2015/10/13

『新型出生前診断』の問題点について その11 ナショナルセンターの使命、役割とは何なのか 後編

●人権侵害を看過する法務局人権相談窓口


法務局の人権相談窓口の対応にだって問題がある。私がやっとの思いで相談したら「あなたは人権侵害を受けた被害者です」と認めた。しかし「医療機関でおきた被害は、法務局では対応できません。弁護士にお願いしてください」という。それだけならまだしも、「あなたは要望書を書いたり、裁判所に手紙を送ったりできるから、一人でもがんばれる。私達応援しています」という言葉には失望した。


夫がいうように、先進国とよばれる国のナショナルセンターでは、患者と家族を騙すように精神科に誘導するなんてことはしないだろう。まして医師が「私に逆らったから」という理由で患者を精神障害者にするなど言語道断だ。


そもそも、育児支援をきちんと行わず、安易に投薬におきかえること事態、問題なのだ。根本的に何かが間違っているから被害が拡大するのに、隠しきれないほどの被害が表に出てこないと軌道修正ができない仕組みになっているということだ。


ナショナルセンターが患者の人権をないがしろに考えてきたことは大変問題だが、しかし、法務局の対応も大いに疑問を感じている。もしもあの時、せめて法務省が警告を発してくれていたら、と思えてならない。


ただ、その他にも実名でインタビューなどにも応じたけれど、メディアもあまり頼りにならなかった。突き詰めていけば、日本という国に、真の意味で人権擁護の考えが根付いていないことが私は問題だと思っている。


私はセンターに何かして欲しいとか、変わって欲しいとか期待する気持ちはもうない。


そうではなくて、国立公文書館のような場所で記録を残して欲しいと思う。記録を後世に残しておけば、平成という時代に、日本の周産期医療がどのように母子の人権に向き合ってきたのか、歴史が証明してくれると思うからだ。


最期に私が書いた要望書を一部引用する。フジテレビ「みんなのニュース」の新型出生前診断の特集をみて頭が真っ白になったのは、自分が書いて送った要望書や手紙が脳裏に浮かんだからだ。特に以下に引用する要望書だ。


後世の人達が今の私達をみたら、きっとこのように思うだろう。


「いくら科学技術が進歩しても、心や愛情がなければ真に人を救うことにはならないんだね」



国立成育医療センター総長

要望書

周産期医療における心のケアの改善を



5. センター内(限定でもいいので)での育児に関するポジティブな情報の共有するシステムを作ること


私の体調の回復とともに、子どもの発育発達が落ち着いてきたこともあり、というよりも、出生体重から考えるとかなり順調に成長してきたことで、私の気持ちにも余裕がでてまいりました。自分を振り返ってみますと、超低出生体重児を生んでしまった責任と将来の不安が心を押しつぶしていたことが分かります。とくに、子どもがどう成長していくかについては良い情報が少なく、発育遅滞や発達障害ばかり気にすることになりました。良い状態の子がいることが分かれば、少しでも希望が持てるのにと考えていました。


もちろん、個別には違う状態であることは理解できます。良い情報ばかりが勝手に大きくなっていく危険性も理解しています。しかし、夢のようなものであれ、良い症例が分かったら、不安を軽減できる心の支えになるということです。また、お世話になったこの病院に何か恩返しをしたいという気持ちもありました。


平成20年12月8日





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