2014/07/16

斎藤貴男さんは不信を煽る悪いジャーナリストなの? 真実が知りたい!

先月、集英社インターナショナルではじまった「子宮頸がんワクチン問題を追う」という連載が話題だ。取材しているのは、斎藤貴男さんというジャーナリストだ。


集英社インターナショナル 「子宮頸がんワクチン問題を追う」 斎藤貴男

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私は斉藤さんの名前を見た時、「読んでみたい!」と思った。なぜなら斉藤さんは、日本のワクチン行政を20年遅らせたと批判されている、MMR訴訟当時活躍したジャーナリストとして真っ先に名前があがる方だからだ。私のように、ワクチンへの不信を煽った戦犯の一人のように思っている人も多いのではないだろうか。


昨年放送された、NHKのクローズアップ現代「風疹大流行 遅れる感染症対策」では勝訴して、万歳をする原告団の映像が流れた。


NHKのクローズアップ現代「風疹大流行 遅れる感染症対策 

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※  ※  ※



実はこのとき、ワクチン行政の大きな転換がありました。予防接種を受けたあと、死亡したり後遺症が残ったりするケースが相次ぎ、1980年代から90年代にかけて、国は裁判で次々と敗れました。

「ばんざーい!」

それまで予防接種は受ける義務がありましたが、国は法律を改正し、受けるよう努めると個人の判断に委ねることにしました。

その結果、接種率が大幅に低下したのです。

厚生労働省 結核感染症課 正林督章課長

「世論もかなりワクチンに対して、残念ながら、ネガティブなイメージを持たれました。副反応あるいは健康被害に対して、国民の注目が集まれば、われわれ行政府としては、それを全く無視して、何も考えずにワクチンを前に進めることはできない。」



※  ※  ※



MMR訴訟についてよくある批判は、「占部株について議論しないままMMRワクチンが中止されてしまった」「厚労省の責任を追求しすぎ」などだ。だから、連載がはじまった時、そんなに不信を煽るような記事を書く人なのだろうか?と思ったのだ。


早速、斉藤さんの「子宮頸がんワクチン問題を追う」を読んだ。


思っていたようなジャーナリストではないようだ。ちなみに当時の記録をあたってみると「社会問題化する前からコツコツ調べていたジャーナリスト」のようだ‥‥?ますます混乱する。


月刊「論座96年7月号」 MMRワクチンを問い直す - 「お上の予防接種は安全なのか?- 」 栗原敦  MMR被害児を救援する会々員


後に社会問題化するMMRだが、その渦中に唯一人厚生省批判をまとめたジャーナリスト斉藤貴男は、導入時に使用されたMMR(統一株MMRという-後述)について、どのメーカーのM、M、Rを採用し混合するかの判断をする上で要となった予研の杉浦昭(故人)は、MMR導入には消極的であったと記している。


(9)私自身、去る3月から4月にかけて予研関係者に尋ねたところ、89年4月導入は早すぎた、実験が足りなかった。おたふくかぜ自然感染後に一定の率で発生する無菌性髄膜炎はワクチン(軽く感染させる)接種後に起こり得ることだった。杉浦部長はその不安を抱いていたなどと答えた。一部市民レベルでも導入見合わせを求める動きがあった。アメリカのMMR副反応情報(10)を入手していた静岡予防接種を考える会(鈴木美子代表)がその先駆けであった。



今回の連載には、推進する古川俊治議員のインタビューと、ワクチンとの因果関係を疑い被害を研究する西岡久寿樹先生のインタビューもある。西岡先生の指摘はその通りだと思う。


今までのワクチンのキャンペーンを考えれば、バランスが取れているんじゃないだろうか。むしろ私は「クローズアップ現代」が、薬のキャンペーンや救済までの道のりが険しいことなどについて言及しないほうがバランスを欠いているんじゃないかと思ってしまった。


知り合いに裁判で認定された副反応被害者がいるし、被害者の手記を読んだことがあるけれど、一言ではいえない苦労がそこにはあるからだ。


「報道と裁判」が悪いというけれど、裁判をしないと救済されないのだ。報道してもらわないと、厚労省が動いてくれないのだ。それ以前にそもそも、副反応が認めてもらえないことにほとんど触れていない点は、どう考えればいいのだろう?


