2013/12/03

食物アレルギー 戸惑い広がる現場

死亡事故の影響がすでに出ていると報道されていたようだ。


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


NHK 生活情報ブログ 2013年09月04日 (水)より転載
食物アレルギー 戸惑い広がる現場


食物アレルギーをめぐって一部の現場では戸惑いが広がっています。


小中学校の給食を食べてショック症状を起こす事故は毎年300件前後。中には、重い症状に陥るケースも少なくありません。こうした場合の応急処置に使われるのが、「エピペン」と呼ばれる注射薬です。筒の中に薬と針が入っていて、太ももに打つことで、症状を一時的に緩和することができます。できるだけ早く打てるかどうかで生死がわかれるとも言われています。国は、ガイドラインで、本人が打てない場合は、教職員や保育士が打つことを求めています。ところが、エピペンの持ち込みや使用を拒む現場もあって、行き場を失う子どもまで出てきているのです。


千葉県船橋市に住む5歳の女の子です。小麦などに重いアレルギーがあり、この日は米粉でできたパスタを食べていました。女の子は、これまで何度も、ショック症状を起こし、危険な状況に陥ったことがあるため,万が一に備えて、症状を抑えるエピペンが手放せません。


母親は、弁当を持参するので娘を保育所に入所させたいと去年から市に相談してきましたが、事実上、断られてきました。保育の現場にエピペンを持ち込ませないことが市の方針だったからです。


母親は「何とか持ち込めないかって交渉したんですけど、保育所は病院ではないのでとか、それはお母さんがやることであってそれを人に頼むなんてと言われた」と話していました。


エピペンにどう対応すべきか、その問題を深刻にしたのが、去年12月、東京・調布市の小学校で起きた死亡事故です。アレルギーのある5年生の女子児童が給食でチーズ入りのチヂミを食べた後、ショック症状を起こして死亡しました。児童はエピペンを持っていて、教員は「打つのか」と児童にたずねましたが「打たないで」といわれて打つのをやめました。その後症状が悪化してもアレルギー症状と判断できず、すぐに打つことができませんでした。結局、校長がエピペンを打ったのは、症状を訴えてから14分後、対応の遅れが、死亡原因の1つとされています。


事故のあと、教育や保育の現場では波紋が広がっています。船橋市は今年3月ガイドラインを作り、エピペンを預からないことを改めて明文化しました。事実上、エピペンが必要な子どもを保育所で受け入れない方針を明確にしたのです。


船橋市の伊藤誠二保育課長は「お子さんによってアレルギーの状態も違うので、発症の仕方も違うということがある。また研修もまだきちんと実施していなかったのでその時点では預からないと判断しました」と話していました。


調布市の事故の後、アレルギーのある子どもの親の相談にあたっているNPOには、エピペンに対応してもらえないという訴えが次々と寄せられています。神奈川県の保護者は、保育所から「保育士はエピペンの注射はしない」ので、持ってこないよう言われました。また埼玉県の保護者は、「緊急時にエピペンを学校側が打たなくても責任を問わない」という同意書の提出を求められました。


NPO法人アレルギーを考える母の会の園部まり子代表理事は「何かあったらお母さんが、すぐにエピペンをもって、飛んできてくださいという風に言われて、お母さんが普通の生活ができない状態になっていることも聞きますし、氷山の一角だと思っています」と話しています。


一方、NPOには、学校関係者からも「いつ、どういう時に打つのか判断するのは難しい」、「現場に対応を丸投げしないで欲しい」など現場でのとまどいを訴える声も50件以上寄せられています。


現役の教師は「万が一発症したときに的確に連携がとれて判断ができるかというところのプレッシャーと、エピペンが必要になったときに本当に必要なところで使えるのかというようなプレッシャーはあります。そのことで事故につながったらという不安をとても強く感じている職員が多いです」と話していました。


専門家は、現場だけに負担がかからない仕組みを作ることが大事だと指摘しています。食物アレルギーに詳しい都立小児総合医療センターの赤澤晃医師は「1人の先生に責任がかからないようにする、組織として学校、あるいは食物アレルギー対応委員会をちゃんと作って、そこできちんとコンセンサスを得る、学校できちんと責任取りますよ、行政が責任取りますよと言ってあげないと、現場の先生は動けない」と話しています。


