2017/09/27

国立成育医療研究センターがオススメする熊田梨恵氏の『産後うつ』の記事を読んで 後編

●人の生き方に医療や行政がどこまで介入するべきなのか? 

このような経緯があったため、文春の記事には一抹の不安があった。


しかし今回の「男性のうつ」は、経済的負担感、長時間労働など、うつになる原因が一つではないこと、そして解決する方法も具体的に提示され、良い内容だった。


もっとも、成育の政策科学研究部の竹原健二室長がおっしゃておられる「社会の問題が、父親個人の努力や認識の問題という風にすり替えられていると思います。まずは長時間労働の改善が喫緊の課題です。それが結果的に母親へのサポートにもなると思います」ということは、その通りだと思うが、私が成育への要望書に何度か書いたことでもある。


私が国立成育医療研究センターに書いた要望書


そして、超低出生体重児の就学問題だって同じような構図がある。教員の不足までもが、子供や家庭側の問題にすり替えられてきたじゃない。教育問題だっていつまでも置き去りにしないで、と思ってしまうが。


●DV、アダルトチルドレン、恋愛依存、買い物依存、リストカット----熊田氏の壮絶なカミングアウトからみえるもの もともと精神医療やカウンセリングに親和性があるのでは?

ところで、文春には熊田氏が書いた特集がこの他に2つ掲載されていた。


私は残りの2つの記事を最後まで読んで考えてしまった。私は熊田氏が提案する、支援や解決法に賛同できなかった。


一番の理由は、「産後うつ」が行政にも医療現場にも見過ごされてきた理由」という記事の内容から、彼女自身がメンタル面で困難を抱えて生きてきたことがわかるからだ。


熊田氏は記事の最後で、現代の母親が産後うつに陥る背景を分析している。複数の識者が指摘した問題点として、「日本では親との問題を抱えたまま母親になる女性が多く、自己肯定感が低いために子育てに困難感を抱えている母親が多い」とまとめている。


そこで彼女の抱えるメンタルの問題を知りたくなり、ネットで他の記事を探した。


すると、やはり。ハフポストに掲載されていた熊田氏の手記を見つけた。熊田氏は手記の中で、DVを始め、摂食障害、恋愛依存など、壮絶な過去をカミングアウトしているのだーーー私は、『救児の人々』の出版後、何年も暗いトンネルを彷徨うような孤独を味わった。何でこんな目に遭うんだろうとずっと考えてきたが、どうやらその原因を探り当てたようだ。


●私にも、『お祖父ちゃん殺害計画』を立てた過去があるけれど

自分の問題を解決するためにカウンセラーをはじめとする「心の専門家」を目指す人がいるというが、熊田氏もまたそうした一人なんだろうか。思い当たるエピソードがある。私は彼女に祖父が祖母に暴力を振っていことを話したことがあったからだ。「妹と二人で、『お祖父ちゃん殺害計画』を立てたことがある」と言ったら、私に親しみを感じたようだった。


●人は一人一人違う 私は医療や行政に生き方を支えてもらおうと思わない 嫌だという人の意見も尊重して欲しい 

でもね、私は熊田氏とは違う。どこか似たような経験をしていても、やっぱり人は一人一人違うんだと思う。


自分の経験をもとに、一つの社会問題を丁寧に掘り上げようとする熊田氏の姿勢には共感する。私も同じようなことをしているし。


しかし熊田氏は私とは違いジャーナリストだ。ならば自分の反対側にいる人たちにも目を向け考えて欲しい。


私は、自分の生き方まで医療や行政などに支えてもらおうと思っていない。昨年、市から送られてきたアンケートにもそのように答えた。市は介護をしている家庭に、保健師さんを個別訪問させいようだった。でも私はもう心が受け付けない。私もいつか介護をしなくてはいけない日が来るかもしれない。弱い立場になると、「嫌だ」とは言えないから今のうちに伝えようと思ったのだ。


●ジャーナリストとならば、カウンセリングで被害を受けたり、家族がバラバラにされた人がいることも社会に伝えるべきでは?

