臓コアハートの動作不良である。


 臨床治験患者が死亡したその時、アジア医科大学の医療知識と日本クラインのノウハウをもってすれば、人工心臓コアハートに何らかの不具合が起きた可能性は充分指摘できたはずだ。臨床治験患者の死亡から充分な調査期間もなくその死因を心不全による病死だと断定して、人工心臓コアハートを無関係だと結論づけたことには、なにか意図があるようにしか思えない。


 自社の実績を積み重ねるために実験データを偽装し、未完成品だとわかっていながらバルブを納品したサヤマ製作所。人工心臓コアハートの臨床治験失敗を恐れて、動作不良を認めず患者の本当の死因を隠蔽したアジア医科大学と日本クライン。医療は、人の命を守る尊いものである。病気と戦いながら、新しい医療機器の開発を待ち望んでいる人の数も計り知れない。しかしそれが欲望や悪意に汚されてしまったとき、医療は人の命を奪う道具にもなり得る。


 * * *


【「ドラマ版週刊ポスト」の作成を担当したADの宮崎萌加さんの話】


「記事は台本と矛盾しないことを前提に、監督がアップにしそうな箇所に重要な単語が並ぶように工夫しています。週刊誌らしい文面にするためにポストのバックナンバーを何冊も読み込みました。一番苦労したのはタイトル。実際のポストのような過激なタイトルは映せませんから(笑い)」
2015/12/23

『医療崩壊と報道』 正しいことを声にできなくなったら私たちは何のためにいる? その2


『医療崩壊と報道』 正しいことを声にできなくなったら私たちは何のためにいる? その1 の続き


そこに中里淳がやってくる。


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中里はもともと佃製作所の技術者だったが、会社に不満があり、コアハートのバルブの改良型アイデアを持ち出しサヤマ製作所に転職していた。


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中里

「山崎部長が作成した設計図を、私がサヤマ製作所の椎名社長に渡しました。もしかしたらそのせいで、コアハートの治験患者が・・・私はとんでもないことを。もうどうしたらいいかわからなくて、気がついたらここに・・・本当にすみませんでした」




「まず顔を上げろ。下を向いていても、やってしまったことは元には戻らない。何も変わらない。とにかく、顔をあげて、まっすぐ前を見ろ!」


顔を上げる中里




「よく正直に話してくれた。よく逃げなかったな」


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中里

「やめてください。私が悪いんです」




「確かにお前は間違いを犯した。でもな、誰だって間違えることはあるんだ。大切なのは、これからどうするかなんだよ。それに、本当に責任を取らないとならない奴らが他にいるんだろ?俺はそいつを絶対に許さない。お前の仇は俺が取ってやるから」


週刊ポスト編集部

「咲間さんお客様です」


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「編集長、咲間さん、手前どものことはどうぞお気遣い無く。思う存分、書いて掲載してください」


編集長

「いや、しかしですねーーー」


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「最初から、そのくらいの覚悟はできています。大丈夫です。ウチには優秀な弁護士と大番頭がいますから。それに、治験で亡くなった患者さんのためにも、ここで引き下がるわけにいかないでしょう?受けて立ちましょうよ!正義は我にありです!」


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咲間

「わかりました。では、遠慮無く書かせていただきます」


編集長

「本気か!」


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咲間

「編集長、正しいことを声にできなくなったら、私達は何のためにいるんですか!訴訟が怖くて、ジャーナリストなんてやってられません!」



編集長

「わかった。好きにしろ。ケツは俺が持つ!」


続く


2015/12/23

『医療崩壊と報道』 正しいことを声にできなくなったら私たちは何のためにいる? その1



『下町ロケット』のガウディ編を紹介しながら、新型出生前診断の臨床研究について書いたら、すごいアクセス数でびっくり!!


●国立高度専門医療研究センターには、魔物が住んでいる?


