2014/04/03

小さく生まれた子供を社会でどう支えるか 「後記 その3」 私のこころにスイッチを入れた悲しい事件

小さく生まれた子供を社会でどう支えるか 「後記 その2」 お礼をいうべき人 の続き


資料を整理していたら事件報道の記録やメモが出てきた。


息子は電車が大好きだ。特に新幹線が大好き。なぜかというと、かかりつけの小児科の先生が電車が大好きだから。体が弱かった息子は病院に通ううちに大好きになってしまったのだ。先生がクリニックの一番目立つところに「ドクターイエロー」(新幹線のお医者さん)のプラレールを置いたからだ。


息子は生まれた病院の検診に出かけた時に、売店でこの本を見つけ欲しいという。買ってあげたら1日も何度も何度も読まされた。発達検診医にはわからなくても、たぶん話の内容を理解していたんだろう。


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(2001/05)
横溝 英一

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それから東京駅に新幹線を見に行くのが好きになった。ある時、改札口で駅員さんがドクターイエローの定規をプレゼントしてくれた。息子は大喜びしてそれ以来、さらに大好きになってしまった・・・。


実は今日も私の父と母と一緒に出かけた新幹線の旅から帰ってきたばかり。まだ小学生なのに、九州から東北までくまなく新幹線に乗っている。


以下に記載する一番はじめの「知的障害ある息子殺害の母に懲役7年」は、はじめて新幹線に乗って息子と旅行に出かけた頃、報道されていた。読んだとたん私は泣き崩れてしまった。この事件は、私が手記を書いた原典なのだ。


今でも東京駅に行くたびに事件を思い出す。もしも我が家に生まれていたら、父と母は障害があってもきっとかわいがっていただろう。新幹線にも乗せてくれただろう。そう思うからだ。


私には裁判官の言葉がこころに全く響かない。この母親にこれ以上、何を、どう、がんばれと言うのだろう。この人は抱えきれないほどの重い荷物を持たされているのだ。必要なのは荷物を少しでも軽くする、社会的支援だろう。


あれから何年もたつけれど、相変わらず同じような事件はなくならない。「一度でいいから、子どもの世話をしてみればわかりますよ」そういってこころの専門家と言い合いになってしまった。その気持ちは今も変わらない。この国で本当に支援を必要としている人に社会の関心が向かったり、手が差しのべられるのは、事件の被害者や加害者になった時ーーーーそんな気がしてならないからだ。


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知的障害ある息子殺害の母に懲役7年 東京地裁 朝日新聞 2007年07月21日

東京・日比谷公園で知的障害のある息子を刺殺し殺人罪などに問われた母親が20日、東京地裁で懲役7年の判決を言い渡された。母親は自らの生い立ちを我が子に重ね合わせ、「かわいそうだから」と殺害の動機を法廷で語っていた。「経緯には多分に同情の余地が認められる」青柳勤裁判長はこう言いながら「自らの思いこみから息子の将来を一方的に悲観し、殺害した。独りよがりのそしりはまぬがれない」と述べた。

母親は埼玉県川口市の無職横山志津江被告(52)。昨年6月10日夜、小学5年の次男翔君(当時10)を果物ナイフで刺殺し、自らも自殺を図ったが死ねなかった。

判決などによると、横山被告は、母子家庭で育ち、9歳で母と死に別れた。軽い知的障害があり養父母から虐待を受けた。結婚して2男2女をもうけたが、夫は借金を抱えて失跡し離婚した。

次女は1歳7カ月で髄膜炎で亡くなり、重いぜんそくだった長女も16歳で死亡した。生活保護を受けながら総菜屋などで働き、知的障害のある2人の息子を育てたが、次男の翔君は小学校に行きたがらなくなった。「いじめを受けている」。そう思いこみ、悩んだ。

「死ぬ前に一度乗せてやりたい」。2人は新幹線で新潟の温泉宿に向かった。翌朝、睡眠薬と缶酎ハイを翔君にも飲ませ、山中で死のうとした。翔君が眠らなかったため新幹線で東京に戻り、日比谷公園を目指した。

夜になり、眠りについた息子をベンチに寝かせた。「翔君、ごめんなさい」。果物ナイフで胸を突き刺した。「翔と自分とはイコール。ああするよりほかにありませんでした」。公判で殺害の理由を問われた横山被告はこう述べた。
 
検察側は懲役13年を求刑した。弁護人は「被告の身に起きたことは一人の人間が抱えることができる許容量をはるかに超えている」と訴えた。

「喜びや楽しみ、悲しみや苦しみも含め人が生きていく上で経験するであろうことを翔君も経験できたはず。これを奪う権利は何人にもない」裁判長の言葉を、横山被告はじっと法廷の床を見つめながら聞いた。

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変死 66歳母、40歳長男が浴室で 北区の都営住宅 2007年8月14日

13日午後7時50分ごろ、東京都北区浮間3の都営浮間住宅14号棟305号室の無職、鈴木ヨスミさん(66)の妹(55)から「姉の部屋に電話をしても応答がないので確認してほしい」と警視庁赤羽署連絡があった。同署員らが室内に入ったところ、ヨスミさんと長男の無職、有次さん(40)が浴室で倒れて死亡していた。外部から侵入した形跡がなく、外傷もないことなどから同署は病死とみて詳しい死因を調べている。

調べでは、鈴木さん方は母子2人暮らし。ともにズボンにTシャツ姿でヨスミさんは浴室の入り口付近、有次さんは浴室内の床にうつぶせに倒れていた。室内は電気がつきエアコンが稼働していた。玄関は施錠され、物色されたり2人が自殺を図った形跡はなかった。