文春などの報道を読むと、もしかしたら熊田氏をはじめ医療行政に関わる専門家は、投薬をしなければ被害が起きないと考えているのかもしれない。しかし例えば、カウンセリングでも深刻な被害が起きている。熊田氏はなぜ、反対側を見ないんだろうと思う。ジャーナリストなんだから、医療をはじめ他者の介入によって、家族がバラバラにされた人もいることも、きちんと社会に伝えるべきではないだろうか。


厚労省の『拠点病院事業』の問題点 その2「子どもの心の診療ネットワーク事業」の不都合な真実 (後編)

ある男性の悲劇 『こころの専門家』の介入と支援で家族がバラバラに 

『こころのケア』は誰のためにあるのか  大川小学校の悲劇

フリーライター かこさんのブログ 神奈川の動き 医療はどこまで教育に介入するべきか? 前編 スクールカウンセラーの守秘義務について
2017/09/27

国立成育医療研究センターがオススメする熊田梨恵氏の『産後うつ』の記事を読んで 前編

●『産後うつ』の記事を書いた熊田梨恵氏 どのような仕事をしてきたジャーナリストなのか

成育の公式サイトで「報道されました」と、文春オンラインに掲載されたという「男性の産後うつ」の記事の紹介があった。


国立成育医療研究センター お知らせ
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早速、文春にアクセスするとあの『ロハス・メディカル』の論説委員、熊田梨恵氏が書いた記事だった。



●かつては『水口病院』の広報 宋美玄氏を世に出したジャーナリスト

熊田氏というと、昨年末ちょっとした騒動になった『水口病院』の広報をしていた女性だ。


あるジャーナリストの名刺に記載された肩書きと住所の謎 疑惑の『水口病院』


今、ちょっとした騒動になっている『締めキュット』をプロデュースし、『ウィメンズヘルスリテラシー協会』理事代表の宋美玄医師を最初に世に送り出したのも彼女だそうだ。



●私と熊田氏との接点

私はかつて熊田氏の取材を受けたことがある。『周産期医療の崩壊をくい止める会』を通じて紹介された。熊田氏は長いこと、周産期医療の現場を取材してきて、私の書いた手記をたまたま読んで興味を持ったという。取材から4ヶ月ほどして出版されたのが『救児の人々』という本だった。


紆余曲折あり私のインタビュー部分は結局削除していただいたが、文春の特集を読んで複雑な心境になった。当時の記憶がどうしても頭に浮かぶ。多分まだ消化不良なのだろう。なぜ私が複雑になるのか理由を書いてみよう。


『報道』と『インターネット』の力 マイナスの経験をプラスに変える


私が削除した理由はいくつかあるが、その一つはネットで匿名の医療者からバッシングを受けたからだった。出版社と彼女は、実名で私を取り上げたけれど、その後のフォローが何もないのだ。


当時、ネットに書き込まれた匿名の医療者の言葉
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周産期医療で、論客として知られる医師の言葉
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(※ 書き込まれた言葉や、会話をみればわかるように、当事者にとったら、今すぐに何とかして欲しい問題が、医師にとったら「心中しようが関係ない」「どこで議論したらいいか」というレベルでいつも深い溝を感じてきた。そもそも私たちのことなのに、なぜいつも専門家に議論してもらわないと事態がすすんでいかないのだろうか。そういうことには気づかない様子に私はとても失望した。だからSOSを出さずに死んでいく母親がいるんじゃないかと思う。)


●ある朝起きたら、首が動かない!

私が実名で応じた理由は、成育の育児心理科の被害を訴えるためでもあった。そのため、無料公開された当時、成育からも出版社には抗議が来たと聞いている。私は子供の検診で成育に行かないといけないので非常に困惑した。


そんな毎日が続きある日起きたら、首が突然動かなくなってしまった。


全く状況は変わらないし、無料公開は終わらないし、でもう精神的にも限界。「なんとかして欲しい」と、仲介した医師にお願いし、出版社の社長に不満を伝えてもらった。


無料公開から1ヶ月ほど経った頃だろうか。私は、出版社社長とようやく直接話しあうことになった。


ところがその席に肝心の熊田氏は同席できないという。社長の話ではあちこちから同じような抗議もあり、私ととても話しあえる状況ではないという。


私は内心「なんだそれは!?」と思ってしまった。


熊田氏は仮にもジャーナリストを名乗る方なのだ。自分の書いたものに責任を持たずしてどうするんだ、という気持ちもあったし社長が熊田氏の事ばかりを案じる姿勢にも違和感を覚えた。取材対象者を守ることも、出版社の最低限のルールだと思うからだ。


