2015/09/21

フジテレビ みんなのニュース『重篤患者186人と判明 子宮頸がんワクチン』 その1

●『被害報道』は誰のためにあるのか?


これは2013年5月17日、フジテレビの『とくダネ!』で放送された、子宮頸がんワクチンの副作用問題についての特集の一場面。


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前日の5月16日、厚生労働省で行われた予防接種・ワクチン分科会副反応検討会の終了後、混乱する様子を紹介した。


被害連絡会が発足し副作用が社会問題化しつつある頃で、この検討会に注目が集まっており、当日と翌日、各局が報道した。その中でも『とくダネ!』の報道はインパクトがあった。なぜなら、委員の方々が逃げるように会場を後にしようとした時に、ご家族と支援者の方々が激しくつめよる姿を放送したからだ。


●混乱する様子を報道するのは、不安や不信を惹起するためなのか?


時間がたって振り返った時に、この『とくダネ!』の特集が大きな意味を持つと感じたから、私は今でもニュース映像を保存している。


ご家族の「私達の子どもは実験台なんですか!もとの身体に戻して下さい!」という言葉が重くのしかかった。


ショックを受けた私は、すぐに取材した医療ジャーナリストの伊藤隼也さんにメールを送った。被害が深刻だときいていたけれど、まさかこれほどだとは思っていなかったからだ。その時私にいった伊藤さんの言葉は今でも忘れていない。


「僕はわざと混乱した様子を放送したんだよ」


伊藤さんの狙った通りなのだろうか。放送直後、「ワクチンに対する不信を煽る」と医療者から批判が殺到した。


しかし私には伊藤さんが意図していたであろうことがわかる気がした。なぜなら当時のワクチンの安心・安全キャンペーンは異常だったからだ。


例えば、夫のように基礎研究に関わる研究者は臨床医よりも慎重だ。新しい画期的なワクチンが無料だからといって、よほど危険な感染症でもない限り、すぐに手をだすことはない。


伊藤さんの報道が不安を惹起するんじゃなくて、あの手この手でくり広げられているキャンペーンのほうがよほど不自然だと思った。なぜそういう不満を口にしてはいけないの?


それにちょうどこの頃から、日本は医療を産業にするという戦略を鮮明に打ち出していた。


私には「人の命や健康は、右肩上がりで成長するものなの?」という疑問がある。株には、『売り』『買い』という言葉があるけれど、売られるのも、買われるのも、なんだか私達の命や健康のようだと思っていた。「産業」というときこえはいいけれど、幾ばくかのお金と引き替えに、日本人としての誇りや魂を持っていかれるかもしれないーーー


少なくとも医学界の偉い先生方は、ビッグ・ファーマと呼ばれる外資系製薬企業が海外でどんなプロモーションをしてきたかご存じのはず。どなたかお一人でも、『ここは日本でございます。女性や子どもを騙すような啓発はおやめ下さい』そう、おっしゃって下ってもいいのに・・・。


2013年5月17日の『とくダネ!』の特集は、その不安が現実のものとなり、私に突きつけられた瞬間だった。


今から思えば、安心・安全神話に警鐘をうながす意味で、混乱する様子をテレビで放送することは、伊藤さんがいうように重要な意味を持っていたと思う。


あの放送から被害の救済のために、私もいろいろと走りまわった。斎藤貴男さんのようなジャーナリストにお目にかかって取材にも協力させていただいた。今年の4月、完成した本を手にした時には泣いてしまったなぁ。


昨日2015年9月19 日、やっと被害者の救済がはじまるという嬉しいニュースがあった。ここまでくるまで本当に長かった。


でも、産業になるってことは、被害が起きても看過される、利益のために置き去りにされるかもしれない、ということでもあるのだ。


被害者とご家族にとって、これから先の道のりが、少しでも平坦でありますように、と心から願う。


二度とこのようなキャンペーンをしないで欲しいという意味で、同じフジテレビのみんなのニュースの特集をブログに残しておこう。


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