2016/04/07

週刊文春『カリスマ美人女医』 宋美玄氏の「有名病院留学」詐称疑惑報道を読んで その2

●『周産期医療の崩壊をくい止める会』と 宋美玄氏


私は2006年に、福島県立大野病院産科医逮捕事件で逮捕・起訴された産科医の支援をしていた、『周産期医療の崩壊をくい止める会』に「市民」として参加した。2008年の無罪判決確定後、医療者と市民との溝を埋めるために、いくつかの活動のお手伝いもした。


その『周産期医療の崩壊をくい止める会』が無罪確定後に行った活動の1つが、「いつかお母さんになるあなたへ」という本の出版。当時すでにブロガーとして有名だった宋医師がご自身のブログに綴った文章を、『ロハスメディア』が絵本にしたのだ。

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周産期医療の崩壊をくい止める会 アーカイブ
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いつかお母さんになるあなたへ 妊娠の心得 単行本 – 2009/4/10 Amazon

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「産婦人科医をしていると、女性に正しい知識がないために悩んだり苦しんだりしているのを見て、もどかしい気持ちになることがあります。また、限りある医療資源を有効に活用するために、知っておいてほしいことがあります。」(あとがきより)
川崎医科大講師だった宋美玄医師が、こんな思いから自身のブログに綴った『妊娠の心得11か条』。

福島県立大野病院事件をきっかけに結成された『周産期医療の崩壊をくい止める会』の医師たちが、それを見て共感し世の中に広めようと、佐藤章・福島県立医大教授、海野信也・北里大教授の2人の監修のもと、若干アレンジして「妊娠の心得」をロハス・メディカル誌09年1月号の特集にしました。絵がついてみたら、ブログとは、また違った印象になりました。

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●亡くなった方のための活動なのに、なぜ『医療者』の声ばかり伝えるのか


でも正直なことをいうと、この頃から、会の活動は、何かが違うんじゃないかと考えていた。なぜなら、無罪判決が確定した後には、ご遺族や残されたお子さんのために活動をするときいていたからだ。


どうして医師の声、それも厳密にいえば、本当に現場で奮闘しているとはいえないような医師の声を伝えようとするのだろうーーーー


この頃から現場で働く医師の友人達には「医療崩壊で名を成そうとする人もいるから気をつけたほうがいい」とか「騙されているんじゃないの?」と忠告されるようになった。実は私の知りあいには、周産期医療で働く人が少なくない。いろいろな話を教えてくれるーーーー


●まじめに働く周産期の医師は「セックスで気持ちいい」に怒っているよ!


2010年5月。決定的な出来事があった。宋医師が『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』という本を出版したのだ。


女医が教える 本当に気持ちのいいセックス 単行本(ソフトカバー) – 2010/5/21 宋 美玄 (著) Amazon


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表紙の写真があまりにも生々しくて・・・しばらく本屋に近づけなくなった。多くの産科医がいる中で『周産期医療の崩壊をくい止める会』とロハスメディアは、どうしてこういう本を出版する医師を撰んだのだろう?


しかもこの頃になると「一体どういうつもりなんだよ!『セックスで気持ちいい』なんていう本を出す産科医と活動するなんて、どうかしている!」などとあからさまに非難する人まで現れた。


私は宋医師に一回も会ったことがない。でもそう思われても仕方がないから、そのたびに頭を下げて謝った。


●自分自身への疑問 『私はご遺族を本当に幸せにしているのだろうか?』


それとは別に、私は心を痛めていることがあった。宋医師は歯に衣を着せぬ発言で支持されている。宋医師はメディアに出ては「医療には限界がある。訴えられたら産科医のなり手がなくなる」というような発言を繰り返す。


私が手伝っていた募金に応募して下さるのは、ある日突然ご遺族となった方々だ。愛する家族を失ったショックで、メンタルケアを受けている方も少なくない。たとえご遺族が、「医師に落ち度はない」と思う場合でも、後悔するし悩み苦しむものなのだ。


いくら医療には限界があるといっても1つ1つの命はかけがえのないもの。それに亡くなった原因を1つ、1つ、丁寧にみていかないと、医療側に落ち度や原因がないなど、断定できない。だからいつも思っていた。


医療崩壊を一般論で語るのは、どうかやめて欲しい!


続く

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