2015/09/15

『新型出生前診断』の闇 『次世代シーケンサー』をめぐる熾烈なビジネス戦争

今日の夕方、『新型出生前診断』について、フジテレビが特集を組むそうだ。今回の特集は力を入れるから、関わった幾人かの人達の人生も大きく変わるかもしれないーーーーそういうことを教えていただいた。


私はこの数日間、心がざわついて落ち着かない。放送があと数時間に迫った今、この瞬間も。


なぜなら、導入の中心的役割を担ってきたと噂される医師は、私と息子の命を救ってくれた恩人だからだ。


しかし一方で、厳しい内容になるだろう、という予想はついていた。先日、この『新型出生前診断』の導入を巡るいきさつが記された成安造形大学の島先京一氏の『新型出生前診断と21トリソミーをめぐる誤解 』を読んだからだ。この中で島先氏が提起している問題は、本来であれば、息子が生まれた医療機関がすべきことだろうし、本当は「医療ジャーナリスト」と呼ばれるような方々が社会に問わないといけないんだと思う。





でも今の日本にそういう報道ができるジャーナリストが、どれだけおられるだろう?


『新型出生前診断』が導入された経緯は、子宮頸がんワクチンの導入とよく似ていると思う。早急にすすめられてきたし、不自然な点も多い。だから、「技術的に確立されている診断方法なのだから感情論で議論しても仕方がない」「アメリカでできることが日本でできないことのほうが問題だ」なんて国民にこの検査の是非だけを問うのはおかしいと思う。調べてみるとやはり。導入の背景には、『次世代シーケンサー』を巡る熾烈なビジネス戦争があるようだ。


きっといつものように『科学的根拠』を可能な限り拡大解釈し、ビジネスチャンスを広げていくのだろう。


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市場調査とコンサルティングのシード・プランニング 遺伝子解析支援ビジネスの市場予測 2014年8月25日発表

遺伝子解析支援装置主要3品目(*)の世界市場予測
→ 2019年に3千億円を超える市場に拡大する。
  なかでも次世代シーケンサーは、1千億円を超えると予測。
  体外診断用パーソナルシーケンサーが貢献する。
研究目的の遺伝子受託解析の世界市場予測
→ 2019年に1千億円を超える市場となる見通し。
  リアルタイムPCRやデジタルPCRの受託解析が市場を牽引。
  なかでも次世代シーケンサーは、350億円に達すると予測。


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新型出生前診断と次世代シーケンシング  株式会社ジナリスオミックス 2013年09月13日


新型出生前診断を巡る特許戦争


  少なくとも4社が競って新型出生前診断のサービスを開始しているので、4社の間の特許戦争も激しくなっている。 Sequenomは、 Verinata Healthに対して特許権侵害訴訟を起こしている上、特許権侵害でAriosaとNateraも告訴した。その一方で、 Verinata HealthとSanford大学は、Sequenomに対して特許侵害であると提訴している。Sequenomは、非侵襲的出生前診断に対して広い請求項を持つLoらの特許の独占的ライセンスを受けているので、特許戦争面では優位な立場にあるように思える。


 しかしながら、Sequenomの診断を含めて、多くが公的研究グラントを受けた研究の成果をもとに商業化しているので、バイドール法の精神に基づくと、1社だけに独占権を与えることは問題があるとも思える。さらに、仮にSequenomだけに独占権を与えると、Sequenomの診断料がすでに高い上、市民がより良い医療サービスを受けられないという問題も発生しうる。Sequenomが優位な立場に立つ中、Illuminaが今年初めに Verinata Healthを買収したのは、Sequenomに独占的な状況が与えられないと予測したことによると思われる。



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まるで、自らが行ってきたロビー活動に目をつむり、HPVワクチンの被害を置き去りにし、「安心して接種してください」と接種再開を呼びかけることとそっくりだ。


そもそも、アメリカと日本は違う。病気や障害のある子どもへの支援は、アメリカのほうが充実している。それは導入を急ぐ先生方のほうがよくご存じのはずだ。


今だって支援が不足しているのに、ダウン症を抱える子ども達への支援がますます行き届かなくなるかもしれない。それこそ子どもにお金を使わない日本のことだから、障害や病気を抱えた子どもを生んだら、「自己責任」と切り捨てられるかもしれない。障害や病気を抱えたお子さんやご家族の苦労を置き去りにしたまま、すすんでいくのだろうか。


そしてHPVワクチンと同様この検査にだって、きっと落とし穴があるだろう。HPVワクチンの被害者は若い女性が多い。だから被害を訴えないで我慢する子も多いそうだ。差別や偏見など、被害者は二重、三重に苦しめられるからだそうだ。しかし、不妊治療などはもともとベールに包まれて表に出ない部分も多い。もし被害者が出たらHPVワクチンの被害とは比べものにならないほど孤立してしまう可能性がある。


そして大切なこと。先生は臨床医だからご存じないかもしれない。


会社の経営実態、政治家や企業との金銭のやり取り、こういうことだって、人の身体のように「スキャン」して調べられる。我が国の情報開示は遅れているといわれているけれど、それでも調べることはできる。例えば、裏金をつくる時に、一度表に出さないといけないような仕組みにはなっている。小さな1つ1つの情報を、どのようにつなげ、一本の線にするかは私達市民の真剣さにかかっているといってもいい。


私はこれまで何人かの政治家の収支報告書、ある機関の行政開示文書などを閲覧した。政治家の収支報告書はネットでも簡単に誰でも閲覧できるし、謄本などもオンライン請求できる。私も一年以上の時間をかけ、解析をしてみたのだ。


そしてそれらの情報を、ある学会発表の記録とつなげあわせた時に、はじめてカラクリがわかった気がした。これは単に『新型出生前診断』だけの問題ではないはず。これまで私が関わってきた「大野病院事件」から「HPVワクチン」のプロモーション、そして「オーダーメイド医療」のすべてが一本の線でつながっているーーーーーー


これまで何回か退院後の子ども達への支援を訴え、手紙などを送ったけれど、フィードバックなどほとんどなかった。私達がお世話になった医療機関は、ただの大病院ではない。日本の小児医療を牽引する役割を担っている。だから、どうしてなのか不思議だった。それは市民手作りの活動だった「周産期医療の崩壊をくい止める会」にもいえることだ。


自分で情報を集めてはじめてわかった。


はじめから目指す目的が違う。だから私が思うような「心」がもともとない。きっとそういうことだったのだろうと確信している。


さて、今日の放送はどんな内容になるだろう?私の予想はどれだけ当たっているだろう。

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