2014/03/16

超低出生体重児の就学問題 算数の教え方と教員削減 「待つ時間」も大切です

一般的に超低出生体重児は算数が苦手だと言われている。



知事記者会見 2013年9月9日

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私の心に再び火をつけた静岡県川勝知事の言葉

「最低というのは教師の授業が最低ということ。
教師は大人なので責任を持ってもらい、反省材料にしてほしい」



最近、息子の勉強をみていて驚いたことがある。分数の計算が急に速く正確になったのだ。ついこの間まで間違ってばかりいたのに。今までなら考えられなかった。


先日、コマを上手に回してみせた。夫が驚いていた。手先が不器用だからどうしても糸が細かくきれいに巻けなかった。それが、夫もムキになって競争するほど急に上手く回すのだ。一人でできるまで練習したそうだ。とうとう自分で練習することを覚えたんだと思った。


もし発達検診医がコマをまわす様子を見たら驚いただろう。「黒板の字がノートにうつせないだろうから、成績が悪くなる」とさんざん脅された。


最近理科や社会、国語は私がみていないけれどまあまあ点数がとれている。漢字だけはいくらいっても覚えようとしないから点数がとれない。よくみていると、 一つの漢字を三回ずつ練習して終わりにしている。これは子どもの障害のせいでなく、本人のやる気の問題だと思う。


今回のように、成績が良くなる前には必ず前触れのような出来事がある。友達に頼りにされたり、授業中に手をあげて答えられた、係の仕事を一生懸命したら、他の学年の先生に「よくできたね」と褒めてもらった、などの出来事が続くのだ。自信がつくと勉強も一生懸命する気持ちになるんだろう。


人間関係と成績の向上には相関関係があるように思う。


別に超低出生体重児だけでなく、考えてみれば当たり前のことだろう。その当たり前のことが当たり前でなくなるほど、子どもを取り巻く環境は厳しくなっているようだ。大人に余裕がないからだ。


この子に必要なのは「追いつく努力」よりもむしろ、「待つ時間」だったと思っている。超低出生体重児の就学問題を考える時、親が待てなくなるほど追い詰められることも問題ではないだろうか。子どもの発達は、ダイエットと同じように、急激に伸びる時期と停滞する時期とがある。伸びなやむ時期にいくらあせって勉強や訓練をさせても意味がない。


ちなみに「 ルポ 児童虐待」の第一章で取り上げている虐待事件は、小さく産まれた双子の母親が小学校の入学がせまり追い詰められ、虐待に走ってしまう。男の子と女の子の双子で、脳性マヒの男の子に母親は決して手をあげなかったそうだ。はじめから「できなくて当たり前」と考えていたようだ。



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子どもにとって幼児期は、親子の信頼関係を構築していくのに大切な時期だと思う。親というものは、困った時には自分を全力で守ってくれる存在なんんだと、信頼してもらわないといけないだろう。


私はお受験のための勉強が大嫌いだったこともあり、いくら子どものためでも、嫌がることを無理にやらせることに抵抗がある。食べないからといって嫌がるのに食べさせ、歩かないからといって長時間訓練する。一歩間違えると虐待になるかもしれない。


一年生の頃は、あまりにも勉強に追いついていけないので宿題を減らしてもらった。普通は逆に塾に通わせたり、家庭教師をつけたりするだろう。でもその頃は、勉強させる時期でないと思ったのだ。学校に行くだけで疲れて集中力が続かないからだ。水泳教室や登山に連れて行き、体力をつけることに重点を置いた。学校に行くのが楽しくなければ子どもも嫌だろう。


二年生の終わりになってはじめて公文に通わせ、一学年下の勉強をさせた。これは友達の医師のアドバイスだった。悩んで相談したら、「階段式にステップアップしていくから、どこでつまずいているかわかっていいですよ」と教えてくれたのだ。


教室に通う前のテストでは、実際の学年よりも、理解力がかなり下であることがわかった。本当は焦っていたんだけど、無理に詰め込もうとしても、4年生になったら必ずつまづくだろう。


「校長先生がおっしゃった4年生の頃まで様子をみたいという意味は、加減乗除がはじまるからだ」と夫に教えてもらった。一番の難関は分数であり、分数の計算は九九が完璧にこなせるかにかかっているそうだ。ここで、「なんとなく暗記して覚えていた」子ども達が一気に振り落とされてしまうそうだ。これは、教員ならば誰でも知っていることだが以外と知られていない。だから焦る気持ちを抑え、基礎からもう一度勉強させた。


私が作った100の4分の1

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50の2分の1

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公文に通っても成績は急激には伸びていかなかった。だからテストの点が悪いと隠してしまうようになった。そういう時には、ちゃんと見せて、わからないところをそのままにしないように何度も言い聞かせた。「テストの点が悪いことじゃなく、テストを隠すのがよくないんだよ」と、できないことをそのままにすることを怒った。