●社会学者の丁寧な聞き取り調査で、立ち直っていった

ちなみに私は自分の主張が大げさかどうか何人かのジャーナリスト、そして社会学者に彼女の著書を読んでもらって、感想を聞いたことがある。それだけ心の傷が深かったのだ。


皆、それぞれの専門の立場から私を擁護するようなことをおっしゃってくれた。その中のお一人は社会学者で、私が何で孤立したかを半年間かけて調査・分析し、翌年の学会で発表してくださった。


2013 年度日本女性学会大会 プログラム
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彼女がおっしゃるには、社会学者と記者やジャーナリストの仕事は似ているそうだ。彼女が常に心がけているのは取材対象者に「私の体験を搾取された」と思わせないようにすることだと教えてくれた。


彼女の丁寧な仕事のおかげで、私の心は癒され次第に回復していった。


続く
2017/09/26

『締めキュット』の口コミは捏造なのか? あの『クラウドワークス』が募集していた 後編

●『締めキュット』の話題がどんどん拡散

(※ 引用したブログが、アゴラから削除されたので、一部訂正いたしました)

『締めキュット』の話題はもうやめようかと思っていたら、まだまだ拡散していくようだ。



当たり前だと思う。宋美玄医師は「偽医学」「インチキ情報」を批判してネットで有名になったのだ。










宋医師は、秋に再び始まる「コウノドリ」の宣伝にも熱心なのだろか?


私は周産期医療はどうかしていると思う。何度でも書くけれど退院後の未熟児に必要なのは、感情に訴える世論喚起ではない。もっと地道で真摯な研究調査だ。そう、夫がお世話になった新開省二先生のような研究調査だと思う。

◇  ◇  ◇
東京都健康長寿医療センター、健康長寿の食生活をテーマに講演 2016年06月01日 健康情報ニュース.com

 (地独)東京都健康長寿医療センターは5月31日、老年学・老年医学公開講座「これだ!健康長寿の食生活」を練馬文化センター(東京都練馬区)で開催した。出席者は約800人。東京都健康長寿医療センター研究所副所長の新開省二氏は、「一般的な高齢者にとって、余命・健康余命に対して低栄養状態はリスク要因となる。多様な食品から栄養密度の濃い食事を取ることが必要」と注意を促した。

<小食・粗食に警鐘を鳴らす>

 新開氏は、「疫学研究でわかった『粗食』と『過食』の善と悪」について講演した。1990年代に実施した1,048人を8年間追跡した疫学調査で、高齢者の栄養状況と余命(生存率)との相関関係について、BMI・アルブミン・総コレステロール・ヘモグロビンの4つの指標で比較。その結果、男女ともに、4つの指標が高い人と比べて、低い人の方が死亡リスクを6割ほど上がることがわかったと報告した。

 また、2002年~12年まで実施した1,620人を対象にした7年間の追跡コホート調査の結果も紹介。同様に4つの栄養指標を用いて、健康寿命(生まれてから要介護の認定を受けるまでの期間)との相関関係を調査した結果、男性は4つの指標が低くなると、2~3倍ほど健康寿命が短くなり、女性ではアルブミンとヘモグロビンが低くなると健康寿命が短くなると説明した。また、女性の場合、BMIが高いと関節炎を生じて健康寿命が短くなることから、過度な肥満には注意が必要と指摘した。

 新開氏は、余命や健康寿命が短くなる4つの指標が低い状態とは、栄養面で見るとエネルギー・タンパク質・脂質・動物性タンパク質・鉄のそれぞれが不足していることと説明。これらの結果から、一般的に良いと誤解されている小食や粗食は危険で、小太りで栄養状態が良い人の方が余命や健康余命が長くなると話した。

 同研究所の社会参加と地域保健研究チーム研究員の成田美紀氏は、「高齢期の食生活の提案~買物、食卓、食環境~」をテーマに講演した。70歳以上の2,000人弱を対象とした食品摂取状況の調査から、家族の人数が少なくなると、食品摂取の多様性も減る傾向にあることがわかったと報告。成田氏は、体調が悪い場合には「栄養補助食品」や「スマイルケア食」などを利用することを提案した。【越中 矢住子】

