2014/08/25

食物アレルギー 『エピペン』 迷った時にはうって

ブログをはじめた時には「誰が読むのかな」と思ったけれど、今一番嬉しいのは当事者の方からいただく声。


私は食物アレルギー死亡事故起きた時に思った。この問題はどうしてもっとはやく社会に認識されなかったんだろう?


重度の食物アレルギーに対応できる専門医は、手間がかかるわりに、お金にならないから、なり手がいなかったそうだ。町には病院がたくさんあって「アレルギーが専門です」という医師も多いけれど、専門医は少ないそうだ。だから、正しい知識が社会になかなか広まらなかったそうだ。


考えてみると超低出生体重児も似たようなものだ。社会の理解がないために、不登校になるなど、孤立してしまうお子さんが多いからだ。


日本では医療が高度化し、重い病気や障害を抱えた子どもが自宅で生活できるようになる一方で、支える社会の理解と支援が十分とはいえない。


そのために悲劇がおきている。


私が新婚生活を送ったカナダでは、障害や病気を抱えた方々が、いきいきと暮らしていた。カナダで生活して感じた。高度医療というものは、受け入れる社会の温かさがあってはじめて成り立るものじゃないかと。


日本と海外の小児医療をわかりやすく説明すると、こんな感じになるだろう。


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『小児がん 新たなリスク』 NHKクローズアップ現代

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晩期合併症に苦しみ自ら命を絶った上野政人さん
「僕は夢を追ったら必ず病気が襲ってくる」
お父さんの言葉
「産まれてきてよかったと思ったことが
なかったんじゃないのかな」


推計10万人といわれる小児がん経験者。厚生労働省が行った初の調査で、およそ半数が晩期合併症に苦しんでいる事が分かった。しかし、日本には、そうした患者を、医療的にフォローしていく態勢はない。


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『幼い命を守れ~小児在宅ケア・地域の挑戦~』 NHKクローズアップ現代


新生児医療が進歩すればするほどNICUのベッドは必要とされすぐに埋まってしまう状況が続いています。妊婦と赤ちゃんの命を守るには、NICUに常に空きを保つ必要があります。そのため症状が改善し、自宅での生活が可能になった赤ちゃんは、退院して家族とくらしていくことを目指すことになります。


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しかし、こうした子どもが自宅で医療を受けながら暮らしていく取り組みは地域にまだ十分あるとはいえません。


NICUを出る時に感じたアンケート調査によると、「家族が一緒に暮らせる」など良かったことをあげた回答より、「不安だらけで孤独でした。これで退院してよいのか」などの声が二倍以上にのぼっています。



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『続発するアレルギー事故 学校給食で何が?』 NHK クローズアップ現代


アレルギーによるショック症状だと判断して、エピペンを右の太ももに注射しました。異変に気付いてから15分ほどあとのことです。救急車が到着したのは1時40分。


その場で心肺停止が告げられました。


気分が悪いと訴えてからおよそ20分後。お代わりで食べたチヂミに入っていたチーズは、1グラムにも満たなかったと見られています。



女の子の両親からの手紙

“娘の死をきっかけに、食物アレルギー対策の重要性が再認識され、多くの人たちが改めて動き始めるのであれば、娘は「うん、それならいいや」と言うような気がしています。彼女の未来に向けた思いに応えてほしいと思います。”


事故を受けて、学校給食の関係者の間には動揺が広がっています。国からアレルギーに対応した給食を求められる一方で、安全を確保する適切な方法を見いだすのが難しいためです。



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小児がん 新たなリスク クローズアップ現代


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ロンドンに住む、アレクサンドラさん

「私は小児がんの晩期合併症がありますが、
上手く付き合っていけていると思います。
やりたいことができて、自分の人生を生きています。幸せです」



日本の小児がんの専門家が注目しているのが、イギリスです。10年以上前だから晩期合併症への対策が取られてきました。小児がん治療の拠点、バーミンガム小児病院です。


イギリス中部の小児がんの子ども達は、すべてこの病院で専門チームの治療を受けています。治療が終わるとすぐに定期的な検診を行う長期フォローアップがはじまります。医師は家族に、これまでの治療と、晩期合併症のリスクを詳しく説明します。


イギリスで長期フォローアップが可能なのは、がんの登録制度があるからです。子どもはもちろん、がん治療を行った患者1770万人ものデータが蓄積されています。データを分析することで、晩期合併症のリスクを予測し、それぞれの患者にあった長期的なケアが行われています。


晩期合併症の問題は子どもの問題から、大人の患者が増えるにつれ、社会の問題になってきます。小児がんの治療は彼らの未来の扉を開くものです。ですから彼らが社会に貢献しながら、自分らしく生きられるよう国が支えていくべきなのです



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「エピペンは迷ったらうつものじゃないの?」とブログに書いたら、食物アレルギーのお子さんのお母様から「その通りです」とメールをいただいた。


驚いたことに、お家ではエピペンを複数本用意してあるそうだ。


一般的にエピペンの効果は「15分」とされているそうだ。もしもアナフィラキシーがおきたら、その間に救急搬送し、アレルギーを抑える薬を病院で投与する必要があるのだそうだ。


アナフィラキシー補助治療剤 - アドレナリン自己注射薬エピペン エピペンとは ファイザー

エピペンは、アナフィラキシーがあらわれたときに使用し、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤(アドレナリン自己注射薬)です。あくまでも補助治療剤なので、アナフィラキシーを根本的に治療するものではありません。エピペン注射後は直ちに医師による診療を受ける必要があります。


校医の先生が「エピペンが万能じゃない」といったのは確かに正しいかもしれない。でも、万が一の時には限られた時間で、救急搬送しないといけないのだ。


専門医の「迷ったらうつ」と、校医の先生の「万能じゃない」という温度差は、結局は友人の小児科医のいう「どれくらい、実際にアナフィラキシーの患者に対応してきたか」にかかっているんだろう。


私の思い違いじゃない。友人は私に「なんだ、エピペンはインフルエンザワクチンと同じように、万能じゃないから、うたなくてもいいのか」といっていた。


どうして日本は、当事者が意見をなかなかいえないのだろう。


私がききたいのは重度の食物アレルギーのお子さんのお母さんのお話だ。その場におられたのだから、どのように専門医の先生に指導されているのか、私達は何をしたらいいのか、直接話してもらえばよかったのだ。


友人の小児科医が嘆いていた意味がようやく理解できた。


メールを下さったお母様はお子さんに「自分でエピペンをうてるようにしなさい」といつも言い聞かせておられるそうだ。なぜだかわかりますか?


周りの大人が違うといっても自分がそうだと思ったら打て。なぜなら、正しく理解している人は、まだほんの一握りだからです。


そうはいっても、どんなに気をつけていても自分でできることには限りがある。そのために私達大人がいるんだよ。


私はもう、嫌われるのは慣れてしまった。だから今年のアンケートが配られたらしっかり書こうと思う。先生が集まって相談しても迷ってしまったら間に合わないかもしれない。「迷ったらとにかくうつ」そう決めたんだから、シンプルにそれでいいと思います。そうして下さい。




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