2014/11/13

なぜ「がん難民」は生み出されるのか 池上彰さんにお願いしたいこと

「ひつじ」さんにコメントをいただきずっと考えている。「治療をしなければもっと長く生きられたかもしれないおっしゃる方もおられた」とあったからだ。


ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実
(2005/11)
マーシャ・エンジェル、栗原 千絵子 他

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商品の説明 より一部引用


「製薬業界の技術革新力が特に優れているわけではない。重要な薬の多くは、公的研究やバイオテク企業から生まれている」「製薬企業は薬が良く効くように見せかけるため、臨床試験に細工を施している」「薬の開発に多額の資金が必要だというのは嘘で、ほとんどはマーケティングにかかる費用である」などその内容は刺激的である。

ただし、著者が“悪”と断じている行為は、業界にとってはどれも当然のものばかりだ。実際、製薬企業向けのセミナーでは、法の網をかいくぐって特許期間を半年でもいいから延長する方法や、ゾロ新薬をピカ新に見せかけるマーケティング手法が人気を呼んでいる。それだけに、製薬業界がこの本にどう反論するかが興味深い。


(日経バイオビジネス 2006/01/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画



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『どーもの休日』には「抗がん剤」が効かなくなる様子が克明に記録されている。ステージIVだったら確かにその選択もあったかもしれない・・・。


そして、患者さんが次に考える「分子標的薬」についても触れている。「がんワクチンはどうでしょうか?」と尋ねたら「効かない」と医師に言われたことも。


夫は免疫に関係する研究をしているから、よく言っている。新しい「分子標的薬」は次ぎ次ぎ出てくるらしい。「がんワクチン」には可能性がある。しかし成果が出るのは「これから」だそうだ。


そして「末期がんの患者さんは、『もう治療法がありません』と医師に言われ絶望していく。だからインチキ免疫療法でも、受け入れる医師や医療機関があってもいいじゃないか。高額なお金をとることは許せないけれど」とも言う。


でも、新薬が出るということは良いことばかりではない。


薬の開発には莫大な資金が投入される。新しい薬剤が出れば当然薬価は高くなる。少子高齢化で子ども世代は親世代をもう支えきれないだろう。


それに、ビックファーマと呼ばれる外資系製薬企業は、損害賠償の費用まで織り込み済みで薬を売る、といわれている。そうするとお年寄りや情報弱者とよばれるような方に被害が拡大していくかもしれない。私がコツコツ追求してきた精神医療の薬のプロモーションは本当に悪質だった。


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うつ病の怪 「悩める健康人」が薬漬けになった理由 『生活習慣病としてのうつ病』 井原裕氏インタビュー 2013年08月29日 WEDGE より一部引用


しかし、厚労省の気分障害の患者数を見ると99年を境に突然伸び始めています(99年の患者数は44.1万人、02年では71.1万人)。これと同じ傾向を示すのが、抗うつ薬の市場規模の推移です。グラクソ・スミスクライン社がサイト上で公開しています。患者数の増加と薬の市場規模の推移が正確に一致しています。うつ病キャンペーンによって「私もうつ病ではないのか」と思った人が病院に殺到した。その人たちに精神科医は処方箋を書いた。SSRIは飛ぶように売れた。すべては製薬会社の思惑通り。まあこういうことですね。


――しかし、本書でも書かれていますが、SSRIの効果はプラセボ(新薬などの効果があるかどうか確かめるために使う小麦粉などの偽薬)と変わらないと。



井原氏:SSRIは80年代の後半から欧米で使われ始め、90年代には一大ファッションとなりました。しかし、当時から「効くぞ!効くぞ!」との喧伝のわりに「そんなに効かない」という患者の声も聞こえてきていました。


 SSRIが日本で発売された頃、欧米ではその弊害が明るみになり始めていました。まずBBCが「Panorama」という番組で、ある製薬会社の情報操作疑惑を追及しています。SSRIは一般に成人を対象にして承認された薬剤ですが、未成年へは有効性が未確立な上、自殺のリスクもあるとされています。しかし、同社はこの情報を隠蔽したと、BBCは指摘しています。