本当に大変で困難なことを放置したままで、「ワクチンをうちましょう」と伝えても、不信はなくならと思うのだ。


この前「サクラさんは今でもワクチンを子どもに打たせているの?」ときかれた。何ていったらいいかわからず沈黙してしまった。


夫は免疫の研究者だから感染症対策にはやっぱり接種率をあげるべきだと言っていた。私には、ワクチンを信じる気持ちは今でもある。


そういう気持ちはあっても、「ワクチンをうちましょう」という啓発活動に私はもう参加しないだろうな、と思うのだ。


今私を駆り立てているのは、私をこういう気持ちにさせたものの正体を知りたい、という思い。一体科学への不信はどこから生まれてくるのだろう。真実が知りたい。


私は推進する考えの人と、反対する考えの人と、双方がきちんと議論し折り合いをつけながらすすめていくのが理想だ。尊敬する元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんの言葉を引用する。


世界に発信する日本人のための英語を

「上からの保護というのは“統治”の考え方。下からの能力の強化というのは“自治”の考え方。“統治”と“自治”が一体化して、はじめてグッド・ガバナンスになる」

元国連難民高等弁務官、元国際協力機構(JICA)理事長の緒方貞子さんの言葉の第二弾。これもリアリストの緒方さんらしい言葉です。「どちらか」ではなく「どちらも」というこの思考方法は、Why not both?を基本とするオバマの思考に近いものも感じます。



マスコミ戦略で「安心・安全」を強調し接種率を高めても、ワクチンというものをきちんと理解しているわけではないだろう。マスコミ戦略でつくった世論とはオセロゲームみたいなもの。一度深刻な被害が出れば、激しい揺れ戻しが起きるのは当たり前だと思うのだ。


「裁判が悪い」「報道が悪い」といっても細かく事例、一つ一つをみていかないと一概にはいえない。だから、そうした先入観もまたキャンペーンの一環、プロパガンダのように思えてしまうのだ。


今回の斉藤さんの連載はいろいろな意味で私には考えさせられる。


例えば、斉藤さんがインタビューをしていた古川議員。古川議員は、TRFメンバーで安室奈美恵の元夫のダンサーSAM(サム)さんのいとこにあたる方だ。


安室さんの結婚発表があった時、私はテレビをみて驚いてしまった。私は義理の父と紹介された丸山先生の病院で生まれたからだ。しかも私は一歳になった頃、麻疹に感染し生死の境を彷徨ったそうだ。その時、母が助けを求めたのも丸山病院だったのだ。


「もしもワクチンをうっていたら、危ない状態にならなかったのにな」と夫が言っていた。



だから古川議員が「ワクチン行政」に対して持っておられるお気持ちが、全く理解できないわけではない。


その一方で、斉藤さんが取材した脇雅史議員の言葉にもドキっとしてしまった。厚労省の官僚を「おまえらはチッソなのか」と批判したからだ。


※  ※  ※



実際に重篤な副反応が出ている人がかなりおられる。ワクチン由来かどうかはまだ明らかではないけれど、接種した人に症状が現れていることは確かなんです。それを、因果関係がわからないからいいんだ、気のせいだなんていう言い方はないだろうと、私、一度、厚生労働省を叱ったんですよ。


水俣病のときに、チッソはあの廃液を、原因はわからないんだからと言って、垂れ流し続けました。厚労省というのは、そういうのを監督するのが仕事なのに、あまりに無責任ではないか、お前らはチッソかと言ったんですけどね



