2014/04/16

超低出生体重児(未熟児)の就学問題 「10歳の壁」を乗り越える方法 その2

超低出生体重児(未熟児)の就学問題 「10歳の壁」を乗り越える方法 その1 の続き

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“10歳の壁”を乗り越えろ ~考える力をどう育てるか~ 2009年6月18日(木)放送 クローズアップ現代 


なぜ、文章を正しく読み解くことができないのか?教育アドバイザーの糸山泰造さんは多くの親の相談にのってきました。


「計算は速いのに考えることを嫌がる」


糸山さんはこうした悩みを持つ子どもの中には、ある学習方法について、本来とは違ったやり方をしてきた子どももいると指摘しています。


学力低下の対策として、2000年頃から盛んになった、暗記やスピードを重視する反復学習です。これは計算力を高める効果があるとして普及している「100マス計算」。縦と横に並んだ数を、例えば(縦の)8+(横の)4は12、8+1は9, 8+6は14、というように上から順に計算していって、100マス分のタイムを競います。


ところがタイムを縮めるために、思いも寄らぬ方法で問題を解く子どもがいると糸山さんは指摘します。


最初に0の列から始めます。一番上の数字を自動的に写していきます。「次にどこの列を書くかというと、1の列を書くのです。どうしてかというと、理由があります。8の次の数字を書けばいいのです」



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後は、順に1の列、2の列と数字を順に埋めていく単純作業になり、これでは学力は育ちません。「驚異的にはやいですよね。でも全く意味がないですよね。こういう風になるんですよね。なっていくんですよね。スピードを求めると」


さらに文章問題が解けない背景としてコミュニケーションの不足を指摘する研究者もいます


長年、小学校の教師を勤めてきた増田周治さん(白梅大学準教授)学習につまづく子どもの多くは、友達と上手く会話が出来ないことに気づきました。そうした子ども達の家での会話を調べたところ、共通した問題が浮かび上がりました。


明日の用意したの?
早く寝なさい。
早くお風呂に入りなさい。
早くしなさい。
どうして弟(妹)とケンカするの。
早くゲームをやめなさい。
外で遊びなさい。
早く着替えなさい。
廊下をドンドン歩かない。
寝っ転がって漫画を読まない。
おもちゃを捨てなさい。
走ってきなさい。
今日はテレビなし!
食べてばかりいるんじゃないわよ。
今日は夕食なし。


(などが続く・・・)

子ども達の多くは、親から一方的に細かい指示を受けていました。親に質問したり説明したりするなどの会話が少ない日常生活が浮かび上がり、考える力を育てる上で問題だったといいます。


思考力の基礎は小さい時の言語の積み重ねと、想像力。イマジネーションの問題が大きい。イマジネーションの中で豊かに会話を広げていくことが、考える力を育てる、ということにつながっていくのではないか。

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この番組を見た時、発達検診を思い出した。自分で書いたブログ記事から引用する。

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小さく生まれた子供を社会でどう支えるか「その11」 子どもの生きる力を引き出すのは医療なの?教育なの? 

息子は4ヶ月も前に母体から出て、おまけに800グラムで生まれたのだから、発達が遅くて当たり前なではないのか。それを三ヶ月に一度指摘したところで、何が変わるというのだろう? しかも、遅れをどのように取り戻したらいいのか具体的な訓練の方法を聞くと、毎回、「おはじきやボタンをフィルムケースに入れ、つまんで外に出すといいです」と言うだけなのだ。


療育に行けないのか尋ねたところ、「公的支援を受けられるほどの遅れはない」と言われた。息子は、グレーゾーンよりももっと上のグレーゾーンに該当するので、「おはじき」以外に選択肢はないそうだ。


しかし夫はその方針に反対した。夫は運動生理学や免疫に関する研究をしてきた研究者だ。同時に長年教育現場で学生を指導してきた教育者でもある。息子には遊びを通して療育になるような刺激をいつも与えていた。もちろん箸の持ち方をはじめ基本的な訓練は常にしていた。「子どもの発達は、長い目で考えなくてはならない。今の時期には、細かい指先のトレーニングよりも、体の成長を促すべき」と私に言った。


確かに夫の言う通りだと思った。なぜなら息子は公園に行くと、自分よりも体が大きい子どもや活発な子どもがいるだけで怯えて遊ぼうとしないからだ。「男の子は仲間で遊ぶものだ」と夫が言っていた。毎日おはじきの訓練をしても、子ども達の輪の中に入れるとはとても思えなかった。何よりも家で二人きりで訓練をすると息がつまりそうだ。

◇  ◇  ◇

「教育」というものに、どこまで医療が介入し、エビデンスが必要なのだろうか。


例えば計算、というものは字を書くだけではない。番組で触れているように、頭の中で想像することでもあるのだ。そういうことを、大人がわからなくなってしまったことの方が、私には余程問題のように思えてならない。子どもにとって、就学前の時期は、友だちと遊ぶことだって、勉強になるのではないだろうか?


ところで、一年生の時、担任の先生にお願いして宿題を減らしてもらったのにも理由がある。


「足し算を速くできるように、カードを作って訓練しなさい」と、指示されたからだ。例えば表に「1+9」と書かれたカードをめくると、裏に答えの「10」が書いてある。このカードをめくって暗算の練習をするのだ。


しかし私は息子にはまだ暗記ははやいと思った。「数の概念」がまだ理解できていないからだ。息子のように理解する力が弱い子どもにとって、計算の仕組みがわからないうちに暗記に頼ると、勉強というよりも、「楽」な方法を覚えることになるだろう。ちょうど、番組で取り上げていた100マス計算の早業のように。


私の考え方は違う。


このように数を、頭でイメージできないようでは意味がないと考えた。例えば「8」という数。「8」は「5」に「3」を足した数であり、「10」になるには「2つ」足らない、と頭でイメージできないといけないだろう。


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1年生の、10の分解はとても大切。その次には繰り上がりの計算がまっているから。そうじゃなくても算数は数学までずっと続く。「今、少しばかり皆から遅れても、基礎を暗記に頼るのは恐い」と手紙を書いて強く訴えたのだ。


あの時、正しい道を選んで正解だと思った。勉強についてのアドバイスは、医師ではなく、教育の専門家のほうが私は嬉しい。


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