2015/02/12

春から動き出すこと 

私が亡くなった方のために、何をすればいいか考えていた時、ある一冊の本に出会った。


島田妙子幸縁(講演)会  くるくるミラクル 幸せくるくる 

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その本は、精神科のユーザーの間ではとても有名だった。


中でも人気を集めたのが、巻頭の座談会。著名な精神科医数名が、PTSDのケアについて語っている。「PTSDにとって一番の薬は時間です」「薬だけで解決するものではありません」「病識を持たせることが必ずしも良いことではない」「人と人とのつながりも大切です」「PTSDには、政治的な意味も込められている」など、当たり前のことが書かれていた。


その当時、精神科医であっても、当たり前のことが言えないような風潮があったのだ。


私も、医療者のケアでは・・・いろいろな思いをたくさんしてきたからよくわかる。


一対一の関係だけになっていくと、かえって泥沼にはまっていくような怖さもあるからだ。この人だけしか私をわかってくれない、などと思わせてしまうと、些細な言動が、かえって心に響いてしまう。


それに、例えば、しっくりいっていない嫁、姑がいたとして、いつも嫁の味方だけをする人が間に入ったらどうなる?家族に亀裂が入ってしまうことは容易に想像できる。カウンセリングの被害もまた多い・・・


医師の友人に「カウンセリングって、空気に相談しているみたいで好きになれない。私は科学的に間違っているなら、意見やアドバイスを言って欲しい。でも、誰でもいいというわけじゃない」と言ったら、「そうですよね。僕たちも患者さんのことで迷ったら、たいてい友人の医師に相談してますから」と頷いていた。


命が助からない患者さんの場合、残されるお子さんや奥さんの歳、子どもが何人いるかなども考えなくてはいけない。延命しないとしたら、どのタイミングで決めるのか。やっぱり一人では迷うそうだ。重い重い決断だ。


「あなたは地道な現場に興味がない」と言われてしまったけれど、そもそも私は医療者ではないから、私の現場は社会だと思う。それに、私なりに考えて行動してきたつもり。自死遺族にも会って話したこともある。でも、私ではかける言葉がみつからない気がした。


「大きなものを変えていった方が誰にでも確実に、届くものがある」と思ったのは、自分自身の苦い経験を振り返り、いろいろな方に会って考えたから。そして精神科医がおっしゃっていることに共感したからだ。


ご遺族は、精神科や心療内科にお世話になることも多い。日本では、海外では考えられないような多剤大量処方が漫然と行われているし、社会的支援がそもそも足りない。ならば、学会レベルで改善してもらうことを考えたほうがいいと思ったのだ。


そう考え、新聞報道で知ったご遺族の中川聡さんに連絡をとった。


もう少ししたら、その本を監修した先生のインタビューが掲載された本が出版されるそうだ。それも被害者よりの本だそうだ。


いつか、私と一緒に報道特集に出演して下さった先生だ。あの時は「よくテレビで薬の批判をして下さったな」と思ったけれど、とうとう本になるんだ。


その先生は精神科医からだけでなく、精神科ユーザー、遺族や被害者、そして支援者からも皆に好かれている。ここからまた大きく変わっていくはず。


日本の医療もいずれ開国をしないといけないかもしれない。「でも、もしもそうなった時に、どれほどの医師が海外に通用するんだ」と友人の医師が私に言っていた。


そもそも、北米の医大生は、医学部に進学する前に、社会貢献をいくつもしないと医学部にすすめない。「社会貢献の証明だけでも、すごい束の書類を提出するんだ。あれを見せてもらった時に、日本の医学部教育は遅れているなと思ったよ。差別的な表現を使わないなんて、そもそも北米の医学部では教えることじゃない」と彼は言った。


その先生が覚悟して、被害者の側を向こうとしておられるのは、このままでは日本の医療が置いていかれると考えておられるからだろう。


私は、「お医者さんを守ろう」ではなく、その先生のように、市民の側を向いて努力しておられる医師を応援していこうと思う。


その他にも、島田妙子さんという虐待された経験を持つ支援活動家の方が、大阪で一緒に活動して下さっているそうだ。島田さんが女性週刊誌で取りあげられたところ人気に火がつき、講演会のお知らせをすると、あっという間に300人から400人の席が埋まってしまうという。


「とにかく、島田さんと、一緒に活動しておられる方々の動きは、すごいパワーがある」と教えてもらった。


「島田さんが人気があるということは、それだけ虐待されている子どもが多いということですか?」と尋ねたら「今の世の中では、虐待なんて普通にあるんだよ」と言われてびっくりした。


島田さん御自身に虐待された経験があることと、若くきれいだから、女子学生に人気があるそうだ。確かに虐待とまでいかなくても、家族との関係で悩んでいる女の子達は多いからいいかもね。


新しく支援を考える会では、借金で困っている人には、借金を清算する方法も教えるそうだ。そして、ある人が抱えている問題を、皆で意見を出しながら、解決していく、という試みも行っていくそうだ。


様々なことが一気に動き出す春になりそう。中川さんや島田さんのように、辛い経験をしたご遺族や被害者に、たくさんの暖かい手が届けばいい。そういう社会に変わって欲しい。


もちろん私にできることがあれば、お手伝いさせてもらおう。運動とか登山とかもっと大きなつながりができるかも♪



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