2015/05/25

富士市の自殺防止キャンペーン『パパ、ちゃんと寝てる?』 天国のお父さん達へ届け

超低出生体重児(未熟児)の育児支援や教育問題は「特別な人の問題で私には関係ない」と思っておられる方が多いと思う。そして、静岡県富士市の自殺防止対策、『富士モデル』が、なぜ、ここまで法律の専門家にも批判されるのかわからない方もおられると思う。


静岡県富士市『パパ、ちゃんと寝てる?』のポスター (野田正彰著 『うつに非ず』より引用)

2015-5-21.jpg

ガンバッてるお父さん
二週間以上の不眠は『うつ病』かも



野田正彰先生の『うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪』を一部引用させていただき、わかりやすく説明しようと思う。


まず、『疾病化』について。『お医者さんに行こう」という啓発や、お医者さんが出演するバラエティー番組、そして『余命一ヶ月の花嫁』『ツレがうつになりまして』などの映画やドラマ、ドキュメンタリーは疑ったほうがよさそうだ。


野田正彰著 『うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪』 第4章 : 疾病化 社会問題を個人の病気にすりかえる より 一部引用



●『疾病化』とは


「疾病化」は論理展開も、社会的な動きも共通する。


まず適当なアンケート調査が行われる。これをマスコミで流布させていく時には、病名を曖昧にして、「ある精神疾患が何%」と論点をずらしながら置き換える。続いて「これほど多いのに見過ごされている」と啓蒙する。その結論を装った主張は、「早期発見、早期治療」である。


この言説を信じ、脅された市民や政治家は法律や対策を求める。不調を感じた人が “ 専門家 ” のところに診察に行くと、そこでは適当な調査の数字を精神疾患と呼び替えてきた人々が待ち構えている。そして有効性が乏しく副作用のある薬が投与される。うつ病はじめあらゆる精神疾患作りに共通する手口である。この手法は病名を変えれば何度でも使用かのうである。



次に企業がこの『疾病化』を上手く利用し、精神科受診をすすめ、退職へと追い込む手口が紹介されている。


●リストラから薬中毒に


労働問題が精神科医療の対象にすり替えられていることに私が気づいたきっかけは、東京管理職ユニオンの相談だからであった。退職勧奨された相談者の多数が精神科に通院していることを知り、相談日を設けた。飲んでいる薬を持ってきたもらうと、皆が3剤、4剤と飲み、頭がぼうっとすると訴えていた。



ちなみにこれは1999年に放送されたフジテレビのドラマ『彼女達の時代』の一場面。リストラされるエリート会社員役の椎名桔平さんの演技が今みても泣けてくる。現在は企業のリストラに追い込む手口がさらに進化し、個人の心の問題にすり替えられているのだ・・・。


1999年代と最近のリストラの手口を比べてみれば、その差が歴然だ。


※    ※    ※



●1999年代のリストラ


90年代 隠れた名作ドラマ!「彼女たちの時代」深津絵里主演 NAVERまとめ より一部引用


26歳の女性3人の友情と恋を軸に、日々悩み、葛藤し、未来に向かって歩いていく人々の姿をリアルに描いた作品。


2014-11-17-2.jpg


一流大学の法学部を卒業後、大手不動産会社にて重大プロジェクトを任され成功した経験をもつエリートだったが、特に理由も無く関連の不動産販売会社に出向させられ、畑違いの電話による売り込みの仕事や、上司のしごきに困惑する毎日を過ごす。プライドが邪魔して妻にはこのことを話さない


※    ※    ※



こちらは『うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪』に書いてある最近のリストラの手口。読んでいくと、背筋がぞっーーーとする。皆、気づかないだろうな・・・。


●現在のリストラ リストラ対象者が巧みに『精神科』につなげられる


日本では採用年数から短いものから解雇するといったリストラのルールがない。経営側の一方的判断のうえに、私的な判断も加わる。給料が高い中年が対象になりがちであるが、さらに「日頃から従順でないものを辞めさせてやろうと」という人間関係も影響する。


