2014/01/07

食物アレルギー根拠なく対応苦慮 「診断」は僅か2割 !

こねこのななこちゃんが歌になりました。しばらく一番上に掲載します。

ちょっと ちがう(こねこ ななこ)

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東京新聞に掲載されたお母さんの言葉

「クラスのみんなも娘の急死がショックだったと思う。歌で心が癒やされるなら、うれしい」と母親は友だちのことをおもんぱかる。そのクラスメートたちも来春には小学校を卒業する。「それまでに、にしむらさんと一緒に歌える機会ができたら、親としてもうれしいですけど」と話している。



最近食物アレルギー問題から脱線気味だったので少し戻ろうと思う。年末にNHKのサイトで良い記事を見つけていたのだ。NHKは医療側の問題点を、唯一深く掘り下げているように思う。私は食物アレルギーのお子さんの親御さんから医師への不信をよく聞く。だから本当はよく伝えられている保護者と学校だけでなく、医療側にだって問題があるんじゃないかと思ってきた。


学校現場には、そういった問題点が整理されず丸投げされてきたんじゃないだろうか?超低出生体重児の退院後の支援とよく似ていると思ったのは、保護者と学校現場の苦悩が事件が起きるまで見えてこないからだった。


報道がこれまで熱心に伝えてきたのは、主に医療側からの情報だったのではないだろうか。それでは問題点が浮き彫りにならず、いつまでも支援が生きたものにならない。私には医療者や行政にどのような事情があれ「子どもを育てるのは親なのに」「実際に指導するのは現場の教員なのに」という想いもある。


この報道を知ると、横浜でおきた悲しい裁判はまた違って見えるはずだ。ご両親を追い詰めたものは何だったのか。医療や行政に携わる方々は考えて欲しいし、伝える報道は掘り下げて取材を続けて欲しい。きちんと社会に伝えないと悲しい事故や事件はなくならないと思うのだ。


私の経験を記しておく。ちょうど今頃の季節、肺の弱い息子は次から次へと感染症にかかっていた。病院に行くと、待合室で待っている間にまた違う感染症にかかる。そのため、NICUを退院してから二年間ぐらいは家の車かタクシーしか乗らなかった。普段子どもを連れて外出もあまりせず、旅行にいくとしたら秘湯ばかり。人混みをさけないと感染症にかかるし、そうなると看病している私も疲れ果て同じ病気になってしまう。


一度息子が感染症にかかると10日ぐらいは回復せず私は満足に眠ることも出来ない。核家族には辛い。だからといって実家の母に看病してもらうと母も病気になってしまうこともあった。母の健康を考えると気軽にお願いできなかった。書いているうちに苦い思い出が蘇り、辛くなってしまった・・・。


人からみたら神経質だと思われるかもしれないが、そうでもしないとやっていけないほど切羽詰まっていた。なぜなら、ちょうど私の家庭のような中間所得層には、子育てを一手に引き受ける母親が倒れても、行政は手を差し伸べないからだ。


話をアレルギーに戻すと気がかりなことがある。もし学校から「診断書をとってきて欲しい」とお願いされても簡単にはいかないかもしれない。専門医がいるのは第三次救急をはじめとする大きな医療機関に限られるだろう。そうなると予約をして一日がかり。さらに詳しい検査や定期的に通院となるとすべての親御さんが受診できるのだろうか。休みがなかなか取れない親御さんやシングルの家庭ではハードルが高いかもしれない。


専門医を増やすとともに町のお医者さんにもレベルアップしてもらって連携するのは理想だ。しかしそれまでに何年かかるだろう。それこそ国民的な運動にしないと実現しないかもしれない。けっこう根が深い問題だな、とあらためて思った。


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食物アレルギー根拠なく対応苦慮 12月19日 NHK WEB特集


食物アレルギーがあると学校に届けられている子どもは全国の公立の小中学校と高校で合わせて45万人余りと、9年前の1.7倍に増えていることが文部科学省の調査で分かりました。一方で、医師の診断書などが提出されているのは20%余りで明確な根拠がないまま学校が対応に追われているケースは少なくないと見られています。報道局生活情報チームの山本未果記者が解説します。