本当のことをいうと、私が追っているのは、新型出生前診断の闇ばかりではない。


もう一つ、子どもの医療に関わる問題を追っている。


なんだか最近思う。億単位のお金が動くことも珍しくない国立高度専門医療研究センターには、魔物が住んでいるみたい。


「科学に人生をささげようと純粋に誓った秀才たちなのに、初心を忘れるからお金で心を買われしまうんだ」と友人の医師が私に言っていた。


そうかなぁ。運が悪いとか、まして一人の責任で終わらせることには反対。だって、何度も同じような事件が繰り返されてきたでしょう?


●一村隼人医師にそっくりなお医者さん・・・


調べてみると悪い人だと思えなかった。ドラマに出てきた一村先生をみた時に、よく似ていると思ったほどだ。だから、もしも友人が言うように、お金に心を買われるのなら買われる理由も、明らかにして欲しい。


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日本の医療が世界から取り残されつつあるのは、報道のせいじゃないと思う。問題の本質から目を背け、改善せずに素通りするからだと思う。少しでも良い方向に行って欲しいから、私も証言者になると決めた。


「あなたはPMEAの恥だ!出ていけ!」なんて、怒ってくれる医師や官僚は実際にいるのかしら?


●報道も多くの命を救っている


中におられる人達が、なかなか変えようとしないんだもの。私は下町ロケットのスクープ記事のように、報道が命を救うことだってあると思う。


ドラマの中で使われたスクープ記事は、今発売中の週刊ポストに実際に掲載されているそうだ。ネットニュースにも掲載されているから、ブログに転載させてもらおう。


一つの記事や、特集を世に出すのがこんなに大変だなんて!こんなに多くの人達が支えているなんて思わなかった!!


◇   ◇   ◇


放送分下町ロケット 第10話 TBS FREE オンデマンド 配信期間:2015年12月27日(日)20時59分まで


週刊ポスト編集部


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医療ジャーナリスト 咲間倫子

「どういうことなんですか?コアハートの記事が掲載できないって!」


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週刊ポスト編集長

「先手を打たれた。サヤマ製作所とアジア医大が原告になってウチ(週刊ポスト)と、君と佃製作所を相手に訴えてきた。信用毀損と業務妨害。損害賠償額は10億だ。ウチだけなら、こういうリスクはいつものことだ。どうにでもなる。だが今回は、佃製作所も巻き込むことになるぞ!それに、アジア医大が相手ともなると、下手をしたら厚労省ともやり合うことになるぞ!」


咲間

「しかし」


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週刊ポスト編集長

(咲間を遮るように)「100%勝てるのか!そうでなければ、特に佃製作所に多大な迷惑をかけるぞ」


咲間倫子から記事が出せないと連絡を受けた佃は、椎名社長のところに乗り込もうとする。


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「いいか!このままだと週刊ポストの編集長が尻込みをして、記事が掲載できなくなるかもしれないんだぞ!このままじゃまた(コアハートで)犠牲者が出る!」


経理部長の殿村が佃をとめて


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殿村

「あなたはあなたの信じた道を行けばいい。その編集長に『ウチはどうなってもいいから、記事を出してくれ』と言えばいいんです!もしそのせいで会社が窮地に追い込まれても、元銀行員の私がいる。たとえどんなことが起きようと、絶対にこの会社は潰しません。だからあなたが今行くところは、椎名のところじゃない!週刊ポストの編集室だ!」


続く


2015/12/19

『下町ロケット』の「ガウディ」開発と新型出生前診断 『臨床研究』に注目! その3


『下町ロケット』の「ガウディ」開発と新型出生前診断 『臨床研究』に注目! その2 の続き


立花の発言により、風向きが変わる。


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さらに咲間の協力で、滝川と貴船の癒着を突き止めていた佃はーーー


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「これはあなたと、貴船教授が、月に数回程度あっていた時の証拠の写真です。その時の音声もありますが、今、この場で皆さんにお聞かせしましょうか」


滝川

「今日、これもう中止」


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「滝川さん、あなたはPMEAの恥だ。出て行け!」


こうしてガウディ計画は一つの進展を遂げた。そして佃達は真実を突き止めるために椎名のもとを訪れた。


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「あの設計図は、中里がうちから持ち出したものを、御社が引き取って、日本クラインに提案したんじゃないですか?しかもそれがなんらかの問題をはらんでいたとしたら」


