2015/05/13

超低出生体重児(未熟児)の第二次性徴期

800gで生まれた息子が中学生になった。


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入学する直前、制服を作りに行った。身長をはかったら、140ちょっと。「ずいぶん小さな中学生だなぁ〜。やっぱり超低出生体重児(未熟児)は身長が伸びるのがゆっくりなんだ」と思った。


昨年、息子は急に太りだした。調べてみると、夫の500円玉貯金箱からお金をとっては、ハイチュウを買い食いしていたようだ・・・。


孫が一人だけの私の両親は、息子がかわいくてしかたがない。休みのたびに、旅行につれていってくれる。嬉しいけれど、おいしい食事をたくさんご馳走してくれるから、いつの間にか太ってしまった・・・。


「どうしちゃったの?」と近所の顔見知りの方に声をかけられることが増え、本人も「デブかも」と、気にするように。


このままではいけないと、テレビで病気の特集があるたび、いつも言ってきかせた。「運動をせず、好きなものを好きなだけ食べたら、太るよ。今のまま大人になったら、生活習慣病になるよ!脳血管疾患とか、心臓病とか、大変な病気になるかもしれない。亡くなったおじいちゃんも糖尿病だったの。もしももっと運動していたら、今も元気だったかもしれないのよ!」。


夫は健康について教えているのに。ため息が出る。


これでは、養毛剤を売っている店の店主の頭がツルツルなのに、お客さんに「この養毛剤はききますよ」というくらい説得力がないじゃない。


ところが・・・


息子は中学に入ると、運動部の中でもケガが多い、激しいスポーツをすると言い出した。


私が幼い頃は人気があって、学園ドラマでよくこのクラブが取りあげられていた。今の時代に、中学にこのスポーツをする運動部があるのもびっくりしたが、息子が選んだのもびっくりだ。


毎月配られる練習と試合の予定表をみて驚いた。休日に試合が行われる都内のグランドまで、移動手段が『自転車』だったりすることもあるから・・・。


「もう少し練習が少ないほうがいいんじゃないの?」「毎日練習ばっかりじゃ疲れない?」などと遠回しに楽なクラブを選ぶようにすすめてみた。もちろん私が楽をしたいからだ。


ところが決心は固いようだ。なんでも、他のクラブの先輩に比べて親切でやさしいらしい。電車好きの息子はどうしちゃったのかしら?


すると、夫が「今日から肉と牛乳をもっとたくさん買ってきてくれ」と張り切りだした。毎日、毎日、重くて大変だなぁ。洗濯物も毎日だし。これが3年間も続くのか・・・と愚痴をこぼしたら、


「何言っているんだ!これからの第二次性徴期をどう過ごすかが勝負なんだぞ。男の子を大きく成長させる最後の大きなチャンスなんだぞ!あんなに小さくうまれたのに、こんなスポーツができるようになるなんて、嬉しいことじゃないか!」ととても真剣だ。


運動生理学者として、腕の見せ所なのだろう。


気づけば5月も半ば。ゴールデンウィークもほとんどお休みがなかった。急に暑い日が増え、厳しい練習に息子は少しバテ気味に。


夫は「脱水しているんだ。土曜日の練習は、脱水するかもしれないからスポーツドリンクを持たせよう」とスポーツドリンクを持たせることを提案した。


するとやっぱり疲れ方が明らかに違うようだ。「きつい練習は体が慣れるまで10日ぐらいかかる。逆にいえば、10日すぎると楽になるんだよ」と夫が私に教えてくれた。


つい最近気づいた。


140ちょっとだった身長が、ほんの一ヶ月ぐらいで、5㎝ぐらいのびていた。私とほとんどかわらなくなる日も近いかも。


私は夫を見直した。


「運動・栄養・休養」この三つは、とても重要だ、と私が学生の頃から言っていた。薬害被害者の方が「運動生理学は、とても誠実な学問だ」と私に言っていたことがある。今それを実感している。


成長を促す時には、科学的な知識がないとダメだと思う。少々キツいトレーニングをする時には、「なぜ、これをしないといけないのか」ということを頭で理解させないと子供が辛く思うだけだと思うからだ。バテそうな時には励ましたり、背中を押したり。メンタルケアというか教育的指導、教育者の温かな眼差しも必要だ。


なぜ、今日、第二次性徴期について書いたかというと理由がある。


私のブログは、「超低出生体重児(未熟児)・運動」「超低出生体重児(未熟児)・成長」という検索ワードで来てくださる方が、相変わらず多い。


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超低出生体重児(未熟児)はどうして運動が苦手なの?

超低出生体重児と虐待


ずっと気になっていた。


医師の友人のお友達には、有名な大学病院の新生児科で働いている小児科医もいる。だから、退院後のフォローに「やっぱり運動生理学者のアドバイスが必要じゃないの?」と伝えてみた。ブログを読んでくれたようだけれど・・・。


ある新生児科医に「子供を成長させる方法を教えて欲しい」とお願いされたことがあった。しかし、私はなんと答えていいかわからなかった。もしも専門家でない私が簡単に教えられるなら、専門家や研究者など必要ないと思う。


「ラクに痩せる」というような本はたくさん出ているけれど、本当は奥が深い学問だと思う。


そもそも、夫は、息子がNICUにいた頃から、私よりもカンガルーケアに熱心に通っていた。だから私よりも夫を信頼している。そのようなしっかりした信頼関係があるから、多少きつく叱っても通じるのだと思う。


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夫は、「息子の身長が伸びているのは、生まれてからずっとやってきたことが花開いているのだろう」と言っていた。そのつど、そのつど、待つ時間が必要だったり、逆に今のように運動刺激とタンパク質の摂取量を大幅に増やしたりと、体が必要とするものを、的確に見極めなくてはならない。


そのために『専門家』とよばれる方々がいるのだ。


第二次性徴期はあっという間にすぎていくだろう。本当は、すべての超低出生体重児(未熟児)に的確な指導が必要なんだろうぁと思う。


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