◇  ◇  ◇
2017/09/24

『締めキュット』の口コミは捏造なのか? あの『クラウドワークス』が募集していた 中編

●【想像でOK】 使用したことがない方でもご応募いただけます

今日になり「クラウドワークス」の募集記事が突き止められ、ネットでちょっとした騒ぎになっている。なぜなら、【想像でOK】なんて言葉がバッチリ記載されているからだ。女性誌などで「膣トレ」なる言葉が一時期踊っていたが、こうなるとあれも「捏造」ブームじゃないかと思えてくる。

◇  ◇  ◇ 

◇ 
 
【想像でOK】骨盤を引き締めて、膣圧を上げるインナー「締めキュット」を使ってみた感想【口コミ200文字】 レビュー・口コミの仕事の依頼
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依頼詳細

骨盤を引き締めて、膣圧を上げるインナー「締めキュット」
http://www.shime-kyu.com/aff/index.php

口コミ案件ですが、使用したことがない方でもご応募いただけます。
※下記参照

■上記の商品を使用したことのある方

・使う前の悩み
・使ってみてどう変わったか
・おすすめできるかどうか

の3点を簡単に200文字以上でまとめてください。

■上記の商品を使用したことがない方

・この商品を使う人はどういう悩みがあって買うんだろう?
・この商品を使うとどうなれるのだろう?

ということをイメージして、実際に使用した体で、

・使う前の悩み
・使ってみてどう変わったか
・おすすめできるかどうか

の3点を簡単に200文字以上でまとめてください。

■注意点

・コピペと判断されるものはご応募いただけません(ツールにてチェックします)。
・実際に使った人の感想をイメージしているので、「~にのようになれると思います」のような曖昧な表現は避けてください。

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●ネットで大評判のはずなのに、大学生は全く知らない

私にはこういう日がいつか来るだろうという予感があった。


あれは私がまだ『周産期医療の崩壊を食い止める会』のお手伝いをしていた頃だ。『食い止める会』で薦めていた『いつかお母さんになるあなたへ 妊娠の心得』という絵本を、大学教員の夫にお願いし講義で学生に紹介してもらった。

いつかお母さんになるあなたへ 妊娠の心得 単行本 – 2009/4/10 Amazon
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その日の講義には付属高校の女子学生も参加していた。大教室に集まっていたのは200人以上、もしかしたら300人近くの学生がいたかもしれない。


ところがネットで評判だというのに不思議なのだ。この本のことも、監修したカリスマ産科医を学生は誰一人知らないと言う。私も今でも鮮明に覚えているけれど、教室はシ〜ンと静まり返ったままだった。夫が気を利かせ、講義の最後に「この本はずっと研究室に置いておくから、興味がある人は来て下さいね」と呼びかけても、結局誰も来なかったそうだ。


●『ウィメンズヘルスリテラシー協会』に成育の副センター長が参加するということ

あれから何年か経ち、田中重人准教授のブログ記事で様々な事実がわかった。国立成育医療研究センターは、今は『締めキュット』に直接関係ないと思っているかもしれない。




でも、『締めキュット』の口コミ情報を一つ一つ見て考えて欲しい。例えば、宋医師を紹介する時に、「フジテレビの情報番組『とくダネ!』でお馴染みの」という書き出しで始る文章が多い。


『ウィメンズヘルスリテラシー協会』に成育の周産期・母性診療センター 不妊診療科医長で、尚且つ副センター長の齊藤英和医師が参加すれば、どういうことが起こるかはわかるはずだ。何も知らない市民が、「ナショナルセンター」や「厚労省」にもお墨付きをもらって活動しているのかと勘違いするかもしれないでしょう?


