2014/05/30

『明日、ママがいない』騒動に現場は喜んでいる 児童養護施設の子ども達の人権を考える

二年ぶりに勉強会に参加した。今日は児童養護施設に勤務している心理士さんと、DVシェルターに保護されたDV被害女性がゲストだからだ。保護施設の実態に興味があったのだ。


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日テレ『明日、ママがいない』



なぜなら、私が被害を受けたこころの専門家は、『日本トラウマティックストレス学会』の理事で、主に児童虐待を扱う児童精神科医だからだ。しかもDV被害者を救済する専門家だ。この問題を語る上で『日本トラウマティックストレス学会』なしには語れないだろう。噂では、もうすでに人が集まらなくなっているそうだけれど。


さて、あれから7年がたち、どんなことになっているんだろう。


はじめに神奈川県にある児童養護施設に勤務する現役の心理士さんが、子どもが薬漬けになっている実態について講演して下さった。主に「離婚と子ども」の問題に取り組んでこられた心理士さんだ。


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【 児童養護施設とは 】


当初は孤児を収容する孤児院だった。しかし、児童虐待防止法の施行を一つの契機として孤児でなく両親はあるが、その親が抱える様々な問題状況、例えば、離婚、離婚後の貧困、新しい家族間での虐待など、様々な理由により居場所を失った子ども達が数多く生活している。


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【 我が国が抱える児童擁護施設における複合的な問題群 】


日本における社会的養護の実情は、児童の権利条約等の国際水準からは遠く、措置児童の9割が施設養護。そこで子ども達の多くは愛着の問題を抱えており、その多くは発達障害・ADHD等の状態とも重なる


労働条件が低く、そのためもあって施設は恒常的な人材難の状態。職員の未熟さなどから安易な向精神薬の使用が行われている。


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『愛着障害』と『発達障害』は似ている。しかし、多くの場合、注意深く見守ることなく、向精神薬が投与されてしまう。


そもそも施設に養護されている子どもは、薬漬け等の不当行為に曝されやすい。アメリカでは1990年代後半に里子への投薬治療が広く見られるようになった。


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【 あるお子さんの事例 】


『愛着障害』から『ADHD』に



心理士は向精神薬の投与について慎重



懲戒処分を受けてしまった。


〖 この事例の背景 〗

例えば、経験の浅い若い保育士。経験をつんだ保育士や心理士とでは判断が異なる。
職員がADHDと疑い、精神科に行くとADHDと診断される傾向にある。
心理士は基本的に一人職場。この子は『愛着障害』だと強く言えない環境におかれている。


しかし、2010年6月に出された、国連児童の権利委員会による最終見解メンタルヘルス、60の警告に反する。


メンタルヘルス

60.委員会は、著しい数の子どもが情緒的ウェルビーイングの水準の低さを報告していること、および、親および教職員との関係の貧しさがその決定要因となっている可能性があることを示すデータに留意する。

委員会はまた、発達障害者支援センターにおける注意欠陥・多動性障害(ADHD)の相談数が増えていることにも留意する。

委員会は、ADHDの治療に関する調査研究および医療専門家の研修が開始されたことを歓迎するが、この現象が主として薬物によって治療されるべき生理的障害と見なされていること、および、社会的決定要因が正当に考慮されていないことを懸念する。


61. 委員会は、締約国が、子どもおよび思春期の青少年の情緒的および心理的ウェルビーイングの問題に、あらゆる環境における効果的支援を確保する学際的アプローチを通じて対応するための効果的措置をとるよう勧告する。

委員会はまた、締約国が、ADHDの診断数の推移を監視するとともに、この分野における調査研究が製薬産業とは独立に実施されることを確保するようにも勧告する。



家族関係の再構築に努力


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平成23年(2011年)厚生労働省はようやく「社会用語の課題と将来像」をまとめ、「具体的な政策実現に向けた計画」の策的が進められている。


こうした動きは遅ればせられながら、我が国の社会的養護のあり方を国際標準に近づける上で、極めて重要


神奈川県児童福祉施設心理士会は『養育を繋ぐ』と題して、愛着対象との関係が特に重用しされる乳幼児における措置変更の問題について、実態調査を行った。


また『我が子と会いたい親の会』と『東京管理職ユニオン』は『児童福祉施設における子ども達と職員そして親達を考える集い』と題し昨年度より継続的に児童福祉施設における諸問題を考える集い『民主的な開かれた対話』を共同開催している。


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【 今後の解決に向けて 】


「離婚と子ども」「子どもの貧困」「ひとり親による困難な養育」「子どもの薬漬け」「児童相談所による親子の引きはがし」等。


これらの問題群は、やはり単体としてだけでなく互いに関連し合った問題群として包括的な解決への努力が強く求められているといえよう。


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【 私の感想 】


訴えることができない子どもの支援が後回しにされるなんて。日本の予算の付け方っておかしくないだろうか?


