2013/12/02

王瑞雲先生の思い出

大学生の時、父に教えられて漢方で有名なツムラの病院に行った。プラントエンジニアリング会社は石油コンビナートなどにあるプラントをつくっている。プラントには製薬のための製薬プラントとよばれるプラントもある。確かそういうつながりでツムラの病院を教えてくれたんだと思う。


「漢方を使うのははじめですか」と先生が尋ねるので「いいえ。幼い頃の主治医は王瑞雲先生といい、有名な漢方医でした」と言うと先生は「おおーあの王先生ですか。よく知っていますよ」と大変喜んでおられた。王瑞雲先生は町のお医者さんだけど、外交の架け橋というか日本の漢方医学の世界では有名なお医者さんらしい。そうなんだろうなぁ。アレルギー事故がおきてから王先生をよく思い出す。王先生が私に「子どものアレルギーは目の前の子どもだけじゃなく、家族までみないといけないのよ」と教えてくれたからだ。



王先生の親子カルテ王先生の親子カルテ
(1994/12)
王 瑞雲

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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
急激に増加しつつあるアトピー性皮膚炎や登校拒否等々、子供の“心と体”の変調を診づめ、その原因や対応を、親と子とじっくり対話しながら探り出す、おせっかい先生の診療ノート。―患者と医師とをつなぐ著者独自の「自家カルテ」はNHKTV等で紹介され、話題を呼んでいる。

内容(「MARC」データベースより)
急激に増加しつつあるアトピー性皮膚炎や登校拒否等々、子供の"心と体"の変調を診つめ、その原因や対応を、親と子とじっくりと対話しながら探り出す、おせっかい先生の診療ノート。



アマゾンの説明にあるように王先生の診察は対話重視だった。アトピーなどアレルギーの治療を行う場合、ほとんどの患者さんは長期戦になる。医師になんでもおまかせでなく学んで考えて欲しい、そのような思いから、患者にカルテ(ノート)を持たせるのだ。治療法を巡り、母親と祖父母で対立することがしばしば見受けられるそうだ。患者だけでなく、患者家族との信頼関係もなければ、アレルギーの治療はできないと考えておられたのだろう。


王先生は皆保険制度に疑問をもち、私が中学生の頃保険診療をおやめになった。「激安でフルコースが出てくると勘違いしている」と日本の患者を批判する医療従事者は今も昔も少なくない。王先生は当時からそこを突破しようと奮闘しておられた。患者を批判するのではなく「あなたも私もぬるま湯から出ましょうよ」と患者に自立を促しておられたんだろう。


保険診療でなくなってからも、王先生の病院は患者さんでいつも溢れていた。自分の診療に自信がなければできなかっただろう。私は「お医者様」とは王先生のような医師のことをいうのだと思っている。


ただ、今の私はどちらかというと「薬や化学物質と上手く付き合いましょう」という考え方だ。特に子供のアトピーはステロイドで症状を抑えてしまったほうが負担が少ないんじゃないかと思うんだけど・・・。私自身もアレルギーがあるが、食事などで改善できるかといえば一概にそうとはいえない。


「健康について語っていくと、いつの間にか宗教になっていく」と夫が言っていた。確かにそうなのだ。誰かに当てはまった方法がすべての人に効くとは限らないし、奇跡的な一例を強調するとまさに宗教そのもの。(例:ルルドの泉)だからといってエビデンス重視だと、今度は「受け付けない」という方が出てくるだろう。


「お手当て」という言葉がある。NICUでは「カンガルーケア」というケアを大切にしていた。そもそも人の心は数値化できないし、エビデンスで割り切れないものもあるんだろう。大切なのは、本人が覚悟を決めて選ぶことだと思う。だから普段親しい間でも「〜しないと●●になるよ」などと断定したり強要することを極力さけるようにしている。


学校では「多様な意見がある」という前提ですすめていかないといけないだろうな。


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