2017/08/31

小学校高学年から成績が向上し始めた事例 『特別支援学級』から『普通級』へ 

●小学校高学年から、成績が向上したお子さんはいますか? いるとしたら、どんな方法で伸びましたか?

昨日私は「発達障害」について取材した、あるマスコミ関係者にお話を伺った。


私は小さく生まれた子供の発達のムラが、「発達障害」だという今の流れに抵抗を感じている。


私は取材対象者の中に、息子と同じような経過をたどったお子さんがいるのか確かめたかった。もしそのようなお子さんがいたら、何をきっかけに勉強ができるようになったのか知りたかった。



「超低出生体重児で生まれた息子は、中学になりできることが多くなりました。勉強も学年が上がるごとにできるようになってきています。今までいじめられたりと色々とトラブルはありましたが、一度も「学校を休みたい」と言ったことはありませんでした。息子はどんなに結果が悪くても、諦めません。我慢強い子供だと思います。こういう子供が、何かをきっかけに、頑張ろうと努力し始めたら、強いんじゃないかと思います。


しかし今の周産期医療では私のような考え方とは逆の考え方が主流になっているようです。


私はその流れには反対です。息子の場合には、揉まれることが成長を後押したからです。ですから、乗り越える壁を低くすると、逆に成長しない場合もあるんじゃないかと思っています。


もしかしたら、取材したお子さんの中に、息子のようなお子さんはいらっしゃいませんでしたか?」



するとその方はそういう事例があったことを教えてくれた。ちょうど息子と同じ年頃で、同じように発達が遅れていたという。


お母さんが心配して、小学校の入学前に就学相談をしたら『特別支援学級』をすすめられたそうだ。


その後『特別支援学級』でトラブルがあり、学校経由で児童精神科の受診をすすめられ、投薬もされたという。



●成績が向上したきっかけ 熱心な指導者との出会い

しかしある時、学校や医療に疑問を感じたお母さんは決断をしたそうだ。発達の遅れた子供を粘り強く指導することで定評がある塾を探し、通わせることにしたという。


今、中学生になったそのお子さんは、普通級で勉強をしていて、成績は真ん中ぐらいだそうだ。


やっぱり…。同じような経過をたどるお子さんがいるんだと思った。早期介入・早期支援は良い面ばかりが強調されすぎているように思う。


●何かあるたびに、障害を疑ってしまう自分が嫌でたまらない

私はあの転送メールを読んでからトラウマになってしまった。


息子が点数が悪いテストを持ち帰るたびに、「発達障害かもしれない」と疑う自分が嫌でたまらない。


まあ、それも昔のことになりつつあるけれど。


それにしても教育の専門家ではない医師が、なぜ、教育の問題に熱心に関わろうとするのか私にはよくわからない。メールに書かれていたことは、息子には結局当てはまらなかったからだ。


『定型発達』と少しでも違うと、「障害」にしないといけないのだろうか?



実は未熟児の教育問題に一番関心があるのは行政に関わる人達だ。


ある公共機関で、この問題について話したら担当者の方達が身を乗り出してきいていた。


「私達も、今どうしていいか考えているんです」とおっしゃっていた。


考えてみれば当然だと思う。一人の子供が要支援となれば、予算を計上しなければならない。地方自治体は多くの場合予算が潤沢ではないだろうから、切実な問題なのだろう。


とにかく、今、一つだけ言えることがある。


障害があるのかないかの線引きは、もっと慎重に行われるべきだろう。

2017/08/29

日本の周産期医療と戦争

●肝炎には、新薬が登場し治る病に



先日、医師の友人が遊びにきた。


製薬企業の大きなロゴが付いている袋に、お土産を入れて私に手渡してくれた。


専門にしている肝炎には画期的な新薬が登場し、今や肝炎は「治る病」になったという。


遺伝子解析がすすみ病気が次々解明された、良い時代になったと喜んでいた。


それはすごい!私をかわいがってくれた親戚の叔母も、長いこと肝炎に苦しめられてきた。あの頃もし新薬があったら、と思う。


●超低出生体重児の発達 「発達障害かもしれない」という漠然なものに悩まされる…

でもその話を聞いて、私は置いていかれているような感じがした。


なぜなら超低出生体重児がどのように発達するかは、まだ解明されていないため、育てる親は皆悩んでいるからだ。私もまた、「発達障害」という漠然としたものに悩まされてきた


同じ医療なのに、まるで別世界のよう。


それに最近、国立成育医療研究センターの敷地に誕生した、医療的ケア必要な子の短期入所施設「もみじの家」に関するニュースを見てため息を付いたばかり。

◇  ◇  ◇ 
医療的ケア必要な子の短期入所「もみじの家」 子供には学びと遊び、親には休息 産経 2017.6.8 12:45 
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◇  ◇  ◇ 

ニュースには「医療的ケアを常に必要としている19歳以下の子供は、全国で約1万7000人に上る」とあり、さらに運営資金が常に不足していると書いてあったからだ。


ついこの間までもう少し人数が少なかったような気がするけれど、この数字は周産期医療が充実するほど困る人達も増えていく、ということなんだろうか?「焼け石に水」という言葉が思わず頭をよぎった。


今から10年前のあるシンポジウムで、日本の周産期医療は素晴らしいと訴えた私だったが、今は素晴らしいかよくわからない。一体日本の周産期医療は、どこに行こうとしているのかわからないからだ。


●医療の責任

私の疑問を喜んでいる友人に話すと、顔が忽ち曇り、驚いてこう言った。


「えっ1万人以上も!?それは医療の責任ですね」


同じ医師である友人が絶句するということに、この問題の深刻さが表れているようだ。


●近い将来、戦争が起きるかもしれない

今日は朝から「北朝鮮ミサイル発射」のニュースで持ちきりだ。


私の周りにいる人達は、もう随分前から、朝鮮半島で近い将来、小さな戦争(紛争)が起きるだろうと言っていた。中にはもっと大きな戦争がヨーロッパなどで起きるかもしれないと言う人もいる。


