2015/01/26

新潟県三条市から生まれたグローバル企業 『 スノーピーク * snowpeak』

今月のはじめNHKクローズアップ現代で『地方から日本を変える 宝を生み出す“つながり力”』という特集が放送された。番組が放送される数日前に、『 スノーピーク * snowpeak』が取り上げられることを知り、放送を楽しみにしていた。


スノーピーク * snowpeak  オンラインストア

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『 スノーピーク2015 Outdoor Lifestyle Catalog』 より引用

ピーター・ノボハン Peter Novahom / REI ストアマネージャー

アウトドアの本場でも、スノー・ピークはヒーローです。

およそ10年前、偶然カリフォルニアのキャンプサイトでスノー・ピークを見かけたのが最初の出会いでした。これは何だ?と驚いて、使っている人に尋ねたのを覚えています。モジュールの設計、竹素材の使い方、高いクオリティーに感動しました。アメリカのユーザーのほとんどはスノー・ピークといえば、ディティーまで磨き抜かれた機能性の高さを思い浮かべます。



『 スノーピーク』の山井太社長は、母校の大先輩だ。もともとアウトドアが好きな人の間では「品質が良い」ということ知る人ぞ知るブランドだった。夫は有名になるずっと前から、商品を愛用していた。


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番組の中で紹介されていたように、山井社長御自身も、アウトドア好きで有名だ。今もお客さんと一緒に野外に出かけるそうだ。ちなみに、日本発のアウトドアメーカーといえばモンベルも有名だ。モンベル創設者で現会長の辰野勇氏は、冒険家・登山家としても大変有名な方だ。辰野氏もやはりお客さんとのふれ合いを今でも大切にしておられる。


そういう姿が、野外で活動する教育者や指導者を惹きつけ、愛好者を増やしていったように思う。登山やアウトドアが一過性のブームでなく定着したのは、山井社長や辰野会長のような方の地道な努力が大きい。


私が『 スノーピーク 』を応援してきた理由はもう一つ。「新潟発のブランド」という点だった。


私が幼い頃、新潟県の三条市は必ず社会の教科書で取り上げられた。地場産業の「洋食器」や「刃物」が、日本を代表する輸出品だったからだ。


ところが、いつの頃からか、安い中国や韓国製におされ、三条の地場産業は斜陽化していった。


私の母校はエリート校じゃない。


山井社長が地元を盛り上げようと奮闘している経営者であることを夫から教えてもらっから、ずっと応援してきたのは、卒業生には、同じように二代目、三代目として地元でがんばっている経営者が大勢いるからだ。私自身も、母の実家が中小企業を経営していた。もしかしたら今頃私が継いで苦労していたかもしれない・・・。


テレビや雑誌で山井社長の特集があると、必ず目を通すようになった。


山井社長は、価格競争の波にさらされる中で、あえて品質の高い商品づくりに挑戦した。付加価値をつけ、高くても売れる商品を目指したのだ。もともと、アウトドアで使う商品は、人の『命』に直結する。やがて、性能の高さは、野外で活動する指導者に支持され口コミで広がっていった。


10年以上前からアメリカの有名アウトドア用品の店『REI』などでも、次第に商品を見かけるようになった。アメリカはキャンプやバーベキューの本場だ。近くにヨセミテなど、世界的に有名な国立公園があるサンフランシスコの大型店舗に商品が置かれるようになれば、知名度もアップする。「最近は、食器や鍋などの商品だけでなく、テントなどの高価な商品も人気がある」と夫が言っていた。


今や世界にその名を知られる、日本のアウトドアメーカーだ。すごい!どこか『ヤフーブルーイング』の快進撃と似ている。ブログに何度も書いてきたように、いくらロビイストやPR会社が後ろで支えたところで、商品と人に実力と魅力がなければ、人もお金もついてこない。私はロビイストやPR会社は、野生動物にエサを与えるようなものだと思っている。


ヤッホーブルーイング『よなよなエール』が大出世!