椎名

「そこまで言うんだったら、証拠を見せてくださいよ。証拠を!」




「隠せるもんなら隠してみな!いくら取り繕っても、技術はウソをつかない」


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椎名

「このくび、取れるものなら、取ってみなさいよ!」




「お前の仇は俺がとってやる」


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椎名

「データ偽装など、事実無根です」


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咲間

「正しいことを声に出来なくなったら、私達は何のためにここにいるんですか!」




「ここで引き下がる訳にはいきません」


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「人の命を扱う資格などない」


2015/12/19

『下町ロケット』の「ガウディ」開発と新型出生前診断 『臨床研究』に注目! その2


『下町ロケット』の「ガウディ」開発と新型出生前診断 『臨床研究』に注目! その1 の続き


そんな中、立花(竹内涼真)加納(朝倉あき)鈴木(堀井新太)は動作評価テストをクリア。


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立花

「成功です!」


ついにガウディに試作品が完成した。


一方北陸医科大学の一村医師はガウディ計画の意義を再確認し、苦渋の決断をする。


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一村医師

「貴船教授に会いに行きます。ガウディを終わらすわけにはいかんのや!」

(貴船教授に頭を下げながら)「お願いします!」


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貴船教授

(冷たく突き放す)「無様だな、一村」


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強力な後ろ盾が得られぬまま、三度目のPMEAの面談に挑んだ佃達だったがーーー


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PMEA審査官 滝川

「これ、無用の長物じゃないんですか?」


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立花

「それは違います。友だちと遊ぶこともできない子ども達が今、日本にいるんですよ!命の尊さを会社の大小ではかることができるでしょうか!」


続く


2015/12/19

『下町ロケット』の「ガウディ」開発と新型出生前診断 『臨床研究』に注目! その1


とうとう下町ロケットは最終回を迎える。私が追ってきた新型出生前診断の闇は、同じように明らかになるだろうか?ドラマのカギを握る咲間倫子さんと同じように、医療ジャーナリストの伊藤隼也さんとフジテレビ「みんなのニュース」は、情報開示請求をしてくれるのかしら?


と、いうことで、また文字に起こしてみよう〜!一人でも、興味を持つ人が増え、明るいほうへ変わるといいな。





【下町ロケット】高島彩演じる咲間倫子(医療ジャーナリスト)とは? ロケTV より引用


●元毎朝新聞記者・咲間倫子


元毎朝新聞の記者で現在は医療事故を取材し続けている咲間倫子は、「ノンフィクション大賞」を受賞するなど、気鋭のジャーナリストとして知られます。


咲間倫子には、かつて医療事故で夫を亡くした辛い過去があります。病院側はこの医療ミスを隠蔽し闇に葬り去ったのですが、その理不尽な対応を受けて、咲間倫子は医療事故を徹底追及する医療ジャーナリストとしての活動をスタートさせています。


●咲間倫子と佃製作所 タッグ結成


咲間倫子は、牧田からのリークを受けてコアハートの取材を重ねるうちに、高い技術力を持ち、人工心臓弁の開発にも携わっている佃製作所と巡り会います。

好奇心、功名心でもない、人の命を守るために取材を続けている咲間倫子の姿に心を打たれた佃航平(阿部寛)は、取材への全面協力を約束。結果的にこの時に佃製作所が咲間倫子とタッグを組んだことで、八方ふさがりだった「ガウディ計画」は大きく前進し始めることになります。


●医療業界の闇へ斬り込む


咲間倫子は持ち前の取材力、情報収集能力を駆使し、貴船とPmea審査官・滝川(篠井英介)との癒着を暴き、サヤマ製作所の「コアハート」部品データ偽装の発覚を手助けし…。佃製作所や一村(今田耕司)らだけでは到底入り込むことが出来なかった「医療業界の闇」に次々と斬り込んでいきます。

咲間倫子は「ガウディ計画」の進展を妨害していた貴船、サヤマ製作所の椎名(小泉孝太郎)らの横暴を暴いていくことで、結果的に「ガウディ計画」を後押ししていくことになるのです。