私は命を助けてもらったけれど、私たちには数千万円の医療費がかかっているそうだ。小さな子供を助けるには、莫大なお金がかかる。周産期医療とは、お金のかかる医療なのだ。だから私はずっと、有事の時にはどうなるんだろう?と思っていた。



最近その不安はどんどん現実味を帯びて行く。


日本人はお金の話をしたがらないけれど、生きて行くためにお金の話はやっぱり避けて通れない。


それに友人が驚くように私も、医療の役割とは、私たちの生活の質を高めたり、人生を豊かにするためだと思う。


(※ この動画は宗教団体と関係があるそうですが、このような意見は当然高まるだろうと思うので紹介しました)



当事者だけでなく、納税者を含めて、これからの周産期医療について国民全体で話し合うべきじゃないかと思う。「難民が日本の海岸に押し寄せる」とか「ミサイルの破片が本州に落下」なんてことが無きにしも非ず。そういうことがいざ起きてからでは遅いと思う。
2017/08/27

超低出生体重児の長期予後 国立大付属校「脱エリートを」…学力より抽選でという記事を読んで

●国立大付属校は、何のためにあるのか

新聞報道によると、政府の有識者会議で、国立大付属校が批判されているという。

◇  ◇  ◇
国立大付属校「脱エリートを」…学力より抽選で 2017年08月27日 08時46分 読売新聞
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国立大学の付属校の入学者は学力で選ぶべきか、抽選で決めるべきか――。

文部科学省の有識者会議でこんな議論が交わされている。「エリート校化し、公立校の教育に貢献する役割を果たしていない」との批判から、近くまとめる報告書に、抽選で選抜するなどして様々な子供を入学させるよう求める提言が盛り込まれる見通しだが、困惑する声も聞かれる。

 ◆東大合格102人

 「ツクコマ」の愛称で知られる筑波大付属駒場高校。今春、102人の東大合格者を出した屈指の進学校だ。付属校を担当する筑波大の宮本信也副学長は、有識者会議の議論に「抽選で合否を決めれば生徒の学力に幅が出て、教育の質を保てなくなる」と戸惑う。「科学に秀でた人材育成を目指しており、国の目的と合うはずだ」と強調した。

◇  ◇  ◇

私は「抽選」はどうかと思うけれど、有識者が口にしているようなことをずっと思っていた。


「できる」子供を選んで「優秀」に育てるのは簡単だと思うからだ。


別に国立である必要などない。



夫は記事に出てくる大学にはお世話になったし、付属校で勉強して研究者になって活躍している人も知っている。


良い教育をしていると思う。


けれど、同じような教育を行う私立もある。別に国立である必要はない。なんで公費で行う必要があるのか良くわからない。


●以前は、多胎児の支援にも熱心だったのに

私がこう思うようになったのは、最近の付属校が地域や国民の方をあまり向いていないと思うからだ。


確か以前は、5つ子ちゃんの成長を支援するような活動にも熱心だった。5つ子ちゃんの成長する姿と、先生が試行錯誤しながら熱心に指導する姿をテレビで微笑ましくみていた。あの頃は国立付属校の存在意義を実感した。


でも今はどうだろう?


超低出生体重児の長期予後などにあまり関心がないように思う。


未熟児の教育は、本来はこうした国立の学校が考えるんだと思っていたから私はがっかりしている。


実験的な教育を行うから、「国立」である必要があると思うからだ。


国立の教育大学から出ている研究報告も読んでみたけれど、そこで行われている実験的な教育は、物足りない内容だった。


なぜなら、私はほぼ0点に近かった息子の英語の成績を、2年ちょっとで平均に近づけた。はっきり言って私の方がすごいと思っている。


しかも報告を読んで、気になるのは息子のように、第二次性徴でぐん伸びる子供が見当たらないことだ。小学校の高学年から中学生で成績が落ちた場合、かなりの確率で特別支援学級や支援校に移るケースが多いようだ。つまり、息子のような経過をたどる子供は少ないということなんだろう。


これはとても困る。中には、諦めてしまうケースが出てくるかもしれないからだ。



私が「おかしいと思う」と医師の友人に話したら、「研究のセンスに学歴なんて、本当はあまり関係ないんですよ」と言っていた。


こういうことがあったから、国立大付属校が「研究者を育てるため」ということには賛同できない。


そもそも人の知能がどのように発達していくかはまだ解明されていない。


超低出生体重児のように、「条件が悪い」と言われてきた子供たちを伸ばすことで、見えることわかることだってあるだろう。


エリート教育とは別に、こういう子供達を伸ばすことにも、もっと力を注いでくれたらいいのに。






2017/08/25

超低出生体重児の長期予後 「東京都の児童精神医療は『投薬以外が第一』」 後編

●東京都の考え 「ADHDについては、投薬する場合でも就学年齢以降に限り、投与を開始した場合も成長の過程において減薬や中止を試みることを原則としている」 「学校からすぐに精神医療につなぐことはない」「投薬が嫌だったら『嫌』と言っていい」

それでは、上田令子都議は、東京都にどのような言質をとってくださったのだろう?