 決定的だったのが、08年と10年に行われた研究です。まず、08年にイギリスのカーシュらがSSRIに関し、アメリカ食品医薬品局に眠っていたデータを未公開のものも含めて分析し直しました。さらに10年にはフォーニアらが大規模なメタ解析を行い有力紙に結果を発表しました。2論文は、ともに抗うつ薬のうつ病への効果は、最重症例を除けば、プラセボとの比較優位性はないと結論付けています。



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「騙される患者さんも悪い」「勉強していないから仕方がない」と済まされる問題なのだろうか。患者さんを守る活動も必要じゃないかと思う。


このブログをはじめるきっかけを与えてくれた腫瘍内科医の勝俣範之先生と、近藤誠先生が、今論争をしておられる。私は勝俣先生が好きだけれど、その一方で患者さんが近藤先生にひかれる理由がよくわかる。


腫瘍内科医 勝俣範之のブログ がん放置療法は人体実験

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https://twitter.com/Katsumata_Nori/status/517878450628341760

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これは友人の医師が2011年、私が登壇した薬害シンポジウムの原稿を読んで感想を書いてくれたもの。


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抗がん剤の世界もすごいですよ。製薬会社主催の新薬後援会に参加すると、高名な教授が “このすばらしい薬を使わないといけない”とあおりまくってます。彼らの講演料は30万くらいでしょうか。高額な上に副作用が多くて僕は使いません。でも多施設参加の新薬の臨床試験に入らないと仲間はずれになるので、地方大学の教授たちは押し黙って症例を差し出すという状況はなくなりそうもないです。


先日あった●がん予防薬の治験ミーティングは●ホテル(高級ホテル)での開催で、たった1時間の説明会のあと豪華な立食バーティーで、ご指導料3万円付きでした。数百名の参加者でしたが、参加名簿に記名した後領収書に黙々と記名する医師たちの姿が異様でした。


去年の抗がん剤の講演会に●県代表で出席してほしいと言われたとき、医局員の結婚式があるので無理だというと、何とか日帰りででも出てほしいと言い出して、挙げ句に結婚式を欠席すればいいと言う始末で閉口しました。結局断りましたが、会社の末端の社員は大変だと気の毒ではありました。


三島由紀夫の本はまともに読んでなかったですが、たまたま金閣寺を読む機会があり、(内容は別にして)その美しい文章に唸りました。そうすると彼が言う日本人の経済第一志向に対する警鐘はその通りになったと思ったものです。


http://kykshnhiro.blog68.fc2.com/blog-entry-20.html


明日は2年前●県から転勤した●製薬MRと食事に行くことにしました。working poorなので僕のおごりです



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でも友人が言っているように、地方大学の置かれた現状を考えると、一概に責めていいのかわからないし、製薬MRのすべてが悪いわけでもない。


私の友人には治験の仕事をしている医師もいる。その友人に「勝俣先生を知ってる?ブログやツイッターを読むと良い先生みたいね」と尋ねたら「僕は勝俣先生に呼ばれて、皆の前で話したことがあるよ。勝俣先生は良い先生だと思うよ」と教えてくれた。


その時、スマホに保存してある写真を見せてくれた。治験が成功してその記録のためにとったものだ。机の上に沢山のフェイルが並んでいた。写真をみた夫が私に「これがエビデンスだよ」と教えてくれた。


治験は結果が出るまで6,7年かかるそうだ。それだけ慎重に治験が行われやっと薬が認可されても、その後のプロモーションがなんでもあり・・・。それじゃあ国民の不信はなくならない。


今日、書いていることは、自分で読んでもまとまりがない内容だと思う。でも薬のことを考えはじめると、結局どうしたらいいのかよくわからなくなる。一体どこからどこまでが善で、どこからどこまでが悪なのかが、よくわからないからだ。


だから『どーもの休日』を見た時に思った。オビがあの池上彰さんだったから。


近藤さんは「(分子標的治療薬について)官民一体となって早く研究開発を進めてほしい分野だ」と望んでおられた。


池上さんは「難しく思われがちな社会の出来事を、なるべく分かりやすく噛み砕く」というスタンスを持っておられるそうだ。ぜひ、この「薬」をめぐるややこしい問題の数々、なぜ「がん難民」が生み出されるのかなどを、国民にわかりやすく伝えて欲しい。もちろん、製薬企業のロビーをできるだけ排除して!


