2015/06/29

すべての母親が読むべき一冊!『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち 』

最近、よくいわれる。「いつもニコニコしているね」


子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち | 集英社 学芸・ノンフィクション


2015-6-28.gif



「えっそうなんだ」とびっくりする。もしそうだとしたら、私はやっと笑えるようになったんだ。


集英社から『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち 』という本が最近発売された。第11回開高健ノンフィクション賞を受賞された黒川祥子さんという方の受賞後はじめての作品だそうだ。


帯をかいているのはあの『石田衣良』さんだ!


「いつもニコニコ笑っているよね」と言われたけれど、あれは平成19(2007)年5月31日だった。息子の生まれた病院で女性外来を受診し、子宮筋腫の手術を受けた時、いつのまにか「精神科」を受診させられ気づいた時には「障害者手帳」を申請しないといけない「精神障害者」にされてしまった。


2014-5-20-1.jpg



あまにもショックな出来事で、記憶がところどころ飛んでしまっている。人は心に深い傷を受けた時、涙も出ないといけれど、まさにそんな感じだった。


つい最近、著名な精神科医である野田正彰先生が驚いておっしゃったぐらいだ。「どうしてあなたが精神科に行かないといけなかったの!」法務局の人権相談窓口でも言われた。「あなたは人権を侵害された被害者です」


なんでこんなことが起きてしまったのか今でもよくわからない。


ある日突然「障害者」として生きよ、と言われたのだ。それは『私』という人格を傷つけられたことと同じ。言葉にできないほどのショックだった。


呆然としたままバスに乗りこんだ。すぐには家に帰りたくなくて、新宿の地下街を歩いた。『R25』がたくさん積んであった。一冊手に取り新宿の伊勢丹のカフェでパラパラめくりながら食事をとった。その時、ふと目にとびこんできたのが石田衣良さんのエッセーだった。


2014-5-1.jpg



そこにかかれていたのは、まるで私を励ますためにかいたような言葉。石田さんの文書を読んだ時に、はじめて私の心の中に「悲しい」という感情がわき出てきた。店内にいる他のお客さんに見つからないようにそっと泣いた。


あれから私はいつもうつむいていた。嬉しとか、楽しいとか、慶びの感情がなくなってしまった。


もう二度と、あの日に戻りたくない。


あの石田さんが子宮頸がんワクチンの被害を訴えている方とお母さんを応援してくれているんだ。よかった、と思った。私も早速注文してみよう。


空は、今日も、青いか? 第70回 傷つきやすくなった世界で 『R25』  石田衣良  一部抜粋


この10年間で、日本語も変わった。ぼくがデビューしたころにはなくて、今では毎日のように目にする言葉がたくさんある。格差社会、勝ち組負け組、ネットカフェ難民、仮面うつ、負け犬、メタボリック、自己責任、非正規雇用、ジコチュー、学級崩壊、地球温暖化・・・。


言葉には本来、社会や人間の傷に貼付ける救急絆創膏のような働きがある。だから、勢いこの時代についた傷をえぐりだしたり、カバーしたりする新語どうしても目につくことになるのだろう。


ぼくはときどき不思議に思うことがある。格差社会という言葉ができるまで、社会にたいした格差は存在しなかったのではないか。あるいは、負け組という言葉ができるまで、ほとんどの日本人は自分を中流階級だと単純に信じられてきたのではないか。


(中略)


このコラムを読んでいるあなたは、もしかするといくつもの身もふたもない新語に当てはまる生き方をしているかもしれない。格差社会の底辺にいて、非正規の不安定な職につき、自分を負け犬だと感じていて、もしかしたら仮面うつ病にかかっており、さらに夜はネットカフェで泊まっている。そんな状態では、明日への希望など簡単にはないだろうと、ぼくだって思う。


だけど、ここでいっておきたいのだ。自分に貼られたシールに負けるな。新しい言葉になど負けてはいけない。どれほど気がきいた残酷な言葉でも、あなたという人間全体をあらわすことなどできない。一人の人間は、現在の姿だけでなく、将来の可能性までふくめた未知数の存在だ。


シールを貼ることで(貼られる)ことでわかった気になってはいけない。それは自分に対しても、周囲にいる人間に対しても同じことである。今日こうして生きているけれど、明日には目覚ましく変化しているかもしれない。その可能性は誰にだって開かれているのだ。


コメント

非公開コメント