2015/04/27

斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン事件』が発売されました

数年前にまいた種が、今、少しずつ花を咲かせはじめている。先日の『うつを治したければ医者を疑え』に続き、もう一つ花が咲いた。

子宮頸がんワクチン事件子宮頸がんワクチン事件
(2015/04/24)
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ジャーナリスト、斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン事件』が24日、発売された。


斎藤さんにお目にかかったのは昨年の夏。斎藤さんは、被害者や医師、そして関係者をもう二年近く取材しておられた。


お話をいただいた時、はじめはお断りしてしまった。


でも断った後私は悩んだ。被害を訴えている方達にとって、ワクチンが導入された経緯を詳しく知ることは、「心のケア」なるだろうと思ったからだ。私が、真実を探し求めて歩いたように、不条理な状況に置かれた理由を知りたいだろうと考えた。


斎藤さんのお名前で検索すると、東京電力を批判する本がヒットする。『電気新聞』のコラムで取りあげていただいたことがある私にとったら、斎藤さんは天敵のような立場のジャーナリストだった。


私は斎藤さんの経歴をみて、お目にかかることにした。


これはNHKで2007年(平成19年)に放送された『ハゲタカ』というドラマのワンシーン。巨額の不良債権を抱えて瀕死の大手銀行が、ハゲタカと呼ばれる外資系ファンドに不良債権を査定されるところ。ハゲタカは、銀行が抱える巨額の不良債権の正確な数字を導き出すため、コピー機を何台も持ち込んで、データをあっという間にコピーするのだ。


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(実際には、銀行が所有するビルには、暴力団事務所がテナントとして入っていたりするが)「なんとか上手くごまかせば、安く買いたたかれることはない」とみくびっていた銀行の幹部が青ざめるのだ。


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巨大な組織や巨額のお金が動くビジネスの実態を解明するには、正確な情報や数字を出さなければはじまらない。


「日本は情報公開が遅れている」といわれているが、日本でも、医療機関や製薬企業そして役所など、不十分ながら市民の求めに応じ、情報を公開する。


しかしただの一市民には、欲しい情報がどこにあるのかわからないし、たとえ開示されても制限があったりする。仮にすべて閲覧できても、膨大な資料から正確な答えを導き出すのは難しい。



本来であれば、利益相反問題などを監視するのは行政の仕事だと思う。「アメリカは、利益相反問題に厳しいから、違反があった場合は、州政府が住民にかわって、製薬企業を訴えてくれる」と、ある薬害被害者団体代表が私に教えてくれた。


羨ましい。日本ではとても望めない。


だから、最後の頼みの綱は、報道、ジャーナリズムだと思っていた。私は精神医療の闇をメディアに取りあげてもらうために、この10年間、血のにじむような努力をしてきた。しかし、製薬企業は、今のメディアにとったら大切なお客様。大きな収入源だ。だから、どこも取りあげるのに、躊躇する。


記者やジャーナリストを名乗っていても、ほとんど広報のような仕事しかしていない人も多い。そんな人を信じて正直に話したら、かえって返り血を浴びるような目にあう。


斎藤さんの経歴を拝見した時に、「もしかしたら、この人なら」と思った。


私から斎藤さんと出版社にお願いしたことが一つ。


「出版社とジャーナリストが『薬の副作用』を扱う時に、どれほど苦労するか、ということをきちんと書いてください。それこそが薬の副作用を、深刻な社会問題へと変えていく、一番の原因だと思うからです」。


本を開いた時に、気づいたことが二つあった。


私がお願いした約束がきちんと守られていることことと、このブログで繰り返し訴えてきた「神奈川県予防接種研究会」について触れられていることだった。特に、「神奈川県予防接種研究会」は冒頭の「子宮頸がんワクチンに関する主な出来事」という一覧表にも記されている。


本が都内の大手書店に並びはじめた21日、薬害オンブズパーソン会議と被害者連絡会が、記者会見をした。会見をみて私は驚いた。


2015/04/21 子宮頸がんワクチン推進派による声明は「事実に基づかない」 副反応被害者・弁護士らが抗議 ~推進派医師が被害者らに「醜悪である」などと暴言を浴びせていたことも明るみに | IWJ Independent Web Journal

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これは私が書いたブログ記事。(カテゴリー『利益相反』に、もっとたくさんの記事があります)



もしも私がロビイストなら 【臨床試験の基盤整備、患者・国民・社会との連携を推進するために】


『私はシャルリではない』 テロと真の友情


なぜ今、神奈川県が注目されるのか  〜『医療』とは政治や経済と深く結びついて動くもの〜


斎藤さんの本に書かれていることや、記者会見は私がお願いしたものではない。きっと、私が思っていたような疑問を、多くの方が感じておられたのだ。こども達には、法務省から出されている人権啓発の手紙が頻繁に配られている。そこにはネットでの言葉のマナーについてちゃんと書いてあるのに・・・。


法務省 人権擁護局フロントページ

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インターネットによる人権侵害に注意! 政府広報オンライン 


先日、某外資系製薬企業がまた子宮頸がん撲滅キャンペーンをはじめた。電車中が、広告で溢れていた。


私は反射的に背を向けていた。アメリカでHPVVの摂取率が低いのは、メガファーマの販売戦略に市民が嫌気がさしたから、と聞いたことがある。同じことが日本でも起きているのだろう。


この方法は、北風と太陽があるなら、間違いなく北風だと思った。彼らは人の心なんて、お金を出せば買えると思っているのだろうか。啓発やキャンペーンばかりでなく、補償のためにお金を使ってもバチはあたらない。そんなに儲けているのだからーーーー


そう思われても仕方がないことをしている。


「あなたが、何かを必死に伝えようとしていることはわかる」と、元NHK プロデューサーの「ひつじ」(津田正夫さん)さんに言われたことがある。


斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン事件』は、まさに私が伝えようとしてきたこと、そのものだ。医療はもはや純粋に人の命や健康のためにあるわけではなく、産業になったのだ。


だからもしも、あなたやあなたの大切な家族が、その深い闇に放り込まれたら、容易に向け出せなくなるかもしれない。その事実を知って欲しい。


そして私も、斎藤さんがあとがきに書いておられるようなこと思い、願っている。


これ以上の不信をあおるなと、叱られるかもしれません。しかし、全体像を掘り下げ、オープンにしていく営みなくして解決の糸口は見いだせないのではないでしょうか。迂遠なようでも、それが一番の近道だと信じます。

(中略)

私達の社会につきつけられているのは、しかし被害者の叫びだけではありません。今度こそ、独自の判断で、将来の予防接種のあり方を構想していかなければならないのです。



最後に、私の声を届けてくれた集英社インターナショナルの編集者、松政治仁さんにお礼を申し上げます。ありがとうございました。


斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン事件』を、多くの方に読んでいただけたら、と思います。

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