私達には残された時間が、もうあまりないと思う。


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「国の借金」9月末時点で約1039兆円に News i TBSの動画ニュースサイト

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財務省は国債や借入金などの「国の借金」が、9月末の時点でおよそ1039兆円だったと発表しました。

 財務省の発表によりますと、国債と借入金に政府短期証券を合わせた9月末時点の「国の借金」は、1038兆9150億円でした。過去最大だった6月末と比べると、4981億円の減少となりますが、政府短期証券の残高が減ったことに伴う一時的なもので、国民1人あたりでみるとおよそ817万円の借金を抱えていることになります。

 財務省は、来年の3月末までに、借金が1143兆円に膨らむという見通しを示しています。



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『どーもの休日』に書かれていることは、まさにこれから、池上さん世代を直撃する問題です。日本の未来がどうなるかは、団塊の世代の方々がどのように考え、行動するかにかかっているのではないでしょうか。


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「がんを消す」分子標的治療薬 2014.10.30  【産経Health】


□米シカゴ大の中村祐輔教授ら開発


 ■研究開始から10年…来年中に臨床試験


 がん細胞の分裂を抑制し、がんを消す画期的な分子標的治療薬の開発成果を腫瘍遺伝医学の権威である米シカゴ大医学部の中村祐輔教授と創薬ベンチャー、オンコセラピー・サイエンス社(川崎市)が報告した。「1人でも多くの患者を救いたい」と研究の場を米国に移した中村教授の強い思いが込められた治療薬だ。来年にはヒトへの臨床試験を計画しており、世界的な研究者が主導する創薬のプロセスに注目が集まっている。
(大家俊夫)


                   ◇


 中村教授とオンコ社の松尾洋研究員らとの共同研究は22日(日本時間23日)付で、米国の権威ある科学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン」(電子版)に掲載された。


 今回の薬剤の標的は「TOPK」と呼ばれる分子だ。TOPKが肺がんや乳がんをはじめ多くのがんで発現が高まっている分子であり、がん細胞が分裂する際に非常に重要な役割を果たしていることに着目。TOPKは中村教授が専門とするゲノム(全遺伝情報)解析で絞り込み、その働きを抑える2種類の分子標的治療薬の開発に成功した。研究開始から10年の歳月を要したという。


 中村教授らはヒトの肺がんの細胞を植え付けたマウスへの試験を実施。同薬を1週間に2回で計5回、静脈内に投与した結果、マウスのがん細胞が縮小し、28日後に完全に消滅した。15日間続けて経口投与した実験でも同様の結果が得られた。


 ◆30万個から絞り込む


 従来の抗がん剤はがん細胞と正常な細胞を同時に攻撃するため、患者は重度の副作用に苦しめられる場合が多い。この苦しみからの解放を目指したのが今回の治療薬だ。


 分子標的治療薬をめぐっては日本の製薬産業は出遅れており、今回は日本人の研究者と日本企業がかかわる開発の成果といえるだろう。中村教授は「今回の薬は30万個の化合物からスタートし、可能性のあるものを探し続けて2種類の薬を作り出した。正常な細胞をほとんど攻撃しないため、重篤な副作用が出ないことが期待される。ゲノム解析によって病気の原因を探り、それを抑える分子標的治療薬が可能になってきた」と話す。


 薬として実用化されるかどうかの鍵は今後の臨床試験にかかっている。成果を踏まえて中村教授らは来年中に、トリプルネガティブと呼ばれる難治性の乳がんや血液のがん、白血病の患者を対象とした臨床試験を米国で計画している。


 中村教授は平成23年、内閣官房「医療イノベーション推進室」のトップに就任し、日本発の創薬を目指したが、政府の後押しはなく、1年足らずで辞任。東大教授の職も辞め、24年から創薬の研究環境が整っているシカゴ大に移籍した。オンコ社との共同研究では昨年、がん細胞の大本であるがん幹細胞の増殖を抑える別の分子標的薬10+ 件の臨床試験を米国で開始したほか、がんの一種、滑膜肉腫に対する世界初の臨床試験もフランスで進めている。


