2015/05/05

斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン事件』が発売されました その4 『共生者』と『患者アドボカシー・グループ』

斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン事件』が発売されました その3  ワクチンと新自由主義 の続き

『子宮頸がんワクチン事件』を読めばわかるはず。『患者会』の活動だって、製薬企業に支配されているかもしれない。情報公開が徹底されていないから、どこからどこまでが製薬企業のロビー活動なのか、外からではわからない。


これは2007年11月11日に放送されたNHK スペシャル「ヤクザマネー」の一場面だ。暴力団の資金が、株式投資に流れていく実態を取材した特集だった。


暴力団の資金源株式投資ヤクザマネー


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(暴力団幹部の男性の話)


暴力団幹部の男性
「組の金を株式市場で運用し、大きく増やしています。莫大な利益になりますよ。5000万円が3倍4倍になっちゃう」

ナレーション
繁華街を縄張りにし、かつてはみかじめ料で組を維持していました。しかし警察の取り締まりの強化で難しくなっているといいます。

暴力団幹部の男性
「今はもう本当にシビアですよね。ヤクザはしのぎ(稼ぎ)にならないからね」。

ナレーション 
そこで男がはじめたのが株取引でした。株の値上がりや、新商品の開発につながる企業合併の情報を暴力団のネットワークを使って手に入れています。

暴力団幹部の男性
「情報を得た製薬会社で、今度新薬が出ますと(株を)買い出す。安いうちに。認可された途端、株はバスンと上がる。インサイダー取引。本来、ここに株は上がるっていうのをわかって買っているんだから」



週刊誌ではこの手の暴露話はたくさんあるけれど、NHKが映像化したことで放送当時反響をよんだ。私もテレビに釘付けになった一人だ。暴力団だと知りつつも、投資に協力する証券会社社員のインタビューが衝撃的だった。彼のような人を『共生者』とよぶそうだ。


私が『患者会』にも、利益相反行為を開示して欲しいと思う理由は、知らない間に私達の善意が、特定の企業の利益誘導に利用されるかもしれないからだ。以下に裏金について、記載してあるけれど私が問題だと思うのは、一番目。


『裏金(うらがね)』の作り方・見破り方 - 大越行政法務事務所 より一部引用

【裏金(うらがね)って、何?】


裏金の「金」の意味を金銭としてとらえた場合の意味は、大きく分けて、

  (1)表立てないで、渡す金銭。
  (2)帳簿をごまかして集める資金。

の2つとなります。どちらも、表には出さないお金という意味では一致しています。


(1)は、いわゆる『賄賂(わいろ)』で、時代劇などでお代官様に越後屋さんが小判を渡し、その見返りに自分の商売が有利になるよう規制や取締りをしてもらうように、権力や決定権を持っている人に対して、お金を払う代わりに自分に有利なように便宜を図ってもらうためのものです。


(2)は、お金を管理したり、経理を任されている人が、その管理をごまかしたり、嘘をついたりして、お金をこっそりと自分の手元に残しておくものです。



「ヤクザマネー」の中で暴力団関係者が売り買いしていたのは、製薬企業の株だった。新薬の開発は、博打に例えられるほど、一山あてると莫大な利益を生む。悪い人達が寄ってこないはずがない、世界だ。


「株はバスンと上がる。インサイダー取引」という言葉・・・。冒頭で紹介した証券会社の社員の男性は、暴力団関係者と知らずにつきあい、気づいた時には抜き差しならぬ関係になってしまったようだ。所謂ズブズブの関係だ。


彼をみていると、どこからどこまでが、『悪』で、どこからどこまでが『善』なのかよくわからなくなった。たまたま彼のお客様が、暴力団関係者だっただけともいえるからだ。彼もまた、記者さんに正直に答えているくらいだから、私と同じようなことを思っておられたのだろう。彼の途方にくれた様子が、今でも忘れられない。


ところで、最近、ある人にきいた。この『裏金』の問題が深刻な問題になっている業界があるという。


NPO法人や社会起業家と呼ばれる団体や人達にはいろいろあり、必ずしも社会のために活動している団体ばかりではない。


表向きは社会活動を目的に活動するNPO法人なのに、資金が流れていく先は、過激派だったり、企業だったり、政治団体だったりすることも・・・。だから知らずに付き合うと「大変」と言っていた。


NPO、犯罪の隠れみのに 暴力団などが好印象を悪用 2012/11/26 0:50日本経済新聞 電子版


特定非営利活動法人(NPO法人)を隠れみのにした犯罪が後を絶たない。大半のNPO法人は善意に基づくボランティア活動などで社会に貢献しているが、クリーンなイメージと緩やかな設立要件に目を付け、詐欺などに悪用するケースも目立つ。来年で制度発足から16年目。運営や認証時のチェック体制の見直しも求められている。

 「多くの人を信用させるにはNPO法人の方がいい」。厚生労働省所管の独立行政法人から助成金43…



下村博文大臣の疑惑報道をみていても、お金の問題は、後で「知らなかった」では済まされない。めちゃくちゃ怖い!


そうそう、私も最近あるスキャンダルを知ってショックを受けたばかりだ。将来、新たな治療法に結びつくかも、と、大きな期待があったからとても残念だ。まわりの人の動揺は大きく、信頼を失っているそうだ。「もう以前のように気持ちが一つにならないだろう」とある人が言っていた。


もしも週刊誌の記事になったらすごいことになりそう・・・。メディアがさんざん持ち上げてきたから、皆手のひらを返すだろうなぁ。


小保方さんのバックについていた人達も怪しかったけれど、先進医療、ベンチャーは「一寸先は闇だなぁ」とつくづく思う。だから患者会もしっかりしないといけない。『共生者』のようになったらいけないからね。もちろん、新しいものに飛びついてしまうメディアも。


最後に斎藤貴男さんが『子宮頸がんワクチン事件』の中で、引用している『ビック・ファーマ』の患者アドボカシー・グループに関する記述を引用する


患者アドボカシー・グループへの支援も、教育を偽装したマーケティングの一つである。単に製薬企業の隠れ蓑に過ぎない患者アドボカシー・グループも多い。


患者たちは、自分の疾患に対する世間の認知を広めるための支援ねっとワークに出会ったと思い混む。しかしそれこそが、実は製薬会社が薬を売り込むための手口なのである。製薬会社がバックにいることを知らない患者アドボカシー・グループの会員もいる。製薬企業は単に教育を援助したいだけなのだと思い込んでいる人もいる。

(中略)

製薬企業はスポンサーとなっていることを概ね隠している。ヘイスティングス・センター(生命倫理シンクタンクの一つ)のトーマス・マレー所長はこれを「倫理的に問題なのは、実際には製薬企業が患者アドボカシー・グループを作っているにもかかわらず、自発的な草の根の組織であるかのように見せかけている点である。こうした欺瞞が実に腹立たしい」と批判している。



バックに製薬企業がついているのなら、これは『投資家』や『視聴者』にとっても同じ。実に腹立たしい欺瞞なのですよ。

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