2013/12/13

医療者による出前授業と利益相反

これは子宮頸がん予防ワクチンの被害者の女の子が書いたブログだ。一部引用させていただく。私は読んだ時涙がとまらくなった。


<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

私はしあわせである。 うさ飼い系女子の闘病日記

2013-10-03 22:52:00
テーマ:闘病
今日、パパとママに皆で死のうって
言いました。

そしたらパパが

「全員はいかん、
死ぬならパパと二人で死のう」

って言ってくれました。

なんか、嬉しかった(*^ω^*)

きっと私寂しかったんだと思う。

今の私は勉強しないどころか

要介護で金のかかる超お荷物。

皆に見捨てられるのが怖かった。

だから極力人に頼み事はしなかった。

でもパパは一緒に死んでくれるって

私なんかと一緒に。



<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


最近命の大切さを学ぶ「がん予防出前授業」が公立学校で盛んにおこなわれている。以下は荒川区でおこなわれているもの。高齢化社会になるからがんは今よりずっと身近な病になる。だからこの取り組み事態、私は良いことだと思っている。


命の大切さを学ぶ「がん予防出前授業」を行っています 荒川区

小・中学校の子どもたちが「がん予防の授業」をきっかけに、がん予防に対する関心と正しい知識をもち、がんを含めた生活習慣病の予防が出来るように、がん検診の医療スタッフが出向いて行っています。

授業の後は、子どもたち自身が健康に対する関心が高まるだけでなく、家族の健康を気遣う声もたくさん聞かれ、健康や命の大切さを学ぶ授業となっています。区は、より多くの区内小中学校で行っていくことを目指しています。



でも、気になるのは利益相反。


夫はもう二十年以上こういった講義をしてきたから私は良く知っている。研究者でない一般の方々はがんという病について何が知りたいかというと、たいてい「どうすればがんにならないか」である。それだけといってもいいくらい。知ったところで恐くなってしまうからかもしれない。健康バラエティー番組の最後が必ず「●を食べると大丈夫」で終わるのも同じ理由からだろう。研究室の先生が一般向けに講演する時も、同様のことを思うそうだ。だから夫の研究が重宝されるらしい。


荒川区の出前授業はなかなか良いと思う。でももし、製薬企業にお金をもらっていたり、薬やワクチンを普及させたいと考える人達が出前授業をしていたら?「でも今はこの薬剤を使うとがんが防げます」と、必要以上に効果があると思わせたりしないだろうか?


「ワクチンにはリスクが必ずあるんだから、教育の役割とはすすめることでなく、自分で選択させることだ」と夫が言っていた。そもそもなぜ「子宮頸がん予防ワクチン」という名前だったんだろう。果たして正しく理解されていたんだろうか?


つい最近、スーパーのレジで「テレビでこの缶詰を食べるとやせると言っていたの」と話している人を見た。どうみても、脂がのっていて太りそうなお魚・・・。運動という選択はないんだろうか。その番組は大げさだし、きっと最後しか話を聞いていないんだと思った。


私は、副反応被害をはじめてテレビで見た時、「教育の役割は自分で選択させること」という夫の言葉を思い出した。そうだよね。いくら子どもでも接種する本人が、覚悟して選択しないといけなかったんだよね。「タダだから」とか「葉書がきたから」とかまして「CMで見たから」とか、そんなんじゃダメだよね。


ブログを書いている被害者の女の子には、まったく支援がない。実は、薬やワクチンで被害を受けた時に、いくつかの救済制度があるけれど、なかなか被害が認めてもらえない。それが明らかに副反応であったとしても、救済までにはとても高いハードルがある。知り合いに裁判で闘ってやっと認めらたというお子さんがいる。お父さんはあまりにも辛いから多くを語らないそうだ。それが現実なの。今まで健康だったから、心の隙間はお金だけではうまらない。


医療では、副作用や副反応は多くを守るためなら切り捨てる。しかし、公教育ではどうなんだろう。たとえ100万人に一人であっても「大切な命に変わりはない」そう教えるのが教育じゃないだろうか?子宮頸がん予防ワクチンには性教育の一環と呼ぶべき役割がある。他の感染症のワクチンとはちょっと違う。そのため教育現場でもワクチンの啓発が行われてきた。だったらなおのこと、切り捨てるのっておかしくない?がんの患者さんは学校で講義をしているんだよ。被害を訴えている女の子達は、ワクチンをすすめる医師と製薬会社を信じてワクチンを接種したのに・・・。


私達親子は薬やワクチンがなければ生きていなかったと思っている。超低出生体重児は肺が弱いから、NICUを退院できても感染症との闘いがまっているからだ。私は副反応被害者も社会で守る必要があると思ってきた。副反応被害者の方々がいらしたからこそ、薬やワクチンがより安全に、より確実なものへと改良されていったともいえるからだ。


少なくとも、夫や友人の免疫を研究している研究者は「副反応被害者は免疫学者にとったら宝もののような存在」と言っているよ。集団防御というのなら被害者だって社会で守るべきじゃないの?