番組を見ていたら日本では、5年ほど前からブームに火がつきはじめたそうだ。日本で人気があるのは、「ダッチオーブン」という調理器具だ。


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野外の専門家に人気があるのは、こちらの「ペグ」と呼ばれるテントを地面に固定する道具。もちろん我が家でも使っているし、専門家は必ずといっていいほど皆使っているそうだ。


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(2012/03/12)
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実は、5年ほど夫がトレーナーを買ってきたことがあった。決して安くなったのに、私が洗濯して乾燥機に入れたら、丈が縮んでしまった。夫は品質を期待して買ったからがっかりしていた。


海外に輸出するなら、トレーナーが乾燥機に入れて縮むようでは、致命的だ。北米では乾燥機に入れるのは当たり前だからだ。これは大きな問題になるかもしれないと思ってしまった。


一瞬、メーカーに知らせようかな、と考えたけれど、返金に応じてくれたり、新しい商品が送られてきても・・・と考え結局そのままにした。この会社のことだから、きっと何も言わなくても、改善されるだろう、と考えたのだ。


先日、新しいカタログが送られてきた。見ているうちに、あれもこれも欲しくなってしまう。今までよりもさらに商品が増え、デザインが洗練されているからだ。


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ふと、あることに気づいた。そこには、あの時のトレーナーなどのウエア類が掲載されていないのだ。


「やっぱり『スノーピーク 』はちゃんとしているぁ」あの時、縮んでしまったトレーナーにがっかりしてた夫がとても嬉しそうに言った。


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クローズアップ現代 『地方から日本を変える② 宝を生み出す“つながり力”』 2015年1月6日放送


地場産業の強みつなげ 躍進する中小企業


新潟県中部、人口10万の三条市です。古くから金属加工が盛んで、近年は外国製品とのしれつな価格競争にさらされています。


この町で、5年で売り上げを倍増させた注目のアウトドアメーカーがあります。金物問屋として創業して57年。社員160人。地域を代表する企業の1つに成長しました。およそ7割の社員は、県外から入社を希望して集まった人たちです。


(中略)

このメーカーの社長・山井太さんです。躍進の秘密は、高度な技術で加工した付加価値の高い製品にあります。


スノーピーク 山井太社長


山井太社長「これ、真空二重ボトルで。」加工の難しいチタンを使って二重構造に仕上げたボトル。「6時間10度を保持しますので、山登りのときザックに入れておいて、めちゃうまなビールが飲める。」



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高密度の生地を使うことで耐水性を高めた高級テント。去年(2014年)の売り上げは前年から20%伸びて、過去最高の54億円を記録。韓国やアメリカなど、海外にも進出しています。


大学卒業後、東京の商社で働いていた山井さんは、26歳のときにUターンして実家の商店に入りました。目にしたのは、地元の金属加工メーカーが安い外国製品との価格競争に巻き込まれ、苦境にあえぐ姿でした。


スノーピーク 山井太社長


「みんなで安いマーケットに安いものを作って、安く売っていた。僕は、高く買ってくれる人に高い商品でいいものを作って売っていくようなブランドも作らなければいけないと思った。」


思いついたのは自分が好きだったアウトドア関連の製品。年間数十日、キャンプに出かけていた山井さん。当時のテントは、雨漏りするなど多くの不満がありました。


地元の金属加工の技術を生かして高級テントを作って売り出したところ、従来品の10倍もの値段にもかかわらず、大ヒット。これが高級ブランドの出発点となりました。


山井さんは次々と地元企業に声をかけ、技術力を売りにした製品の開発に乗り出します。金属をたたいて強くする鍛造技術を使った、驚異的な強度を誇る金具です。従来品の3倍の値段にもかかわらず、性能の高さが受けて30万本のヒット商品になりました。


山井さんの仕掛けた高付加価値戦略の成功に、地元企業の意識も変わり始めます。長年、自動車部品を手がけてきたこの工場は新たな設備投資を行い、山井さんたちと共同で新たな開発に取り組むようになりました。


その成果が、この「ダッチオーブン」という鉄製の調理器具。厚さを半分近くまで薄くし、30%の軽量化を実現する画期的な技術をものにしました。


「この薄さを出すのはうちぐらいしかない。」


値段の張るこだわりの商品を消費者に届けるために、販売は直営店を主体に行っています。社員が商品の機能やブランドの哲学を徹底的に説明します。


消費者


「値段は高いですけど、ものがいいのでずっと使える。3年で250(万円)ぐらい買いましたね。」


地場産業とのつながりを武器に、世界を目指す山井さん。高付加価値のブランドが地方の新たな可能性を開こうとしています。


スノーピーク 山井太社長


「地域からグローバルなマーケットに、高いもの、価値のあるものを作って、高く買ってくれる人に対して、ものを供給するようなことが成長戦略としてある。」



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