上田氏のブログから引用させていただく。


ここにある通り。東京都の公立校では、学校からすぐに「精神医療」に繋がれることはないし、投薬が嫌だったら「嫌だ」と言っていいことになっている。私が危惧して来た、『子供の自己決定権』についても、東京都は「守る」と言っている。ある意味、国の取り組みよりも先進的だと思う。なぜなら「ADHDについては、投薬する場合でも就学年齢以降に限り、投与を開始した場合も成長の過程において減薬や中止を試みることを原則としている」と明言しているからだ。


(※ ブログに引用するにあたり、改行などさせていただきました)
◇  ◇  ◇
都の児童精神医療は「投薬以外が第一」を確認するも… 上田令子のブログ お姐が行く! 2015年12月21日 12:10

【子どもの精神医療は投薬以外を最優先を確認】

お姐(上田令子都議)
「児童・思春期精神科の入院及び外来患者、発達障害医療、特にADHDに関して、その症状に対し安易な投薬が行われることを危惧するものですが、都の、子供への向精神薬投与の考え方、ご家族や保護者並びに本人が投薬を拒否した場合についての対応と所見についてお聞かせください。」



サービス推進部長
「小児における精神科薬物療法については慎重を期しており、特に就学前の子供に対しては、投薬以外の方法を第一選択とすることはいうまでもなく、投薬が必要な場合にも最小限にとどめております。
 なお、投薬に関しては、本人及び親の同意を得ることが必須であり、同意が得られない場合には、投薬以外の方法を選択しております。特にADHDについては、投薬する場合でも就学年齢以降に限り、投与を開始した場合も成長の過程において減薬や中止を試みることを原則としております。」



お姐(上田令子都議)
「減薬と中止ということを試みていくというところで、重ねて、常に子供たちの状況に合わせた処方、あるいは中止、断薬をお願いしたいと思います。
 次に、ひきこもり、不登校、問題行動などが小児精神医療と結びついた場合の、都立病院における、地域医療機関のみならず学校や児童相談所との連携、子供の情報共有についてのお取り組み、今後の方向性をお示しください」



経営戦略担当部長
「都立病院における小児精神医療につきましては、主に小児総合医療センターが担っておりまして、広汎性発達障害等の疾患に対し、地域の小児科医との連携を図りながら対応しております。
 また、福祉保健局から東京都子供の心診療支援拠点病院事業の委託を受け、医療関係者や教員、カウンセラー等を対象に、発達障害、摂食障害等、支援が必要な子供に対する理解を深めるための研修やセミナーを行っております。
 今後とも、関係機関との連携を推進するとともに、子供の心の問題について普及啓発活動に取り組んでまいります。」


*****

 投薬以外が第一選択であること、そして、子どもと保護者に投薬に関して拒否することができるということを議事録を残す形で確認をし、言質を残すことができました。これは大きな一歩です。ぜひ、教員や医師等に投薬を迫られた保護者、当事者の子どもたち、お姐の質問のやりとりを大いにご活用し、イヤだったらイヤだと勇気をもって断ってください。

子どもの権利条約第25条 (医療施設等に措置された子どもの定期的審査)では
「締約国は、身体的または精神的な健康のケア、保護または治療のために権限ある機関によって措置されている子どもが、自己になされた治療についておよび自己の措置に関する他のあらゆる状況についての定期的審査を受ける権利を有することを認める。」

とあります。医療的自己決定権の中に、選択権と拒否権があるのですから。

さて、これを受けまして、さらに12月9日第四回定例会一般質問にて、教育委員会の対応を質しました。
動画はこちら
→平成27年第4回定例会→12月9日(水曜日) 本会議 一般質問 → 上田令子)

【学校現場での安易な精神科早期介入へ警鐘】

お姐(上田令子都議)
「先の決算審査で、学齢期の子供の精神医療の早期介入について、投薬以外の治療を最優先にするとの答弁がありました。調布市では、いじめ相談のパンフから都立小児医療総合センターを削除しましたが、教育現場を中心に安易に精神科医療に結びつけるようなことはないか、対応状況とご所見をお示しください。」


教育長
「都内公立学校における児童生徒と精神科医療とのかかわりでございますが、学校においては、児童生徒の心身の健康問題に関し、その実情に応じ、適切で丁寧な対応(←お姐注:すぐに精神科というのではなく、子どもと保護者のサポートをするという意味とのこと)をとることが必要でございます。
 そのため、都教育委員会は、スクールカウンセラー等多様な外部の人材や、医療機関、児童相談所等と学校との連携体制のモデルを示した資料を作成し、区市町村教育委員会を通じて、各学校へ配布するなどの取り組みを実施してまいりました。
 今後とも、各学校において、児童生徒の心身の健康の保持増進が図られるよう、引き続き、適切に支援を行ってまいります。」


*****

若干玉虫色の回答となっておりますが、東京都教育委員会としては、すぐに病院送りにするということはない「適切な支援」への言質として今後活用していただけると思います。

◇  ◇  ◇


このような経緯があったから、治療が難しいとされる、小学生の摂食障害が回復したんだと思う。


『うつを治したければ医者を疑え! 』と小学生の摂食障害 摂食障害を回復させたもの1
2017/08/25

超低出生体重児の長期予後 「東京都の児童精神医療は『投薬以外が第一』」 前編

●東京都都議会議員上田令子氏の働きかけで「東京都の児童精神医療は『投薬以外が第一』」


昨日の続きを書いておきたい。


超低出生体重児の長期予後について『発達障害は多い』とされても、東京都の場合は、そう簡単に投薬されることがないと思っている。


なぜなら、東京都都議会議員の上田令子氏が都から「東京都の児童精神医療は投薬以外が第一」という確約を取り付けてくださったからだ。


上田氏は子供への向精神薬の投薬に一貫して批判的で、2016年に、都立病院顧問I医師の利益相反申告手順違反を議会で厳しく追求してくださった。上田氏の追求により利益相反を抱えた顧問のI氏はセンターを引退することとなった。

◇  ◇  ◇
都立病院顧問医師の利益相反申告手順違反を突く 2016年03月11日 23:00 上田令子のお姐が行く
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【都立病院顧問、製薬会社の謝礼700万を申告せず】
 去る3月9日の予算特別委員会総括質疑にて、かねてより追及してまいりました都立小児医療総合センターI顧問が製薬会社から350万円以上の報酬を受領していた問題(ご参照→「都の児童精神医療は「投薬以外が第一」を確認するも…」)につき質疑を敢行、新聞報道となりました。I顧問はセンターを引退されることになります。

 
 ◇

上田氏のブログに掲載されたI顧問謝金等報酬受取額と、他の医師との比較
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◇  ◇  ◇

この時に上田氏は東京都から、「東京都の児童精神医療は投薬以外が第一」と言質をとってくださったのだ。新聞報道もされている。「あなたのお子さんは軽度の発達障害かもしれない」と疑われた親としたら非常にありがたい。


この件に関して私が関与しているかはノーコメントだが、今になり、この件になぜ触れたかといえば、私の中にはわだかまりがくすぶり続けているからだ。


●障害の有無をどのように判断するのか? そもそも誰にも公平で中立的な、目安となる判断基準があるのか?