※  ※  ※



チッソの功罪 『水俣病』と『クロスカップリング反応の応用』そして子宮頸がんワクチン副反応問題


斉藤さんの「子宮頸がんワクチン問題を追う」はこれからどんな展開になるんだろう。とても楽しみだ。


私は薬害被害でもあるから、斉藤さんにはがんばって欲しいな。


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子宮頸がんワクチン 広がる波紋  7月15日 15時35分  NHK


「子宮頸がんワクチン」。


このワクチンの名前を耳にしたことがある方も多いと思います。


子宮頸がんを予防できる「夢のワクチン」と期待され、去年4月、法律に基づく「定期接種」に追加されましたが、この1年ほとんど接種を受ける人がいない異例の状態が続いています。


子宮頸がんワクチンを巡って何が起きているのか、社会部の久米兵衛記者が解説します。


定期接種から2か月での接種勧奨中止


年間でおよそ3000人が死亡する子宮頸がん。「ヒトパピローマウイルス」と呼ばれるウイルスに性行為などを通じて感染し、長期間、感染した状態が続くと子宮頸がんになると言われています。


ワクチンを接種すれば全体の5割から7割程度の種類のウイルスへの感染を防ぎ、がんになるリスクを減らせるとして、厚生労働省は去年4月、小学6年生から高校1年生までの女子を対象に法律に基づく定期接種に追加しました。


ところが、接種を受けた人が相次いで体の痛みを訴え、厚生労働省は「ワクチン接種との因果関係が否定できない」として、僅か2か月後の去年6月、接種を積極的に呼びかけるのを中止しました。


厚生労働省の対応を受けて、全国の自治体もワクチン接種を案内するチラシの送付を取りやめるなど呼びかけを控えるようになり、接種を受ける人は全国でもほとんどいなくなりました。


症状の原因は?


呼びかけを中止して1年。


厚生労働省は、研究班を設けて症状とワクチン接種との因果関係を調べてきました。これまでにワクチンを接種した人は推定で338万人。


このうち重い症状を訴えたのは176人で、5万回接種すると1回の割合で症状が出る計算です。


こうした症状について、国の専門家会議はことし1月、ワクチンは筋肉に注射するため強い痛みを伴うとしたうえで「ワクチンそのものが原因ではなく、接種の際の不安やストレスなど心理的な要因によって引き起こされる“心身の反応”だ」という見解を示しました。


実際、研究班がこの見解に基づいてカウンセリングなどの治療を行った70人の患者のうち7割近い人で症状の改善が見られたとしています。


その一方で、症状が改善していない患者もいます。


神奈川県に住む中学3年生の吉川佳里さんは、おととし子宮頸がんワクチンを接種したあと、全身に強い痛みの症状が現れ自由に歩くことが難しくなりました。


11の医療機関を転々とし、ワクチンの影響が疑われると診断されました。今はほとんど学校に通えなくなっています。


吉川さんは「出席日数も足りず、勉強もできていないから、高校に行くのは難しいのではないか」と将来への不安を語っています。


“心身の反応”に疑問の声も


“心身の反応”だけでは説明しきれないと指摘する専門家もいます。


厚生労働省の研究班のメンバーで信州大学病院の池田修一医師は、これまでワクチン接種後の痛みなどを訴える50人の患者を診察してきました。



神経が密集する指先を電子顕微鏡で詳しく調べると、痛みを感じる神経の一部が黒く変色して損傷していたということです。そこで、神経の回復を促す薬などを投与したところ、75%の患者で症状が改善したと言います。


池田医師は「心身の反応ではなく、神経の障害が痛みを引き起こしているのではないか」と指摘しています。また、長年難病を研究してきた東京医科大学医学総合研究所の西岡久寿樹所長も、心身の反応で説明するのは無理があるのではないかと考えています。


これまでに診察した25人の患者の症状を分析した結果、体の痛みだけでなく、疲労感や、記憶力や読解力の低下など、20種類にも及ぶ症状が確認できたということです。


西岡所長は「これまでの概念では捉えきれない非常に多様な症状が見つかっている。さまざまな症状をワクチンに関連したものと捉えて、原因を解明していく必要がある」と指摘しています。