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夫も毎朝2,30分勉強をみている。幼稚園の頃から使っている「100玉そろばん」で繰り返し数の概念を教えている。今でも「全体の30%」とは、具体的にはどのくらいなのかを見せるのに役に立っている。目で見せて教えると頭に残るようだ。


超低出生体重児を伸ばしていくには、「奇蹟の人」のサリバン先生のように、体を張って全力で教えないと届かないようなところがある。どれくらいか大きさがわからないけれど、そのコップに溢れるまで水を満たさないと理解できない、そういうイメージだと思う。コップの大きさが予想以上に大きいと途中で不安になるけれど、あきらめないで満たしてあげるのだ。そうしないと必ず次でつまづく。


昨日コマを回していた時、「二年生の終わりに、戻る勇気があってよかった」とはじめて思った。「子どもの成績が悪いからといって、一学年、二学年戻る勇気がないお母さんが多いんですよ」と、公文の先生が私に言っていた。そうだろうなあと思った。


根気よく指導してくれた学校の先生にも感謝した。特に今の担任の先生ははりきって指導して下さっている。まだまだ安心はできないけれど、入学した頃には考えられなかった。


だけど・・・。昨年の暮れ、気がかりな報道を知ってショックを受けた。財務省は教員を減らしたいようだ。


今回病院に手紙を書いた理由は、 この報道を知ったからだ。超低出生体重児が増えていっても、受け入れる教育現場に余裕がなかったら、追い詰められるお母さんと子どもが出てこないだろうか。せめてもう少し「ゆっくり育つ」ということが社会に知られれば。それだけでも違うのに。


教員はすぐには増やせないだろうと思っていたけれど、まさか削減の対象にされていたとは思わなかった。今でも激務でうつになって休職してしまう教員が多いのに。学校から配られた保護者からのアンケートの回答をみると、共働きが増えたため、学校に対する要望も増えているように思う。


お母さんが勉強をずっと教えるのは大変だ。でも、塾に通わせる余裕がない家庭もあるだろう。だから、手のかかる子どもを熱心に指導してくれる教員と学校をもっと評価して欲しいと思ったのだ。せっかく産まれてきたのに。「あれもできない、これもできない」じゃなく、「産まれてきてよかった」と思えるようであって欲しい。


超低出生体重児の就学問題 どうすれば成績がよくなるの? いろいろ試してみました に続く


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小中学校教員、大幅削減ってどういうこと?/財務省と文科省が真っ向対立 THE PAGE 2013年11月13日(水)14時11分配信


 小中学校の教員数や待遇に関して逆風が吹いています。財務省は現在2014年度予算の編成作業を行っていますが、その中で、文部科学省に対して教員給与の引き下げや教員数の削減を求めています。これはどういうことなのでしょうか?


 小中学校の教員は現在約70万人いますが、財務省は教員の定数を毎年2000人ずつ削減し、今後7年で1万4000人を削減すべきだとしています。一方の文部科学省は逆に7年間で3万3500人増加させたい意向で、主張は真っ向から対立しています。


 財務省が削減を要求している根拠は小中学校の児童生徒数の減少です。2000年に1100万人いた児童生徒の数は、少子化の影響でわずか12年で1000万人まで減少しています。一方、教師の数は66万5000人から70万人と逆に増加しているのです。高校教員の数が大幅に減っていることを考えると、確かに小中学校の教員は多すぎるということがいえるかもしれません(文部科学省は教育の質の向上が必要としています)。


給与1.7%引き下げも要求
 

 また財務省は給与の引き下げも求めています。現在、教員の平均年収は608万円(43歳)ですが、これを1.7%引き下げることで、合計で750億円の支出を減らせるとしています。教員の給与は労働組合が強いこともあり、他の公務員より優遇されています。これを通常の公務員並みに引き下げようというわけです。


 さらに海外と比較すると日本の教員はかなりの好待遇であることが分かります。OECDの調査では、同水準の学歴を持った民間企業の従業員と比較すると、米国の教師は約6割、英国の教師は約8割の給与水準です。同じ調査ではないので単純比較はできませんが、日本の40代の大卒社員の平均年収は533万円(賃金構造基本統計調査)ですから、日本の教員は民間の水準を上回っています。


地方公務員の中でも狙われやすい


 職種という枠組みで見ると確かに日本の小中学校教員は好待遇であり、少子化で子供が減っていることや、厳しい財政事情を考えると財務省の主張には一定の合理性があるといってよいでしょう。しかし、これを職種ではなく、公務員という身分に関する視点で眺めてみると、また違った景色が見えてきます。


 地方公務員の中で教員が占める割合は40%にも達しており、教員の給与は金額の絶対値が大きいという現実があります。また教員には児童生徒の数という分かりやすい指標が存在します。一般の行政職公務員と比較すると、教員は削減対象になりやすい存在といってよいでしょう。予算の削減というのは、このように分かりやすいところがまずターゲットになるのが現実です。政権交代によって教員の労働組合が弱体化していることも影響している可能性もあります。


(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)


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