例えば東京都では『発達障害』ではないのに、神奈川県では『発達障害』というようなことがあるのかもしれない。そもそも誰にでも公平でなおかつ中立的な指針となる判断基準がないことが、子供の発達に悩む超低出生体重児の親を混乱させているように思う。

◇  ◇  ◇ 
急拡大する「発達障害ビジネス」その功と罪 はたして、それは適切ですか? 平岩 幹男 現代ビジネス 2017.7.28 から一部引用

発達障害とは何か?

発達障害は今や医学だけではなく教育や福祉も含めていわば社会の抱える大きな問題となっている。

しかし発達障害が何を意味するかについてはわが国と米国でも異なるし、発達障害者支援法における定義(第2条:自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの)が質的な定義ではなく疾患定義であることもあって、実際には人によって独自に解釈している場合もある。

◇  ◇  ◇ 

都道府県によって発達障害とする診断基準が異なり、さらに小児への投薬の基準も違うとしたら、問題ではないだろうか?当然、親は混乱するだろうから。


●超低出生体重児の発達のムラ 中には「未発達なだけで正常」な子供がいるのでは?

少なくとも私は『専門家』だという方々の言葉を鵜呑みにすることはないだろう。なぜなら、「DSM-Ⅳ」の編集責任者だったアレン・フランセス博士が懸念を示したように、それこそ「未発達なだけで正常な子供の多くを精神病の患者に変えている」かもしれないからだ。
2017/08/24

超低出生体重児の長期予後 根拠の曖昧さはどこから来るのか?

●30年ぐらい前の医療 ガイドラインも診断基準もなく、ネットもない時代

先日、四国に住む医師の友人が、美味しいカツオを送ってくれた。



最南端の離島でとれたカツオだそうだ。


島の名前をグーグルで検索した。透明度が高く、綺麗な海の写真が出てきた。


いつか行ってみたい!


すぐにお礼のメールを送ると、返事が返ってきた。この島には以前、お友達のお医者さんが赴任していたそうだ。


メールには、約30年前の日本の医療について書いてある。


私は、超低出生体重児の長期予後に関する報告書などを読んで、いつも不思議に思ってきた。「超低出生体重児は、発達障害が多い」とされているが、その根拠が非常に曖昧だからだ。友人がたまたま書いたメールを読んで、その原因がわかる気がした。


一部伏字にしてブログに記録しておこう。専門家は「私たちにもわからないことがある」と、患者や家族に伝えて欲しいと思う。私たち患者や家族が、専門家を頼り過ぎて不幸になることもあると思うからだ。


●なぜ、小さな離島にイノシシがいるのか?


カツオが届きました。ありがとうございます。



友人A医師
●島は、小さな離島です。

僕の同級生が●医大(僻地医療や地域医療に力を注いでいる医大)を卒業して赴任していました。何も分からないので「今日の治療指針」という本を見て治療しているけど、こんなことでいいんだろうか?当時そういう電話があったことを思い出します。●島にはイノシシがいて、そのイノシシはどこから来たのかが不思議のひとつだったそうですが、その友人はある日海を泳いでいるイノシシを見たそうです。



お友達のお話を聞いて、なんだか「超低出生体重児と発達障害」を思い出しました。

超低出生体重児の発達のムラは、最近『発達障害』だとする流れができつつあるようです。

でも私は文献などを当たって調べたのですが、明確な根拠があるとは思えませんでした。そもそも『発達障害』自体、血液検査のようなものが存在しません。

どちらかというと「昔、誰々さんの論文にあったから」という根拠で、「多くなっている」とされている感じがしました。なんでこうなるのかというと私は周産期の先生方が忙しいからだと思いました。

それこそ中には「今日の指針」などをみて、「なんで発達がゆっくりなんだろう。よくわからないけれど、親御さんは困っているから」で、『発達障害』にしたこともあったんじゃないでしょうか?

ちなみに「なんでイノシシがいるんだろう?」と考えて、私は「船に隠れて海を渡った」と思いました。でも推論は推論ですね。「イノシシが泳いでいる姿をみた」という根拠があればいいのですが。

もし、お友達の先生が「今日の治療指針」をみて治療しても、何の問題もなかったのなら、遠隔治療を考えるとか、住民が勉強して、医師や医療に頼らず頑張るという道もあるのかな、と思ってしまいました。



●医者よりも、民間治療や代替治療が流行っていた理由

友人A医師
発達障害と漠然と言ってもあまり意味がないですね。発達障害の定義や診断法がなければそもそも診断も何もないですから。

30年前は●島に限らず医者は暗中模索、試行錯誤で診療していたと思います。東京も例外でなく僕の先輩で●センター(ナショナルセンター)で研修した医師も、上級医は全く教えてくれず、治療方針は研修医同士で話し合っていたと言ってました。当時はガイドラインも診断基準もなく、ネットはないので図書館で何時間もかけて文献検索をして、と言う具合で、経験論が治療の根拠なので信頼性は低かったですね。

