2016/05/11

NHK クローズアップ現代 『~小児がん 新たなリスク~』 その5

今夜は元がんセンター総長で国のかん対策を話し合う協議会の会長を務めていらっしゃる垣添忠生さんにお越しいただきました。


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ーーー命を救うために行う治療がもたらす合併症に苦しんで23歳で命を絶った政人さんのケースですけれども、小児がんの合併症、こうやって追い詰められている人々が出る、とうことはあってはならないですよね?


「そうですね。すでに治った方が10万人くらいいるというその経験から、晩期合併症ということがあると最近はっきりわかってきたわけですね。ですから、医療従事者からきちんと、両親に対してあるいは本人に対してそういうことが起こりうると伝えることが、対処の場合も非常に大事です。(いろいろなことが起こってきた時に)情報提供ということをまず第一に考えなくてはいけないと思います」


ーーー具体的に例えば身長が伸びなくなってきた?


「はい、ですからホルモンを補充することによって、それを最小限に食い止めることができるとか、いろいろな手があったかもしれない、という気がします」


ーーーそれにしても、患者一人一人を長期的に見守る体制、体も心も見守る体制が必要だと思えるんですけれども、そういう体制というものはできているんですか?


「はい、必ずしも十分ではないですね。従来の我が国のがん対策というものは数の多いがん、胃がんとか大腸がんとか、肺がんとかを対象にしていわゆる『均てん化』といって、全国どこでも一定レベル以上の診療を受けられるような体制を整備するという形ですすめられてきた。


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そのために医療従事者の数を増やすとか、拠点病院をつくっていくとか、そういうことがすすめられてきたわけですが、必ずしも数の多くない小児がんのなどは、その網の目から若干こぼれた感じがします。ですから、小児がんなどに対しては『均てん化』とは逆に集約化といいますか、専門的な対応をすることが大事ではないかなと思います」


ーーー命を救うために必要な治療を行わなくてはいけない。しかし、子どもが小さい、成長期だけに合併症のことも考えなくてはいけない、となりますと、専門性はより必要となると?


「極めて専門性の高い。現在ですと、全国で200病院くらいに分かれて治療を受けていると、場合によったら一年間に一例とか二例とか対応する病院もあるでしょうけれど、やはりこういう疾患だからこそ、専門病院に集約して、そこできちっと治療し、長期にわたって経過観察をすることが大事だと思います」


ーーーこういう病気のためには、どれくらい抗がん剤を使ったらいいのか。これだけ使うとこういう合併症が出る、やはり経験というものが?


「おっしゃる通りです。経験が豊かであれば非常に微妙なさじ加減ができると。危険を事前に回避できると。可能だと思いますから。たくさん経験している病院できちんと治療を受けることが大事だと思います」


ーーーそういった集約化が立ち遅れていると。今の現状ですね。


●子どもを見守る長期フォロー 動き出した小児がん対策


この晩期合併症について国も課題を認識しはじめていますけれども、一方、一足先に対策が取られているのがイギリスです。イギリスではすでに一人一人の小児がんの経験者を長期にわたってフォローアップし、患者にあった長期的なケアを行っています。


立ち後れた小児がん医療にどう取り組むのか。今月、国ははじめてこの問題を話し合う専門委員会を開きました。医師や患者家族からは、晩期合併症を長期的にケアする体制を早急に作るべきだという意見が相次ぎました。


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「小児がんというのは、一括りでなく乳幼児、学童、それから思春期、成人といったその年齢層にあった対策を講じる必要があるかなと」


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「心理的な支援。あとは経済的な支援は非常に急務だと思っています」


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続く


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