そして肩たたきに入る。


「会社は希望退職を募っている。辞めるなら今だ。特別退職金も積まれる」という勧奨の一方で、「会社にいてもあなたの仕事はもうない。粘っても通勤できない工場の転勤か、今までやってきたことと職種に回されて嫌な思いをするだけだ」と脅す。さらに近年は、「解雇」という言葉は人事部は決して使わず、「別の生き方を見つけた方が良い」と言いながら収入を減らしてくる。



当然、リストラの対象となった人は憤る。裏切られたという怒りと、養わなければならない妻子や、家のローンなどが頭に浮かび、不安も押し寄せる。一体この先どうしたらいいのか。しだいに眠れず食欲もなくなり、何をやっても集中できなくなっていくーーーーーーーー


そんな時に「精神科を受診してみては」と声をかけられる。


職場からはじかれた人は、精神科クリニックに行ってすべてが解決するとは思えないが、少しでも楽になれるなら、と受診する。そこから泥沼がはじまる。



もちろん、医師は労働環境の改善を会社に働きかけたり、今後の人生設計などの相談にはのってくれない。そもそも、聴き取れるだけの見識があるわけではないから、不安は解消されない。すると、あっという間に薬だけが増えていく。


東京ユニオンに相談にきた人の処方例が紹介されている。向精神薬の怖さは、心理的依存と薬理的依存が同時進行していくことにあるとかいてあるけれどーーーーーーー


ある人の服用薬は、抗うつ剤であるパキシル(SSRI)、サインバルタ(SNRI)、精神安定剤であるデパス、ソラナックス、アモキサピン、睡眠導入剤であるハルシオン、ユーロジン、元はてんかんの薬で今は感情調整剤としても用いられるようになったデパケン、めまいの薬であるメリスロン、セファドール。


その他にもコレステロールを下げるリピトール、胃腸薬であるビオスリー、便秘薬のプルゼニド、胃酸を抑制するオメプロトンであった。これらの胃腸薬は多量の向精神薬で食欲がなくなり胃が荒れ、便秘になるため、処方されているのであろう。これだけの薬を飲んでいれば頭がぼーっとするのも当然である。


(略)


会社の経営から進められるリストラの問題が、個人の疾病にすり替えられ、そして本人は、自分は病気だからと納得させられて身を引いていく。労働組合はこの実態についてよく勉強しなければならない。このようなことが進行していけば、労働問題が疾病化を通して「こころの健康」というまがい物の精神医療に解体されてしまう。社会問題も社会病理も疾病化してしまえばいいとなる。



しかしこれは、どこかでみたことがあるな、とある文書が頭に浮かんだ。私がナショナルセンターに送った一通目の要望書にそっくりなのだ・・・。


最近「サクラさん、この問題を訴えてみませんか?」というお誘いをうけた。野田先生の本を読んで、どうして私なのかわかった気がした!


一通目の要望書の一部を公開しようと思う。「育児の相談」がなぜ「精神科医による投薬治療」になるのか、センターから説明は未だに一切ない。しかし私が力を振り絞って書いた『要望書』は、たぶんこれから様々な形で注目されていくだろう。


野田先生がおっしゃるように、絶対にこのままでは終わらせない。天国のお父さん達に強く誓う!


●センター総長

要望書

周産期医療における心のケアの改善を 


(中略)


3. 育児心理科 ▲医師への不信
 


とくに精神科であったということにはショックを受けました。同時に投薬に対する不信感が大きくなりました。副作用を知らされることもなく、いつの間にか投薬量が多くなっていったり、薬が変わったりしたことがあったからです。実際、薬の副作用でぼんやりすることが多くありました。そのために育児に支障が出ていました。ある時には階段から落ち、またある時には頭を強打し、別の大学病院で検査をしていただいたこともありました。その中でも、エリミンという薬は、服用すると色が変わって見え、とても恐ろしく感じました。


 それでも、私は▲医師を信頼しようとしてきました。通院し続けることで、誰かのために役立てるかもしれないと、治療方針や投薬に対する不安を打ち消してきたのです。たわいもない会話から投薬するのですから、誤投薬があったとしても当たり前だと思うようにしていました。


意見書を提出してからも、お互いに歩み寄ることはできるかもしれないとも考えていました。しかし、▲医師は、私の意見書の内容を「病んでいる」とあっさり否定し、落ち込む私に投薬量を増やするばかりでした。そして、8月9日、決定的なことがありました。