もし私がクラウドワークスに口コミを依頼するような業者なら、そういうことも計算尽くで肩書きの立派な医師を取り込むだろうな。
2017/09/24

『締めキュット』の口コミは捏造なのか? あの『クラウドワークス』が募集していた 前編

●『締めキュット』の口コミは捏造か? あの『クラウドワークス』が募集していた

宋美玄医師がプロディースしたという『締めキュット』は不思議な商品だ。



締めキュット 口コミ」でグーグル検索するとあることに気づく。似たような感想が書かれたブログが山のように出てくるのだ。



感想は多いのに一方で書かれている内容は薄い。チラシに書いてあること以上のことが書いてなかったり、どこか他人事で熱がこもっていないのだ。昨年末に話題になった、『水口病院』の口コミとそっくりだ。


●『クラウドワークス』 は「共産党に投票する人は反日」などの記事作成依頼をネットで呼びかけた業者

この不自然さは、恐らく「業者」が介在しているからだろう。そう、最近話題になった「クラウドワークス」が掲載して問題になったようなお仕事を依頼をする業者だ。

◇  ◇  ◇
クラウドワークス、政治系ブログ記事作成依頼の掲載を中断 「共産党に投票する人は反日」などの記事作成依頼で物議 9/22(金) 21:45配信 Yahoo!ニュース
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クラウドワークスは9月21日、「政治系ブログ記事作成」の依頼案件について掲載を中断したことを発表しました。

さまざまな仕事依頼が掲載されている同サイト。同社はこれまで利用規約に基づいてチェックを行ってきたとしつつも、今回ユーザーからの意見をもとに解釈を広げた結果、「差別や特定政党に関連する案件の対応を強化致します」と、掲載についてのボーダーラインを変更したとコメント。これにより「政治系ブログ記事作成」の依頼について、利用規約および仕事依頼ガイドラインに反すると判断したとしています。

この発表の少し前、ネット上では「保守系の思想を持っている方限定」で、「憲法9条改正は当然」「共産党に票を入れる人は反日」といったブログ記事を書く仕事依頼が発見されて話題に。「こんなお仕事があるんだ…」「雇用者はどこなんだ?」など、その依頼内容に驚く声があがっていました。

なお類似の違反案件についても現在確認を行っており、今後も該当した案件は即座に掲載を中断するとしています。

◇  ◇  ◇

と思っていたら、やっぱり!


続く

2017/09/22

ご遺族を支える『周産期医療の崩壊をくい止める会』が『締めキュット』に!? 後編

●私と宋美玄医師

私は2006年に、福島県立大野病院産科医逮捕事件で逮捕・起訴された産科医の支援をしていた、『周産期医療の崩壊をくい止める会』に「市民」として参加した。2008年の無罪判決確定後、医療者と市民との溝を埋めるために、いくつかの活動のお手伝いもした。


その『周産期医療の崩壊をくい止める会』が無罪確定後に行った活動の1つが、「いつかお母さんになるあなたへ」という本の出版。当時すでにブロガーとして有名だった宋医師がご自身のブログに綴った文章を、『ロハスメディア』が絵本にしたのだ。


いつの間にか公式サイトが削除されているが、アーカイブに記録が残っていた。

◆  ◆  ◆
周産期医療の崩壊をくい止める会 アーカイブ
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いつかお母さんになるあなたへ 妊娠の心得 単行本 – 2009/4/10 Amazon

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「産婦人科医をしていると、女性に正しい知識がないために悩んだり苦しんだりしているのを見て、もどかしい気持ちになることがあります。また、限りある医療資源を有効に活用するために、知っておいてほしいことがあります。」(あとがきより)
川崎医科大講師だった宋美玄医師が、こんな思いから自身のブログに綴った『妊娠の心得11か条』。

福島県立大野病院事件をきっかけに結成された『周産期医療の崩壊をくい止める会』の医師たちが、それを見て共感し世の中に広めようと、佐藤章・福島県立医大教授、海野信也・北里大教授の2人の監修のもと、若干アレンジして「妊娠の心得」をロハス・メディカル誌09年1月号の特集にしました。絵がついてみたら、ブログとは、また違った印象になりました。

◆  ◆  ◆

『周産期医療の崩壊を食い止める会』は『牧本事件』の牧本敦医師をご批判していらした上昌広医師が事務局長を務める任意団体だった。


医療界の公を問う、「官への陳情は止めよう」-東大医科研・上氏 m3.com 2008年12月11日 アーカイブ


『牧本事件』とは、国立がん研究センターの研究費不正流用が問題になった事件だ。しかし、上記のアーカイブをご覧になればわかるように『周産期医療の崩壊をくい止める会』の募金活動もまた、『収支報告書』をはじめ、『事業報告』などがきちんと公開されていない。