有次さんは脳に障害があり、ヨスミさんも最近体調を崩して通院していたという。10日昼、近くのコンビニエンスストアで買い物をしている2人の姿が近所の住民に目撃されており、同日以降に死亡したと見られる。

同署は室内の状況から有次さんが先に何らかの理由で浴室内で倒れ、慌てて駆けつけたヨスミさんも発作を起こすなどして死亡した可能性があるとみている。

親族や近所の人によると、有次さんは生まれつき障害があったという。10年ほど前に父親が亡くなり、ヨスミさんと2人で生活していた。

現場はJR埼京線北赤羽駅の南西約500メートルの住宅街。

都営浮間住宅は計16棟で550世帯が住んでいる。同住宅連合自治会長の高窪馨さん(73)によると、団地内の独居老人宅などは都住宅供給公社の担当者が週2回程度巡回していたが、鈴木さん宅が対象になっていたかどうかは不明という。自治会には老人会もあり250人の会員がいるが、鈴木さんは入会していなかったという。高窪会長は「老人会の会員はお互い何かあったら声を掛けるようにと、日ごろから話しているが、鈴木さんの生活は把握できていなかった。今後は自治会として、もっと積極的に声掛けをする必要がある」と話していた。


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「障害で罪にならん」 小5息子に万引き指示 大阪 2007年09月04日 朝日新聞

生活に困り、小学生の息子(12)にコンビニで弁当やお茶などを万引きさせたとして、大阪市東淀川区の父母ら3人が窃盗罪で大阪地検に起訴されていたことがわかった。犯行を指示したとされる無職の父親(31)の初公判が3日、大阪地裁(栗原保裁判官)であり、「知的障害があって罪にならん」と、子どもの障害まで利用していた実態を検察側が明らかにした。

父親は「息子が万引きをしたのは認めるが、明らかな指示はしていない」と起訴事実を一部否認した。

起訴状や検察側の冒頭陳述などによると、父親は妻(37)や同居人の男(21)と共謀。2月22日午後9時45分ごろ、妻の実子で軽度の知的障害がある当時小学5年の男児に、自宅近くのコンビニエンスストアで弁当やお茶、インスタントラーメンなど16点(約2200円相当)を盗ませたとされる。 

同居の男が見張り役をする中、男児は商品をかごに入れたまま店外に出たところで女性店員に呼び止められた。通報を受けた大阪府警の東淀川署員が男児を補導し、児童相談所へ通告した。同居の男が見張り役をする中、男児は商品をかごに入れたまま店外に出たところで 女性店員に呼び止められた。 通報を受けた大阪府警の東淀川署員が男児を補導し、児童相談所へ通告した。

父親は当時、新聞配達の仕事を始めたばかりで所持金が数千円しかなく、一家は生活苦に陥っていた。 父親は、仕事中に負ったけがで月15万円の労災保険を受け取っていたが、昨年中に支給が打ち切られたという。

父親は、14歳未満で刑事責任が問われない男児に食べ物を万引きさせることを思いつき、 同居の男に「(男児を)連れて行って、やらせたらいい。知的障害があって、小学生だから罪にはならん」と指示。 妻も「私の分も取ってきて」と頼んだという。

この日の公判で、検察側は男児の供述調書を読み上げた。

「ぼくは、お兄ちゃん(同居の男)と一緒に店に入り、お父さんに言われた通り万引きをしました。 店の外で店員さんに捕まりました。お兄ちゃんはバイクで逃げていきました」 さらに検察側は、たばこの火を押しつけた跡が体に残る男児の写真を示し、「男児は父親から暴力を受けるのが怖くて、万引きの指示に従った」と指摘。

「子どもに万引きをさせるなど最低だ。厳罰を求める」と述べたコンビニ店長の調書も証拠として提出した。

一方、父親の弁護人は閉廷後、朝日新聞の取材に「事件の背景には、障害児がいる家庭に福祉が 十分行き届いていないという問題もある」と話し、そうした事情を今後の公判で主張する方針を示した。


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3カ月の孫を絞殺容疑、60歳祖母を逮捕 東京・日野 2007年09月04日 朝日新聞

同居していた生後3カ月の孫を殺したとして、警視庁は4日、祖母の東京都日野市東豊田1丁目、無職佐藤和美容疑者(60)を殺人容疑で逮捕した。調べに「病気の孫の将来が不安で、発作的に殺してしまった」と供述しているという。

日野署の調べでは、佐藤容疑者は3日午前11時ごろ、自宅1階の和室で、昼寝していた孫の川口直丈ちゃんの首をタオルで絞めて殺害した疑い。同日午後7時ごろ、夫(67)に付き添われて同署に自首した。

佐藤容疑者方は1階に祖父母、2階に直丈ちゃんの父親の会社員真吾さん(29)と母親(30)、姉(2)が暮らしていた。事件当時、母親は姉と買い物に出かけており、直丈ちゃんと佐藤容疑者の2人だけだったという。

近所の男性は「子どものおかしな泣き声は聞いたことがなく、孫の面倒をよく見る、いいおばあちゃんだったのに」と驚いていた。

(TV報道より 保険師の訪問あり)

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母子3人、無理心中か 滋賀県、発育遅れに悩み 2007年09月07日 共同通信

7日午後、滋賀県湖北町、会社員辻中健さん(30)方の車庫で、妻知恵子さん(34)と小学2年の長男健太君(8)、二男大貴ちゃん(1)が死亡しているのが見つかった。健太君と大貴ちゃんはワゴン車内で首に絞められたような跡があった。知恵子さんは車庫の鉄骨にひものようなものをかけて首をつっていた。知恵子さんは大貴ちゃんの発育が遅いことで悩んでいたといい、長浜署は無理心中とみて調べている。

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新幹線をみるたびに思い出す 超低出生体重児の予後を決めるもの

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