2016/03/14

『牧本事件』を追う その2 牧本敦医師の講演「すべては小児がんの子ども達のために」③


●2500人しか患者がいないのに、治療施設は200もある 


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実態の三つ目は、ここは福岡なので、東京都と格差はあまりあるとは思っていませんが、日本津々浦々全国を眺めると、2500人しか患者がいないんです。しかし実は、治療をしている施設は200もあるので、年間、数人しかがん患者を診ない病院もあるわけですね。


そうすると、お医者さんのほうも、年間100人診ているお医者さんと、年間一人しか診ていないお医者さんでは、どちらが良いかというと、それは100人診ているお医者さんの方が、なんだかんだで経験があるし、安定して治療が提供できるとは思います。ですから、情報も技術も安定していない状況で進んでいるといえると思います。


それが治療の差となるのかというと、もちろんそういうデータはありませんが、後で述べます、新しいお薬を開発しようという時には、すごく問題になると思います。それをちょっと覚えておいて下さい。


●大人のがんに比べて 治療後の生活をサポートする体制が整っていない


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先ほど、述べてしまいましたけれども、子どもさんというのは発達途上なので、抗がん剤はもちろんがんには効きますけれども、分裂を激しくしている細胞も殺してしまうような作用も持っているんですね。それ故に、多くの障害を抱える方がいらっしゃいます。


そういう方が、病気は治ったけれど、復学をしたいとか、就職をしたい、あるいは結婚をしたという時に、いろいろな問題を抱えます。しかしそれを支えるような社会的資源がないんです。例えば、役場の中に小児がんのサポートセンターがあるということは絶対ないわけです。今のところ、いろいろな問題に対処する体制は整っていないということがいえます。


●大人のがんのサポート 民間企業などが競争することで、支援も充実してきている


一方で、年間60万人も発生する大人のがんは、保険会社のがんサポートの保険とか、そういうものが競争的に発達して、どんどん社会資源というものが作り上げてきている。ですからそういうものを、もっと若い人のがんに適応できるように働きかけていかないといけないかな、と思っています。


続く


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