私は寄付した一人として、不特定多数からお金を集めたにも関わらず、説明責任が不十分ということに関しては、納得できない。さらに不満なのは、ご遺族のための活動ということで始まったのに、堂々と胸を張って言えるほど、遺族支援のための活動がなされていないからだ。結局最後は『締めキュット』になっちゃったの!?という感じ。


●週刊文春の経歴詐称疑惑報道

ところで、2016年4月週刊文春が宋医師の経歴詐称疑惑を報道したことがある。記事を引用して感想をブログに書いたところ今もアクセスが多い。

◇  ◇  ◇
週刊文春『カリスマ美人女医』 宋美玄氏の「有名病院留学」詐称疑惑報道を読んで その1
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「UCLHで技師をしたといいますが、医療を行うことがなければ見学と同じ、医療の世界では留学とはとてもいえない。胎児診断の専門家には臨床遺伝専門医、超音波専門医などの資格、相応の臨床経験が必須。宋氏はこれらを持っていないため、何か見栄えのいい経歴が欲しかったのかもしれません」(胎児医療専門家)
◇  ◇  ◇

宋医師は、ブログなどで文春の記事に反論していらしたが、文春の指摘は間違っていないだろう。なぜなら、最近の芸能人や政治家の不倫報道を見ればわかるように、週刊誌は訴訟リスクを考えて情報は小出しにしている。もっと重要な事実を握った上で記事にしたのだろう。それが週刊誌のやり方だ。


当時のブログ記事を読んでいただけばわかると思うが、文春に情報提供者したのは私のような素人ではないだろう。宋医師と同じ医師で、恐らく胎児診断などの専門家だと思う。


私からすると田中准教授の批判は出るべくして出てきたという感じ。


●未熟児の親が死ぬほど悩むのは、発達の遅れが「障害」なのか「遅滞」なのかわからないから

このような経緯があるにも関わらず、問題の一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会の公式サイトを見たら、齋藤英和医師の肩書きに「国立成育医療研究センター」と名称が記載されていた。


超低出生体重児の親として私は何度か成育に投書したけれどこれをみてもう諦めた。成育の周産期は未熟児の予後よりも、こういう啓発に力を注ぎたいのだろう。


未熟児の親がなぜ、虐待や心中事件を起こすのか、そんなことは、もう何年も前からわかっているだろう。どんなに頑張っても遅れが取り戻せない「障害」なのか、それとも働きかけ次第で変わる「遅滞」なのかーーーー親なら悩む問題がずっと置き去りにされているからだろう。


私はナショナルセンターである成育は、こういう研究を行うために設立された医療機関だと思っていた。でも、まあ、私に転送メールを送ってきた医師と同じで、なんでもかんでも「発達障害」でいいと思っているのかもしれない。


今度もし息子が「くるくるコイン募金に募金する」と言ったら、


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「自分の好きなものを買いなさい」と言おうと思っている。
2017/09/22

ご遺族を支える『周産期医療の崩壊をくい止める会』が『締めキュット』に!? 前編

●あなたの善意は、本当に困っている人の助けになっているのか?

国立成育医療研究センターのクラウドファインディング 『レモネードスタンド』と『締めキュット』 というタイトルで記事を書いたら、メディアの方に言われた。「タイトルと、内容とがマッチしていないよ。最後まで読んでもらえないかもしれないよ」


私は検索に引っかかるように、わざとそういうタイトルをつけたと理由を説明した。今は、クラウドファインディングが盛んになっている。寄付をするのは良いことだけれど、でも、よく考えて欲しい。私たちが善意で寄付したお金が、どこに流れていくのか。本当に困っている人たちの助けになっているのか、立ち止まって考えて欲しいのだ。


田中重人東北大学准教授のツイートを何度も引用したのは、私が宋美玄医師と関係があるからだ。そこで私と宋医師との関係についてもう一度触れておこう。






続く

2017/09/21

国立成育医療研究センターのクラウドファインディング 『レモネードスタンド』と『締めキュット』 後編

●ネットで批判されている成育にまつわる研究や活動 その1 齊藤英和医師は、トンデモ調査「スターティング・ファミリーズ」を少子化対策に持ち込んだ?

