2014/08/14

神様が見ているとしか思えない

このブログには大きくわけて、三つのことを書いている。


一つ目は、高度医療によって救命された元患者として、伝えたいこと。二つ目は、高度医療によって救命された超低出生体重児の母として伝えたいこと。そして三つ目は、様々な報道をみてきて、いつの間にか罪悪感を抱えて生きてきたことを綴っている。自己紹介にあるように『アルジェリア人質事件』や『水俣病』など、世間を騒がせた事件や事故を、娘の立場で書いている。



遺伝子医療革命―ゲノム科学がわたしたちを変える遺伝子医療革命―ゲノム科学がわたしたちを変える
(2011/01/21)
フランシス・S・コリンズ

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『一株運動』について書いた時にはアクセスが集中した。


「公害病」の原点といわれる「水俣病」について、これまで様々な本が出版されてきた。そのほとんどはチッソや国の責任を問うものであり、批判的な内容だ。だから、私のように、娘の立場で書いた手記は珍しいんだろう、と夫が言っていた。


一株運動で社会的責任を問う 『社長は逃げなかった』

チッソの功罪 『水俣病』と『クロスカップリング反応の応用』そして子宮頸がんワクチン副反応問題


そう。科学技術と報道の問題は私がずっと追ってきたテーマだった。だから笹井氏の自殺と、ご遺族の悲しみを素通りできないのだろう。


不思議なことに笹井氏が亡くなったのは、東京大学医科学研究所から送られてきた「遺伝子医療革命―ゲノム科学がわたしたちを変える」について書いた8月5日だった。その日は、第三回神奈川県予防接種研究会がひらかれ、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会神奈川県支部代表の山田真美子さんをはじめ数名のご家族も参加した。


ブログにそのことを書いたのは、たまたま前日山田さんに教えていただいたからだ。本当は5日に予防接種研究会があるなんて知らなかった。


だから、「副作用の解明にも遺伝子検査を」と書いたのも偶然だったのだ。


薬の副作用の解明も『遺伝子革命』 被害者がもっと普通に社会参加できる世の中になって欲しい


この本が送られてきた東京大学医科学研究所は、がんペプチドワクチン研究の第一人者、中村祐輔先生がかつていらした研究所だ。
 

2012年11月18日に放送されたNHKスペシャル「がんワクチン~"夢の治療薬"への格闘~」をみていたら、知り合いの研究者の姿を見つけた。ほんの数十秒の短い時間だった。その先生がこの研究に関わっていたなんて驚いてしまった。


あの時、「日本発のがん治療薬・治療法の確立」はもしかしたら本当に成功するかもしれないと思った。その先生が、素晴らしい研究者だということをよく知っていたからだ。知る人ぞ知る研究者で職人技というような技術を持っておられるのだ。


残念ながらNHKスペシャル「がんワクチン~"夢の治療薬"への格闘~」ではちっとも伝わらなかったけれど、中村先生をはじめオンコセラピーは実力のある研究者に地道に声をかけ、研究を続けてこられたのだろうと思った。上手くいったらいいなと心から思った。


でも‥‥なんだかもう夢で終わってしまいそうだ。


今、中村先生はNHKをはじめ、笹井氏を追いつめた日本のマスメディアや研究者を怒っておられる。中村先生もかつて同じように批判されたからだ。


 STAP細胞の悲劇 『中村祐輔のシカゴ便り』

(続)STAP細胞の悲劇;愚かなメディアと研究者集団 『中村祐輔のシカゴ便り』


ある医師が私に言っていた。「中村先生はアメリカに行ったほうがいいよ。日本は何か新しいことをはじめようとしても、一流の人を集めるんじゃなくてすぐにお友達を集めてしまう。アメリカはそんなことをしないし、これは、という研究にはすぐに人とお金を集中させるだろうから」


その言葉が痛いほど胸につきささる。素晴らしい研究者がいて、技術もあるのに。どうしていつも世界に羽ばたく前に頓挫していくのだろうか。









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