2015/10/10

『新型出生前診断』の問題点について その10 子ども達の人権は守られてきたのか 

●医学研究における『利益相反』とは


なぜ利益相反を考えなくてはいけないのかは、以下のサイトがわかりやすい。日本消化器病学会が公式Webサイトで公開している、医学研究に関する利益相反についての考え方だ。このブログがテーマにしている、人権に関する項目を引用させていただく。


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Q1.産学連携で医学研究を行う場合、何故、利益相反が問題になるのですか?


A1.人間を対象とする医学研究を産学連携で行う場合には、他の領域の産学連携研究とは異なり、医学研究の対象・被験者として健常人、患者などの参加が不可欠です。

産学連携により医学研究に携わる者には、一方で研究者として資金及び利益提供者である製薬企業などに対する義務を負うとともに、他方で被験者の生命の安全、人権擁護をはかる職業上の義務を負います。同一人におけるこのような二つの義務は、単に形式的のみならず、時には実質的にも相反し、対立する場面が生ずることになります。

1人の研究者をめぐって発生するこのような義務の衝突、利害関係の対立・抵触関係がいわゆる利益相反(Conflict of Interest : COI)と呼ばれる状態です。産学連携で行われる医学研究はほとんど利益相反の状態にあると云えます。



Q6.産学連携による医学研究を行う上で、COIの観点から研究者が遵守すべきこととは何ですか?


A6.医学研究に携わる研究者としての義務と医療専門家である医師としての義務が同一研究者に課せられますが、これら二つの義務の対立が現実化した場合、医療専門職にある研究者は、対象である被験者の人権擁護者としての立場を最優先し、被験者の利益のために最善を尽くすべきことは当然と考えられています。

したがって、資金提供者の利益のために、またさらに自分の利益維持のために研究の方法、データの解析、結果の解釈を歪めるようなことが、絶対あってはならないし、社会的にも許されない行為と言えます。

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●胎児の人権は守られているのか?


ここで問題になるのが、「新型出生前診断」において、医療専門職にある研究者の擁護すべき人権とは誰の人権なのか、ということだ。


こちらはNIPTコンソーシアム研究代表の左合治彦氏が所属する国立成育医療研究センターの公式サイトにある「子どもの患者の憲章」について。はじめに「子ども達はいつでもひとりの人間として大切にされます」と記載されている。


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憲章に記載されている「子ども達」の中には、胎児も当然入るはずだ。実際に国立成育医療研究センターの『生命倫理研究室』にはこのように書いてある。




・臨床倫理

臨床倫理
成育医療では、その対象が自らの医療に関して自己決定することのできない子ども(未成年者)であることから、つねに「代行判断(代諾)」の倫理的妥当性の問題や子どもの権利擁護の問題等に配慮が必要になります。


・研究倫理

研究倫理
臨床研究では、その前提として被験者の自発的な意思決定が求められますが、成育医療領域における臨床研究では、前述のようにまだ自己決定することができない子どもが研究対象のため、子どもの権利擁護の観点から特別な倫理的配慮、そしてより慎重な研究計画の審査等が必要となります。

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しかし私は書かれているような理念が現場で遵守されてきたとは思っていない。なぜなら、このブログで何度も紹介したように答申書が複数存在するからだ。しかも読むとわかるように、負の事例に対して、きちんと向き合ってきたとは思えない。私も被害を受けた一人だといっていいと思う。改善を求めて要望書や手紙を何度か出したけれど、聞き取り調査など一度もなかった。


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● 諮問庁:厚生労働大臣
 諮問日:平成21年1月8日(平成21年(行個)諮問第4号)
 答申日:平成21年7月30日(平成21年度(行個)答申第30号)
 事件名:特定個人の診療録等の不開示決定に関する件

 答申書


http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h21-k01/k030.pdf

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● 諮問庁:独立行政法人国立成育医療研究センター
 諮問日:平成22年3月31日(平成22年度(行個)諮問第71号)
 答申日:平成24年3月12日(平成23年度(独個)答申第44号)
 事件名:本人に係る外来診療録の不開示決定に関する件

 答 申 書


http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h23-dk01/dk044.pdf

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● 諮問庁:独立行政法人国立成育医療研究センター
 諮問日:平成22年6月8日(平成22年(独個)諮問第11号)
 答申日:平成23年12月5日(平成23年度(独個)答申第24号)
 事件名:特定個人の診療録等の不開示決定に関する件

 答 申 書


http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h23-dk01/dk024.pdf

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続く

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