2015/09/02

厚労省の『拠点病院事業』の問題点 その2「子どもの心の診療ネットワーク事業」の不都合な真実 (前編)

厚労省の『拠点病院事業』の問題点 その1「子どもの心の診療ネットワーク事業」(後編)の続き

●「子どもの心の診療ネットワーク事業」とは


それでは厚労省がすすめている「子どもの心の診療ネットワーク事業」とはどのような事業なのだろうか。国立成育医療研究センターの公式サイトにはこのようにかいてある。ちなみに国立成育医療研究センターとは、日本の小児医療を牽引する医療機関で、総司令部のような役割を担っている。


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拠点病院事業とは 独立行政法人国立成育医療研究センター


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発達障害、虐待、家庭問題、不登校など、子どもの心の問題の増加にともない、子どもの心の診療の充実が求められています。これらの問題に対応するため、厚生労働省のモデル事業として平成20年度に「子どもの心の診療拠点病院機構推進事業」がスタート。地域における子どもの心の診療の中核となる拠点病院の整備とネットワーク作りに着手しました。平成23年度より、更なる事業の拡充とより良い診療体制をつくるため「子どもの心の診療ネットワーク事業」と名称を変え、本格的に実施されています。


「子どもの心の診療ネットワーク事業」では、都道府県自治体が主体となり、事業の主導的な役割を担う拠点病院を中心に、地域の病院・児童相談所・発達障害者支援センター・保健所・保健センター・療育施設・福祉施設・学校等の教育機関・警察などと連携して子どもたちの心のケアを行っています。また、地域でのよりよい診療のため、子どもの心を専門的に診療できる医師や専門職の育成、地域住民に向け子どもの心の問題に関する正しい知識の普及を行っています。


本事業に参加することで、行政の管轄や機関の壁を越えた支援の連携が可能に。さまざまな専門機関が手をつなぎ、子どもの心を支えています。

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要するに「国立成育医療研究センターを頂点として、医師のヒエラルキーのもと、支援を行います。皆さんいうことをきいてね」という感じなのでしょう。


しかし私がこの「イメージ」をみて、大いに問題だと思うのは、何をもって「子どもの心」の問題としているのか?ということだ。


例えば、昨日紹介したダイアモンド・オンラインの事例。一番悪いのは「身勝手な母親」なのに、子どもがいじめにあって不登校になったら、子どもに治療を受けさせるのが「ケア」なの?と思ってしまう。支援というけれど、一生、なおらない「障害になるかもしれない」という精神科医の話も紹介されている。


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妻と間男に傷つけられた息子の心  憎しみの夫が取った行動は?(下) ダイアモンド・オンライン 露木幸彦 [露木行政書士事務所代表] 【第11回】 2015年8月29日 より一部引用

●妻の身勝手な行動のせいで
息子の心は崩壊していた…



「あとで分かったことですが…」


 健太郎さんはそう言い添えた上で、息子さんから聞いた話をまとめてくれました。妻の潜伏先は実家近くのアパートの一室。そこは真夏なのにクーラーも設置されていない劣悪な住居環境だったようです。妻は健太郎さんに一言もなくアパートを契約し、「帰省するから」という理由で最低限の荷物だけ持ち出し、子どもたちを実家近くの小学校、幼稚園に無断で転校させていたことが明らかになったのです。


このように「妻の離婚計画」のせいで、息子さんは今まで通い慣れた小学校、仲の良かった友達、そして信頼している先生を奪われ、新しい小学校への転校を余儀なくされたのです。


 息子さんにとって実家近くの小学校は縁もゆかりありませんが、新しいクラスに馴染めなかったようで、同級生たちにからかわれたり、無視をされたり、私物を隠されたりして、いわゆる「イジメ」に遭っていたのです。それでも最初の2週間は我慢して何とか登校していたのですが、イジメの程度はどんどんエスカレートしていき、最終的に同級生がよってたかって息子さんを殴る、蹴る、物を投げつけるなどの「集団暴行の被害」に遭ってしまったのです。


 こうして息子さんにとって、小学校はもはや危険極まりない場所と化したのです。2日に1回しか登校できず、また何とか登校できたとしても、イジメの悪夢を思い出してしまい、心身ともに支障をきたし、最後まで授業を受けることは難しく、途中で1人で下校せざるを得ない状況に追い込まれたのです。


さらに担当医師の診断によるとLD(=学習障害)を発症した可能性が高いようで、そのせいで普通学級には通うことができず、支援学校へのクラス替えを余儀なくされたのです。専門の精神ケアの先生なしには授業を受けることが難しくなり、その小学校には平日しか子ども専門の精神科医がいないので、息子さんの心理状態は改善するどころか、ますます悪化していくのは当然のことでした。


 食事が喉を通らず、夜もほとんど眠れない生活が続いており、ストレスに苛まれ、体はやせ細り、心は不安定になっていき、最終的には小学校に足を向けることすら難しくなり、完全に不登校の状態に陥ったのです。


「きちんと三食を摂って、決まった時間に就寝して、何の問題もなく小学校に通っていたんです」

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●親と闘う道はないのか?


この事例のような場合、医療的支援以外に、選択肢はないのだろうか?


精神医療で被害を受けた方達が参加する集まりに出かけると、親に精神科に連れていかれた方達によく出会う。彼らが訴えるのは「悪いのは僕(私)じゃなくて、親なのに、どうして子どもが治療を受けないといけないんだよ!」


私がこの男の子だったら、親に『プチ復讐』をしようと心に誓うだろう。


「治療」とか「ケア」とかではなく、「親と闘う」という道だってあるはずだ。「闘う」という選択肢は、子どもにとって大切な権利の1つだと思う。もし私だったら、「子どもの心が云々」という前に、自分の味方になって一緒に闘ってくれる大人に側にいて欲しい。少なくとも、子どもを不幸のドン底に突き落としたこのお母さんを怒って、反省を促して欲しい。


しかし、この事業内容をみるとそういう観点がない。子どもにとったら、アンフェアだなぁ・・・。


厚労省の『拠点病院事業』の問題点 その2「子どもの心の診療ネットワーク事業」の不都合な真実 (後編)

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