 「駆け出しの外科医時代に救えなかったがん患者さんがいる。一家の大黒柱を失った家族の悲しみにも立ち会った。その無念さを晴らすために創薬に挑んでいる」と中村教授は強調する。臨床試験の行方には世界から熱い視線が注がれている。


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コメント

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No title

わわっ!4冊もきちゃったんですか……結構、おっちょこちょいさんですね~。

Re: No title

2冊カゴに入れて、そのボタンを二回押しちゃったんだと思います。

そうなんです。私はおっちょこちょいなんです。

私はひつじさんをはじめ、お友達のコメントが好きでした。お友達がいつも心配しているから、近藤さんはきっと良い方なんだろうな、と思いながらブログを読んでいたのです。お友達だけでなく、同じ病気を闘う患者さんご本人やご家族のコメントもたくさんありましたね。皆さんどんな思いで近藤さんのブログを探し、書き込みをしておられるんだろうと、いつも思ってみていました。

ブログを読んでおられた皆さんが本を手にとると、例えばこのコメントを書いて下さった「ひつじ」さんがどのような方なのかがわかります。


ひつじさんが書いた「はじめに」も読ませていただきました。なんて書いていいかわからないほど、心にせまるものがありました。私もいつか友だちと別れる日がくるはずです。この世を去っていく友だちに、どんな言葉をかけ、何ができるかな、と思いを巡らせました。


素晴らしい本のご紹介をありがとうございました。私もまわりにすすめてみようと思います。




No title

サクラさん、もう今年も残りわずかですね。
ぼくは今年は、昔の会社にヘンな会長が居座って、個人的にも大きな病気を2つももらった厄年でしたが、サクラさんのような方に出会えて、ラッキーな年でもありました。あなたのブログを時々拝見して、本当に懐の深い方だなあ、と感じます。
ところであの4冊は無事、どこかへ貰われましたか?実は出版元にはもう無くなって、増刷されなければ”貴重本”になるかも…(笑)です。でも新年に、朝日新聞や赤旗に書評が載るそうで(今ごろ…)複雑な感じです。
今年は、いろいろありがとうございました。よいお年をお迎えください。

Re: No title

ひつじさん

いつもありがとうございます。

私もひつじさんのような方に出会うことができて、ブログを書いていてよかったと思える年でした。時々、ひつじさんとお友達、そして出版社の方を思い出しておりました。

もちろん3冊はもう手元にありません。1冊はいつも私の隣に置いてあります。

3冊のうち1冊は図書館に寄贈し2冊はお友達のお医者さんのところにいってしまいました。一人は大学病院でがんの患者さんの治療をしています。読み終わったら「病院に置いて」とお願いしてあります。

「書いておられるのは、末期のすい臓がんの患者さん、それも団塊の世代の方で、元ジャーナリストの方。いろいろと勉強になるから」と、まるで出版社の営業の方のようにすすめてしまいました。

近藤さんが「医師は忙しいから、一人一人の患者のことをいちいち、考えていないかもしれない」というようなことを書いていらしたので、気になっていたんです。私の友達の医師は皆、一人一人の患者さんのことを考え、悩んでいるからです。友達の前でしかそういう姿を見せないのかもしれませんね。

でも、家族でもないのに、「どーもの休日」について何度も書いたらいけないかな、と思って書いていませんでした。もう少ししたら、どうしてお医者さんに読んで欲しいと思ったのかブログに書こうかと考えていたんですよ。

ところで、ひつじさんはご病気をされたのでしょうか?「どーもの休日」を読んで一番最初に思ったのは、「親孝行をしないといけないな」でした。父の友人に私はよくしてもらったのですが、もう亡くなってしまった方もいます。後悔しても、亡くなった後では何もできません・・・。

こうやって文字だけのおつきあいですが、ひつじさんはどんな番組をつくっていたのかな、などよく思い出すんですよ。いつまでもお元気でいて下さいね。

ブログにいろいろ書いておりますが、私はNHKが好きなんです。小さい頃からドキュメンタリーが好きだったので、今でも「クローズアップ現代」など報道番組はよくみております。できたら「どーもの休日」のような団塊の世代のがんについて取り上げて欲しいな、と思っています。

