2015/11/11

その時歴史が動いた『わが会社に非あり ~水俣病と向き合った医師の葛藤~』その8

その時歴史が動いた『わが会社に非あり ~水俣病と向き合った医師の葛藤~』その7 の続き


●水俣病の発見から2年 世間は『チッソ』を疑っていた


水俣病の発見から2 年。患者が増え続けるなか、世間では「原因はチッソの工場排水である」という論調が強くなっていました。


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●魚が売れなくなり、追い詰められていく漁師


水俣で捕れる魚は売れなくなり、多くの患者を出していた漁師達は日々の暮らしにも困っていきます。


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「水俣の魚ではありません 安心してお召し上がり下さい」


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「アジ(唐津産)」


チッソ付属病院の細川のもとにも、苦情が寄せられます。漁師の家族からは稼ぎがないため、病院にも診せられなくなると訴えられました。病気に加え、生活苦まで背負う患者家族の想いを受け止めながら、細川はなんとしても、病気の原因を突き止めようと、力を入れていきます。


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●猫を使った動物実験


細川は、原因究明のため、やむを得ず、猫を使った動物実験を行うことを、決断します。水俣湾で捕れた魚介類や、工場排水に混ぜたエサを与え、数ヶ月かけて猫の変化を観察していきました。


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しかし、水俣病の症状は現れません。原因がわからないまま、時が過ぎていきます。


●昭和34年(1959年)7月 熊本大学が水俣病の原因は、『有機水銀』であると発表


昭和34年(1959年)7月、原因究明の糸口が見つかります。地元、熊本大学の発表です。原因は有機水銀。チッソの工場排水に含まれる毒性の強い有機水銀が魚の体内に蓄積し、それを人々が食べることで、病気が引き起こされる、というものです。


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●チッソの反論 「工場排水は無機水銀」


しかし、これに対して、チッソは反論します。「医学のほうでは、魚介の体内にある、ある種の有機水銀が原因だといっておられますが、私どもの工場から出るのは、無機水銀です」


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確かにチッソでは、ビニール製品をつくる際につかっているのは毒性の弱い、無機水銀です。毒性の強い有機水銀ではありません。


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●細川の決断 「真実を確認できるのはチッソの内部にいる、自分だけ」


真実はどこにあるのか。それを確認できるのは、チッソの内部にいる、自分しかいないと細川は一人で行動をはじめます。細川は覚悟を決めていました。若い医者や部下に迷惑をかけてはいけない。会社の敵になるかもしれないから。


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続く


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