「診断」は僅か2割
今回の調査は、去年12月、東京・調布市の小学校で食物アレルギーのある女子児童が給食を食べたあとに亡くなった事故を受けて、文部科学省が全国の公立の小中学校と高校を対象に9年ぶりに行いました。その結果、食物アレルギーがあると学校に届けられている子どもは全体の4.5%に当たる45万3962人と、9年前の1.7倍に増えていることが分かりました。


しかし、このうち医師の診断書などが提出されているのは21%にとどまっていて、明確な根拠がないまま対応している可能性があることも示されました。特に、重いショック症状が出たことがあるとされる子どもでも37%、緊急時に備えて「エピペン」と呼ばれる自己注射薬を持っている子どもでも31%しか医師の診断書などは提出されていませんでした。


学校現場では混乱も
根拠のない届け出は学校現場の大きな負担となっています。このうち横浜市立小机小学校では、以前は保護者の届け出だけでも児童を食物アレルギーと判断し、給食から原因とされる食材を取り除く対応を行っていました。


しかし、「卵にアレルギーがある」と言いながら「うずらの卵やアイスクリームは食べられる」といった本当に症状が出るのか疑問なケースも少なくなかったといいます。このため学校では今年度から、医師の診断に基づく届け出でなければ給食のアレルギー対応はしないように改めました。


その結果、届け出は2割ほど減り、重い症状が出る危険がある子どもの対応に集中できるようになったということです。酒井均校長は「より確実な情報に基づいて学校が判断したいということで決断しました。緊急時の対応もそれぞれ違うので、そのためにも正しい診断に基づいてその子にあった適切な対処ができる学校にしていきたい」と話しています。


診断できる医師が少ない
一方で、食物アレルギーを巡る専門知識を持つ医師が不足していることも混乱に拍車をかけていると指摘する声もあります。


私が取材した小学6年生の女の子は、これまで複数の医療機関で血液検査を受け、少しでも反応が出た20種類近くの食材をすべてアレルギーと届け出て給食から取り除いてもらっていました。医師から「念のため食べないように」と指示されていたからです。しかし、血液検査ではアレルギーの疑いがあることまでは分かっても、本当に症状が出るかはその食材を食べてみる「負荷試験」と呼ばれる検査を受けなければ分かりません。


このため女の子は、専門医がいるさいたま市民医療センターで原因とされる食材を食べて症状が出るかどうかを調べてもらいました。この日試したのは「ごま」。医師の管理のもとで米粒ほどの量から食べ始め、徐々に量を増やしていきましたが、4グラム食べても症状は出ず、ごまのアレルギーはないと診断されました。


女の子の母親は「これからも疑わしい食材についてアレルギーがあるかどうかはっきりさせるため試験を受けていきたい」と話していました。この病院では、地域の医師からの紹介を受けてこうした試験を行っていますが、何の症状も出ないケースはおよそ半数に上っています。


特に、食物アレルギーは成長とともに改善するケースが多いのに、何年も前に受けた血液検査をもとに食材を取り除き続けているケースは少なくないということです。


求められる医療の底上げ
食物アレルギーを巡る医療はこの10年ほどで大きく進歩していますが、一般の医師まで浸透しているとは言えず、専門医の数が限られているのが実情です。このため、実際に食べてみる試験を受けることができる医療機関も決して多くはありません。


食物アレルギーに詳しい国立病院機構相模原病院の海老澤元宏医師は「血液検査が出た後の指導が十分できていないという状況があるのが問題だ。食物アレルギーに関する知識を一般の医師に広めてレベルアップを図るとともに専門医と連携して診断や治療ができる体制作りが必要だ」と話していました。


悲しい事故を繰り返さないために、学校現場が果たすべき役割は大きなものがあります。しかし、根拠のない届け出やあいまいな診断が多ければそれだけ給食の対応が複雑になり、本当に必要な子どもへの対応に影響が出かねません。そのためにも、学校や子どもの保護者が食物アレルギーについて正しい知識を持つとともに、地域を問わずに正しい診断ができる医療体制を整えることが不可欠だと思います。



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