2016/03/08

医療情報誌『集中』出版の不思議 その6 『経産省のバイオ開発の研究会』に参加した・・・ 


●2009年11月17日に受信したメール


私がかつて関わっていた『周産期医療の崩壊をくい止める会』と子宮頸がんワクチンのロビー活動とが、リンクしているんじゃないかと思ったのは、受信したメールを整理していた時だった。ジャーナリスト斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン問題を追う』という短期集中連載がWebに公開された2014年だった。記事を読んだ時に、もしかしたら二つは関連があるんじゃないかと思い、ある受信ボックスの中に保存された大量のメールを、一つ一つチェックした。その受信ボックスの送信者は『周産期医療の崩壊をくい止める会』で一緒に活動していた医師だったーーーーーーー


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送信日時 : 2009年11月17日火曜日 0:54

今日経産省の、バイオ開発の研究会に、●先生の「随行者」で出てきました。
産業を育てるには、ということで産官学が集まって知恵を絞ろう、的な会でした。



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メールの送信者は、恐らくブログにコメントを残した方だろう。自ら『周産期医療の崩壊をくい止める会』の関係者と名乗っているくらいだから。あの頃の私は『友人』だと信じていたから、メールを『友人』に分類していた。


●経済産業省のバイオ課とグラクソ・スミスクライン社の関係


メールに書かれている『経産省のバイオ開発の研究会』に注目して、集英社インターナショナルのWebサイトに掲載された、ジャーナリスト、斎藤貴男さんの『子宮頸がんワクチン問題を追う』を読んでいただきたい。今、社会問題化している子宮頸がんワクチンのロビー活動には、この『経産省のバイオ開発の研究会』が深く関与しているのだ。


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『子宮頸がんワクチン問題を追う』 HPVワクチンの起爆剤にしよう 2014年9月16日 


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関係筋の話を総合すると、「ワクチン予防議連」には仕掛け人がいたという。「新日本パブリック・アフェアーズ(株)」(以下、新日本PA)社長の小原泰氏(1963~)。民間企業などを顧客とし、立法に影響を与える目的で政治家や官僚、マスメディアなどに働きかけることを業務とする、いわゆるロビイストだ。

(略)

特定の案件に関しては表面に出てこない人物なので周辺を取材すると、新日本PAはすでに2006、7年頃、GSKとの間でロビイングの委託契約を締結していたことがわかった。HPVワクチンに定期接種への道が開かれたのは民主党政権の時代だが、それはたまたまそのようなタイミングに当たっただけで、種は以前の自公政権下で小原氏らによって撒かれていたという。

(略)

GSKに近い関係者に聞いた。


「新日本PAがHPVワクチンのロビイングを始めたのは、経済産業省のバイオ課が示唆を与えたからです。もっと言えば、GSKに繋いだのがバイオ課でした」


バイオ課は通称だ。正式には経産省製造産業局生物化学産業課。1989年に新設されたバイオテクノロジー関連事務を統括するセクションで、彼らはMMR薬害事件以降の予防接種行政のありように、産業政策の見地から頭を悩ませていたという。

日本のワクチン業界は確かに閉鎖的だった。競争にさらされていないので時代に対応した再編成も進まず、メーカーの規模も小さい。戦前の体質を色濃く引きずってもいるようだ。


実際、2種類以上のワクチンを製造しているのは2013年8月現在でも「北里第一三共ワクチン(株)」、「武田薬品工業(株)」、「一般財団法人化学及血清療法研究所」(化血研)、「一般財団法人阪大微生物病研究会」(阪大微研)、「デンカ生研(株)」の3社2財団である。武田と第一三共を除けば一般の知名度は極端に低いのではないか。しかも北里第一三共ワクチンの場合、2011年に合弁事業となる以前は、“日本の細菌学の父”こと北里柴三郎氏が1914年に設立した北里研究所の1部門だった。


関係者が続けた。


「だから、市場をオープンにして、外国産のワクチンが入ってくれば、外資と国内メーカーの提携も進んでいくだろう。メガファーマのノウハウを吸収できれば、これから拡大していくに違いないアジアのマーケットにも展開していけるはずだと、バイオ課は考えたわけですね。HPVワクチンをその起爆剤にしよう、と」


狙いは現実にも果たされつつあるらしい。とりわけ日本市場に熱心なのはGSKで、この間には化血研との共同開発契約を結んでいる。第一三共と50:50の合弁で設立した「ジャパンワクチン」が北里第一三共の製造したワクチンとともにHPVワクチン「サーバリックス」の営業を手掛ける、という関係も生まれた。



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私はこの記事を読んで愕然としたが、一方で「やっぱりな」と思う気持ちがなきにしもあらず。それまでずっと得体の知れない大きな力が動いているような気がしてならなかったから。


しかし当時、いくらメールの送り主に疑問をぶつけても、「あなた自身に問題がある」「あなたの興味は地道なことにはない」と逆に非難され、話にならない。


だから私は斎藤さんと集英社には感謝している。純粋な草の根運動などではなく、『新日本パブリックアフェアーズ』『グラクソ・スミスクライン』そして『経産省のバイオ課』が活動していたんだと社会にきちんと伝えてくれたから!


●メールの内容と、経済産業省 製造産業局 バイオ・イノベーション研究会の報告書の内容が一致する


メールに書かれている日付を頼りに、経産省の記録をあたる。メールは深夜12時をまわって送信されたから「今日」というのは実際には前日の2009年(平成21年)11月16日だ。


すると、該当する会議の記録をみつけた。これが『友人』だと信じていた人達の真の姿だった。


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バイオ・イノベーション研究会 報告書 平成26年 経済産業省 製造産業局
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004631/report02.pdf



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続く


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