2015/05/12

出版記念シンポジウム

伊藤さんの出版記念シンポジウムに出席した。私は伊藤さんにお花を贈呈をする係をお願いされた。確かに、私がきっかけをつくったかもしれないから、私も嬉しい。


『報道』と『インターネット』の力 マイナスの経験をプラスに変える





数年前に会場に来た時には、被害者が実名で体験を語ることがニュースになるぐらいだった。あれから数年たち、被害者がいることが社会に認知されるようになった。


今では、このような会を全国各地で開催すると、どこの会場もすぐに人が集まるそうだ。


そういう話をきくと私は嬉しくなる。


当日、あの、『うつ 薬 多剤大量処方 わたしの場合』をつくったakkoさんのお話もあった。


akkoさんはタブレットで絵をかいて動画をつくっている時、何度も泣いたそうだ。「もし、紙だったら破けていたはず」と笑って言っていた。


そうだろうな。


私も、はじめてみた時は泣いてしまったなぁ。薬のせいで眠れないのに、「あなたのせい」だと何度言われたことだろう。自らすすんで精神科に行ったわけでもないのに、まるで汚いものを追い払うような扱いをうけたこともある。医師から人格まで否定されるような冷たい言葉を投げられても、謝罪などなかった。


『人権』というものを、はじめて真剣に考えた。


私がこの動画に一番共感した部分は、「私は女性として花咲ける時期である三十代をほぼ棒にふった」だ。同じ女性として、ずしりと心につきささった。


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私は女性として花咲ける時期である三十代をほぼ棒にふった。

一人暮らしのアパートで考えるのは(多剤大量処方の)B先生ではなく、
(断薬をしてくれた)C先生に出会えていたら
私の人生は全く別のものになっていたんじゃないだろうか?


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帰る場所には夫と子供がいる
そんな生活があったのではないだろうか?



シンポジウムが終わって、思い切って話しかけてみた。


ある日、いつものようにフジテレビの『とくダネ!』をみていたら、精神医療の特集を放送していた。コマーシャルに入る直前「次は精神医療の特集です」とテロップが流れたそうだ。精神医療には良い思い出がないせいだろうか。いつもなら消してしまっていたかもしれないのにーーーー


その日の特集は「多剤大量処方」。気になってみた時にハッとし、動画をつくろうと決めたそうだ。


私はakkoさんにきいてびっくりした。akkoさんは、それまで趣味でアニメをつくっていたわけではなかったからだ。治療が終わる前から、社会復帰を目指してコツコツ努力したそうだ。働くことを考え、パソコン教室に通って一から学んだそうだ。


大きくわけて患者さんには二通りの方がおられると思う。


私のように、精神医療にもともと懐疑的な人と、akkoさんのように「お医者さんのいうことだから」と素直に信じている人だ。


彼女は、「精神科で投薬治療を続けていれば、いつか治癒する」と信じていたそうだ。死ぬかもしれないような危険な多剤大量処方なのに。


驚いたことに、伊藤さんの特集をみなければ、自分が危険な投薬治療を受けていたことなど、気づかなかったそうだ。


きっと素直で真面目な人なのだろう。しかし、マイナスの経験を社会に還元しようと行動するところは私と似ている。


akkoさんに私がブログで、動画を紹介していると伝えたら、「知っている」と教えてくれた。


私は、akkoさんの動画の「私は花咲ける時期である三十代をほぼ棒にふった」という部分を使わせてもらっている。一番辛いことかもしれないけれど、世の中の人達(特に医療者)に一番知って欲しいことだと思ったから、と伝えた。


夫が大学で先生をしているから、学生の前で話してみませんか?と伝えてみたら、喜んでくれた。


彼女が講演をするようになったきっかけは、がんのサバイバーの女性が、講演活動をしている姿をテレビでみたからだそうだ。「私も精神医療サバイバーとして講演してみたい!」と考えたのだそう。


友達関係や就職活動など、悩んでいる学生は多いはず。きっと彼女の動画や、話をきいて、「がんばってみよう」と思うんじゃないのかな。


懇親会が終了し、二人で駅まで歩いていたら、もう一人、女性と仲良くなった。その方はジャーナリストだった。偶然なことに、斎藤貴男さんのこともご存じだという。


丸ノ内線に揺られながら、斎藤さんの取材を受けた話をした。私が「ジャーナリストや出版社の苦労がちょっとわかった気がする」と言ったら、その方は大きく頷いておられた


斎藤さんは二年以上、伊藤さんは一年半もの時間を取材に費やしたそうだ。


そのジャーナリストの方は「減薬や断薬に関することを取りあげたい」と教えてくれた。


製薬企業のプロモーションにメスを入れ、被害者が声をあげ、被害が社会に認知された。もう、精神医療を批判するだけの段階は終わったのだろう。メディアの関心も次にうつりつつあるようだ。


私も、ぜひお手伝いさせてください!と伝えた。


この方に私を引き合わせたのは、きっと神様なのだろう。こんな調子で、良いことをしていれば、自然に次につながっていく。そう信じている。



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