被害者の子どもがいっていた。「お医者さんや製薬会社は薬やワクチンがなくて障害をおった子供はお金になるからやさしくするけど、薬やワクチンで障害をおった子供はお金にならないから冷たい」。私はそう思われてもしかたがないし、子どもにこんなことを言わせたらもはや教育じゃないと思う。


私が挫折したのは「利益相反」やこうしたことが原因だった。自分は正しいことをしてきたのか自信がなくなってしまった。昨日このような報道があった。「無過失補償」を阻むのは何なんだろうか。推進する方々は考えて欲しい。


<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

子宮頸がんワクチン、社員が論文=身分伏せ「医療費減」、助成根拠に 時事ドットコム


 子宮頸(けい)がんワクチン「サーバリックス」を販売する大手製薬会社グラクソ・スミスクラインの社員(退職)が身分を伏せ、ワクチンはがんを防ぎ医療費を節減する効果があるとの論文を発表していたことが、12日分かった。


 厚生労働省の審議会はワクチンへの公費助成などを決める際の資料として、問題の論文を用いていた。
 同社によると、論文は「若年女性の健康を考える子宮頸がん予防ワクチン接種の意義と課題」と題し、2009年9月に国内の専門誌で発表された。12歳の女子約59万人に接種すると、がんを防ぎ医療費など約12億円が節減できると結論付けた。


 社員は医薬品にかかる費用と効果を分析する部門の課長だったが、論文では東京女子医大講師の肩書を使用。社員であると明かしていなかった。社員は10年6月に退職した。子宮頸がんワクチンは今春定期接種の対象となったが、副作用の訴えが出されたため、6月に接種勧奨が中断された。


 同社は「当時は明確なルールがなかったが、社員であることは明らかにすべきで、適切でなかった」とし、厚労省は「事実関係を確認する」としている。(2013/12/12-13:00)


<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


【追記】

抗がん剤記事に製薬会社が金銭…薬事法違反か

 がん患者向けの雑誌に掲載された記事が、薬事法で禁じられた抗がん剤の広告にあたる可能性があるとして、厚生労働省が調査を始めた。

 特定の商品をPRする内容の記事が多いことに加え、製薬会社が出版社に金銭を支払っていたことが判明したためで、厚労省は製薬業界に自主ルールの策定と再発防止を求める方針だ。

 ◆タイアップ

 厚労省が問題視しているのは、一般書店で販売されているがん患者向け月刊誌(公称7万部)に掲載された抗がん剤の紹介記事。その多くは、医師らが特定の商品名を挙げて有効性を説明する内容になっている。

 発行元の出版社の関係者らによると、記事を掲載する際、抗がん剤を販売する製薬会社から1ページあたり47万~57万円を受け取っていた。関係者の一人は取材に「紹介記事はタイアップ記事と呼ばれていた。部数が伸び悩み、毎号2本程度のタイアップがなければ収支が合わなかった」と明かした。出版社が記事の企画を作り、製薬会社に持ち掛けるのが基本だったという。


 読売新聞が製薬会社側に取材したところ、5社が2010~11年の記事に190万~550万円以上を出版社に支払ったことを認めた。5社の支払額は少なくとも計1300万円。うち1社は「医療用医薬品も含む27回の記事で4000万円以上を支払った」と話し、少なくとも9件が抗がん剤に関する記事だという。

 一方、出版社の取材に応じた医師や大学教授らは数万円から10万円程度の謝礼を受け取っていたが、多くが「製薬会社から資金が提供されていたとは知らなかった」と話している。

 ◆温度差

 薬事法が抗がん剤の広告を罰則付きで禁じているのは、抗がん剤は副作用が特に強いため、患者が本来必要な薬ではなく、広告の薬を選べば、健康被害を受ける恐れが強いためだ。薬は医師の判断で投与するのが原則だが、がん治療の現場では近年、患者の意思を尊重する傾向が強まり、治療法や薬の選択を患者に委ねるケースが増えている。

 厚労省は「金銭の支払いは、記事掲載に宣伝の意図があった可能性が高いことを示している」として調査を開始。自主的に報告してきた製薬会社に詳細な調査と報告を指示し、未報告の会社や出版社からも事情を聞くことを検討している。

 一方、製薬会社側の認識には温度差がある。3社は「薬事法に抵触する可能性が高い」「広告と疑われかねない」「倫理的に問題」として、いずれも「今後はやめる」と話した。これに対し、2社は「患者向けの啓発で、違法性はない」「広告ではなく、編集方針に賛同して制作費を負担しただけ」と主張している。

 ◆「罪深い」

 専門家や患者らの中にはタイアップ記事に厳しい視線を注ぐ人もいる。

 記事の内容について、複数のがん専門医が「医学的な事実関係に間違いはないが、一部に大げさな表現もある」と指摘。日本医科大武蔵小杉病院の勝俣範之教授(腫瘍内科)は「医師らが薬を客観的に評価しているように見えるが、裏に金のやりとりがあるなら客観性に疑いが生じる」と話す。

 患者団体「卵巣がん体験者の会スマイリー」の片木美穂代表は「患者が薬の選択を誤る引き金になりかねず、非常に罪深い。『治った人が何人いる』などの情報に飛びついて、その治療を受けられる病院に駆け込み、亡くなった患者を知っている。宣伝なら、読んだ人がわかるようにすべきだ」と指摘する。

 一方、出版社は取材に「商品名を記載したのは患者への情報提供の一環で分かりやすさを追求したに過ぎず、違法性はない」と文書で回答。金銭のやりとりについては回答しなかった。

(2013年12月11日10時41分 読売新聞)

コメント

非公開コメント