病院に行ってもどこまで患者を”治して”いたのか分かりません。効く薬はほとんどなかったし、●病(友人の専門にしているある臓器の病気)で治る病気はほとんど無かったし、そうすると民間治療とか代替治療がいっぱい流行って、医者よりそっちが信頼されているふしもありました。

僕が医者になって4ヶ月目に行ったバイト先の診療所で助産婦のお産に立ち会って裂傷縫合したのが初めての縫合経験だったとか、当直先で夜中に来た小学生の骨折を整復してギプスを巻いたとか、そんな恐ろしいことは今では考えられないことです。

しかし最近は遺伝子解読があっという間にできるようになったので、新しい病気が発見されたり、病気の概念が変わったり、すごい進歩です。



30年ほど前というと、それほど昔ではない。当然、研究者が発表する論文だって、私のような当事者の目に触れることを想定して書かれていない。なるほど。私が感じた様々な違和感は、この時代の名残だろうか。


(※例えば、例数が少ないのに「低い実行力機能」「明らかな遅れ」などと、能力が劣っていることが詳しく列挙されている点。例え匿名であってもテストを行った年度などを詳しくみていけば、被験者が特定できるかもしれない。研究報告がネットで公開され誰でも閲覧可能であることを考えると、少々疑問だ)


最後に以前引用した『うつを治したければ医者を疑え』の一節を再び引用しよう。子供への向精神薬の投薬の問題はさておき、「専門家なら間違いない」と盲信することは問題があるだろう。

◇  ◇  ◇
『うつを治したければ医者を疑え! 』伊藤 隼也と特別取材班 小学館 第9章 親も教師もありがたがる「発達障害=病気」の烙印 102ページ

●他の保護者から圧力がかかる

発達障害を〝勉強 〟したママ友から、「あなたのお子さんは発達障害という病気なの。だから医師に診てもらったほうがいい」と言われて受診するケースもある。

他の保護者からのプレッシャーも相当強い。

「多様な個性に正面から向き合い、時間をかけて子ども達一人一人の特性を成長させようと努力する教師がいても『あの子がいるから授業が妨害されてクラスの学力が上がらない』など他の保護者から圧力がかかることがある。そうした批判をかわすために、管理職がその子を支援学級に追いやったり、精神科を受診するよう勧めたりすることがあるのです(林試の森クリニック石憲彦院長)

そうした中、親の中に発達障害と言われて安心する人もいるのもまた事実だ。石川院長は言う。「発達障害は『何らかの脳の機能不全』が原因とされているため、そう診断されれば、親は〝病気ならば仕方がない〟と育児への自責の念や周囲からの批判から解放される面があるのは否定できません」

受験最優先の他の保護者、責任を回避したい教師、重圧から解放されたい親、それぞれの思惑が一致したとき、子どもは精神科につなげられる。 

前述の養護教員はこう嘆く。「昔は子供への薬物投与はありえなかったが、ここ7~8年で激増した印象です。しかし子供は昔から変わっておらず、むしろ変わったのは大人のほうです。昔の教師は子供に寄り添って解決しようとしたが、今は薬を服用したほうがいいと安易に受診を勧めます。

しかも今の教育現場では、教師は成績を上げて不登校などを減らすよう、〝結果〟が常に求められ、『ひとりで抱え込まず、子育て支援センターや医療機関に働きかけろ』と上から厳命される。

本来は教師が粘り強く対応すべき子供まで、医療機関につなげられ、薬物が処方されています」

垣間見えるのは、教育が果たすべき役割を放棄し、「専門家なら間違いない」と医師任せにする安易な姿勢だ。

だが、精神科医が発達障害の「専門家」なのかはなはだ疑問だ。前章でも紹介したように発達障害には血液検査やレントゲンなどのように客観的な診断方法がなく、医師の裁量が極めて大きい。その診断基準も疑わしい。実際、発達障害の診断に使われている「DSM-Ⅳ」(米国精神医学会による精神障害の診断統計マニュアル。第4版)の編集責任者だったアレン・フランセス博士自身が、製薬企業の宣伝等によって、DSMが乱用され、子供が過剰診断されていることに警鐘を鳴らしている。博士は自著『<正常を救え>』(講談社)において、「DSM-Ⅳ」が出てから自閉症が20倍、ADHDが3倍に急増した事実を指摘し、<未発達なだけで正常な子供の多くを精神病の患者に変え、まだその時期でもないのに薬を飲ませている>と懸念を示す。

今、日本ではそうした子供たちを就学前にスクリーニングし、積極的にケアしようという行政の試みが、逆に薬漬けを加速させない事態となっている。

◇  ◇  ◇
2017/08/21

『しんかんせんのぞみ700だいさくせん』を本当にやってみた!

●国立成育医療研究センターの売店で買った『しんかんせんのぞみ700だいさくせん』という絵本がきっかけ

息子は乗り物が大好きだ。中でも好きなのは新幹線。


新幹線が好きになったきっかけは国立成育医療研究センターの売店で買った『しんかんせんのぞみ700だいさくせん』という絵本だった。息子はNICUを退院してからも、検診のために頻繁にセンターを訪れていた。そのたびに注射や採血で痛い思いをする。私は病院嫌いになって欲しくなかったので、いつも地下の売店で絵本を買ってあげた。


何冊も購入した中で、息子が一番気に入った絵本が、『しんかんせんのぞみ700だいさくせん』だった。


しんかんせんのぞみ700だいさくせん (のりものえほん)しんかんせんのぞみ700だいさくせん (のりものえほん)
(2001/05)
横溝 英一

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この絵本は小学生の男の子2人が主人公で、おじいちゃんにもらった旅行券で憧れの東海道新幹線に乗るというストーリーだ。


2人は名古屋まで行くのだが、もらった旅行券では2人分の往復切符が買えない、というところが物語のポイント。2人は相談し、行きは新幹線、帰りは在来線を乗り継ぐことにする。


