2016/02/08

NHKクローズアップ現代 『“副作用”がわからない? ~信頼できるワクチン行政とは~』 その6


NHKクローズアップ現代 『“副作用”がわからない? ~信頼できるワクチン行政とは~』 その5 の続き


●追跡調査 追跡できたのは副作用を訴えた方々の6分の1にとどまった


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国谷裕子キャスター

今夜は国立感染症研究所で国内外の副作用報告制度について調査を行った経験をお持ちで現在は公立病院機構 三重病院の医師でいらっしゃいます谷口清州さんと取材に当たって下さった、科学文化部の稲垣(雄也)記者とともにお伝えいたします。


まず谷口さん、接種を再開するかどうか、判断をしたいと思って行った追跡調査、追跡できたのは副作用を訴えた方々の六分の一にとどまった。結果がなぜこのようになったと思いますか?


●谷口清州医師 「医師が報告しなければ報告できない。 接種者の履歴を管理できるシステムが日本にはない」


谷口 清州 公立病院機構三重病院臨床研究部長

まず、副作用報告が医師の判断に委ねられているわけですよね。実際に被接種者が副反応だと思っても、これだけ報告されない。ただ、非常に多彩な症状が出れば、医師が判断するのは非常に難しいことは明らかですよね。しかもまた、ワクチン接種者の履歴をキチッと管理できるシステムが日本にはございませんので、それによって漏れも出てくると、そういう状況になっていると思います。


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国谷キャスター

あの、日本では誰がどこでワクチンを受けたかということは、記録としてはあるんですか?


●市町村単位では予防接種台帳あるが、国レベルではデータベースがない


谷口医師

はい。市町村単位で予防接種台帳というもので管理されていますが、それが国レベルとしてデータベースとして管理ができていないということですね。


国谷キャスター

ですから不明となった方も多い。市町村にデータベースがあるのであれば、ずっと追跡はできないわけですか?


谷口医師

少なくとも市町村単位ではできると思うのですが、ただ引っ越してしまえば、なかなかわからなくなったり、つながらなくなったり、そういうことは起こりえますよね。


国谷キャスター

そうしますと、今の状況はメリットとデメリットとを天秤にかけようとしても、情報が全然ないと、そういう状況ですよね。


谷口医師

はい。


国谷キャスター

で、稲垣さん酒井さんは、私たちはワクチンが危険だと言いたいのではないと言われていました。今、どんな思いで、何を訴えたいのかと思っていらっしゃるんですか?


●被害を訴える人たちの訴え 「私たちの実情を国にきちんと把握して欲しい」


稲垣記者

彼女達が訴えているのは、一言でいうと、自分達の実情をきちんと国に把握して欲しいということに尽きると思います。酒井さんも病院で症状を訴えた時に、気持ちの問題ではないかと、言われて、ワクチンとの関連について十分に話をきいてもらえなかったということなんですけれども、この問題を話し合う国の部会でも、症状を訴える人達の話をきく機会というのはありませんので、自分達抜きで話が進んでいるということに、強い不信感を持っているのではないかと思います。


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国谷キャスター

積極的接種の勧奨が中止されてから2年半、日本産科婦人科学会では子宮頸がんを予防できるというこのワクチンを勧めて欲しいという声もあがっているわけですよね。これだけ時間が経った中で、どうやってこの先、判断をしていくのか。国は何をしようとしていますか?


●国が検討している新しい調査 接種者と非接種者では「歩行障害」や「学習障害」の発生頻度に違いが出るかを調べる


稲垣記者

国は新しい調査をすることを決めていまして、今、副作用ではないかといわれているのは前身の痛みですとか、歩行障害、それから学習障害といった症状なんですけれども、これらについてワクチンを接種したグループと、接種していないグループと2つのグループをつくって、それぞれどのくらいそうした症状が出るかを比べようとしています。


この2つのグループの違いはワクチンを接種していたか、していないかですので、その2つで発生頻度に違いが出てこないか、出てくれば、これはワクチンの接種が症状につながっているかどうか考える重要なデータになります。


国はこの調査結果を早ければ、秋頃にまとめたいとしています。


国谷キャスター

ワクチンの信頼回復につながるデータになると思われますか?


谷口医師

少なくとも、現時点ではやはり、ベースラインというワクチンで打ってない方で出る症状の頻度と、ワクチンを打った方で出る症状の頻度と、これを比較する以外に方法はありませんし、また、それが出てくれば、実際のエビデンスになっていくと思います。


国谷キャスター

科学文化部の稲垣記者でした。今、お聞きのように、ワクチンを使用する上で、避けられない副作用の問題ですけれども、市民の信頼をどうやって回復していくのか、ワクチン接種を国家事業と位置づけて仕組み作りを行っているアメリカの事例をご覧下さい。


続く

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