2015/11/13

その時歴史が動いた『わが会社に非あり ~水俣病と向き合った医師の葛藤~』その9

その時歴史が動いた『わが会社に非あり ~水俣病と向き合った医師の葛藤~』その8 の続き


●猫400号実験


細川は工場の退職者から、無機水銀を使用している工程を密かに聞き出し、他の工程と混ざる前の廃液を手にいれました。


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細川は、実験開始から400匹目の猫、通称『猫400号』に与え、様子を観察していきます。


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●昭和34 年10月7 日 工場廃液を与えた猫が水俣病を発病


昭和34 年10月7 日、実験をはじめて77日目朝、猫400 号は痙攣を起こし始めました。


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痙攣する猫


やがて、瞳孔が開き、身体を震わせながら同じ動作を繰り返します。その症状は水俣病と同じものでした。


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『細川ノート』の「発病」という文字


細川は、行程の中で何らかの理由で、無機水銀が有機水銀に変化し、それが、水俣病を起こしていると確信しました。細川はこの結果を技術部に伝えます。


●『猫400号』実験の結果を公表せず、実験禁止に追い込むチッソ


しかし技術部の幹部はたった一例では判断できないと細川の報告を否定します。そして細川はこれ以上の実験の禁止に追い込まれていきます。


「工場排水に有機水銀が含まれている」この事実を独断で公表すべきか、細川は悩みます。


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●細川の苦悩 「事実を公表すれば、人々の暮らしが成り立たなくなる」


工場排水の海への停止や補償を求める人々の声は日々高まりをみせていました。一方この頃、チッソはビニール製品の需要増加に伴い、過去最高の収益を上げ、水俣市を支え続けていました。


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原因を公表すれば、工場は止まる。


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それは即ち、チッソに頼る、水俣市の人々の暮らしが成りたたなくなることを意味していました。細川の気持ちは揺れ動きます。


続く


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