息子はその頃、言葉を話せなかったけれど、この絵本が大好きで、私は何度も読んで欲しいとせがまれた。


その後お世話になった町のかかりつけの小児科の先生が新幹線が大好きだったこともあり、ますます鉄道が好きになっていった。幼稚園の頃になると、私の父と母が全国の新幹線に乗りに連れて行ってくれるようになった。


そして今年の夏休み、夫はあることを提案した。


「もう中学生だから、今年は(東海地方にある)おばあちゃんの家に、一人で新幹線で行ったらいいんじゃないか?」


これが本当の『しんかんせんのぞみ700だいさくせん』だ。


息子は鉄道好きなだけあって、何日も前から喜んで計画を立てた。


まず学校に学割をもらいにいき、時刻表を見て、何時の新幹線に乗ればいいか考えた。


当日は1人で朝6時に起き、出かけて行った。家から一番近いJRの「みどりの窓口」で切符を購入。その後、東京駅でお土産(本当は自分が食べたいお菓子)もバッチリ買って新幹線に乗車。


ここまでは、さすがに鉄道好きだと思わせるほど完璧だった。


●息子の失敗

ところが、新幹線を降りたら安心したのだろか?祖母の家までは、駅からバスに乗らないといけない。駅のバスターミナルには、大人でも間違えそうなくらいたくさんのバスが停まっている。


息子は発車間際のバスに、行き先をよく確かめずに乗車してしまったらしい。


いつまでたっても連絡がないので心配して息子の携帯のGPS機能を調べた夫が、祖母の家からからどんどん離れていることに気づいた。


すぐに息子の携帯に連絡すると、息子はどうやら、疲れて眠ってしまったらしい。夫の連絡で目を覚まし、急いでバスを降りた。


もしも寝ていなければ、1時間前に着いていたはずのに、と皆に怒られていた。


でも夫は「こういう失敗は、どんどんした方がいい」と言っていた。


失敗その1 行き先の違うバスに乗車
失敗その2 祖母宅の近くで下車したらよかったのに、寝てしまって気づかなかった



私もそう思う。


翌日、皆で泊まりに行ったホテルから 三島由紀夫の「潮騒」の舞台になった神島が遠くにみえる
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●療育の専門家は、子供に失敗をさせることを、どう捉えているのか?

『療育に関わる各専門家の考え方についての研究(第14報)』という研究報告を読んだ。


療育に関わるそれぞれの専門家が創意工夫をするのは良いことだと思う反面、子供に失敗をさせることをどう考えているんだろうと思った。子供が失敗したり、傷つくことを恐れているように感じる。


小さい頃はできないことが多く、いつも不安そうで指示待ちばかりの息子だった。でも一人で新幹線に乗って出かける今になり、そういう時期も必要だった気がする。


だからこそ冒険心が宿ったんだろうし、冒険しなければ『失敗』もできないからだ。


私は失敗を経験することが人を成長させると思う。子供が「悔しい」と思う気持ちや「頑張ろう」とする気持ちが、キャッチアップにつながる気がするからだ。
2017/08/18

あと5年も待てない

●知りたいのは一般的論ではなく、我が子を伸ばす方法

最近ブログへのアクセスが増えているのは、超低出生体重児の長期的な予後に関心が高まっているからだろう。今まで出された論文などをいくつか読んでみたが、思春期の発達について触れているものがほとんどない。


当事者の一人として正直な意見を言わせていただくと、論文や報告書には、私たちの一番知りたいことがすっぽりと抜け落ちていると思う。


私たちが知りたいのは、一般的論ではない。


論文に書いてあることじゃなくて、このブログに書いてあるようなことだ。


例えば「当事者がどんな日常生活を送っているか」だ。


もっと具体的に言うと「どうしたら数学の成績が向上するのか」「どうしたら、作文が上手く書けるようになるのか」などの「方法」だ。論文や報告書では、具体的に「誰が」「いつ」「どんな」働きかけをしたからキャッチアップしたのかがよくわからない。このギャップはつまり、医療者が良いと考えていることと、私たちが求めていることの間には、大きな隔たりがあるということなんだと思う。


だから私はこんなバカバカしいブログを作ることにしたのだ。


アクセス数も徐々に増えた今振り返ってみると、意外と私の狙いは当たっていたんだと思う。


●「勉強ができない子供を伸ばす方法」に需要がある

アクセス数が増えている理由はもう一つあるだろう。


私は超低出生体重児の親なので超低出生体重児の育児や教育について書いてきたが、ブログの足跡機能を調べると、訪問者してくださるのは学習塾や教育関係のお仕事をしている方が多いことに気づく。



累計で370万部を突破した「英検3級をひとつひとつわかりやすく」の解説をする、人気講師の山田暢彦先生


初めはアフィリエイトのためなのかと思っていたら、どうやらそうではないみたいだ。少子化の影響なのか、超低出生体重児などとは関係なく、勉強ができない子供を伸ばす方法に世間の関心が集まっているようだ。


例えば、書店に行くと今は2通りの参考書が山積みされている。1つは、私が学生時代から変わらない、授業が物足りない学生向けの参考書だ。私が注目したのはもう1つの参考書だった。私が学生時代にはあまり見かけなかった「できない子供の成績を伸ばす」ための参考書が売れていることだ。例えば、今日ブログで紹介した『英検3級をひとつひとつわかりやすく』という参考書。どこの書店でも山積みされていて良く売れている。


私が知りたいのはこうした「実践的なノウハウ」なのだ。


●根拠は「かもしれない」「だとされている」

私には危機感がある。今は、「超低出生体重児」で生まれたというと、「発達障害かもしれない」という疑いの眼差しでみられることだ。勉強ができないからイコール「発達障害」という訳ではないのに、なぜか年々そういう流れが強くなっているようだ。そうされていく理由の一つは、専門家の書いた論文や報告書に、「発達障害が多い」と書かれているからだと思う。


だから転送メールのようなことが起きてしまうんだろう。


今から10年ぐらい前だった。初めて長期予後の論文を読んだ時に私は暗い気持ちになった。「いじめられる」「成績が悪い」「中退」などの文字が並んでいるからだ。その他の報告書などを読んでみたけれど、内容は似たり寄ったり。


その時に私は誓った。


「よ〜し!こんなに悪い、悪い、と書いてあるなら頑張って、変えてみよう!」


私がどうしても納得できなかったのは、友人の医師が、「この子は発達障害ではない」と言い続けてきたからだ。


●私の「嫌悪感」なのか?