しかし、今の会長さんは「・・・」なんでしょうか。ひつじさんのコメントを掲載してもいいのかな、と一瞬考えましたが、やっぱりNHKにはがんばって欲しい!!また『映像の20世紀』のような素晴らしい番組をつくって欲しい、と思い掲載させていただきます。

私もひつじさんに出会えて幸せです。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

No title

あけましておめでとうございます。
ぼくの去年の厄というのは、キツイ脊柱管狭窄症などに取りつかれたことでした。しかし漢方などで手術を寸前で回避できたので、ラッキーだったというべきかもしれません……。
作っていたのは「報道番組」というジャンルで、医療・環境・平和・ジェンダーのドキュメンタリーや討論番組など600本くらい。サラリーマンですから、自分の思い通りの仕事だけやってるわけにはいきませんが、近藤さんと組んだものでは、某化学会社の水銀埋立地秘密転売問題とか、某県の大がかりな体罰・スパルタ体制とかいろいろです。ここには詳しいことは書けませんが、『テレビジャーナリズムの現在』(現代書館)とか、『パブリック・アクセスを学ぶ人のために』(世界思想社)など少しに書かせてもらってます。
今NHKは、ヘンな会長が来てますが、それくらいですべてへこたれるようなやわなシステムではありません……。そのへんは複雑です。ときどき公のイベントでもお話することがあるので、機会があればお話しできるといいですね。
今年があなたとご家族にとってハッピーな年になりますように。

Re: No title

ひつじさん

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。どんなご病気なのかな、と気になってしまって。手術を回避できて何よりですね。

ご紹介していただいた本を読ませていただこうと思います。医療・環境・平和・ジェンダーなどの番組と書いてあったので、すごい偶然があるものだと思ってしまいました。それも近藤さんとの接点の一つが『水銀』・・・。水俣病とも深い関係のある私にとってなんとも言えません(笑)。そもそも、水俣病を知らなければ、『周産期医療の崩壊をくい止める会』の募金活動を広めようとは思わなかったでしょうから。

それに「どーもの休日」のテーマの一つは「(末期がんの)終末期のうつは避けられるか」ですね。「超低出生体重児の母親の心の落ち込みを、すべて精神疾患として捉えてしまったら、いつまでたっても社会的支援が充実しない!」と闘った私としては近藤さんがブログを綴った気持ちがわかるのです。


日本トラウマティック・ストレス学会に伝えたいこと 私が地上に出た日 育児支援と人権と
http://sakura4747.blog.fc2.com/blog-entry-87.html


すい臓がんの末期がんの患者さんの声がなかなか出なかった理由を考えています。

私は出そうとしてこなかった医療側にも問題があると思いますし(日本は特にその傾向が強いと思います)、スティーブジョブズのような例外的な体験例が大々的に報道されたため、「今は画期的治療法がある」と誤解を与えたような気もします。「スティーブジョブズ」は知るきっかけとしては間違ってはいませんが、「子宮頸ガンワクチンキャンペーン」の失敗と一緒です。

啓発できる力がある患者さんはある意味恵まれているのです。そして医療側からすると患者さんには「ありがとう」という言葉をやっぱりかけてほしい。それは人として当然の心理だと思います。

でも、だからといってここで立ち止まっていくと、なかなか改善していかないと思うのです。

超低出生体重児の場合でいうと「●gの子どもが退院しました!」と報道されることと同じだと思います。親御さん達が「(うちの)●ちゃんがこんなに大きくなりました。先生、ありがとうございます!!」で終わっていくことも問題だと思っています。なぜなら「がんばれない」「育てられない」親御さんが正直な気持ちを吐き出せませんし、その後の子ども達の苦悩にはなかなか光があたらないからです。

「うつになるのは避けられなくても、心の負担を軽くすることはできる」が私の考え方です。そのためには、まずはすい臓がんの末期の患者さんの声を出すこと。次に、知ってもらうことだと思います。でも、この「知ってもらうこと」も、誰でもいいというわけではないと思います。

