2014/01/24

ソーシャルワーカーのまる子さん

AERA 2007年の広告が手元にある。AERA だけではない。息子が幼い頃、このような見出しが溢れていたように思う。「光とともに…」という自閉症の男の子のドラマもあったなぁ。あの頃は「発達障害」キャンペーンが展開されていたんだろうか。

AERA 2007年11月26日
増大号

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1歳半検診がこわい母親
「言葉遅い、他の子よりぐずりがち、
指さしできないわが子」に「もしかして・・・」
05に整備されたが、自治体まかせの検診
「早期発見」されても療育体制はなく、不安にさらされるだけ
密室育児を追い詰めるネガティブな情報



ある勉強会でたまたま知り合ったソーシャルワーカーのまる子さんがブログを書いている。

ソーシャルワーカー現場へ行く
この国の福祉を、医療を、社会を、とことん疑う。激アツPSWの発信ブログ


はじめてあった時、まる子さんは泣きそうになりながら、受け持ちの利用者さんが「突然死」してしまったことを私に話してくれた。どうしてそんなことが起きるのかーーーー


今の福祉は精神医療に簡単につなげてしまうからだ。本来あるべき適切な支援がないために、薬に置き換わることが少なくない。だから、つなげられた方は簡単に薬漬けになってしまうそうだ。亡くなった方も大量の薬を処方されていたという。精神薬には依存性がある。そのため、「薬がなくなったらどうしよう」という不安から押し入れにごっそりため込んでいる方もいると教えてくれた。


聞いていてため息がでちゃったけれど、その話をすぐに理解できる自分が恐くなる。


この前夫が元教え子から同様の話を聞いたと私に教えてくれた。彼の働く福祉の現場は、対応する市の職員も少ないから、子ども達を施設に送り込むしかないらしい。育てられない親が増えたんだろうか。


その市が抱える支援が必要な子ども達の人数を聞いて驚いてしまった。でも施設だって人手不足だから、結局薬漬けになってしまうそうだ。親の愛情が一番必要な時なのに、薬に置き換えていいはずがない。


超低出生体重児の育児にも同様の構造がある。もともと育児に悩みはつきものだが、超低出生体重児には育児書など通用しない。いくつかの相談窓口はあるものの上手く機能しているとはいい難い。相談されてもわからないことが多いからだ。


わからないなら、「一緒に解決していきましょう」と当事者の意見を取り入れてくれればいいものを、柔軟さがないのだ。特に病院の発達検診。育てるのは親なのに発達検診医が母親のこころを折ってどうするの、と不満に思ってきた。


私は発達検診に行くのをやめ、そのかわりに集団保育をしてくれるNPOを探し出した。子供は子供同士で成長するものだからだ。要望書を書いたり、資料をつくって先生に理解も求めてきた。私には子供に「診断名」をつけてもらうとか、「薬」を処方してもらうという選択はなかった。ちょっとばかり追いつくのに時間がかかるだけだから。


でも子供の発達に悩んできた友達が私に言っていた。「お母さんが診断名を求める気持ちがよくわかるよ」と。「お母さんのせいじゃなくて、この子が●●だからですよ」と言われると安心するそうだ。「障害名をつけたり、心理がどうのというよりも、お母さんの心が折れないようにすればいいんだよ」と言っていた。その通りだと思った。


そういう当たり前のことがなぜか進んでいかない。


ある新生児科医と言い合いになったことがある。その先生は超低出生体重児の母親が悩んでいると、病院にある心理センターを紹介するそうだ。サクラさんもどうですかと言いたそうだった。だから私は子どもの発達の遅れは「障害」とは違うと言ったのだ。「確かにいろいろな診断名がつくんだけれど、超低出生体重児の発達は、サクラさんがいうように障害とは違うんじゃないかと私も思ってきました」と言う。


だったら支援を見直さないと。「超低出生体重児には待つ時間も必要です」と社会に広めることもしていかないと。それをしないで「診断名」・・・?「間違った『 診断名』を根拠に投薬されたらどうするんですか」そう言うとその先生は「こちらも人手不足で疲れているから、誰でもいいから託したくなるんです・・・」と言う。


正直な先生だけど、「ちょっと待って!」と思ってしまった。


夫はアスペルガーの教え子を熱心に指導していた。「『 僕はアスペルガーなんです 』って紹介してくれたんだよ」と嬉しそうに教えてくれたことがある。夫はもともと障害のある子供の教育に関心があった。結婚前から私にいつも言っていた。「障害だからと簡単に諦めてはいけない。その子を理解し、教え方を工夫すれば大きく成長するから」と。


子供にとって大切なのは、決して見捨てず力を引き出してくれる教育じゃないのかな。どうして現場の先生の声は尊重されないの?あいまいな「診断名」に翻弄されるのは現場の教員なのに、という不満がふつふつとわいた。


ちなみに息子は最近勉強が追いついてきた。低学年の頃は私の努力もあるが、今は先生方の指導のたまものだと思う。あの発達検診医のアドバイスはほとんど役に立たなかったことになる。


私は医療関係者にも言いたい。「お母さん、がんばらなくていいですよ」ってどういうことなんですか。超低出生体重児の母親はがんばらないと子どもが生きていけないのだ。発達の遅い子どもを育てるには現場の先生にどれだけ理解してもらうかにもかかっている。親を孤立させないことは大切だが、教員と良い関係を結ぶことだって必要なんだよ。背中を押すことも大切だよ。


医療が高度化し、これまでだったら助からない子どもが救命されるようになっている。


公教育は今後、そういう子ども達をどうやって支えるのだろうか。
またアレルギー死亡事故のような悲しい事故が起きないだろうか。私は学校の先生にも、本当はどんな形でもいいから情報発信をして欲しい。そうじゃないと翻弄されるのは「子ども」だと思うから。


ところでまる子さんのブログを読んでいるうちに、気づいた。まる子さんはなんとなく私と似ているかも・・・。亡くなった方のために活動をはじめたのも同じだし。そういったら怒るかしら?一部引用させていただいた。


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ソーシャルワーカー現場へ行く
この国の福祉を、医療を、社会を、とことん疑う。激アツPSWの発信ブログ

決意のブログ、はじめました


私は。 この国の精神科医療に、福祉に、社会に。言いたいことがたくさんあります。 今の事業所で、必死に動いても、焼け石に水だーーーと感じてしまう。 少ない補助金、人員、24時間体制でもない。

でも、こころが折れてしまった人、人とうまく関係を作れない人、未治療のままに なっている人。孤独な生活を送っている人。

あとからあとから相談に来るじゃないか。電話がかかってくるじゃないか。 困っている人がたくさんいる。相談につながらない人はもっとたくさんいる。 私たちだけで、事業所だけで頑張っても追いつかない。 これは、医療や福祉を含めた、社会全体のことなんだ。

だから、発信します。


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