2016/03/07

医療情報誌『集中』出版の不思議 その5 『国立がん研究センターの研究費プール問題』なぜ一人だけ刑事告発したのか?



●国立がん研究センターは『業務上横領容疑』をどうやって立証したのか


私は、国立がん研究センターの研究費プール問題の真相は、報道されていることとはちょっと違うと思っている。国立がん研究センターはなぜ、一人の医師だけを、業務上横領容疑で刑事告発したのだろう?仮に内部告発だとしても不自然だ。


例えば2013年2月26日の読売新聞には「09年1月~11年5月にかけて、少なくとも578万円を私物のエアコンやテレビなど62点の代金に充てていた」とかなり具体的な情報が掲載されていたからだ。


今はちょうど3月で確定申告の時期。私は確定申告のために、税務署に提出する書類を作成しながらふと考えた。業務上横領容疑だと告発するには、金銭の授受があったと立証しなければならない。だから、確定申告と同じように領収書などが必要になるはずだ。国立がん研究センターはいったい、どうやって手に入れたのだろう?


ずっと不思議に思っていたけれど、削除されたおおよその時期がわかると面白い。そうか、こうやってつながっていくのかもしれない。


●山形大学医学部長だった嘉山孝正氏が理事長に就任したのは、なぜなのか


国立がん研究センターは2009年、民主党に政権交代した時に、仙谷由人・行政刷新担当大臣が改革に乗り出した。山形大学医学部長だった嘉山孝正氏が理事長に就任したりと、いろいろとあった・・・。私が東京大学医科学研究所で行われたシンポジウムに、はじめて登壇したのも政権交代後の2009年11月。会場はあふれんばかりの人だった。「どうしてこんなに人が多いんだろう?」とふと横をみると、すぐ隣に、仙谷氏がすわっていらしてびっくりした・・・。


だから『集中』に掲載されたこの三つの記事も、恐らく、あの方が情報提供しているんだろうなぁと私にはわかる。


NC独法化で露見した政治主導の可能性と限界㊤ 集中 2010年4月

NC独法化で露見した政治主導の可能性と限界㊦ 集中 2010年5月

国立がん研究センター理事長交代の真相 集中 2012年2月


●鍵を握るのは「日本に『サルコーマセンターを設立する会』」(JSCP)か


そう。私は、『集中』に掲載された、不思議な記事を追ううちにあることに気づいた。一人だけ刑事告発された医師は「日本に『サルコーマセンターを設立する会』」(JSCP)に所属していたのだ。この『サルコーマセンターを設立する会』がなぜ鍵になるかというと、会の名誉顧問はあの『子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会』の発起人で共同代表をしていらした方だから・・・。


◆  ◆  ◆

日本に「サルコーマセンターを設立する会」(JSCP) 役員
http://www.japan-scp.net/yak.html



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◆  ◆  ◆


削除された記事の後半部分も興味深い。刑事告発される前には、上司が依願退職に追い込まれていたそうだ。今、改めて削除された記事を読むと当時の異常さがわかる。これではまるで『改革』という名の権力闘争のようだ。


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研究公正: 「国立がん研究センター」研究費プール問題の深淵 


 牧本氏を引き上げたのは高上洋一氏(現聖路加国際病院教育・研究センター研究管理部部長)だといわれている。高上氏は徳島大学医学部の医局で牧本氏の先輩に当たる。この高上氏を抜擢したのが総長として国がんに君臨した垣添忠生氏だ。

(略)

患者への説明は後回し

実績に乏しい牧本氏が研究費に事欠かなかったのは、「政治的」な後見役、しかも相当に有力な人物を抱えていたからだ。垣添氏である。

 09年の政権交代直後、仙谷由人・行政刷新担当相は自らのライフワークと思い定めるナショナルセンター改革に乗り出す。国がんはまさに頂門の一針。嘉山氏の人事もその一環だった。仙谷氏は垣添・廣橋両氏をはじめ、歴代総長が温存してきた風土や文化の一掃を企図する。
「牧本氏の師である高上氏は依願退職しました。垣添氏に抜擢された『経歴』が問題視された。垣添色の排除が狙いです」(国がん関係者)
 牧本氏は10年以降、科研費を獲得できていない。仙谷氏と嘉山氏の手による改革の進展で垣添氏の影響力が著しく低下した時期に重なる。



◆  ◆  ◆


時間がたった今だからこそ、わかることがある。私は、子宮頸がんワクチンのロビー活動に目を奪われて今まで気づかなかった。この頃、様々な患者会がメディアで盛んに取り上げられたのは、政治的な駆け引き、権力闘争の一貫だったのかもしれない。


●削除された記事と削除されていない記事の違い 高上洋一氏に関する記述か


ところで『集中』の記事には署名がない。「牧本敦」でGoogle検索すると、署名入りの記事もいくつか出てくる。それでは削除された記事と、されていない記事との違いはどこだろう?


「垣添色の排除のために依願退職した」という医師に関する記述だ。削除された記事には、1997年に垣添氏が抜擢したという、高上洋一氏(現聖路加国際病院教育・研究センター研究管理部部長)の実名が記載されている。


高上氏の経歴を調べてみると、国立がんセンターに幹細胞療法室を設立するために、抜擢されたようだ。『幹細胞療法室』というと、私は白血病や血液内科を思い出す。血液内科といえば・・・シンポジウムの主催しておられた医師が血液内科医だということは、単なる偶然なんだろうか。


いずれにしても、国立がん研究センターが、一人の医師だけを、なぜ業務上横領容疑で刑事告発したのかーーーーーーーそのヒントは、やはり削除された『集中』の記事にありそうだ。


続く



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