2014/11/20

ぼく殺しちゃった―小学生殺人事件 『こころのケア』は誰のためにある

天国に届くといいなぁ 『神様からのプレゼント』 お金で買えない幸せに、アクセスが増えている。どんなに批判されても、私の心は変わらないな。


私が「こころのケア」に疑問を持ち、訴え続けたのは私自身、祖父の暴力をみて育ったからだ。


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古書, 1980/12 林 晴生 (著)



祖父が亡くなるまで、子どもの頃からずっーーーと思っていたんだよ。大人はどうして子どもが逃げ込めるような場所をつくってくれないんだろう。子どもに我慢しろじゃなく、大人に反省を促すようなことをしてくれないんだろうーーーー


親戚の叔母さん達は私の話をいつもきいてくれた。でも、「おじいちゃんが働かなくても、ちょっとおかしな人でも、お金に困っていないからいいじゃない」でお終い。最後に必ず言われたのが「パチンコとか競馬とか、ギャンブルをやらないだけましよ!」だった。


いつしか私は思うようになった。大人は本音と建前を上手く使い分けて生きている。綺麗ごとしか言わない。親切そうに話をきいてくれても、子どもが心から望むことをしてくれない。


おそらくそういう背景があるから、推理小説が好きになったのだろう。


小学生の時、図書室で好きだったのは「江戸川乱歩」のおどろおどろしい本だった。内心、「かわいい少女歌手の●子ちゃんが、悲惨な事件に巻き込まれるなんて、子どものためになるのかな?」「どうしてひき逃げ事件のアリバイ工作について詳しく書かれた本を小学校に置くのかな?」なーーーーんて思いながら読んでいたけれど。



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祖父は柔道が強く、おまわりさんに指導していたそうだ。私がいくらがんばっても力では絶対にかなわなかった。だからある時から空想するようになった。「計画的に殺人ができないのかな?」。


そんな時に図書館で見つけたのが「ぼく殺しちゃった」という本だった。小学生が人を殺すという、実際におきた事件について書かれたノンフィクションだ。当時まだあまり知られていなかった『少年法』についても触れていた。


でも、私は本を読んで殺人計画を実行しようと思わなかった。グッと腕を捕まれ「そっちに行っちゃダメ!」と引き戻された。


「やっぱり人を殺したらいけない。皆に悲しい思いをさせるな」


あの頃だって、子どもが殺人を犯す事件はあった。マスコミが大々的に報道するようになったから、社会問題化していった。でも、危機感を持った大人が何をしたかというと、事件を起こした子どもや親が、いかに「異常であるか」を探し出すこと。その結果「うちの子も・・・」と怯えた親や教師が何をしたかといえば、問題を起こしそうな子どもを精神科につなげた。こういう本も小学校に配布されるようになった。



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事件が起きたのは、むしろこうした「こころのケア」を熱心に行っていた地域だった。しかも、今回は加害者の父親まで自死させてしまった。相変わらず大人は本音と建て前で生きているんだな。「こころのケア」は別名「善意の陰謀」と言われているんだよ。


※    ※    ※



【同級生殺害】ヤリ手弁護士の父が自殺 加害少女は何思う 東スポWeb 2014年10月07日 より一部引用


だが、娘の事件が起きると、父親は弁護士稼業どころではなくなってしまった。父親は自らの代理人を立て、娘を診断していた精神科医とのやりとりや児童相談所への電話内容などを文書で公表。地元関係者は「箇条書きだったため言葉遣いが荒くみえたのでしょう。地元マスコミから『違和感がある』と代理人に対して疑問が出たそうです。それだけ父親は精神面で追い込まれていたわけです」と指摘する。結局、父親はこの事件で会見をすることはなかった。

 8月から加害者の少女は医療機関での鑑定留置に入った。かつて金属バットで父親を襲撃した少女だが、死の知らせに何を思うのか。



※    ※    ※



一線を越えるには、よほどの事情があるんだよ。少年法は加害者を守るというけれど、加害者になってからじゃ遅い。犯罪を未然に防がないとダメじゃない。私のように「殺したらいけない」と気づかせるのが、本当の「いのちの教育」だよ。悩んだり苦しんだりする課程を「こころのケア」だと奪ったらいけない。



今、私の子ども時代の話をすると、皆笑う。大いに盛り上がる。祖父はビートたけしさんの『たけしくん、 ハイ!』に出てくる飲んで暴れるお父さんそっくりだから。



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そうなのだ。暴力を奮うのは、一面で憎めないところもたくさんある。子どもを大人にしたような人だから数々のエピソードがある。


祖母が私と妹と、近所の子ども達にアイスをあげようとしたら、「何で俺に一番先にくれないんだ」と怒って先頭に並んでしまった、孫のために買って、物置きに隠しておいたコーラ1ダースを一晩で空にした、など。


末期がんだと宣告された時には、埼玉から東京の実家までマウンテンバイクに乗って母に知らせに来たし、夫にはじめて会ったのは入院していた埼玉の大学病院だった。夫の専門が運動生理学だということで、ベッドからムクッと起き上がり、腕立て伏せをはじめながら挨拶をした、とか。


だから夫は「良いおじいちゃんじゃないか」と今でも言っている。


祖父が末期がんだと知った時、私はやっぱり悲しくなった。けれどその一方で、叔母さん達が言ったように愛人に貢ぐとか、ギャンブルにのめり込むなどしなかったから、今「結果オーライ」なんだ、と思う気持ちもある。


今でも事件が起きるたびに心がざわめく。もしかしたら、悪い条件が重なったから、犯人は私だったかもしれないな、と。



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