2015/12/25

下町ロケット『コアハート』と『エバハート事件』 その2


下町ロケット『コアハート』と『エバハート事件』 その1 の続き


下町ロケットをみていて、びっくりしたことがもう一つあった。佃製作所社長の佃公平と、サヤマ製作所社長の椎名直之がデータ偽装を巡って言い合いになるところだ。


私がブログに書き続けてきたことを、ドラマの主人公の佃公平が言っているみたいでびっくりしたのだ。私が問題にしているのは、データ偽装とかワクチン云々ではなく、命に対する考え方だ。面白いから二人の台詞をブログに残しておこう。もしかしたら、私達のネット上の論争にも目を通して、本やドラマができたのかしら?


もっとも私はずるい。自分に文才がないことがわかっているから、ジャーナリストの斎藤貴男さんに代弁していただいちゃった。より安全に、より確実なものへを変えていくのは、亡くなった方の涙の数でもあるんだと私も思う。


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斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン事件』が発売されました その3  ワクチンと新自由主義


子宮頸がんワクチン事件 斎藤貴男 第六章 ワクチン・ビジネスの世界 より引用


『ニュー・イングランド医学雑誌』の元編集長のマーシャ・エンジェル氏にとっても、レーガン以降のグローバリゼーションーーーグローバル巨大資本の利益を絶対不可侵の価値とみなす新自由主義の猛威と、これに伴うパラダイム・シフト(支配的規範の革命的変容)は嘆かわしく映っていたらしい。


WHOの「予防接種拡大計画」も、ずいぶんと変質してきたのではないか。「一パーセントの人びとが九九パーセントの人間を支配している」といわれるグローバル・ビジネスの時代と、経済合理性を掲げつつ、道徳律までも自家薬籠中のものにしてしまう功利主義とはあまりにも相性がいい。


そう言えば、功利主義のイロハをわかりやすく解説した案内書には、マイケル・サンデル教授が例に挙げていた路面電車などの事例とともに、こんな問答も紹介されていた。「あなたの父親と、『ハリー・ポッター』の作家J・K・ローリングスさんが火事場にいる。どちらかしか助け出せないとしたら、あなたはどちらをえらびますか?」


この場合は当然、「ローリングスさん」と答えなければならない。彼女のほうが社会全体の利益に寄与すると判断できるためだ(児玉聡『功利主義入門』より)。


功利主義における「最大多数の最大幸福」に利益の分配という発想はなく、もっぱら総和された利益の最大化のみを重んじているからである。


だからこそ、GSKも、MSDも、この国のワクチン市場に参入してきた。本章の冒頭でとりあげた神奈川県予防接種研究会も、その受け皿としての機能を帯びていくのかもしれない。



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放送分下町ロケット 第10話 TBS FREE オンデマンド 配信期間:2015年12月27日(日)20時59分まで


サヤマ製作所社長 椎名直之

「よくいらっしゃいました佃さん」


佃製作所社長 佃航平

「今日は届け物があってきました」


椎名

「届け物?」




「( 医療ジャーナリストの)咲間さんからあなたに渡すようにと」(週刊ポストをカバンから取り出す)


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続く


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