この日を境に、私は▲医師を全く信用できなくなりました。それは、関係が悪化するにつれ、眠れず苦しむ私に、ベゲタミンA錠を処方したことです。調べてみるとベゲタミンは、強い睡眠薬であることが分かりました。幼い子どもを育てているのを知っていて、なぜ強い薬を出すのでしょうか。▲医師は母親に寄り添う気持ちなどないのではないでしょうか。この時も薬の説明は「赤い色だからといって、怖い薬ではありません」というものでした。


 一度悪化した信頼関係ほど、もろいものはありません。診断や投薬すべてに不信が募ります。不安になり調べると、今まで処方されていた大半の向精神薬について、6月1日と7月6日に、厚生労働省が使用上の注意改訂を指示していたことがわかりました。


具体的な商品名は、アモバン、エリミン、ユーロジン、セロクエル、ベンザリン、レンドルミンです。これは、この年の3月に発表されたFDA(米国食品医薬品局)からの警告を反映したものでした。そこで、改めて▲医師に電話をし、なるべく早く時間をとり、今の正式な診断名と、薬の使用目的や副作用について教えて欲しいと訴えました。


 10月になり、私の正式な診断名は、生涯治る見込みのない精神障害だと告知されました。そして治療内容や方針に疑問を持つのは、私の障害のせいだとされました。驚いたことに、「軽度のうつ」だった病名が、意見書を提出してから「統合失調症の疑い」へと変わり、その診療日には「失調感情障害」になっていたのです。


また、薬の副作用については、注意改訂があったことさえ知らない様子でした。「処方した薬の量は少なく、副作用も、依存性もはたいしたことはない。睡眠剤なら自分も服用している。そのような被害妄想が、あなたの障害の特徴だ」と、と取り合ってくれませんでした。


このときから、▲医師のそれまで穏やかだった表情が一変し、わざと傷つけるような態度をとったり、言葉を投げかけるようになりました。また、あからさまに、転院を促すようになりました。


 ですが、私はそのようなことを到底受け入れることはできませんでした。なぜなら、軽い不眠はありましたが、意見書を提出するまで精神的には回復しはじめていたからです。そうでなければ、意見書など書いて提出する勇気はでないのではないでしょうか。むしろ、依存性のある向精神薬を、いつになったら断ち切れるようになるかで悩んでいました。▲医師には、「病んでいる」証拠とされた内容も、運動生理学と免疫学の専門家である夫が一読し、手直ししています。


夫も、超低出生体重児の育児は、親だけの努力では解決困難な問題もあるので、当事者が社会に広く訴えていく必要があると申しております。実は、7月中旬に夫が▲医師に電話をかけたことがありました。その時に夫は、「統合失調症の疑い」があると▲医師から聞かされ、驚いたそうです。


 私は、「精神障害」と言われたことで深く傷つき、日常生活にも支障をきたすようになりました。このままでは、本当の精神障害者にされてしまうかもしれないという恐怖もありました。精神科への通院歴があることを考えるだけでも、肩身の狭い思いになりました。


カルテに書かれている内容次第では、生命保険の契約更新が不可能になるかもしれないと不安になり、次の診察日に訴えました。しかし、返ってきたのは「障害者手帳という手もありますよ」という耳を疑う言葉でした。この言葉に私の心は折れてしまいました。これが、あれほど素晴らしい理念を掲げ新規設立された、●センターで行われている心のケアなのでしょうか。


心のケアは、センターの大きな特徴でもあったはずです。私を初めとする、超低出生体重児の母親が、落ち込むのは当たり前だと思います。それは正常な心理です。そのケアがほしかっただけです。投薬や精神科医の言葉により、精神障害者にされてしまうことがあって良いのでしょうか。私は度重なる心労で、今年2月から子どもの通院ができなくなりました。


4. 最後に 


 以上のことから、今回この要望書を作成いたしました。出産に関する心の問題はあくまで正常心理の延長線上で起きることではないでしょうか。投薬中心、また、対応する医師のパーソナリティに問題があっては、こころの診療部とは言えないのではないでしょうか。どうか、母親の立場に立ち,支えてくださる診療部になるように改善をお願いいたします。


平成20年12月8日

コメント

非公開コメント