2016/03/16

『牧本事件』を追う その2 牧本敦医師の講演「すべては小児がんの子ども達のために」⑦


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※今回のお話の内容に関係している、薬の開発をテーマにした、映画『希望のちから』 薬を開発するには、長い時間と莫大なお金がかかります




2013/03/07 に公開
デニーは乳がんの治療にすべてを捧げる医師。彼は、乳がん患者とその家族のためにいろ­いろなものを犠牲にしていた。ある時は家族との団欒、ある時は治療薬開発の資金を得る­ために奔走し、多くの時間を乳がん治療の研究に時間を費やしていた。それはすべて患者­の笑顔のためであった。 (原作 - Living Proof) 2008 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.


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●医薬品の開発には10年から15年、 200億円から300億円のお金がかかる


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医薬品の開発から承認まではですね、段階がありますけれども、一つの薬品を作るのに10年から15年程度の歳月と、200億円から300億円のお金がかかると言われています。もともと実験室からの話なんですけれども、それでも、もしも大人のがんの薬を子どもに承認するだけでも、ここからここまでやらなくてはいけなくて、それでも、数10億から100億ぐらいかかってしまうんですね。まあ、そういうことをやらないといけなんですが、


●子どものドラッグ・ラグ 神経芽腫の場合 生存率の差が約10%


神経芽腫、先ほどの女の子がなった病気ですけれども、お腹の中に大きな腫瘍をつくります。時には、目が腫れてしまうことも、これは眼窩(がんか)という目の周りの転移です。


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すごく全身に転移しやすい、悪い病気なんですが、その病気、神経芽と言われるぐらいですから、神経の元の細胞が癌化していますから、神経に分化させるお薬がまだ未承認です。


生存曲線を見なれない方もいると思いますが、ここで10%ぐらいの生存率の差が出ます。


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もう一つは、別のお薬なんですけれども、がんの表面のタンパク質にくっついて、がんをやっつける『抗体』という、Y字型の物質ですけれども、こういうもののお薬の、製剤への開発が行われていますが、この神経芽腫も、GD2という糖タンパクを持っている、これに対する抗体が開発されています。


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●もしも薬が使えたら ドラッグ・ラグのために再発をしてしまう子どもは、全体の20%以上


そうするとですね、これは先ほどのレチノイン酸というお薬、『レチノイン酸』に『GD2抗体』と『GM-CSF』というお薬と『IL-2』というお薬を3つ使うんですけれども、ぜんぜん使わない時に比べて、これぐらいの差が出てくるんですね。ここは2年間ですけれども、本当に20%いじょうの差が出てくる。


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ところが、日本はまだ未承認なので、今、新聞を賑わせているドラッグ・ラグは子どもにもあって、ドラッグ・ラグのために再発をしてしまう子どもっていうのは、全体の20%以上だと言われています。こういう問題を何とか解決していかないといけない。


続く

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