2016/02/04

NHKクローズアップ現代 『“副作用”がわからない? ~信頼できるワクチン行政とは~』 その1


●『“副作用”がわからない? ~信頼できるワクチン行政とは~』と疫学調査


いつものように、NHKクローズアップ現代 『“副作用”がわからない? ~信頼できるワクチン行政とは~』を文字におこし記録しておこう。ちなみに、NHKの公式サイトにも掲載されているけれど、コピーペーストせず、録画した放送をみながら自分で字におこした。


この特集がよかったと思った理由は、未知のリスクを広くすくい上げよう、という姿勢が感じられたからだ。


私は2014年2月24日に行われた、薬害オンブズパーソン会議の記者会見の内容について感想を書いたことがある。日本の小児医療には、疫学調査を行うという発想がない、ということに驚いたからだ。


薬害オンブズパースン会議の記者会見を見て考える 日本の小児医療に足りないもの


考えてみれば、超低出生体重児の支援が不足しているのも、アレルギーのお子さんが給食で亡くなっていったのも、小児がんを克服した患者さんが、晩期合併症で追い詰められて自ら命を絶ったのも、構造的には同じだと思う。


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NHKクローズアップ現代 小児がん 新たなリスク 2011年1月31日 

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晩期合併症に苦しんで自ら命を絶った患者さん

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●私と水俣病


さらに歴史を遡れば、水俣病にも行くつくだろうか。私と水俣病とは、関係があるので「その時歴史が動いた」の水俣病の特集も記録してある。


【私と水俣病について】
次の時代 コンクリートから人へ(国立公文書館 平成26年春の特別展 高度成長の時代へ)


【その時歴史が動いたの水俣病の記録はこちらから】
その時歴史が動いた『わが会社に非あり ~水俣病と向き合った医師の葛藤~』その2


私が考える水俣病の教訓とは、疫学調査の重要性だった。


こちらは水俣病を発見した細川一医師が聞き取り調査を記録した『細川ノート』。細川医師は、仕事を終えた夕方から夜中の12時過ぎまで、毎日、水俣病の原因を探るために聞き取り調査を行った。内科、小児科の医師と患者の出た地域を一軒一軒まわり、話を聞きたという。


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●水俣病 患者の多くは漁師 海のそばに住んでいた


細川医師らの調査で明らかになったのは、患者の多くが漁業を生業としているか、または海のそばに住んでいるということだった。


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汚染された魚を食べることで、水俣病を発生させているのではないか。そして海を汚染しているのは、もしや工場排水ではないのかーーーー細川医師は調査を行っていくうちに、そう思うようになっていく。


しかし、原因を特定するためには、長い年月が必要だった。


こちらが、有名な『猫400号実験』の記録。細川医師は密かに手に入れた工場廃液を猫に与え実験を開始する。水俣病の原因が、チッソの工場廃液にあることを証明するためだ。昭和34 年10月7 日、実験をはじめて77日目朝、猫400 号は痙攣を起こし始めた。


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痙攣する猫


やがて猫は身体を震わせながら同じ動作を繰り返す。その症状は水俣病と同じだった。


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『細川ノート』の「発病」という文字


先日のクローズアップ現代をみて思ったのは、日本という国は、どうして歴史から学ぼうとしなかったのだろう、ということだった。水俣病は昭和31年(1956年)4月21日にはじめて報告される。しかし、第一次水俣病訴訟で、患者側が勝訴したのは、昭和48(1973年)3月20日だった。水俣病を特集した「その時歴史が動いた」と、『“副作用”がわからない? ~信頼できるワクチン行政とは~』 が投げかけたテーマが似ていると思うのは、私だけだろうか・・・。


ワクチンに副作用はつきものだと簡単にいうけれど、被害が認定され救済されるまでには、気の遠くなるような時間がかかるのだ。


続く



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