こうした指摘に対し、厚生労働省の担当者は「体の痛み以外にもさまざまな症状を訴える患者がいるのは把握しているが、今まで集めたデータからはワクチン接種との因果関係を示す証拠は見つかっていない。 今後、新たなデータが集まれば、改めて検証したい」と話しています。


戸惑う保護者たち


接種の呼びかけを中止してから1年。


厚生労働省は「ワクチンの意義とリスクを十分に理解したうえで、保護者は子どもに接種させるかどうか判断してほしい」としています。


しかし保護者の間では、国や専門家の見解が定まっていないなかで判断を委ねられることに戸惑いが広がっています。


神奈川県藤沢市の3人姉妹の母親はがんを予防できるならと、まず長女と次女に接種させ、高校生の三女にも接種を受けさせる予定でした。


三女はすでに必要な3回の接種のうち2回まで終えていましたが、今回の問題を受けて、最後の接種を1年以上見送っています。


母親は「効果があるなら接種を受けさせたいが、娘に万一のことがあったらと思うと心配だ。打ったほうがいいのか打たないほうがいいのか、早く結論を出してほしい」と話していました。


急がれる検証と治療法の確立


この1年でワクチンを巡る症状について研究は進んでいますが、接種との因果関係が解明されていないこともあって、接種の呼びかけを再開すべきかどうか、結論は簡単には出そうにありません。
厚生労働省には2つの課題について対応を急いでほしいと思います。


まずは、ワクチンを接種したあと重い症状に苦しむ子どもたちが一刻も早く元の生活を取り戻せるよう、治療法を確立すること。


そして、保護者や子どもたちが不安を感じないよう、痛みも含めたさまざまな症状とワクチン接種との因果関係を徹底的に検証していく必要があると思います。


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コメント

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小学生以下の常識しか無い変な人では?

このここまでヤバい、今の日本! 斎藤貴男(ジャーナリスト)×キー(反戦落書き裁判被告)
ttp://d.hatena.ne.jp/araiken/20101123/1290514709


市民の「安心安全」フェスティバル
ttp://irregularrhythmasylum.blogspot.jp/2009/01/blog-post_5871.html

>当時、区民であった男性が区立西荻わかば公園の公衆トイレ外壁に「反戦」「スペクタクル社会」と落書きしたところ、
>住民の通報を受けた警察官によって現行犯逮捕、後、男性は建造物損壊罪に問われ、2005年、最高裁判所で
>「懲役1年2ヶ月、執行猶予3年」という落書き事件としては画期的な有罪判決が下された。
>またこの事件では、公園の管理者にあたる杉並区が全面的に警察に協力、事件通報者が幼い小学生であったことなど、
>警察-行政-市民が連携しての事件摘発、一つの防犯モデルケースとして社会から注目を集めた。

Re: 小学生以下の常識しか無い変な人では?

コメントをありがとうございます。

リンクしていただいた記事も読ませていただいました。
何てお返事しようか考えていたのですが、、、

斎藤さんに最後にお目にかかった時に、
私も、思わず、こんなことを口にしてしまったことを思い出しました。
「日本の救済システムは欠落しているというか、
どこかおかしいですね。
被害者のために支援してくれたり、
活動する弁護士さんは、やっぱり、
特定の思想を持っている方が多いみたいです」

ある政治家の方が、私に嘆いていらしたんです。
「どうして、国を訴えないといけないのかわからない」

自己紹介を読んでいただくとわかるように、
昔の私だったら、お目にかからなかったかもしれません。

でも、私も超低出生体重児の親になり、
精神医療の被害者という立場になりました。
自分の力だけでは、どうしようもできない、
弱い立場になってはじめてみえてきたこともあります。

だから取材に応じてみようと思ったんです。
斎藤さんに直接お目にかかって、話しあうと、
良い方だったので、何て答えていいか考えてしまいました。