2014/10/02

雨降って地固まる

以前、「この人はテロリストなのかな、と思いながら商談する時もあるんだよ」と父が言っていたことを最近よく思い出す。


「インテリジェンス武器なき戦争」を読んで印象に残ったエピソードをブログに書いた。「現地で買ったから安いんです」という言葉につい安心し、利害関係者から高級スカーフを受け取ってしまう、というものだった。


もう一つ、「突き当たりまで行ったら引き返さないといけない」というエピソードが印象に残っている。一線を越えると、何らかの事件に巻き込まれる可能性がある、ということだ。


数ヶ月前だった。ある人が私に忠告した。「今、あなたはそこに行ってはいけない」。


夫の友人の商社勤務の男性は、東南アジアで、大がかりなプロジェクトをいくつも完成させてきた。「俺は一つの国の未来をつくっているんだ。一国の大統領とつりをしたりして、商談をまとめているんだぞ」というのが口ぐせだったそうだ。


その男性の葬儀の時、友人が弔辞でそんなエピソードを話していたのだ。彼はもう何年も前に亡くなってしまった。


「お前なんかとは、やっている仕事のスケールが違う」と友人に言っていても、現実は違ったようだ。


途上国とよばれるような国には、家族を連れていけない。不安と孤独から、北朝鮮製の粗悪なタバコに手を伸ばしていったそうだ。


今だったら、わかるわ。道徳の教科書にかいてあったことを守っていたら、途上国で商談なんて成立しないもの。


気づいた時には、手遅れだった。


忠告を受けた時「突き当たり」という言葉が浮かんだ。私は女性だから、助けてくれる人がいるのだろう。夫の友人のような男性が見えないところで体を張って、この国の経済を支えてきたのかもしれない。「社会貢献」て、一体何なんだろうと思う。


でも、最近状況が変わった。


「エビデンスを出すんだ」と言われた。


私がしないといけないんだろう。久しぶりに泣いた。


ある人に相談した。「以前、新聞に書いてあった。今は情報公開がすすんでいるし、ネットもある。97%ぐらいの情報には誰もが簡単にアクセスできるそう。残りの3%が、機密と呼ばれる情報。機密には簡単に近づけないけれど、97%にはアクセスできる。だから真理には近づけるんだ、というようなことだった。私はそれは正しいかもしれないと思っている。だた、だとしたら、今回はやっぱりおかしい。どうして私が、3%の機密にすんなりアクセスできたのかがわからない」。


するとその人は言った。「3%が、もしかしたら大きくなっているかもしれないよ」。


「雨降って地固まる」という言葉がある。


以前、私はある人と話し合ったことがあった。その時「これですっきりしたでしょう」という意味で「雨降って地固まるですね」と別のある人が私に言った。私が悩む姿を見ていたからだ。


あの時は頷くしかなかったけれど、心の中では「違う」と思っていた。私が知りたかったのは今、ブログに書いているようなことだからだ。


私にとって「雨降って地固まる」とは、不都合な真実に目を背けない先にある。和を乱さないよう、見ないようにするんじゃ、私が私でなくなる。


「少しでも生きる希望が持てるよう、一日も早く、何か支えをつくってあげたいんです」と目の前の人に言ったら頷いてくれた。


今度は、すべてが良い方向にいきますように。






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