なんと、ネットでは同じ成育の医師の活動が批判されているのだ。例えば、あの「一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会」に参加予定の齊藤英和医師(国立成育医療研究センター副周産期・母性診療センター長)。何度もブログに書いたように、ツイートしているのは東北大学の田中重人准教授で、データを根拠に批判していらっしゃる。


『一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会』と『文科省/高校「妊活」教材の嘘』前編





●その2 新型出生前診断で批判続出の『ジーンテック(GeneTech)株式会社』

成育の周産期というと、新型出生前診断で批判された、『ジーンテック(GeneTech)株式会社』 も関係している。


『新型出生前診断』の問題点について その5  謎に満ちた『ジーンテック(GeneTech)株式会社』 前編


●その3 未熟児の長期予後にもともと関心がなかったの!?

私は未熟児の親として、成育に(もう少しフォローアップや育児支援を充実させて欲しいと)何度か投書したけれど、田中准教授のブログなどを読んでもう諦めた。齊藤医師はこういう批判をご存知で、『一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会』に賛同しておられるのだろうから。






●その4 贈与等報告書をネットで公開される医師

そうそう。少し古いけれど贈与等報告書をネットで公開され批判される医師もいらしたな…。このことも、発達障害が多いとされる未熟児の長期予後と無関係ではない。


精神科医の犯罪を問う 発達障害支援は誰の支援? 2010/4/2(金) 午前 0:54


●ネットの利点 お金と活動の流れが可視化される

こうしてみていくと、私はネットなどで研究者が寄付を呼びかけることは悪いことではないと思う。


私のような個人でも、キャッシュの流れなどがある程度調べられる。今は情報公開が進み、収支報告書や事業報告書などが閲覧できるからだ。


キャッシュは意外と嘘をつかない。記録を丁寧にたどれば、誰のために、どんなことをしてきたのかがわかるのだ。


このように以前よりも、『メディア戦略』に人々の関心が向かっているのは、どんなに隠しても、疑わしいことはわかってしまうからだろう。真に患者のために活動してきた医師や研究者には、逆にチャンスなのかもしれない。



牧本医師には、もう一度チャンスがやってくるはず!
2017/09/21

国立成育医療研究センターのクラウドファンディング 『レモネードスタンド』と『締めキュット』 前編

●山中伸弥教授も寄付を呼びかける

ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授が、研究者の置かれた厳しい現状を訴え、ネットで話題になっている。



山中先生がおっしゃる「財源のほとんどが期限付き」「職員の9割以上が非正規雇用」という問題は、研究者なら誰もが悩むことだと思う。


●私たちは今こそ考えるべき 牧本敦医師が実際に何をしてきたのか

そして『業務上横領』『研究費流用』と散々批判された、あの『牧本事件』にも当てはまる問題でもある。牧本敦医師が設立したNPO法人のキャッシュフローを丁寧にみていけば、週刊誌などの批判がいかに的外れかがわかるだろう。私利私欲のために研究費を不正に流用したわけではないはずだ。


『牧本事件』と国の戦略 その1


●ネットで大きな反響をよんだ、国立成育医療研究センターの小児がんの啓発活動

最近、国立成育医療研究センターがクラウドファインディングで寄付を呼びかけ話題になった。小児がんの治療に欠かせない無菌室を作るためだそうだ。





小児がんの啓発というと、思い出すのは『レモネードスタンド』活動だ。レモネードスタンドを、日本に根付かせようと奮闘したのもやはり牧本医師だった。


『牧本先生は治験を含め大勢の小児がんの子ども達を診ていた』 レモネードスタンドとフジテレビ その1


成育では小児がんを知ってもらうために、このような講演会を行なっている。小児がんの啓発活動は、一歩も二歩も前を行っていてとても羨ましい。




なぜ私がそう思うかは、次のページをご覧いただくとわかるだろう。


続く

2017/09/17

超低出生体重児の長期予後 フォローアップ外来の限界 

●超低出生体重児の長期予後 研究報告への疑問 『発達障害』と『発達遅延』は違うのでは? 専門家はどうやって見分けているのか?

A先生から連絡があり、新生児科医B先生に私の意見を伝えて下さったそうだ。


私の意見を簡単にまとめるとこんな感じだ。


●現在、超低出生体重児の長期予後についての専門家(主に周産期医療に関わる方々)の考えでは、発達のムラを『発達障害』と捉えているようだけれど、全てが 『発達障害』ではないのでは?あるところから枝分かれし、思春期を過ぎてから限りなく正常発達に近づく子供もいるのでは?