そうそう、ある「ジャーナリスト」が、私のブログを読んで以前、意見を送ってきたことがあった。


「あなたの中には、精神医療に対する強い嫌悪感があるんじゃないですか?」


その方は精神障害者の方々の支援活動をしているそうで、「(私の知っている精神障害者の方々が)精神医療の誤診や薬害で精神の病が悪化し混乱した末に、意に反して精神障害者というカテゴリーに入った人々だとしても、その多くは今は、精神障害者であることを受け入れ自分に誇りを持って生きている」と、私の姿勢を批判するメールを送ってきた。


何を言いたいのかぜ〜んぜんわからなかった。私が問題にしているのは病気や障害とする、明確な根拠が「ある」か「ない」かだから。


そこで私が「それではもしも『精神障害』ではなく、『心臓病』ならどうですか?同じことが言えますか?病気じゃないのに、もしも手術をされたらどうですか?誇りを持てるはずなどないでしょう」と言うと沈黙してしまった。


この「発達障害」がもしも「心臓病」や「小児がん」だったら、こんなことは起こらないだろう。


実はある研究者が、息子の症例を英語の論文にまとめると言ってくれている。


超低出生体重児の長期的予後に関しての論文には、キャッチアップについて深く掘り下げたものが見当たらないからだ。その研究者はたとえ1例でも、そこそこのインパクトがあるんじゃないかと言っていた。


でも、書いてくれるのは息子が成人した後…。そうするとあと5年はかかる。


先日、A先生にはそのことを伝えた。


息子はなんとかメドがたってきたけれど、それでいいとはとても思えないからだ。後に続く方々のことを考えると、小児がんの議論のように法律の専門家を交えて子供の人権についても話し合って欲しい。
2017/08/15

超低出生体重児と『空間認知能力(空間認識能力)』 『空間認知能力』が低いから、算数ができない?

●超低出生体重児 算数が苦手なのは『空間認知能力』が低いから? いくら訓練しても、できるようにならない?

今から4、5年前だった。


息子と同い歳の超低出生体重児を育てているお母さんが私にこう言った。


「(超低出生体重児は)算数ができないのは仕方がないんだってね。子供の発達を診ている先生が「『空間認知能力』が低いから、計算ができないんだよ」と言っていたの。いくら訓練しても追いつけないんだってね。だから私は、算数ができないのは仕方がないと最近諦めているんだ」


超低出生体重児の発達(長期的な予後)は一般的に、生まれた週数や体重に左右されると言われている。そのお子さんは、息子よりも週数も体重も上だから私は羨ましく思っていた。


その上そのお母さんは私よりもお子さんの教育にも熱心で、幼児教室にも通わせていた。一度そのお子さんが描いた絵をみたことがあるけれど、息子が描いた絵とは大違い。遠近法を取り入れ、細かな描写も上手で、幼稚園児の描いた絵とは思えないほどだった。


私はその話を聞いた時、いつかみた上手な絵を思い出し、自分が小学校受験をした時のことを思い出した。


その医師がお母さんに言ったという『空間認知能力』という言葉に、思い当たることがあったからだ。私が受験した頃から小学校受験では、絵を描く能力が重視されていたのだ。だからその発達検診医の言ったことは本当だと思った。


●『空間認知能力』と算数の成績

『空間認知能力(空間認識能力)』とは、物体の位置・方向・姿勢・大きさ・形状・間隔など、物体が三次元空間に占めている状態や関係を、すばやく正確に把握、認識する能力のことで、スポーツや芸術の才能に直結すると言われている。突き詰めていくと物事の本質を見抜く能力につながるそうだ。


その頃の息子は何をやっても同級生にかなわなかった。


息子は山歩きをしても、小さな小川すら飛び越えようとしない。私も以前から息子の『空間認知能力』が低いことは気になっていた。


その医師の言葉は、私にも突き刺さった。あんなに上手な絵を描くお子さんのお母さんが「諦めている」と言うんだから、ショックは大きい。「やっぱり、小さく生まれたから諦めないといけないことが色々あるんだ」な〜んて思ってしまった。


ところが、だ。


最近夫に言われた。


●子供の『空間認知能力』は変わる

「超低出生体重児だから『空間認知能力』が低い!?子供の『空間認知能力』は変えられるんだぞ。だいたい『空間認知能力』が低ければ、スキーが滑れるはずがないじゃないか!」


確かに夫の言う通りだった。


息子は最近、中・上級者コースを時速60㎞ぐらいで飛ばすようになった…。夫が危ないから「ちゃんと曲がりなさい!」と注意しても、平気でスピードを出して滑ってしまう。


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あれっ!?


そう言われてみると確かにおかしい。


●乗り物が好きだから、地図をみるのが好きになる

電車やバスなど、乗り物が好きだから、地図をみるのもいつの間にか得意になっている…。


息子にはお古のパソコンを使わせるが、スマホは持たせていない。だから1人で遠くに出かける時には、地図を印刷し持っていく。バスや電車の路線図や時刻表を調べて、1人で何度か出かけるうちに自然と能力が高まったようだ。最近は、私と2人で出かける時にはあらかじめ下調べをし案内してくれるようになった。


●中学の数学 立方体の展開図が理解できるように

そうそう、中学に入ったばかりの頃は、数学の立方体の展開図がわからなくて四苦八苦していた。


あの時も、「小さく生まれたからできないのか」とがっかりした。


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でも、その展開図も、最近夫がサイコロキャラメルを買って分解して見せたら、あっという間に理解できるように。


●私が知りたいのは『できるようにする方法』

なんだ。働きかけ次第で、未来は変えられるんだ。


私が知りたいのは『できるようにする方法』。なんで専門家は『方法』を教えてくれないんだろう?