もっとたくさん書きたいことがあるので、またブログに書いていきたいと思います。最後に、どうして私が近藤さんの本に注目したのか、という一番の理由です。

近藤さんやひつじさんは団塊の世代ですね。団塊の世代は、日本が「創薬」を目指すためにカギを握るといわれています。私が一年間書いてきた子宮頸がんワクチンの問題と、この「創薬」とは関係があるのではないでしょうか。日本は閉鎖的で競争にさらされていない。このままでは、時代に対応した再編成が進まない、「HPVワクチンをその起爆剤にしよう」ということです。

HPVワクチンの起爆剤にしよう 子宮けいがんワクチン問題を追う 集英社インターナショナル 斉藤貴男
http://shueisha-int.co.jp/vaccine/vaccine08.html

膵臓がんに新ワクチン 神奈川県立がんセンターが治験
http://www.sankei.com/region/news/140911/rgn1409110037-n1.html

近藤さんの本を読んだ時に思ったのは、団塊の世代の方々は「創薬」に関心を持っても、日本人としての「誇り」や「魂」を売らないんじゃないか、でした。そういう意味で、私は団塊の世代の方々に期待しております。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

コメントがあった記事

No title

サクラさん、長らくご無沙汰しています。実は『どーもの休日』の紹介を、2月14日に読売新聞の「五郎ワールド」というコラムに書いてもらった時に、ここにお知らせしようと思いながらタイミングを失しました。今日の朝日新聞のコラム「The New Yoek Times」のオリバー・サックスさんの原稿を見て、彼と「天国に…」を思い出し、再度投稿させていただきました。主旨はその2つの記事をみてください、ということです。が、あなたのさまざまなやりとりを見ていると、う~む、とひるんでしまいます(笑)。ぼくは14年働いてきた京都での仕事を、今月でやめ、地元・岐阜を中心に、大江風に言えば「後期(最後)の仕事」をしていくことになります。岐阜に“誰でも発信できる市民ラジオ局”を作るのが年来の夢で、今年はこれにハマッテいくつもりでいます。やっぱ、メディア人の血が流れているのでしょうか…。

Re: No title

ひつじさん

コメントありがとうございます!!

私もひつじさんにメールを送って、ご本を紹介していただいたお礼を、とずっと思っていました。でも、ブログを通じて声をかけていただいたので、ひつじさんとのやりとりも、皆さんにみていただくのがいいのかな、と考えていたところです。

ひつじさんのお名前で検索して、NHKをお辞めになった後、様々な活動をしていらしたことも知りました。

立派な方だな、と思いました。

ブログに綴ってきたように、私自身報道されたことで辛い経験をしたことがあります。それが私の我が儘でそう思っていたのかと悩んできましたが、「テレビジャーナリズムの現在―市民との共生は可能か」を読んだ時に、私が反発したことは決して間違いじゃなかったんだ、と思い涙しました。

「テレビジャーナリズムの現在〜」はメディアで働きたいと考えている方には、是非読んでいただきたい一冊です。

ところで、ひつじさんはNHKの方で、近藤さんもNHKが大好きだったようですね。

ブログのテーマの一つである、見えないビジネス「パブリックアフェアーズ戦略」においてNHKは重要です。公共放送であるNHKをどうやって巻き込むかが戦略になっているからです。

私がブログに書いてきたことは、近い将来形になると思います。これまでNHKに言いたいことがいろいろあったのですが、あの本を読んで考えが変わりました。被害者のために熱心に番組をつくろうとがんばっておられる方も大勢います。そういう方々の姿が頭をかすめたのです。

それで一応、NHK の方にも話を通していただきました。「あははは〜」とか最初は笑っておられましたが・・・。本に書かれていたように、後から後から報道しないといけないニュースが飛び込んできて、背景まで深く堀り下げ調べる時間がないのかもしれませんね。

ひつじさんは、IWJ Independent Web Journalに出演していらっしゃいましたね。それもNHK について。私は、ひつじさんにはメディア人の血が流れているんだと思います。岩上さんもいろいろあって今の道を選んだんだ、とある報道関係の方に教えていただきました。

匿名でブログを書いていくのも、表に出せない様々な出来事があります。だからジャーナリストという仕事はなくてはならないけれど、誰にでもできる仕事ではないと思いました。ひつじさんにはこれからもがんばって欲しいです。

早速これから紹介していただいた記事を読もうと思います。ありがとうございました。