2014/01/23

女性を怒らせると恐い 

数年前ずっとお世話になってきた老舗の山用品店が店をたたんだ。夫ががっかりしていた。手堅く商売をしてきたからどうしてなのか理由を尋ねたら「女性客をあなどっていたから」だそうだ。「うちの店は流行に飛びつくような女性のお客さんにきてもらわなくてもいい」そういう気持ちがあったそうだ。



女性のこころをつかむマーケティング女性のこころをつかむマーケティング
(2010/06/29)
ブリジット・ブレナン

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妹も登山が好きだが、「女性だから」が通用しないほど一生懸命だ。低酸素室に行ってトレーニングをするし、ちゃんとお金を出して道具をそろえる。年末にはあの有名な三浦雄一郎さんの会社の忘年会にも潜り込んでいた。三浦さんと一緒にとった写真を見せてもらった。お元気そうでなにより。妹の熱心さには、長年野外に関わってきた夫もびっくりしている。でも妹だけじゃないのだ。今の女性の登山ブームは「ブーム」では片付けられない真剣さがあるのだ。


「マーケティングは女性の心をつかみ損なうと恐いんだな」と夫がしみじみ言っていた。


子宮頸がん予防ワクチン」の問題はマーケティングを大失敗するとどうなるか、の見本だと思う。先日の報道に納得する人はどれほどいるだろうか?


これが被害者のおかれた厳しい現実。

https://twitter.com/toshi2133/status/420445982430470144/photo/1

子宮頸がんワクチン接種後に副反応被害者はいつ、どこで倒れるのかわからないので、こうやって首からカードをぶら下げているのです。このカードの中には、自分の名前・住所・電話番号などを記載しています。群馬では突然歩道に倒れてひかれた女子生徒も

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https://twitter.com/iaia015/status/407175339069042689/photo/1

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子宮頸がんワクチン副作用は「痛みに心身反応」(2014年1月21日08時02分 読売新聞)

子宮頸けいがんワクチンの接種後に体の痛みなどの重い副作用が生じている問題で、厚生労働省の有識者検討会は20日、こうした副作用は「接種による痛みや不安に対する心身の反応が引き起こしたもの」との見解をまとめた。

 現在、接種を積極的に勧めることを一時的に中止しているが、2月に開催予定の次回の検討会で最終的に安全性を確認した上で、再開の判断が出される可能性が出てきた。

 この日の検討会では、これまでの議論を踏まえ、接種後に起こる痛みなどの原因について話し合われた。その結果、患者の症状などから、ワクチンの薬液が神経の異常や中毒、免疫反応を引き起こしていると説明するのは難しいとの見解で一致した。

 また、医学的に局所の痛みは通常2週間以内に治まるとし、接種後、1か月以上たってから発症している場合は、接種との因果関係を認めるのは困難とした。接種後に起こった症状が3か月以上続く場合、その原因として、接種以外のほかの要因の関与も考えられると結論づけた。



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積極的勧奨再開には慎重な意見もあるのに、なぜかほとんど報道されない。


 1月20日の信濃毎日新聞

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信濃毎日には厚労省研究班代表の池田修一信州大教授のコメントが紹介されている。「子宮頸がんワクチンの検討委員会」の結果を受けて「心理的、社会的な要因だけで全てを説明するのは困難ではないか」とおっしゃっている。ちなみに私のまわりにいる専門家は池田先生と同様慎重な対応を望む方が多い。


そもそもこのワクチンは政治主導で「定期接種化された」という経緯がある。震災直後にさかんに流れたCMにはこんな裏があったのだ。あのCMで「がんにならないワクチン」と誤解した方は多いだろう。


週刊金曜日 2013 年 10 月 4 日 962号


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こちらはユーチューブにアップされた「おはよう寺ちゃん 活動中」という文化放送のラジオ番組。週刊金曜日の編集長が「ロビイスト」や「PR会社」について語っている。

子宮頸がんワクチンの真実!主役はロビイストとPR会社?


二つのグラフを比べてみよう。一つ目はこちら。

「『 ジャパンワクチン株式会社・グラクソ・スミスクライン社』All Women.jp 子宮頸がん情報サイト」で使用されているグラフ

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もう一つは厚労省が公開している別のグラフ。「子宮頸がんは若い世代に増えている」そうだが子宮のがんは一番下。ずいぶん印象が違う。

~地域・職域連携によるがん対策の推進について ~がん検診受診率向上を目指して~
厚生労働省健康局がん対策推進室長 鈴木 健彦



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ある報道関係者の方が「僕はわざと混乱する様子を放送させたんだよ」と教えてくれた。医療者からは「恐怖を煽る」と批判もあるがどうだろう。導入までの不透明なプロモーションの結果、「がんが100%予防でき、リスクもほとんどない夢のようなワクチン」と信じている人達が多いのだ。だから、ショック療法も必要だったんじゃないだろうか。


さて最近妹が言っていた。「知り合いには子宮頸がんで亡くなった人がいるけれど、それとこのワクチンをうつかどうかは別。皆そうじゃない」母も友達同士で集まると「このワクチンはなんだか怪しいよね」という話になるそうだ。母の世代がこのような感想を持つと、このワクチンの啓発は大失敗だったんだろうな、と思う。


校長先生にも被害者の支援が全くはじまらないので話をさせていただいた。有り難いことに校長先生は「私も被害者の女の子達のブログは読んでいたんだけど」とおっしゃって下さった。そうなのだ。被害者の女の子達の苦しむ様子は、やっぱり人ごとじゃなく思えるのだ。私の場合、保護者の方々が同年代ということもあり、「同級生が困っているんだ」とついつい感情移入してしまう。お医者さんの友達も、娘さんがいるとやっぱり人ごとだとは思えないみたい。不安や恐怖を煽るというが、救済がすすまないという厳しい現実がある。少しでも関心を持ってもらうために報道が必要なんじゃないのかな。


私が高校生の頃エイズが社会問題になった。あの頃、医療者も正しい知識を持っていなかったし、マスコミも恐怖を盛んに煽った。特効薬がなかったからだ。その結果「かかると死ぬ恐ろしい病」というイメージが一人歩きし、患者さん達が差別や偏見で苦しんだ。「銭湯でうつってしまう」という噂を信じている人も多かった。


ある時、エイズについて特別講義があった。「正しい知識を身につけ、差別や偏見をなくしましょう」という目的だった。その時思ったのは「エイズに限らず性行為には感染症というリスクがあるんだ」ということだ。たった一度の授業だったのに、あの時の教育は今でも私の中で生き続けている。それを思えば子供を騙すように良いことばかり伝え、ワクチン接種させるのでなく、まずは「性行為による感染症のリスク」をきちんと教えるべきじゃないんだろうか。


学校教育で教えるとしたら、「100%予防できないけれど、今はワクチンもあります。うつかうたないかは、一人一人よく考えてきめましょう」、その程度でいいと思う。


その前に、間違っていたら謝罪し、困っている人がいたら助けるのが大人だと思うけれど。それができない人達が公教育に入ってきたらいいけないよね。


三浦さんは歩く教科書だ。健康に生きるには「運動・栄養・休養」という運動生理学の基本をしっかり守っていくことだと教えているようだ。医学の前には生理学があると思う。どんなに素晴らしい薬剤が登場しても、地道な努力をないがしろにしてはいけないと思う。






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