娘が保育所に入所できずにいる船橋市の母親は5月、エピペンを適切に取り扱ってほしいと船橋市に直接要望しました。その後、船橋市はエピペンを受け入れないとする方針を撤回しました。そして7月、ようやく、現場の保育士を対象にした研修会を初めて開催しました。専門家を招きどういうときにエピペンを使用するのか、どのように打つのか、学びました。しかし1回研修を受けても不安はぬぐえないという声も少なくありませんでした。


参加した保育士は「本当に今が打つタイミングかなと迷うと思います」「実際に自分が打つということになったら、その行為自体もお子さんの命を預かっているということではすごく不安です」と話していました。女の子の自宅には、船橋市から1通の手紙が届きました。そこには「体制が整ったら受け入れます」と書かれていましたが、時期など具体的な内容までは示されていませんでした。


母親は「研修をやってくれたっていうのは感謝しています。環境が整いしだい受け入れます、それはいつなんだと思う内容なので、今は受け入れないということなので、本当に一刻も早くお友だちと遊ばせてあげたい。母として、何とか本当に遊ばせてあげたい」と話しています。


多くの学校では2学期を迎えましたが、現場が萎縮しているようでは、事故が繰り返されることも懸念されます。事故を教訓にしようと研修に積極的に参加するなど、一生懸命とりくんでいる地域や学校ももちろんあります。しかし「責任を問われるのは怖いから避けたほうがいい」と逆に作用してしまっている事態は子どもたちにとっては本当に深刻だと感じました。そうした状況を改善するためには専門医による質の高い研修を繰り返し行うことや、症状を見極めるための具体的なマニュアルを作ること、さらに、現場だけに責任を負わせないような仕組みも必要です。これについて、文部科学省では現在専門家による会議を開いて議論を続けています。こどもたちの命を守るため、国や自治体には、早急な態勢作りが求められています。  


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

気になったことを書いておこうと思う。


■この前学校に行ったらホットラインの番号が教室の目立つ位置に張ってあった。肝心な時に確実につながるのだろうか。1人の先生に責任がかからないようにするには、同じフロアの先生、特に隣の教室の先生と連携するようにしたらいいんじゃないだろうか。


■医療者でない人が針を刺すのは心理的ハードルが高い。何度も繰り返さないといけないだろう。しかし第三次救急の勤務医は忙しい。「何度も」というのは難しいのではないか・・・。


■急変した時にはどうなるのかが説明だけではよくわからない。例えば「チアノーゼ」「呼吸が荒くなる」などと説明するなら、映像で見せたらどうだろう。訓練のために動画をつくってもらうことはできないのかな。オンライン教育は盛んだし、iTunes Uが使えれば繰り返し再生できる。学校栄養士さんの講義があっていいかもしれない。



■一番の問題は先生が忙しいということ。これは学校管理栄養士さんにもいえることだと思うし、第三次救急の勤務医もそう。文科省は労働環境改善にも目を向けてくれるのかな?


まとめ

学校の先生方や栄養士さんが怖がるのは「もし自分だったら」と思うからだろう。誰だって恐くなる。もうちょっと皆で「守ろう」という雰囲気がないと無理かもしれない。マスメディアはどうしても子どもの側につく。しかし「子どもがかわいそうじゃない」という感情論ですすめてしまうこともまた再発防止にはつながらないと思う。


患者会代表の方がおっしゃることはわかるけれど、学校は医療機関ではないし先生は医療者ではない。財政事情は様々だ。食材が高騰したり、子供の転校があったりとリスクは常に変動する。エビデンスを遵守するとなると「できない」という市町村がでてきても仕方がないと思う。


私は超低出生体重児の親には諦めないこともあると考えてきた。病気といってもアレルギーだけはないだろうし、あまり徹底すると「なぜ食物アレルギーばかり」という反発が出てくるかもしれない。お願いするからには、責任を分かち合うことも必要じゃないだろうか。




追記

11月25日に出た報告書
食物アレルギー事故再発防止に向けた取組方針

私が「こうなったらいいなあ」ということは盛り込まれているが、どこまで実現できるかなぁ。はじめから完璧を目指すと後で苦しくならないかちょっと心配。当事者以外の保護者がどれだけ真剣に考えるか、ということではないか。

コメント

非公開コメント