●私が長期予後の論文や報告書などを読んで不思議に思うのは、専門家に「発達が遅れがちな子供達がどんどん増えるのに、受け皿がない」という危機感がある一方で結論を急ぎ過ぎて、かえって当事者を混乱させているように思うから。(例えば、「超低出生体重児には『発達障害』が多い」というが、その根拠がよくわからない。障害の「ある」「なし」をどうやって見分けているのか、など)


●なんでこういうことが起きてしまうかというと、専門家と呼ばれる方々が、「こういうものを出しておけばいいか」といい加減に考えているのではなく、とにかく「忙しいから」。


●ただ患者家族の立場からすると、救命にだけ力を注ぐのはおかしいのではないかと思ってきた。私たちは生きていかないといけないし、子供にとったら、退院後の人生の方がはるかに長いからだ。



●新生児科医が行うフォローアップ外来とは 患者家族は自分達で勉強し、考えていかないといけない

A先生が私の意見を、ご自身の言葉で伝えてくださると、B先生はこのようにおっしゃったそうだ。


「私たちは(新生児科医)はフォローアップの外来をしてはいても、神経発達などを専門的に診療する技量は持っていない。といって、NICU等の現場では、それよりも優先される救命救急処置で精一杯で、誰もそこに割ける時間がないのが現状です」


私が思ってきたことは、ある程度正しかったようだ。


それにB先生は、『発達障害』と『発達遅延』は違うと考えおられるようで私はホッとした。


同じ新生児科医でも、私に転送メールを送ってきた新生児科の医師とはやはり違う。あの先生は 『発達障害』と『発達遅延』との違いがわかっているのだろうか?


●学会が異なれば、専門家が共有する常識が全く違うことも


息子の発達に関しては研究者も関心を持っていて、あと5年ほどしたら論文にまとてめてくれると言っている。


その研究者は私によく言っている。


「運動発達の俊敏性などは、思春期以降でも伸びていく。もしも、もっと幼い頃までにしか発達しないと考えているのなら、間違いだ。超低出生体重児のような発達の遅い子供たちは、むしろ思春期でキャッチアップすることを考え、小さい頃から教育を考えていかないといけないんじゃないのか」


ちなみに思春期以降で俊敏性などを伸ばせる、というエビデンスは、(データベースを探せば)論文がヒットするそうだ。


学会や研究会が違えば、共有される常識も違ってくるのだろう。本当はメールが送られてきた時に、言い返そうとしたけれどやめた。自分でエビデンスを出し、専門家に論文などの形にしてもらって反論しようと思ったからだ。


ただ、形になるまでには時間がかかる。


私には一抹の不安がある。もしもこのまま学会などが、わかっていることと、わからないことなど、正確な情報を出さないでいると、発達障害ビジネスなどに騙される親御さんが出るくるかもしれない。あるいは親御さんが追い込まれて、こちらの「教育虐待」のような悲劇も起きるんじゃないかと思う。

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「教育虐待」親に強制された習い事で優勝したけど、思い出したくもない…その背景は? 弁護士ドットコム 2017年09月10日 07時49分
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親が子どもに習い事をさせることは、今も昔も行われています。しかし、その習い事が子どものやりたいことではなく親の自己満足だった場合、子どもは苦しむことにもなりかねません。

20代の大学生・Hさんは子どものころ、父親からレーシングカートの訓練をさせられました。日々の訓練は厳しく、頭を叩かれたこともあるそうです。「グランプリで優勝したこともありますが、やりたくないことだったので不満が鬱積し、成人した今でも嫌な思い出として残っている」といいます。

スポーツ選手が自分の子どもにも同じ競技をさせ、子どもも結果を出した場合、テレビなどではしばしば「親子鷹」として取り上げられます。ただし、Hさんのように、何も本人に残らなかったケースもあります。こういったケースは「教育虐待」とはいえないのでしょうか。吉田 美希弁護士に聞きました。(以下略)

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こうした悲劇が起きないよう、思春期以降にキャッチアップする『発達遅延』の症例を紹介することは意義があるだろう。