2015/10/13

『新型出生前診断』の問題点について その11 ナショナルセンターの使命、役割とは何なのか 前編

●障害や病気を抱えた子どもの育児 『ポジティブ』な情報の共有を


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福島県立大野病院産科医逮捕事件の時に、福島地方裁判所鈴木伸行裁判長宛に送った手紙の配達記録



私は超低出生体重児の親なので書いておこう。この難しい難問を解決するヒントになるだろうか。


ブログに書いているように未熟児を育てるのはとても大変だ。私はすべての親や家庭に育てられるとは思っていない。しかしだからといって、超低出生体重児を産まなければよかったといいたいのではない。


出血が止まらず24 周で帝王切開しなければならなくなった時に、そして子どもがNICUを退院する時に、もしも良い情報が少しでもあったら、あれほど不安に思わずにすんだかもしれないと思っているのだ。


子どもの人権といっても、子どもは親がいなければ、一人で生きていけない。


「お腹の中の子どもがこれからどうなるかわからない」という恐怖は、経験した者ではないとわからないだろう。情報が伝わらないばかりに、中には命を諦めてしまう方がおられるかもしれない。


だから私は病院に手紙や要望書を書いたのだ。


かつての私のように、良い情報を求めている人がいたら、その人を安心させるために知らせて下さいーーーー私は自分の経験から、「正しい情報」がお腹の子どもの人権を守ることにつながると考えてきた。


もちろん、産まない選択をする方々も決断も尊重されるべきだ。今のような先行き不透明な時代には特にそう思う。


しかし産むにしても、産まないにしても「情報」は必須ではないだろうか。知っていて選択するのと、知らないで選択するのでは、まるで意味が違うと思うからだ。


胎児にとったら必須というよりも『生命線』『命綱』という表現が適切かもしれない。ダウン症のお子さんがどのように育っているのか社会に知らせない、ということは、私はそれほど罪深いことだと思う。


●ナショナルセンターの使命、役割とは


今、私の中には「あの時どうして立ち止まってくれなかったのか」という絶望に似た感情がある。「ああやっぱり」と思う気持ちがないわけではなけれど、それよりも絶望のほうが大きい。なぜなら、小さな声に耳を傾けない、「(専門家である)私達がやるから(肩書きのない一患者の)あなたは黙っていて」「患者の声など一切取りあげる必要はない」という姿勢が、これほど深刻な事態を引き起こすとは思わなかったからだ。


先日のフジテレビの報道にあったようなダウン症のお子さんが育つ様子を社会に知らせること、そして番組に出演していらした川鰭市郎先生が続けておられるような活動をするのも、ナショナルセンターの大切な役割ではないのですか?


冒頭で公開したのは私が福島県立大野病院事件の時に、福島地裁に送った手紙の配達記録だ。いつか大きな問題になるだろうと、記録を残しておいたのだ。この時私が手紙に書いた内容だって、本来であれば私がすることではなくナショナルセンターが情報発信すべきことだと思っている。


後編に続く

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