だから施設で育った子ども達は、日テレの『明日ママがいない』騒動に喜んでいるそうだ。ドラマの内容はともかく、論争になれば注目してもらえるからだ。それはNICUを退院していく未熟児や重い病気や障害を抱えた子ども達への支援にも当てはまる。


こうした現状を知れば、疑問がわきおこるのだ。


どうしてHPVワクチンを『子宮頸がん予防ワクチン』としてまで、優先するのだろうか?仮にワクチンを打って病気にならなかったとしても、将来にわたり劣悪な労働環境におかたら?一人5万円だ。もしも子ども達に選ぶ権利はあったら、何を優先して欲しいのだろうか。


職員の労働環境改善に使われたらADHDと診断される子どもが減るかもしれない‥‥。離婚して引き離されたもう一人の親御さんは、こうした子どもの劣悪な環境をご存知なのだろうか?


息子は、『明日、ママがいない』のポスターを電車の中で見て、ショックを受けていた。怖くなったようだ。「もし離婚したらお父さんについて行く」といつも言っていたのに「いなくならないで」と私に抱きついてきた。


子どもなんて、ポスターだけで怖がるのだ。『愛着障害』って何なんだろう。


40代向けの既婚キャリア女性向けの雑誌は堂々と「離婚」をすすめていた。編集長は自慢げに、「これが男女共同参画社会です」というようなことをおっしゃっている。


そうなんだろうか。女性が自分らしく生きられればいいのだろうか。子どもの気持ちは?私の知り合いには、子どもに全くあえなくなり、苦しんでいる父親だって多いけれど。そういった父親の気持ちは考えないの?


私も、幼稚園に通う頃「離婚」がテーマの昼のドラマを見て夢でうなされたことを思い出す。


息子はお母さんがシングルマザーの同級生の話をいつもする。母である私より、父である夫が好きだから息子には信じられない生活なのだ。


止むに止まれぬ事情があったとしても、離婚や不倫を堂々とすすめる女性誌の価値観にはちょっとついていけない。子どもにとったら、母だけが親ではないのだから。「離婚してよかった」という女性側の経験ばかり伝えても仕方がないでしょう、と思うのだ。


子育てのカウンセリングというといつも「母親」のケアになる。しかし育児は夫婦で行うものだ。家族関係の再構築にも、もっと目を向けたほうがいいんじゃないだろうか。


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里親 理解広めて 養護必要な子どもたち3万人超 2014年5月26日 朝刊 東京新聞


虐待などで親元で育てられない子をより家庭的な環境に置くため、国は里親による養護を広げる方針を示している。しかし、養護が必要な子のうち里親などに委ねられる割合は依然14・8%(二〇一二年度末)と低い。東京都や神奈川県は12・1%と平均を下回るなど自治体間でも差があり、専門家は、行政に積極的な取り組みを促している。 (奥野斐)


 厚生労働省の資料によると、国内で社会的な養護を受ける子のうち、主な預け先である乳児院、児童養護施設、里親に委ねられるのは一二年度末現在で約三万六千人。うち八割を超す三万人以上が乳児院や児童養護施設にいる。国は本年度中に里親の割合を16%に、十数年後には三分の一にする目標を掲げる。


 対象が三千六百六十六人と都道府県で最多の東京都では、里親委託が四百四十三人に対し、児


童養護施設や乳児院に入る子は七倍強の三千二百二十三人に上る。これに対し、里親の登録家庭数は四百五十前後にとどまり、委託率向上には遠い。


 都育成支援課の栗原博課長は「里親に託すことを実親が了承しないケースもある。虐待児や発達障害児など、専門的な支援を要する子も増えている」と話す。厚労省の調査では、全国の児童養護施設の子の半数以上が保護される前に虐待を受けており、障害児の割合も二十年で二・五倍に増えた。


 里親委託が進まない理由について、元大阪市中央児童相談所長で、里親でもある花園大の津崎哲郎特任教授(児童福祉論)は日本は戦後、長く施設での養護が進められてきた背景があり、個別ケアの視点がなかった」と説明。都市化で自分の子さえも育てにくくなっている社会的な要因もあるという。「行政は、児童養護施設と周辺住民の交流機会を増やすなどして、養護を必要とする子への理解を広める仕組みづくりをすべきだ」と話す。
 

<里親等委託率> 社会的養護を受ける子どものうち、里親や養育者の家庭で5~6人が一緒に暮らすファミリーホームへの委託の割合。国により事情が異なるが、欧米では50%以上の国が多く、日本は2割に届かない。


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