2016/04/07

週刊文春『カリスマ美人女医』 宋美玄氏の「有名病院留学」詐称疑惑報道を読んで その3


●『報道特集』に出演したご遺族の苦しみを目の当たりにして


いつしか私は宋医師が出ている本や雑誌を目にすることができなくなった。2009年5月30日に放送された『報道特集』が、募金活動に応募したご遺族を取り上げたことも大きい。


2009年5月30日 TBS 『報道特集』 妻はなぜ死んだ?

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ご遺族は、ネットに書き込まれた医療者の言葉に心を痛めていた。裁判をするか迷っているようだった。「もしも妥当な判決を得られなかったとしたら、僕は人間社会に絶望すると思う。人間に対する信頼を失いたくない。だから当然、人間が作った社会システム(司法)に対する信頼も失いたくない」「(最愛の人を失うと)裁判でなくてもいいから、何かせずにはいられない」とおっしゃっていた。


ご遺族の声にこたえていくのが、募金活動じゃなかったんだろうか。私は今もこうして、録画保存した映像をたまに再生する。募金に応募し、お金を受け取ったために、かえって辛い思いをさせてしまったんじゃないかと思うからだ。


●医師が伝えたいことを伝えられれば、遺族を苦しめてもいいのか


私は報道特集で悩むご遺族を目にしてから、自分がしている支援に疑問を抱くようになっていった。


宋医師の本が書店に並んだ時に、『周産期医療の崩壊をくい止める会』の事務局の女性医師に思わず尋ねた。「遺族のためにはじめた活動なのどうして、『セックスで気持ちいい』という本を出すような医師を応援しないといけないんですか?」と。


しかしその女性医師は「私は宋医師をよく知らない」「医師が言って欲しいことを言ってくれているからいいじゃないか」と言う。あまり深く考えていない様子。


そんな無責任なことがあるのだろうか。私は今もなお不信感で一杯だ。なぜならロハスメディアの『救児の人々』の著者、熊田梨恵氏と宋医師は、女性誌で「宋美玄の命の白熱教室」という対談をしていたから・・・



もともと、『周産期医療の崩壊をくい止める会』の事務局が置かれていたのは東京大学医科学研究所だった。先日『女性セブン』に登場した、今、何かと話題のアインファーマシーズの寄付講座だ。研究室の責任者は上昌広特任教授(当時)。上医師の専門はメディア戦略だから、私が不信を抱くのも無理はないと思う。


あの頃、ずっと思っていた。本当は自分達の活動を広めるために、ジャーナリストや医師を、メディアに売り込みたかったんじゃないんじゃないんですか?「亡くなった方のために」はみせかけでーーーーーー私は言葉にしてはいけないと思いつつ、そういう言葉をグッと飲み込んでいた。


◆  ◆  ◆
「マジメに医療をしていても逮捕されるのか」と産科医減少 2011.09.08 16:00 News ポストセブン

宋:議論が高まったのは「大野病院事件」がひとつのきっかけでした。2004年に福島県立大野病院で妊婦が帝王切開手術中に死亡して、執刀医が業務上過失致死などで逮捕された事件です。妊婦さんはベテランの産婦人科医でも一生の間に1、2回しか遭遇しないといわれるほどの難しい胎盤の病気を抱えてはったうえに、当時病院には産婦人科医師がひとりしかいなかった。患者さんが亡くなってしまったことは、どんな事例であれ本当につらいことですが、「マジメに医療をしていても逮捕されるのか」といって、私の知り合いの産科医も辞めていきました…。


熊田:日本の医療の歴史に残る事件でしたね。被告は4年後に無罪になりましたけど、当初、表面的な報道だけが大きく流れて、「医者が医療事故で患者を殺して捕まった」という間違ったイメージも流布したと思います。


宋:どんなに健康な女性でも、妊娠すれば一定の割合で、予測できない母児死亡などの不幸な出来事が起こる可能性はあるんです。大野病院事件でも、医療者からすれば被告の先生は精一杯の医療をされていたとわかる。どれほど手だてを尽くしても医療に100%の安全・安心はないんですよね。不幸なことが起こるたびに医者が逮捕されたら、誰も医者なんて辞めてしまいます。


※女性セブン2011年9月22日号



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続く

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