超低出生体重児の予後に関することって、いつもこんな感じ。


なんで『迷信』というか『都市伝説』のようなことが、まかり通っているんだろう!!


こういうことをブログに書くと、今度は「算数をできるようにするには、スキーなどのスポーツをすればいい」という専門家がでてきそうで怖い。超低出生体重児だけでなく、子供の発達や成長とは、そういう短絡的なことではないと思うのだ。



2017/08/13

「『プレ金の経済効果5000億円』と試算のシンクタンクが解散」というニュースを読んで ロビイストには書けない手紙 後編

●『先生は、新日本パブリックアフェアーズという会社をご存じですか?』


とても失礼なことを、私はストレートに尋ねた。失礼だとはわかっていても、誰も本当のことを教えてくれないから、真実を知るにはこの方法しか思いつかなかった。


私がその先生に「先生が関わっていらした、小児がんの啓発活動にもロビイストが関わっていたんですか?」と尋ねると、こうおっしゃった。


「私は知りません」


私は先生に謝罪し、なぜそんな失礼なことを訪ねたのか正直にお話しした。


その先生がA先生だ。

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(※ A先生にいただいた名刺の裏側に印刷されていた文字)
Care Children,Cure Cancer !
病気でも〝子供らしく″生きられる社会に !



●ロビイストには、書けない手紙

だから、私のために一生懸命考えて、昔お世話になったB 先生にお手紙を書いてくださったんだと思う。


正直にいうと、今まで、プロのロビイストが関与するがんの啓発活動を羨ましく思ったこともあった。でも、A先生が書いてくださったお手紙を読んだ時にその気持ちは吹き飛んだ。


ロビイストには、絶対に書けない文章だと思ったからだ。



A先生はきっと忙しいお仕事の合間に、私の書いたものすべてに目を通してくださって、考えてくださったのだろう。


たまたま今日、『新日本有限責任監査法人』に関するニュースを見つけた。子宮頸がんワクチンのロビー活動を行なった、『新日本パブリックアフェアーズ』は、『新日本有限責任監査法人』グループの傘下の会社だ。


『新日本有限責任監査法人』は、東芝の不正が発覚する前までは、日本の名だたる大企業をクライアントに抱えていた。それこそ飛ぶ鳥を落とす勢いだった。

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東芝不正許した新日本監査法人、存亡の危機…顧客が雪崩的に契約解除の動き 東芝級の新たな不正か 2016.04.26 Business Journal
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それなのに、今、新日本有限責任監査法人 新日本パブリックアフェアーズを検索すると、このブログのある記事が上位に表示される。


これはもう、子宮頸がんワクチンのロビー活動が失敗したということじゃないかと思う。怪しまれないようにするのがプロの仕事だと思うからだ。


でもニュースによると『プレミアムフライデー(プレ金)』でもまた同じ失敗をしたようだ。


そろそろこういう方法は、終わりにしたらいいのに。


プレミアムフライデーは何がいけなかったのか (1/3)
プレミアムフライデー(笑)。今となっては、口にするのも恥ずかしい。これほど皆がこの施策にノッてこれないのは筋が悪かったからではないだろうか。いや、そもそもムリゲーだったというのが、私の見解である。



皆の心が離れていることに、気づいたらいいのに、と思う。

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「プレ金の経済効果5000億円」と試算のシンクタンクが解散 2017.08.07 16:00 ニュースポストセブン

月末の金曜日は仕事を早く切り上げて、豊かな週末を過ごす──。個人の消費拡大と労働時間短縮を狙い、経済産業省の旗振りで2月から始まった「プレミアムフライデー(プレ金)」。

鳴り物入りで始まったキャンペーンに「金曜の15時に退社できるのは公務員くらいしかいない」といった冷ややかな声も出るなかで、開始早々〈経済効果は5000億円超〉という試算を発表したのはシンクタンクの「EY総合研究所」だ。同研究所は新日本有限責任監査法人の傘下で2013年に設立された。

〈消費需要額の増加(1年分)を試算したところ、3253億円となった。それを前提にすると、経済効果(生産誘発額)は5099億円、付加価値誘発額は2534億円となった〉と景気の良い予測をぶち上げていた同研究所は、文部科学省の「スポーツ新事業開拓に関する調査研究事業」や、金融庁の「諸外国における家計の安定的な資産形成の促進に向けた政策的取組みに関する調査研究」といった、官公庁の調査を請け負った実績のある“霞が関御用達”シンクタンクであった。

ところが、プレ金開始から半年、6月末にEY総合研究所は「株主総会の決議により解散」したのだ。“5000億円超の経済効果”のお墨付きはどうなったのか。

「測り方によって何十億か何百億かの経済効果はあったかもしれませんが、そもそもプレ金を導入している企業は1.8%で、98%の企業のサラリーマンには関係ありません。バレンタインやハロウィンのような文化を国民のイベントとして定着させたいという経済界の狙いがあったのでしょうが、働き方改革をイベントにしようとするのは無理がある」(経済評論家の平野和之氏)


全然経済効果がなかったから解散になったわけではあるまいが、念のため新日本有限責任監査法人に取材すると「グループ全体の組織のスリム化を図るため」(広報)というのみ。プレミアムフライデーは半年もしないうちに“死語”になりつつある……。

※週刊ポスト2017年8月18・25日号

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