◇  ◇  ◇


日曜劇場『下町ロケット』の第9話ダイジェスト&最終話予告映像【TBS】

サヤマ製作所 椎名社長

「息の根を止めてやるからな」


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帝国重工のロケットバルブのコンペに敗れた佃航平は取引先を次々失ってしまう。


サヤマ製作所 椎名社長

「楽しみにしていてください。私どものロケットが打ち上がるのを」


一方アジア医科大学貴船教授が手がける人工心臓「コアハート」の臨床試験患者が死亡。


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貴船は部下の牧田に全責任を負わせる。


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貴船教授

(部下の牧田医師に向かって)「恥を知れ!」


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牧田

「咲間倫子さんいらっしゃいますか!」


ジャーナリストの咲間は、コアハートの欠陥を突き止めるために、佃製作所を訪れた。


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咲間倫子

「設計図があれば、欠陥の有無、ないしはその可能性について指摘していただけるんじゃないでしょうか」


続く



2015/12/18

国立高度専門医療研究センターには国民に説明する義務がある 私が10年かけて調べてきたこと その3



●倫理委員会の委員が利益相反を抱えている


つまり倫理委員に奥山氏が撰ばれるということは、「こころの診療部」は国の政策医療のために存在し、患者の心に寄り添っているわけじゃない、ということなのだろう。法務局の人権相談窓口の相談員が私に「あなたは人権侵害を受けた被害者です」と認めるような事例だもの。もし、本当に患者のためにあるなら、再発防止に向け、聞き取り調査をするだろう。


そもそも奥山氏じたいが利益相反を批判されているから、利益相反を問えるはずもない。


◇  ◇  ◇


精神医学、一刀両断!!! 医者と製薬会社の癒着 2010年04月05日


<奥山 眞紀子・・・国立成育医療研究センター>


このような精神科医が中心となり、日本AD/HD学会第一回総会が東京大学で4月4日に開催されました。奥山眞紀子氏はこの栄えある第一回の大会長を務めました。また奥山氏は、ヤンセンファーマから7万円を得て、コンサータ錠発売記念講演会の座長を務めています。

http://www.k-con.co.jp/js-adhd2010_annai.html


http://livedoor.blogimg.jp/psyichbuster/imgs/6/7/673181ee.jpg
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◇  ◇  ◇


●国立高度専門医療研究センターの特徴は「政策医療」を行うこと


国立高度専門医療研究センターと呼ばれる医療機関が、他の医療機関と異なるのは「政策医療」を行っていることだ。これは国がんについて書いてあるけれど、同じことが成育にも当てはまる。


◇  ◇  ◇


「国立がん研究センター」研究費プール問題の深淵 

http://megalodon.jp/2013-0728-0415-46/medical-confidential.com/confidential/2013/04/post-533.html

「国がんの看板である『政策医療』にその一端がある。医師不足をはじめ、医療問題が世間の注目を浴びれば、厚労省は動かざるを得ない。手っ取り早い『対策』は予算をつけ、研究班を立ち上げることです。班長は厚労省の息がかかった施設から選任されることになる」(同前)


「厚労省と一体」(公的病院幹部)である国がんはその施設の最右翼。理事長は厚労省の意向に唯々諾々と従うだけ。「置き物」である。例えば、堀田氏は2月、政府の健康・医療戦略参与に任命されている。これはまさに厚労推薦枠そのものだ。



◇  ◇  ◇


●元主治医は、こころの専門家ではなく官僚だった


政策のために仕事をするから私のような患者が邪魔だったのだ。「迷惑だから出ていけ」とか「私達がやるからあなたは黙っていて」「あなたなんかに何ができるのか」というのは彼らの本心だ。彼らは医師というよりも官僚だからだ。


私が要望書を送付した後、成育がしたことといえば、診療科名をかえたこと。結局うやむやに終わらせた。元主治医はセンターをやめたときいた。


今、私はとても悲しくなる。なんだか今の成育医療研究センターは、今年の春に青森の資料館でみた、「雪中行軍」みたいだと思うから。





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